1. トランセンデンス(2014)
《ネタバレ》 まとまりに欠ける感はありますが面白かったです。 人格を持った主体がネットワークに棲むとほとんど神様と同義になるみたいです。キーボード等のインターフェイスを介してネットにアクセスする者との能力差は歴然で、AIの進化がちょっと怖くなったりします。そう思わせただけで本作は目的を達しているようにも思えますが、AIもそれを敵視する体制側もそこそこアホなので恐怖に迫真さが不足しています。勿体なかったです。やたら憎たらしいテロリストの女だけは始末して欲しかったが、AIは誰も傷つけないことで筋を通していました。一人くらいならいいじゃんと思ってしまいました。 自分は「攻殻」に感化されていてAIの魂の存在がとても気になるのですが、本作では既存の人工知能に主人公の人格をアップロードさせることであっさりクリアしているように見えました。そこにホントに魂があったかどうかは特に問題にしていなかったのが残念でしたね。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2016-05-07 02:58:38) |
2. 遠すぎた橋
《ネタバレ》 この映画を劇場で観たのは中学生時代。いずれ連合国軍側の反撃が始まるだろうと期待していたら勝ったのか負けたのか分からないような状態で終わり、とても微妙な見応えを覚えました。オールスターキャストと謳われていましたが、当時の私はショーン・コネリー以外は知りませんでした。 そんな中学生の理解力を差し引いても、親切な映画とは言い難いです。ドイツ占領下のオランダの橋梁を空挺部隊で電撃的に占拠し、地上部隊が街道に沿って順に制圧して行く作戦。空挺部隊の降下地点がばらけているのに、地理的な位置関係の補足なしに戦闘がどんどん進みます。おかげで誰がどこで戦っているのかが分からない。ラストで「遠すぎた」と形容されるアーネムには、アンソニー・ホプキンスとショーン・コネリーが降下するけど、別々の場所で戦闘をしていて、その位置関係さえ分かりません。基礎知識がある欧米人が観る分にはこれで良かったのかも知れませんけど、もう少し分かり易く作って欲しかったです。 とは言え、今回が4回目くらいの鑑賞で、観る度に見どころが増しています。作戦の概容が頭に入った前提で観ると、細かい描写の意味が味わえるからです。例えば、作戦開始前に街道に沿って間延びした戦車や装甲車の縦列をしっかり見せる辺りは「大作」らしい念の入れ様で、かなり正確に作られた映画なのだと思います。 本作のテーマは「酷い作戦」の弊害で、発案者であるモントゴメリー元帥を批判していることは明らかです。空挺隊の降下地点で自宅を接収され、前線基地や野戦病院として使用されるオランダ市民の描写に力を入れています。強引な作戦の被害者です。被害者とは言えないけど、多くの兵士が命を落とします。連合国側は勿論ですが、それに付き合わされる独軍側でも死なずに済んだ人が多いことが意識されました。前線から離れた場所で作戦を立案する人の「命の軽視」は、どこの国でも大差なかったのだと思います。 二次大戦を扱った邦画は現場の悲惨を描いて「反戦」を訴える作品が多いけど、こちらは「作戦の不備・不手際・無謀」を訴えていて、戦争自体を否定していません。そこは戦争に勝った側と負けた側の温度差だと思います。 [映画館(字幕)] 6点(2014-02-07 03:53:08)(良:2票) |
3. トゥー・ブラザーズ
ストーリーはどうってことないんだけど、トラの美しさに目を奪われました。 「美しい」なんて書きながら気付いたのは、人間の美人とは違う評価軸で称賛していること。Cute では無く、Pure & Beautiful な美しさです。いや、子虎は子猫のようにキュートなんですけど。哺乳類最強の美しさ、なんて言葉も浮かびました。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2013-09-24 00:54:12) |
4. トゥームレイダー2
《ネタバレ》 「1」よりはマシな出来映えですが、やはり面白くないですね。ひと通りのメニューを揃えているんだけど、揃い過ぎていて面白味に欠ける印象でした。ゲームの映画化に際して主人公像を特に掘り下げず、「強い女」だけを強調しているために単調になっている。主人公の中身がスカスカです。また、敵がその気になれば殺されてしまう場面が何度もあったことが、その強さも半端なものに見せています。個人的にアンジーが最も魅力的に見えたのは「17歳のカルテ」で、同じツッパリキャラでも本作のように表面的なツッパリだけで持たせるには限界がありますな。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2013-08-26 17:23:39) |
5. トゥームレイダー
この映画の褒められたところはキャスティングだけですね。ゲームから入った自分は、主人公の嵌りっぷり(顔立ちとゲームのままの薄着)にちょっと驚きましたが、お宝さがしのワクワクが感じられないストーリーには失望しました。アクション描写への偏重が安っぽっくて 馴れ合いの敵対関係も性に合いません。 余談。ジェームズ・ボンドになる前のダニエル・クレイグが出ていました。本作にも裸のシーンがありますが、「カジノ・ロワイヤル」より体がひと回り小さい。本作後に随分と鍛えたことが分かりました。ちなみに、ゲームの方はプレステからPS2→PS3と進んで難易度が高くなり、中年の手には負えなくなりました。 [ビデオ(字幕)] 3点(2013-05-05 02:46:24) |
6. ドラキュラ(1992)
《ネタバレ》 ドラキュラを吸血鬼の代名詞では無く、固有名詞として扱った意欲作だと思いますが、観念的な描写が多くてしっくりこない見応えが残りました。 ドラキュラが神に背き復讐を誓う冒頭のシーンが腑に落ちない。奥さんがキリスト教徒ならば自殺を許さないことは充分に理解しているはずなのに、「天国で結ばれることを…」という遺書を残しているところに誤謬を感じます。そして、ドラキュラが逆上したのは教会から「天国で結ばれない」と言われたから。信仰を捨てた報いが不死の呪いと考えることは容易ですが、彼が信仰を捨てた理由はキリスト教徒として逆ギレで、吸血鬼誕生の動機部分に弱さが残ります。「ロミオ&ジュリエット」的な古典の安易な引用に思えました。 また、ウィノナ・ライダーの友人をロンドンで最初のターゲットにしたことに、何か理由があったのでしょうか? この辺りが物語を見えにくくしています。ナレーションが解説する追いかけっこもトーンダウンの原因でしょう。個人的には「ドラキュラ3人娘」がエッチで魅力的でした。彼女たちの活躍、というか暗躍をもっと見たかったです。 絵作りは重厚でゴシックホラーの再生と呼んで良いのでしょうが、頭でっかちな割に納得できる部分が少なく、面白さが伴わない印象でした。 [ビデオ(字幕)] 4点(2013-02-23 12:48:38) |
7. ドラゴン・タトゥーの女
《ネタバレ》 原作は読んでいませんが、オリジナルは観ています。なので、ストーリーや犯人は最初から分かっている。私の見どころは主演の二人、特にリスベットを演じるルーニー・マーラがどこまで行けるかに絞られていました。それほどに、オリジナルのリスベットは鮮烈でした。ルーニー・マーラは頑張っていました。リスベットを演じることには相当の度胸と覚悟が必要で、そこは評価したい。でも、オリジナルに比べて特段に優れているという訳でもなかったというのが正直な感想です。映像への拘りはフィンチャーらしく力があります。しかし、脚本上の変更部分はリスベットを理解しようとするうえで悪い方向へ働いています。虐げられた生い立ち部分にほとんど言及しないので、変態後見人への対応が「異常者」のやり過ぎに見えてしまう。ミカエルとの共同捜査も、オリジナルではミカエルのPCへハッキングして女性の連続虐殺事件を知ったリスベットの方からアプローチして来ました。チェイスシーンの変更が象徴的で、横転した車両へ手を伸ばせば救える犯人の命をリスベットは見殺しにしますが、本作ではあくまで事故死扱いでした。オリジナルは一貫して「女性の敵」に対する敵愾心を明晰な頭脳と行動力で表現していましたが、本作にはそこに鮮明さが無く、彼女の存在に芯が通っていない印象です。このアレンジはいただけない。リスベットから「復讐」的なネガな感情を出来るだけ排除したかったようです。逆に、彼女が最初の後見人を敬っている描写や生まれて初めて芽生えた男性への想いを失恋させるシナリオはオリジナルにはありません。あの優しさや切なさでリスベットがオリジナルよりも体温のあるキャラになりました。それ自体は悪くない。でも、二者択一だったとすれば失ったものの方が大きかったという意見です。 [映画館(字幕)] 6点(2012-02-14 01:07:36)(良:4票) |
8. Dr.パルナサスの鏡
断片的な台詞が空虚に連なるだけで、何が言いたいんだかさっぱり分からない。伝えようと云う意思を持っていると思えない。ヒース・レジャーがいなかったら0点付けてました。 [CS・衛星(字幕)] 1点(2011-03-17 23:16:44) |
9. トランスポーター3 アンリミテッド
《ネタバレ》 「そばかす、なんて、気にしないわ~♪」という歌詞で始まる主題歌で30年以上前に流行った「キャンディ・キャンディ」。テリュース君が「君はそばかすの中に顔があるんだね」と言って主人公をからかいます。その台詞を初めて実感してショックを受けました。そう、あれはナマのキャンディス・ホワイト嬢です。顔面だけですが。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2010-11-24 22:58:25) |
10. トレインスポッティング
もう15年も前の映画なので、世相的な賞味期限を逃したのかも知れないんだけど、共感する部分がない。グロい描写を我慢しても報われた感じがしない。他の方が仰っているような、勢いもスタイリッシュさも感じなかった。この映画の頽廃には美しさを感じない。ラストで大金を目の前にした主人公には、早く仲間を裏切って金持って逃げろと念じていた。普通の映画ならそんなふうには思わない。つまり、あんな奴らは友達じゃないってことだ。この映画がすべてじゃないけど、英国って国はたぶん廃れて行く一方だろうな。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2010-05-03 19:46:07) |
11. トロイ(2004)
見応えありました。ブラピの筋の通った剣士らしさと、オーランド・ブルームのただの女ったらしが好対照で楽しませてもらいました。 [DVD(字幕)] 7点(2008-09-11 03:29:55) |