141. 蜘蛛女(1993)
《ネタバレ》 ジュリエットルイスの愛人が可哀想すぎる。彼女は主人公に殺されても、主人公のダメ男は妻を愛してるわけで、これじゃ浮かばれんじゃないか!この男がダメすぎる。女代表として、レナオリンはこの男に制裁を加えたかのよう。最後、妻があらわれなくて当然でしょう。多分、一生あの店に現れないと思います。結局、ダメ男は最後は孤独になるしかないのだ!と思ってしまった。でもレナオリンの逞しさはすごい。マフィアのボスを殺し、片腕をなくし(多分手錠を外す為でしょうけど)それでも、ケラケラ生きて行こうとする。タフすぎる。これほどタフな女性の映画は珍しい。 [DVD(字幕)] 7点(2010-12-14 10:30:21) |
142. カレンダー・ガールズ
高齢社会向けのドラマ。こういうシルバー映画は歓迎。面白ければ、もっと歓迎。これはディズニーだから、安心して観られる。ディズニーの撮るヒューマンな実写映画は良いのが多いと思う。品がある。この映画もそう。もし大衆のいやらしさを描こうとすれば、出来ただろうが、これは粉石けんのCM業界やモデルとなったおばちゃんの旦那がセックスレスというゴシップ記事にそれがちらっとうかがえたぐらいで、そもそもそういう狙いの映画ではないので、これで良いと思う。イギリスの自然のきれいな農村での、品のあるおばちゃんたちの、奮闘記なのだから。確かに女性の裸は癒しになるし、絵にもなる。それにしても教会で歌う、あの曲。「炎のランナー」でも印象に残ったけど、良い曲ですねぇ。 [DVD(字幕)] 7点(2010-11-23 16:18:40) |
143. シャーロック・ホームズ(2009)
《ネタバレ》 テンポも軽快で、音楽も良い。何といっても、ホームズが武闘派である設定が面白い。また実験に使われるワンちゃんが可愛い。ジュードロウはルパン三世で言えば、次元大介、 レイチェルが峰不二子といったところか。豚の解体工場での必死の脱出劇、造船所での大アクション。見所がいちいち凝ってって、若者に人気のあるガイリッチーだが、おじさんもファンになったぞ!長いタイトルの「スモーキングバレルズ」ももう一回観てみようかなと思ったくらいだ。続編のモリアーティを誰が演じるのか気になるところ。楽しみなシリーズモノが一つ出来た。「インディジョーンズ」シリーズみたいに、毎回、状況が変わった作風のシリーズモノにしてほしい。 [DVD(字幕)] 7点(2010-10-25 12:04:44) |
144. グリーン・ゾーン
《ネタバレ》 ボーンシリーズが好きなので、楽しみに観た映画。でも思ったより面白くなかったです。アメリカの軍は指揮系統がどうなっているのでしょう?CIAの言う事を聞いたり、政府に色々注文つけられたり、上からの支持でもないのに、ミラー(マットディモン)の疑問でマスコミに近づいたり、通訳雇ったり。これじゃ部下がたまりません!実際、ついていけないという部下もいたし。対テロだから、個人の裁量も自由になっているのでしょうか?そもそも自分は組織に頼らない役のマットディモンが好きなので、軍隊にいる彼は似合わないと思う。(これは「インビクタス」の時も感じた)あと気になったのが、イラクの人たちが全然描かれてない。通訳の人はイラクの事を思っていたので、ラストのああいう行為につながるのでしょうけど、スンニ派、クルド人色々混在している国だから、一人のイラク人の視点しか用意しないのは片手落ちの気がするんですけど。 [DVD(字幕)] 7点(2010-10-13 17:24:26) |
145. 赤い影
憧れのジュリークリスティがあんなシーンを!もうドキドキしちゃったですよ。素敵な女性だわ~。サザーランドは役得というか、とんでもない野郎だ!映画のほうは雰囲気が独特で、ベニスの、というより外国に行った時のその町に感じる雰囲気がよく出てたと思う。前のレビュワーさんが書かれているように、死の予感が前編通じて流れてる。海外への旅行というのはどこか死のニオイが感じられると自分は思うんですね。特に住んでる町で娘を死なせてしまったら余計・・・。ストーリーも面白く、未来の光景を見てしまうことで、主人公が混乱する。そして衝撃のラスト。イギリス映画らしく、品がある、どこか寂しい映画でした。 [DVD(字幕)] 7点(2010-08-03 16:06:49) |
146. コレクター(1965)
《ネタバレ》 何でこんな気持ちの悪いシーンに、こんな軽いBGM?って思いました。こんなラストとは思わなかった。この女性が可哀そう。今(2010年頃)の映画なら警察が周囲を囲んで、このサイコ野郎が殺されて終わりですよね。当時は映倫が厳しくなかったのかな?それにしてもお隣の人も、秘密の隠れ場所も映画の演出に生かされずに終わって、もったいない気がします。早く誰か助けに来いよと思いましたが、誰も来ない。この手のサイコ映画で、二人っきりの空間での心理描写に重きを置いた映画として、昔の映画ですが逆に今のサイコ映画より新鮮でした。これだから昔の映画を観るのは止められない。 [DVD(字幕)] 7点(2010-04-08 22:10:01)(良:1票) |
147. 消されたヘッドライン
《ネタバレ》 こんなに面白いとは思ってなかった。邦題がセンスないので、もっとつまらないかと思ったが、いやいやどうして。新聞記者の話は多いが、これはその中でも面白い方だと思う。ラッセルクロウのデスクの乱雑ぶりは嬉しい。ラッセルの「ビューティフルマインド」を思い出した。それにしてもあの太り方。「シンデレラマン」のラッセルはどこに行ったんだ!それにしても、やはりアメリカ映画は陰謀モノが上手い。ただ、皆さん言われている通り、あのどんでん返しはなくても良かった。それまでが十分面白かったのに。扱っている素材はものすごくいいと思う。民間軍事会社とは、日本じゃまったく分からない業界。もっと突っ込んで欲しかった。一新聞記者がそんなコワイ業界にメスをいれる、そういう映画が観たかった。 [DVD(字幕)] 7点(2010-02-15 12:00:05)(良:1票) |
148. バンク・ジョブ
《ネタバレ》 小悪党の中にステイサムがいるのが変。彼ほどの頭が切れる男がこの程度の動機で大きな犯罪を犯すところが納得がいかなかった。女がらみ?とも思ったが、彼には大事な家庭があるし。ラストはこれでいいんだろうか?この家庭は大丈夫なのだろうか、とも思った。 サフロンバローズの表情は「評決」のシャーロットランプリングを思い出させた。油断ならぬ女性という感じだが、一人で生き抜いていけるほどの強さを感じさせない。まあ、複雑な話を分かりやすくするためのキャスティングですな。 [DVD(字幕)] 7点(2009-09-30 01:50:30) |
149. 007/慰めの報酬
《ネタバレ》 ダニエル・クレイグの007は面白い!前作同様、アクションシーンのキレも鮮やかで、取り上げる話題も新鮮。いまや外交の世界では水をどうするか、というのは常識。そこをついた作品は初めてだ。ディンチの‘M’もサマになってきたし、昔のように今後が楽しみなシリーズになってきた。次回作はもうちょっとユーモアが欲しいな。あと、ちょっとしかでてないボンドガールのフィールズさん。あんな残酷な仕打ちを受けるとはちょっと可哀そうだ。パーティで敵をさりげなく足でひっかける場面でもうちょっと活躍するのかな、と思ったんだがなあ。それにしても外務省のトップまでもが頭を痛める、ボンドの暴れっぷり。007って大物だったんだねえ。 [DVD(字幕)] 7点(2009-09-13 23:14:46) |
150. その土曜日、7時58分
ルメット監督といえば、社会派モノや戯曲の映画化を多くてがけているが、この作品は今までのルメットとちょっと違うと思った。「ウイズ」や「グロリア」のような作品にも、ちょっと社会派のスパイスを効かせていたが、この作品はそれがない。ただ、金が人生を誤らせるという点くらいだ。しかし、新しい試みもしている。タランティーノのような演出をしたり、映画ならではの場面変えに新しい試みをしている。老いても、まだまだやれると言った感じで、この監督、ホントすごい。尊敬します。 [DVD(字幕)] 7点(2009-07-06 13:29:39) |
151. つぐない
《ネタバレ》 こんなラストを観たくて、最後まで観たのではない!と言いたいくらいのラスト。才気を感じさせる演出や音楽。この女の子は、演技と思えないくらいの、存在感。それが、それから4~5年、自分のやった事に気づいて、自分を責めたのであろう、と思わせるような表情に力のない女性を配してる。また、どのシーンもセンスがあふれる映像。演出も進化するんだなあ。 [DVD(字幕)] 7点(2009-02-06 18:41:09)(良:1票) |
152. 欲望(1966)
《ネタバレ》 自分はこの映画は「芸術論」のように思えました。そこに複数の人があると思えば、それはあるのだと。夜、自分の世界に浸って、かっこよく飾り付けた部屋のインテリアも、朝、太陽の日があたり、一瞬、「なんだ、ガラクタじゃねえか」と思う事ってありません?この写真家の追及してる世界も、ライブで取り合いになる壊れたギターの一部も、大したもんじゃないかもしれない。そして、そんな世界を追及する人が、リアルな現実にぶつかった時、彼は何も出来ない。「芸術」って儚いものかもしれない。そんな印象をうけました。 [ビデオ(字幕)] 7点(2008-08-27 17:34:13) |
153. ヘアスプレー(2007)
面白かった。考えてみれば、自分の映画好きに火をつけたのは「ブルースブラザーズ」だった。それを思い出させてくれた。凝ったダンスでなくていいから、老若男女問わず、踊っている人が楽しんでいると、それが伝わってくる。チビ、デブ関係なし。どんな時もニコニコしてれば、周囲を幸せにしてくれる。クリストファーウォーケンってホントのところ、何を考えて、あんな暗い顔をしてるんだろう。案外、何も考えてなかったりして・・・でも、「リトルミスサンシャイン」やアカデミーをとった「愛と追憶の日々」の監督の「スパングリッシュ」にしても、性格のいい、ちょっと太目の女の子がよく出てくるようになった。日本じゃいじめられそうだが、アメリカではこういう子も伸び伸びと成長してるんだなあとちょっと羨ましく思った。 [DVD(字幕)] 7点(2008-08-06 18:56:20) |
154. 落ちた偶像
さすがキャロルリード。ヨーロッパ映画とはとても思えない、歯切れのいい演出で、面白かったです。しかし、警察がこんなに親切なのは羨ましいですね。事件のショックの為、町中を走り回る少年を見つけた警察官が優しく署に連れて行く、その様子がいいなあと思った。娼婦に甘えるところもいい。演出が分かりやすくていいですね。 [ビデオ(字幕)] 7点(2008-07-08 17:15:41) |
155. クィーン
《ネタバレ》 自分はこの映画好きです。ヘレンミレンの「女王の品格」を感じさせる演技に感動しました。もともとイギリスのエリートの気高さを描いた映画は好きなので(自分が映画ファンになったきっかけの一本が「炎のランナー」だったから)充分、満足。でも威厳のある鹿を殺してしまうという一面もあるのが嫌でしたね。鹿を殺してしまう、あの女王の旦那役の悪役面に腹がたつ。まあ、いろんな映画で悪役演じてますが。でもこの映画、ヘレンミレンの演技だけでもこの得点。 [DVD(字幕)] 7点(2008-05-13 21:56:39) |
156. 情事の終り
《ネタバレ》 彼女がなぜ、急によそよそしくなるか。その理由が爆発の後、彼が死んだと思った彼女の、とっさに口から出た神との約束。そして、迎えるラスト。あ~あ。愛する二人が一緒になって幸せになって欲しかった。不倫でハッピーエンドになった映画ってあるのかな。旦那の愛も本物だったてことかな?けなげなしいまでの彼女の真面目な性格が、逆に二人を別れさせてしまう。この後、この主人公の男性は一人で生きて行くのかな?こんなけなげなしい女性に好かれたのだから、男性のほうもけなげなしくなって欲しい。そういう段階まで描いた映画を観てみたい。 [ビデオ(字幕)] 7点(2008-04-03 20:26:38) |
157. ブラックブック
《ネタバレ》 面白かった。ぐいぐい引き込まれた。でも出てくる人たちが色んな立場の人たちなので名前と俳優さんが途中で一致できなくなりました。戦争が終わった時点で、ちょっとしたエピソードでいいから、1回人物を整理して欲しかった。でもこの主役の女性。最初にウサギからにんじんを取り上げ、ぽりぽり食べるとこで、あ、この女性素敵だ!と思いました。他にもこの女性のたくましさを描く色んな場面が出てきますが、どれも他の映画にないものがあります。 [DVD(字幕)] 7点(2008-01-17 12:02:33)(良:1票) |
158. ロブスター
《ネタバレ》 今、話題の鬼才、ヨルゴス・ランティモス。 とにかく寓話とかのレベルを超えて、ぶっ飛んでる。 何とか意味を見出そうとすれば、結婚して真人間になる難しさを描いた映画か・・ カップルにならないと動物にされるホテル。 そこから脱走した、独身を愛するグループ。 しかし、そこには、恋愛とか絶対禁止という厳しいルールがある。 最後、二人は真人間のカップルになれるか、という場面で終わる。 その為には、男も失明しなければならない。 これは、周りが見えないと、愛は成就できないという意味か? エンディングで、波の音が聞こえる。 ああ、彼のなりたかった動物は、ロブスターだったか・・ [DVD(字幕)] 6点(2024-04-13 19:56:55) |
159. フォー・ウェディング
《ネタバレ》 結婚式が映画の冒頭にてくる映画は多い。 「ディアハンター」「ゴッドファーザー」「悪い奴ほどよく眠る」等々 しかし全編、結婚式のシーンという面白い着眼点。 皆さん、お盛んなんですね~~ 結局、モテ過ぎの男女が結婚という選択肢をとらず、 「結婚」するという話。 エンディングの皆のその後が描かれてるときの マクダゥエルの素直な表情が良かった。 [ビデオ(字幕)] 6点(2020-06-01 10:12:31) |
160. ダメージ
《ネタバレ》 人生の落とし穴ですね~。 ジェレミーアイアンズが堕ちていくのにピッタシの役どころ。 安心してダメになるのを見ていられましたね~。 欲望の化身になった時、女性から「私は逃げないわよ」とか言われたら、もう男心としては平常心は吹っ飛ぶでしょう(笑) しかしビノシュの心理が最後まで読めなかった。 近親相姦と身内の死、これらがぐちゃぐちゃになり、もう人間の心は壊れてしまったという感じですかね。 でも母親は健在なのに・・。 それになぜあの家族に的を絞ったのかがよく分からなかった。 とにかくサスペンスではなかったですね。 ルイマルはセリフを極力しぼって無駄のない映画を創りますね。 いや、これは邦訳の戸田奈津子さんの力のなせる業なのかな? 絞まってる映画でした。 ルイマルの映画って締まってるもんね。 [ビデオ(字幕)] 6点(2018-01-09 21:42:26) |