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プロフィール
コメント数 284
性別 男性
ホームページ http://ameblo.jp/wunderlich/
年齢 43歳
自己紹介 気になった映画をつまみ食い的に見ています。
うだうだと考えるのが趣味です。

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1.  シャーロック・ホームズ(2009) 《ネタバレ》 
日本のドラマ『TRICK』の主人公をホームズにしたような映画。一見摩訶不思議な魔術にみえたものが、実は科学技術によって実現されていたという謎解きパターンなので、「なるほど、そうだったのかー」という鑑賞後のすっきり感を期待すると肩透かしをくらいそうだ。主人公のホームズとワトソン、アイリーン・アドラーはそれなりに魅力的だけれど、『TRICK』のキャラクターの濃さやギャグに比べるとインパクトが弱い。結果的にあまり他の人には勧められないレベルの作品になっている。個人的にはワトソンの婚約者メアリーを演じた目つきの怪しい女優さんが『スパニッシュ・アパートメント』や『ロシアン・ドールズ』に出ていたことを思い出して、意外に楽しめた。
[映画館(字幕)] 6点(2010-03-31 15:08:08)
2.  007/慰めの報酬 《ネタバレ》 
この映画で、ボンドはあらゆる感情を押し殺した虚ろな姿で描かれている。表情をまったくかえずに女とキスし、悲しみの表情をまったくみせずに死んだ友を、ゴミ箱に捨てるという仕方で悼む。同様に、アクションやストーリーの点でも、この映画は徹底的に虚ろだ。観客にシーンを味わう余裕を与えないほどに切迫感をもって重ねられるカット。したがって、この作品をみた観客は、虚ろなボンドに共感するには忙しすぎるカット割りのせいで、あらゆる感情移入が中途半端になったまま、非常に煮え切らない鑑賞感を抱くことになるだろう。事実、この作品は一つのスパイものとしてみれば非常に煮え切らない作品だ。しかし、もしこの作品が、ボンドの虚ろさを描くのに、一つ一つのシーンではなく、作品全体を用いようとしたのであれば、このなんともいえない中途半端な鑑賞感は、この作品の狙い通りだったことになる。また、歴代のボンドのなかで、突出してクールなダニエル・クレイグの持ち味を生かすという点では、この作品は007ものとしては、ひそかに記念すべき一作になっているのかもしれない。
[映画館(字幕)] 7点(2009-02-14 19:30:28)
3.  僕らのミライへ逆回転 《ネタバレ》 
この映画の最後で、町の人々が参画して作られる自主制作映画は、感動的であるのと同時に恐ろしい作品である。感動的というのは、撮影に加わった住民たちの楽しそうな姿と、うつりゆく時代へのノスタルジーが情感豊かに描かれているためである。恐ろしいというのは、描かれている内容がビデオレンタルショップオーナーの見栄からでた嘘っぱちに基づいたデタラメにもかかわらず、ある確かなリアリティーが住民の間に形成されてしまっているからである。参画することだけで、何らかの充実感が生じるのは確かに本当だ。何らかの運動に積極的に関わるということが、その運動自体の正当性を問う前になんらかの肯定的な感触を持ってしまう。運動自体の意義を吟味せずに、参加することによる充実感だけによって、その運動を肯定することの危険性を、どれほどの人が自覚しているのか。この映画のおちゃらけた見た目に反し、提出されている疑問は痛切だ。
[映画館(字幕)] 7点(2008-12-16 14:49:42)
4.  やさしくキスをして 《ネタバレ》 
価値観や文化を宗教抜きにしては語れないということなんでしょうか。日本では外国人と出会う機会があまりないので実感が湧きづらいですが、あえて例えてみれば、日本人がザンビアの人と結婚するとかそんなイメージですかね。僕は、人間の愛なんて、そんなしっかりしたものではないと思うので、許嫁がいるのであれば、そちらを選びますけどね。人は一番大切な人と一緒でなくてもいきていけるものだと思うので。ちょっとこの映画の二人は、強引過ぎると僕自身は感じてしまい、美しいラブ・ストーリーですが共感できませんでした。
[DVD(字幕)] 6点(2008-07-20 10:11:46)
5.  カプリコン・1
火星への有人飛行がウソだったらというアイデアに+2点、NASAの陰謀とジャーナリストの攻防がうまくできてるから+2点、余韻を残したラスト(というか、ラストのその後を描いたら結構悲しい話になる…)に+2点、こんなフィクションがあってもおかしくないと思わせるアメリカという国のイメージに+2点。
[DVD(字幕)] 8点(2008-05-12 19:45:03)
6.  転々
やわらかさと切なさがリンクしたすてきな作品だ。みんなで仲良く食卓を囲む、ご飯をつくる、買い物をする、同じ部屋で寝るというような普通のことが、ものすごく温かい感情の集合であることが分かる。おそらく、登場人物のみんなは、不思議女子高生「ふふみ」を除いて、結構タフな人生を送ってきたのではないかと思う。でも、そんなタフさの中に奇跡的に実現した「普通に」あたたかい時間!! この監督の作品は、画面上は幸せに満ちた雰囲気をかもし出しているが、その幸せな感じが限られた時間にだけ成立するものだったり、映画の終わりと共に終わってしまう幸せであるという切なさを描くのとてもうまい。だるまちゃんとてんぐちゃんのモチーフも出てくるし、ピアノの粉末や三日月しずかも出てくるわで、お約束の部分でも大サービス! ついつい岸部一徳を探したくなる一本になってます。
[映画館(邦画)] 9点(2008-01-19 17:17:46)(良:1票)
7.  ナイロビの蜂 《ネタバレ》 
ラストを批判する人がいる。あれでは救われないではないかと。それはまずい。だって、映画だけ救われてどうする?というのが、あの映画の言いたいことなのだから。現実は救われていないのだ。という僕自身も、のうのうの日本に生きていて、過酷な現実の話だけを聞いて、どうする訳でもなく、思いをめぐらすことぐらいしかできていないのだが。この手の映画にはいつもこの種のジレンマがある。映画の話に限っていえば、主演の2人がとても素敵な空気をかもし出している。それがほんのわずかな救い。
[DVD(字幕)] 6点(2007-04-29 22:36:13)
8.  007/カジノ・ロワイヤル(2006) 《ネタバレ》 
007の中では、愛する女性を失う悲しみを描いている点で出色な訳だけれど、これも「スパイダーマン」シリーズの成功にあやかったものだと思うと、すこし、ワンパターンにも思える。しかし、アクションは相変わらずパワフルで、てんこもりジェットコースタームービーとしてはよくできている。エヴァ・グリーンの化粧を落とした時の美しさがとても素晴らしい。
[映画館(字幕)] 8点(2007-01-14 13:48:33)
9.  Vフォー・ヴェンデッタ 《ネタバレ》 
たのしいと同時に寒気のする作品。展開も早く、ハリウッド映画には珍しいテイストは十分に楽しめる。その一方、「またかよ~」と突っ込みたくなるダメダメな部分も散見される。独裁政治=一人の政治家の顔が国のあちらこちらに露出している状況だとすれば、ラストの一見力強いVの仮面をつけた群集の姿も、実は根本が同じなのではないかと思わざるを得ない。民衆が意図した「革命」以後の世界を僕らは生きていて、それらの「革命」がなぜか凶暴性を持った「テロ」に変質してしまったことを僕らは知っている。だから、この映画が皮肉を意図しているのでなければ、僕は素直にはうなずけない。単純にいって、たくさんの人が同じ仮面をつけて集まるって、かっこいいよりは気持ち悪いという感覚のほうが普通だと思うけれど…。その辺は人によるのかもしれない。
[映画館(字幕)] 6点(2006-05-07 21:12:17)
10.  ニュー・イヤーズ・デイ 約束の日
悪い意味で単純。良い意味でガキっぽい。あらゆる意味で思考がたりない。
[ビデオ(字幕)] 5点(2005-05-03 12:12:12)
11.  邪魔者は殺せ
もちろんこの映画には主人公がいるけれど、他の登場人物の描写もポイントが押さえられていて、群像劇としても観れる。一体、個々にみると暖かいものをもった人間同士が、なぜに争わねばならないのか。この映画はそんな悲しい問いかけをしている。この監督は何気ない緊張感を描くことに長けていて、瀕死の主人公を巡る人々の姿がとても緊迫した美しさの中で捉えられている。タイトルからサスペンスと想像できるが、僕はあくまでドラマとしてみたほうがこの映画に合っていると感じた。第3の男に比べて印象が薄い感はあるものの、切ないラストなどの味わいは捨て難い。
[ビデオ(字幕)] 7点(2005-05-03 12:09:56)(良:2票)
12.  オリエント急行殺人事件(1974)
原作の綿密な推理を展開するポワロ像は、とても映画の時間制限の中では再現できないのでしょうがない。それにしてもポワロが少し声大きすぎ。僕の中では、もっと神経質な小声のイメージなのだが。。。 しかし、ジャックリーン・ビセットがあまりにも美しく撮られていて、正直、降参です。
5点(2005-03-07 14:58:30)
13.  ビフォア・ザ・レイン
この映画とすぐに結びつくのはニーチェの「永劫回帰」。ニーチェが言っていたのは、「まったく同じ(「似かよった」ではない)できごとが永遠に繰り返されているこの世を、肯定することができるか」ということだったと思う(うろ覚え)。この世がマジでおんなじことを繰り返してるのかは別にして、この映画に当てはめてみよう。「ひどい戦争が繰り返される世界に生きていて、しかも同じ争いが繰り返され、しかもそれを知る立場にいて(巧妙なことにこの立場は観客において初めて可能になる)、この世を肯定することができるか?」とこの映画は観客に言っていることになる。「それでも人生にイエスという!」という標語をドッかで聞いたことがあるけど、もう一回、いや永遠に同じ人生を生きると「知った」時にも同じこと言えますか? 劇中の人物が自身の人生を肯定できるかではなく、悲惨な争いが永遠に繰り返されるとラストに知らされた観客に人生への判断を迫るのがこの映画の主題なんだと思う。
[映画館(字幕)] 8点(2005-02-25 20:48:01)
14.  シャンプー台のむこうに
愛すべき小品。きらびやかなヘア・スタイルが視覚的に楽しませてくれる。ストーリーはそれほど珍しいものではないが、ラストのトータル・コーディネートのアイデアでメリハリがついている。出演者の個性もよくでていて、気楽に観れる。
7点(2005-01-05 14:45:19)
15.  28日後...
「世界の終わり」はいつ来るんだろうか。それとも、実はもうすでに「世界の終わ」った後の世界に僕らは生きていたりして。それとも、「世界の終わり」なんておおげさなものではなく、単に「僕らの終わり」なのだろうか。僕は、自分が死ぬ時に、やっぱり世界は終わって欲しくないと思えるだろうか。こんな事を考えた。 この映画は基本的に美的な映画だと思う。画面の構図、静かにかける馬、ラストの「地獄⇒こんにちわ」の転換とか、シーンごとの完成度は高い。雰囲気はタルコフスキーの「ストーカー」にも通じるものをもっていると思う。雰囲気だけで十分にみれる。付け加えると、この映画は人間の下劣な一面をも強烈に描いているが、その描き方を軽蔑する観客に対してもなんか言いたそうではある。
6点(2004-11-10 15:37:41)
16.  モーターサイクル・ダイアリーズ
人が幸せに生きるということのために、自分の生涯を捧げた人がいたということは、僕にとっては歴史的な意味しかもたない。過去にそういう人がいただけのこと。この映画の中の旅は、けっして僕自身の旅ではない。しかし、ゲバラが自分の目で見て、自分の足で歩いた経験を糧に自分の将来を決めたということは僕に強く訴えかけてきた。それと、経験を分かち合った友達の大切さも。僕は外部からの情報に惑わされながら、いやむしろ外部の情報に頼りきって、いろいろと重要な選択をしてきたように思う。でも、そういう選び方をしたからこそ、選んだ道に一生懸命になりきれないのだろう。人生の選択肢は無限にあるといってもいい。そこから何を選ぶのか。これからは自分の経験とそこから自然に湧き出てくる感情を重視していこう、そのためにも自分で世界を経験するべきだ! そう思わせてくれた映画だった。
8点(2004-10-25 18:08:34)(良:1票)
17.  荒鷲の要塞
アクション映画といっても、アクションのたたみかけには限界があって、少しサスペンス的な謎解き要素を入れたほうが、グンと面白くなるというのは、「ダイハード」シリーズやら「ザ・ロック」なんかで証明済み。でも、ずっと前に同じ手を使ってたのがこの映画。個人的には「ナバロンの要塞」よりも好き。クリント・イーストウッドがちょっと浮き気味のキャラなのも面白い。
8点(2004-06-23 14:34:42)
18.  ミッション
メンドーサとガブリエル神父の選択した行為の違いは、二人の思想の違いから生じている。こういった思想的な内容の映画はついつい説教くさくなってしまうけれど、この映画はふたりの人間が行為に至った理由が丁寧に描かれているので、二人の立場双方に共感できる。これが素晴らしい。音楽もうつくしい。今現在、イスラム教と戦争しているキリスト教の姿を思い起こすと、この映画の提起する根本的な問題について、考えずにはいられなくなる。
10点(2004-06-04 21:39:40)
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