2. カプリコン・1
《ネタバレ》 ジェリー・ゴールドスミスの躍動感ある主題曲が印象的。朝焼けに浮かび上がる発射台の冒頭シーンの臨場感は正統派のSFスペクタクルの幕開けを予感させる。 観覧席における政治家同士の皮肉の応酬も現実にありそうで、開始15分ですっかり引き込まれてしまった。 その後の展開は、迫力あるチェイスシーンや渋いゲスト陣の好演によりメリハリのあるものだったが、国家陰謀を描いた部分の完成度は、随分と隙や手落ちがあった感も否めない。 異変に気がついたNASA職員の消され方に比較して、FBIまで動員しながらエリオットグールドを抹殺しきれない展開や、フェイクの撮影をしたセットをそのまま残しておくなど、もう少し丁寧な描き方(ネタの回収)がされていればサスペンス物としての完成度も更に上がるはずなのに。多少残念。 だだ、多くのレビューの中で比較的評判の良くないラストシーンの描き方に関しては、自分としてはすごく好印象。 新聞記者と、生き残った宇宙飛行士のがスローモーションで走り寄って来るシーンを、テレビ局のカメラが一斉に捉える。火星着陸のトリックを信じ込まされた国民が、今度は有り得ない現実をまた生中継で目にする事に。その後起こった騒動を想像するだけでもカタルシスを味わえる。 何故今さらこの作品を鑑賞したかと言うと、最近カレン・ブラックさんの訃報を知り、彼女の迫力ある風貌を見たくなった為。出番は僅かだが、発するセリフがとても粋で、テリーサバラス同様、とても輝いていた。 [DVD(字幕)] 8点(2014-01-31 09:05:41)(良:1票) |