1. ロブスター
《ネタバレ》 今、話題の鬼才、ヨルゴス・ランティモス。 とにかく寓話とかのレベルを超えて、ぶっ飛んでる。 何とか意味を見出そうとすれば、結婚して真人間になる難しさを描いた映画か・・ カップルにならないと動物にされるホテル。 そこから脱走した、独身を愛するグループ。 しかし、そこには、恋愛とか絶対禁止という厳しいルールがある。 最後、二人は真人間のカップルになれるか、という場面で終わる。 その為には、男も失明しなければならない。 これは、周りが見えないと、愛は成就できないという意味か? エンディングで、波の音が聞こえる。 ああ、彼のなりたかった動物は、ロブスターだったか・・ [DVD(字幕)] 6点(2024-04-13 19:56:55) |
2. 逆転のトライアングル
《ネタバレ》 この話は、イタリアの映画「流されて」に似ている。 舟と、漂流した島で、立場が逆転するというのは、この話が発明したモノではない。 まぁ最近の映画らしく、いい意味でまとまってて、無理も無駄もない。 よくできてる。 さぁ、今後の展開はどうなるのか? トイレ掃除のおばさんの天下は、終わったわけだ。 助かった後のことまで計算しなきゃならない時代なのかね、まったく。 人間を見る目が嫌らしくなっちまうが、仕方ないね。 今、上にいる人間が、襟をただしてくれればいいよね。 いつどうなるか分からないから・・ そんな教訓話。 [DVD(字幕)] 7点(2023-12-16 20:57:22) |
3. 魚が出てきた日
《ネタバレ》 ブラックですね~。 漫画家の大友克洋氏が何度も観てるDVDのなかに本作があったので、鑑賞。 軍人や軍事兵器が絡む割には、登場人物はみんなどこか間が抜けている。 それであれよあれよという間に、最悪の展開に。 タイトルの「魚が出てきた日」はこういうことかという展開になる。 終わってみると、笑えないブラックさに、クールと思える人もいるだろうなぁと思った。 面白い娯楽作品ではありますが、うすら寒い終わり方です。 派手なアクションに飽きた人には、おススメかも・・ [DVD(字幕)] 7点(2018-02-18 22:05:26) |
4. シテール島への船出
《ネタバレ》 アンゲロプロスは、現実の場所に寓話性を見出し、それを見事に映画化してしまう、凄い監督。先に「こうのとり」を観たが、あそこでも、国境の川を見事に政治映画にしてしまう、その手腕は見事。ここでも港湾にその感性を発揮。どこの国にも、困った人というのはいるもので、この映画は、このお爺ちゃんがそう。生まれが難民だったと劇中、説明があるが、その根なしぶりは、革命活動中にも3人の子どもをつくってしまうところにもうかがわれる。結局、こういう人は、地域にも警察にも国にも、困った人で、挙句の果てには、「国際区」という海に浮かぶ小さな箱みたいなとこに押しやられる。こういうのが実際、あるかどうかはともかく、これが非常に寓話性に満ちてて、映画的に面白い。アンゲロプロスの対談を読んだが、役者に無理な注文したり、嫌なジジィという感を受けたが、案外、この監督の目には、世の中、詩情たっぷりで、楽しい世界に映ってるのかもしれない。見事な政治映画を創る手腕は、もっと乱世の世に発揮されたほうが評価高まったかもしれない。ここにはクリストッツァの「アンダーグラウンド」のような怒りは、感じられなかった。静かな、幸福な映画だった。これも。 [DVD(字幕)] 8点(2015-02-12 00:11:27) |
5. こうのとり、たちずさんで
《ネタバレ》 素晴らしい。政治映画は(ドキュメンタリーを除いて)アメリカとかでもよく創られるが、ここまで魂にひびく映画はそんなにないと思う。正義感より詩情に訴えた映画のほうが観終わった後、心に来るものが大きいと思う。しかし、あまりに感動し、アンゲロプロスの本を読んだら、彼の撮影中の役者の接し方があまりにも厳しいので(嫌なジジィだなぁと思うくらい)、やはりこれだけの映画を創る現場は、凄いものだと思いました。彼がいなくなった今、これから彼のような作家が出てくるだろうかと心配になった。何度も観たい映画。DVDが欲しい・・。 [DVD(字幕)] 9点(2015-02-05 11:03:50) |
6. エレニの帰郷
《ネタバレ》 テオアンゲロプロス監督は、この作品では、時間軸で物語を組み立てて分かりやすくした方が良かったのではないか?いい作品なのだが、主人公と孫が同じ名前なので、分かりづらい。しかもウォレムデフォーが息子だということが中盤まで分からないため、冒頭の二つの物語が何なのか、観ている方は関心持って観るが、結局主人公の息子と言うだけで、特に物語にサスペンス性も持たずに終わるので、却って観ている方を混乱させるのだ。しかし、難点はその点だけで、とてもいい作品だ。ロシアからの出国の際、しぶる祖父に孫が歌を歌って、未来に向かって生きようと諭されるところや、主人公のユダヤ人の友人が最後の船の場面ではカメラの演出が心情を表してて、堂々たる演出が見られて、未完の3部作とはいえ、見事な巨匠の遺作と言える。 [DVD(字幕)] 7点(2014-09-20 19:07:35) |
7. ビフォア・ミッドナイト
《ネタバレ》 なんだ、こんな男だったのか・・。前、前々二作のファンだったので、残念です。 [DVD(字幕)] 7点(2014-07-15 23:16:35) |
8. 霧の中の風景
《ネタバレ》 ロードムービーって大抵、人物が旅の途中で色んな経験をして成長するというパターンが多い中、これは絶望的です。そうですよね。ヒッチハイクってこんな危険、多いに有り得ますよね。お父さんがどんな顔でこの二人を迎えるのか?という期待で映画にのめりこんだら、お金がないと旅は悲惨だ、という現実を容赦なくつきつけられました。こんな小さな無防備な姉弟がふらりと歩いていたら、街の誰かが気をとめるべきでしょう。この映画の場合、警察が早く確保してやってくれ~、と思いたくもなります。最後のほうの兵隊の「俺って馬鹿だよなぁ」と言って、金を置いていくとこは好きなエピソードです。時代が変わりつつある中、世の中の人、みんな余裕がない時のお話ですよね。いつの時代だってこんなもんさ、と思いたくないなぁ。 [ビデオ(字幕)] 7点(2011-08-15 16:44:05) |