21. マグダラのマリア
《ネタバレ》 最後の字幕が、つまりこの作品の動機なんですね。つまり、長年(何世紀も)娼婦とされてきたマグダラのマリアが、2016年に至って遂に使徒と同列されたということ。よってこの作品では、イエス達の伝道を影ながら見守る(?)みたいな従来のイメージではなく、イエスにスカウト(?)されたら一気に教団の中心に位置し、ほとんどナンバー2並になっている。それはまあ、斬新で興味深いんだけど、肝心のマリアの描写自体が、イエスから何を伝えられ何を感得したのかとか、その辺の内面が描写されてないんだよな・・・。●それとやっぱり、ホアキンのイエスというのがいかん!彼がやってしまうと、苦難に立ち向かう選ばれし神の子というよりも、長年修羅場を経験してすでにどんな場面でも何とでもできる堂々たるキャリアのオッサン、にしか見えないのですよ。よって、処刑のシークエンスも妙に唐突です。 [DVD(字幕)] 5点(2022-02-03 01:10:59) |
22. ハクソー・リッジ
あえてライフルを拒否し、衛生兵を志願しながら戦場へ赴いた主人公・・・なんですが、一番まずいのは、肝心の衛生兵としてのトレーニングが何も描かれていないし、知識や技術についてもふれられておらず、主人公が何を身につけたのかが分からないということ。なので、そもそも何をしに戦場に行ったのかが分からない。したがって、いきなり覚醒して仲間を助け始めても、説得力がなくて、何じゃそりゃという感じなのです。 [ブルーレイ(字幕)] 5点(2019-03-11 00:32:01) |
23. 美しい絵の崩壊
《ネタバレ》 長年の友人だった二人の母親が、それぞれ相手方友人の息子と恋愛に陥ってしまう・・・となれば、どれだけ重層的な心理の綾が構築・展開されるのかと期待してしまうのですが、案に相違して中盤前には早々に互いにネタばらしがされ、全員が相互に状況を知っている状態になってしまう。あら何とももったいない。そのまま作品は何事もなかったように(!)、淡々と進行していくのですが、終盤に今度は新たな枠組みでのひねりが待ち構えています。ただ、そのラストの崩壊に突入するためには、導入部分でもっと葛藤や波乱が必要でしたね。それを抑え込んだ収束感があってこそ、終局部分の展開も重くなるはずです。 [DVD(字幕)] 5点(2016-10-24 01:21:12) |
24. イエスマン "YES"は人生のパスワード
初期設定の面白さはさておき、そこからほとんど予想できるような展開だったのが、何だかなあ。あと、周辺人物をいろいろ配置している割に、ほとんど上手く機能していないのが気になりました。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2015-10-31 00:42:40) |
25. ベイブ
結局は子供向けとは思うが、そのような作品でも映像や編集に手を抜かずきちんと作っているのは偉い。ナレーションと章立て表示は余計ですね。ところで、羊の顔ってよく見ると結構怖いんですね。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2007-05-04 01:21:08)(良:1票) |
26. トゥー・ウィークス・ノーティス
《ネタバレ》 せっかく面白い話なのに、とにかく編集が雑というか、重心の置き方が誤っていて、すごくテンポが悪くなっています。最初の、ヒューがサンドラに無理難題を言いつけるところは、あんなとんとん拍子に進むのではなく、もっと丁寧に描出すべきです。それを飛ばしてすぐサンドラが辞職決意→でも、やっぱり迷っている、という段階に行ってしまい、そこから後に重心が置かれているので、最初から2人がラブラブに見えてしまい、ラストの感動が大きく削がれています。 5点(2004-04-04 19:50:21) |
27. マトリックス
制作者がCGで遊びたいだけのために作った映画なんですが、ここまで見る側の都合をあまり考えていないオタク魂は嫌いではないです。 [DVD(字幕)] 5点(2003-06-07 00:02:22) |
28. シャイン
《ネタバレ》 ジェフリー・ラッシュの精神疾患演技と挿入される各楽曲のパワーで、相当得をしているのではないか?(というより、それに寄りかかっていないか?)という作品。前半のしつこさの割に、病院を出てからのドラマが何もないのも残念。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2003-04-13 23:09:24) |
29. エマニュエル・ベアール 赤と黒の誘惑
《ネタバレ》 エマニュエル・ベアールが少年に恋愛指南!という素晴らしすぎる設定なのですが、もう入口から意味不明なドギツメイクと下品な口調にげんなりしてしまいました。話が進むうちに、その辺も変化していって本来のベアールが・・・と何とか期待するも、それもなし。何でわざわざそんなもったいないことをするのかなあ。あと、一つのテーマになっているっぽいのが、ずばりSMです。ですが、それも入れたかったから入れた程度というか、つまみ食いレベルというか、大して機能していません。最後は唐突に切ない過去のお話っぽくまとまりますが、それもちょっと無理があります。 [DVD(字幕)] 4点(2023-03-22 01:06:28) |
30. キラー・エリート(2011)
設定から進行から人物関係から、もうすべてがぐちゃぐちゃで行き当たりばったりなのですが・・・。ただし、ジェイソン・ステイサムの身のこなしの美しさだけはどこまで行ってもさすがであって、それを鑑賞するというだけの目的と割り切れば、そこそこ楽しめます。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2022-07-11 02:36:13)(良:1票) |
31. シャーロック・ホームズ(2009)
人物像が原作と全然違うのはまあ仕方ないとしても、画面の一つ一つがいちいち撮り方に慎みがなく、18世紀イギリスの気品をまったく感じさせないのです。前半でせっかく出てきた洞察力や想定力なんかが、後半は何も使われていないのも問題。つまり、テーマが存在していません。 [ブルーレイ(字幕)] 4点(2016-05-10 01:45:42) |
32. マッドマックス
勝手に単純イケイケアクションを想像していたのですが、こんなに鬱々とした作品だったのですね。どうみてもカーアクションが先にありきで、それ以外の部分は付け足しです。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2012-09-08 02:32:48) |
33. プリシラ(1994)
ロード・ムービーの一番悪い部分がそのまま出てしまった感じ。途中で起こる出来事が、単にその場をつないでいるだけであって、あってもなくても結論を左右しない、つまり必然性がないのです。3人のオカマとという設定と、やたら派手なだけの衣装に寄りかかってしまった感じ。選曲も有名曲ばかりで面白みがない。 [DVD(字幕)] 4点(2009-03-04 02:06:38) |
34. イン・ザ・カット
内容にはほとんど意味がなく、主人公の精神錯乱ぶりをひたすら追い続けるだけの作品。ここまで破綻していると逆にある意味清々しいので、4点。出てくる男性陣がみんな少しも格好良くないのも、妙な徹底ぶりを感じさせる。 [DVD(字幕)] 4点(2008-10-16 03:21:14) |
35. ミュリエルの結婚
《ネタバレ》 前半の全員の駄目っぷりがなかなか強力なんです。父親は横暴で見栄っ張りな上に汚職に不倫、母親はそれに対し何も言えない、弟妹は何もせずごろごろしている、知人連中も性格悪いアホばかり。主人公はその現実から逃避するために嘘を塗り重ねる。これはさぞかし最後に主人公が失われた自我を取り戻して爽快に一発決めるのだろうと思っていたら、何と、何も起こらずに、主人公がしたのは再びシドニーに逃避することだけでした。これでは不快感が残るだけです。何よりも、母親の自殺に対して何も回答を出さないというのは、不誠実といわざるをえないのでは。 [DVD(字幕)] 4点(2008-05-06 04:59:46) |
36. シャーロット・グレイ
《ネタバレ》 フランスでのレジスタンス戦線という素材に着目し、しかもせっかくケイト・ブランシェットの起用に成功したんだったら、女性戦士としての訓練なり闘争の場面を存分に入れて、素材描写の価値を高めることはいくらでも可能だったはず。しかし、この作品では、中途半端にロマンスっぽい雰囲気とか子供とのやりとりとかに浮気しているため、全体の軸が崩れかかってしまっている。終盤の、屋敷内でドイツ軍兵士に銃を突きつけるケイトの表情などはものすごいものがあったので、こういう場面をもっと見たかったと思うのだが。そもそも、レジスタンスを描写の対象としていながら、作戦内容とか指示系統などのディテールにふれていないので、その点からも説得力に欠ける結果となってしまっている。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2008-05-02 04:07:50) |
37. オーシャンズ12
《ネタバレ》 前作は「これはお祭りなんだから」ということで自分を納得させましたが、これはさすがに駄目でしょう。作品としての体をなしていなくて、崩壊しかかっています。ヴァンサン・カッセルの自己陶酔ダンスに4点。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2007-08-13 01:35:27) |
38. マトリックス レボリューションズ
前2作は目新しさと雰囲気で何とか楽しめてきたものの、3作目もほとんど同じことの繰り返しで追加要素なしということになると、さすがに飽きます。点滅のチカチカをやたら多用しているのも、かなり手抜きなような気が・・・。 [ブルーレイ(字幕)] 4点(2007-02-04 21:09:05) |
39. ムーラン・ルージュ(2001)
全然期待外れでした。ニコールもユアンも全然発声ができてないし、「歌っている表情」にもなってない。カメラと編集は悪趣味なほど遊びすぎで、見ていて酔いそうになる。ロックやポップスの有名曲をアレンジしてちりばめた趣向も、はっきりいって安直なだけ。ミュージカルが持つべきスピード感やビート感などゼロで、2時間が異様に長く感じました。点数は、何とか画面を成り立たせてくれた美術と衣装に対して。 [DVD(字幕)] 4点(2005-09-06 00:41:56) |
40. デンジャラス・ビューティー
発想は面白いと思うが、全体的にやたらと安っぽいドタバタな雰囲気が漂っているのは大きなマイナス。サンドラ・ブロックは、変身前は本当に不細工なだけだし(美しくない中にもある種の格好良さを見せなければならないはず)、変身後は逆に大して美形にはなっていないので、設定が生かされていない。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2005-05-28 00:08:25) |