1. マッシュルーム(1995)
こんなに食べ物をことごとく不味そうに見せることに成功している作品を観たのは、ヤン爺の作品以外では初めてです。ちょっと一見に値しますよ。ビデオパッケージの雰囲気からノリノリのブラックコメディかと思っていたのに、いざ観てみると映像のトーンがひどく暗い上に黄色味が強く、何やら無駄にアーティスティックな雰囲気すら醸し出されている。人生に一段落付けて、人生に新たな意味を見出す初老の女2人。ということで、例えるならこの物語、ブラックコメディ版「八月の鯨」。……いや、嘘です。 6点(2004-10-19 19:32:31) |
2. マングラー
キングにハマっていた頃に原作の短編小説も読んだけれど、まさかそれが映画化されているとは思わず、その節操のなさに何だか笑ってしまった。あの短編をどう伸ばして2時間の映画にするのかと思っていたけれど、出来るんですね、一応は。かなりの無理矢理感はありますが。それにしても汚い作業所。そもそも、あんな非衛生的な設備で、本当に綺麗なシーツを納品出来るのか…? 5点(2004-09-22 20:07:52) |
3. 月のひつじ
羊と草原の国から、世界が希望を受け取った。素朴で垢抜けず誠実で不器用な人たちが、必死になって世界を繋いだ。穏やかで実直な人たちが、時代を作った。素朴で良い話でした。でも残念ながら私は7歳の頃から、アメリカが月に行ったことなんて信じてない。 5点(2004-08-06 17:38:14) |
4. ロミオ&ジュリエット
ディカプリオが無条件でかっこいい、素敵、と思えた唯一の映画。主演2人の若さと可愛らしさが良かった。当時友人と観に行って2人でうっとりしていたのを思い出す。ああ、あの頃私は10代だった…。バズ・ラーマンの人工的で現代的に過ぎる画面作りは好みの分かれるところだろうけれど、私は素直に綺麗で美しいと思った。青味が印象的。ちょっとした実験作なので、トータルで見てシェイクスピア劇としてどうか、と聞かれると確かに違和感はあるのだけれど、1つの“ソフトで嫌味のない大衆的な前衛映画”と思えばなかなか良いと思います。 7点(2004-03-28 14:38:25) |
5. デンジャラス・ビューティー
だいたいこんな話だろうな~と予想を付けて観て、だいたい予想通りにストーリーが運んだ感じだったけれど、そういう話はベタゆえに安心して観ることが出来るので良いと思う。ちょっとアレなルックスの女性が美しくなって行く…という話は昔から腐るほど量産されているけれど、どの女優も元から美人なんですよね…。1回でいいからほんとにほんとにほんとにヤバイ女性でこういう話をやってみて欲しいです(笑)。そういう作品を是非是非観てみたいです。 6点(2004-03-22 20:00:12) |
6. ピクニックatハンギング・ロック
説明しにくいのだけれど、何だかとても美しく残酷で怖い。ただ少女達が神隠しに遭う、それだけの話なのだけれど、私にとっては非常にドラマチックで味わい深い物語だった。“女の子がただひたすらに若く美しい”、それだけで残酷なんです。神隠しに合う少女達は皆、嘘みたいに美しく神秘的。少女達が節々で放つ言葉が、ゾクッとする響きを持ってじわじわと心に染み込む。そして誰が主役なのかも分からず、視点が定まらず、たまらないほどの不安感に駆られる。全編を包む不安定感と緊張に翻弄される、ノスタルジックな残酷メルヘン。個人的には「ヴァージン・スーサイズ」と「乙女の祈り」を足して2で割ったような雰囲気だな、と思った。静かで幻想的で残酷で底なしに怖く、神がかり的に美しい映画。 9点(2004-03-13 17:54:17) |
7. ムーラン・ルージュ(2001)
極彩色の世界観は素晴らしい。豪華さと安っぽさが完全融合している、絢爛豪華なチープ感。そしてこんな馬鹿馬鹿しい滑稽なストーリーを、登場人物勢揃いで潔く迷いなく大真面目にやっているのも凄い(笑)。あんな古典的な展開を今更直球でやられるなんて、衝撃以外の何者でもないです。あれは確信犯的にやっているのでしょうか?ですよね?真面目にやっているのであれば、呼び出し注意ものです(笑)。華々しく毒々しく、馬鹿馬鹿しくも魅惑的なミュージカル。酔えたもの勝ち、な作品。 7点(2004-02-21 12:46:47) |
8. ソードフィッシュ
カメラを数10台配置して同時にシャッターを切った後に写真をつなぎ、時系列はそのままに多角度から爆発を見ることが出来る、というあのシーンのあのアイデアは秀逸。ただ、全編通して見るべきものはそれだけかな。そしてハル・ベリーの無意味トップレスに唖然(◎)(◎)。完璧なおっぱいには感心するけど、出す意味が全く分からない。あれで彼女はギャラが50万ドルアップしたらしいですが(片乳25万ドルかよ!)。 4点(2004-02-15 20:43:48) |
9. ベイブ/都会へ行く
《ネタバレ》 ベイブは相変わらずやばい位かわゆい。いや、良かった。ほんと良かった。「ベイブ/都会で逝く」にならなくてほんと良かった。 7点(2004-01-18 14:35:32)(笑:2票) |
10. ベイブ
かわゆい。本当にかわゆい。ピンクのお肌が素敵。魅力的なベイブ。ちきしょう、私を魅惑しやがる…。ベイブ観てるだけでご飯が2杯食べられる。いや、ベイブが旨そうという意味ではなくて。子供や動物ものは卑怯です。丸みのある哺乳類愛好家の私にはたまらない。いや、たまらない。たまらないよ、こりゃこりゃ。 7点(2004-01-18 14:28:36) |
11. ドリームキャッチャー
《ネタバレ》 人物描写やその背景をもっと掘り下げていたらもっと良いものになったのではないかと思う。そうでもしないとこのタイトルは生きて来ないのではないか。友情に起因するこのタイトルは結果的に、非常に不適切で浮いたものとなっている。一言で言うと、この映画は人間を描けていないのだ。人物描写に深みがありなおかつ設定と展開に説得力を持たせる演出を製作者が怠らなければ、あの前半と後半の凄まじいストーリーの落差もここまで酷評されることはなかったと思う。説明不足で唐突でいい加減な描写をしている、と感じたからこそ観客は戸惑い腹が立つのだろうと思う。原作は未読だけれど多分大切なところが随分零れ落ちているのでしょう。予想が付きます。それでもあの前半の緊迫感は買い。たこ焼きの上のかつお節のようにふよふよと逃げ惑う宇宙人たちも何だか妙に可愛かった。 6点(2004-01-09 16:41:22) |
12. エイミー(1997)
《ネタバレ》 公文のCMでこの曲を聞いて、「子供の声なのにえらく歌がうまいな~」と思っていたら、この映画の主人公の女の子の歌だった。その歌声を聴くだけでもこの映画を観る価値はあると思う。ストーリー運びなど色々な所の粗は気になるし比較的地味な映画だけれど、悪くないです。松本人志の「シネマ坊主」にも書いてあったんだけれど、ラストの現実感が良かった。もしこれがハリウッド映画なら、きっとラストは有り得ない位みんなハッピーになってしまったでしょう。でもこの作品にはそれがなかった。だから良かったですね。 7点(2004-01-07 14:36:12) |
13. マトリックス レボリューションズ
権力を持ったオタクの暴走は本当に恐ろしい。これでやっと、ウォシャウスキー兄弟が君臨するあの世界とは縁が切れる。ラストに関して個人的には、広げた風呂敷をちゃんと思うように畳めたの?とは思う。結局逃げの方向に行ったような。何はともあれ、この3部作、ここまで来たらもう宗教映画の部類かも知れない。 5点(2004-01-03 16:52:14) |
14. マトリックス
私は、プチパラノイアな人間なので、今でもたまにこういうことは考える。昔から、風呂に入る前に脱衣所で服を脱いでいる時などに、《今、私は風呂に入る気満々で思いっきりまっぱでいるけれど、それは私だけが勝手に作り出した現実で、実はここは学校の教室で、しかも授業中で、みんなはいきなり脱ぎだした私を唖然として見ているのかも…》とか。あは…はは…はは…。まあ、色んなバージョンがあります。それが中学校の時、某ギャグ漫画で似たようなことが描かれていて、そのコミックが友人間で流行った時、「ああ…あたしも思ったことある…」と静かにつぶやく友人が続出し、「なんだ…私だけじゃなかったんだ…」と密かに安心した。この映画はそういう妄想を、莫大な制作費を費やして、思いっきり実も蓋もなく堂々と提起した、サイコ映画な訳です。それを、先端的な技術やアクションを馬鹿みたいに惜しみなくぶち込むことにより、オブラートに包んで、大衆性を持たせた。ウォシャウスキー兄弟が、自身の引き出しの中に持っていたあらゆるオタク要素を詰め込み、作り上げたバーチャル・リアリティ。究極の夢オチ映画。根本を見ると、もともと人間がどこかで考えていたことを素直に表現しただけのごくごく素直な映画。ただ、今までそれを表現する手腕を持つ人が現れなかった。ウォシャウスキー兄弟は、凄い。オタクの力は、怖い。 8点(2004-01-03 16:34:31)(良:2票) |
15. プラクティカル・マジック
映画を観ることで何かを得たいという方は、この映画は観ない方がいいです。これはニコール・キッドマンとサンドラ・ブロックが綺麗ね、というだけの映画で、観終わっても何も得るものはないです。 3点(2003-12-23 16:03:27) |
16. ゴーストシップ
幽霊屋敷ものが大好きで、そうでなくても似たような閉じ込められ系の映画はついつい観てしまうけれど、期待にかなったことはほとんどない。これもそう。B級ホラーだからこんなもんでいい、じゃなくて、B級ホラーだからこその面白さ、創意工夫がもっとあって良いのでは、と思う。特に終盤、アレな方向に逃げに走った脚本は頂けません。 3点(2003-12-23 15:52:13) |
17. ポエトリー、セックス
正直、もっと洗練された映画なのかと思っていた。どういう方向に映画を持って行きたかったのか、監督の意図も分からない。女優の体型の緩み具合も気になった。いや、あれじゃ私の方がまだマシですよ。逆にそれがリアルでよい、と言う考え方もあるけれど。でもそういう官能のリアルさをとことん追求した映画でもないでしょう?かといってサスペンス劇のプロットが練れている訳でもないし。何がやりたかったのでしょうか。監督の意図を知りたいところです。 3点(2003-12-16 19:47:45) |
18. 女と女と井戸の中
《ネタバレ》 考えたらラストシーンの主人公、家族も友人も恋人も若さもお金も職も住む家もすることも、とにかく何もないんですよ。室温が下がったような空寒い感じがしました。本当に寂しい映画なのだけれど、妙に心に残ってしまう。ちょっとしたトラウマムービー。画面も青い、内容も青黒い、まさにブル~な映画。 7点(2003-12-02 21:06:07)(良:1票) |
19. ズーランダー
《ネタバレ》 ワム!の曲に合わせて無邪気に爽やかにガソリンを掛け合う野郎たちのスローモーションの後の爆発シーンを観た時、間違いなくこの映画は好きだと思った。ベン・スティラーのセンスが炸裂していて素晴らしい。とてつもなく豪華なバカ映画。センスのない馬鹿映画は害悪以外の何者でもないのだけれど、こういうスタイリッシュでハイセンスな馬鹿映画はリスペクトに値します。いやあ、アメリカのコメディ映画であんなに楽しい気持ちになったのは初めてかも。 9点(2003-12-01 16:36:57) |