1. アーティスト
《ネタバレ》 芸術というか、文化を形成している多くの精神を刺激する分野において、例えば音楽、絵画、文学とかなんですが。もちろん映画もそうです。これらは時代の推移により、技術が進歩すると影響を受ける分野は特に、大きく変わっていくわけです。映画史の場合は何と言ってもトーキーの導入なんですね。革命的な変化・進歩であると思います。もちろん、じゃあ明日からトーキー、という訳にはいかないのであって、そこは旧勢力と新勢力、既得権益勢力と後進勢力、保守派と革新派といった対立が起こるわけです。結局、需要層の、つまりは観客のおもいに従った方向に勝敗が行ってしまいます。その結果、勝者と敗者が生まれます。そして、そこに数多のドラマが生まれるのです。この作品は、それをあえて敗者のツールで描いたところに新鮮さがある訳です。基本的にサイレントで、負けたサイレントスターとトーキー新スターの愛のドラマを描いたところに、観客は思わず引き込まれる。まあ、そういうことかなぁ。それにしても犬の演技は素晴らしい。 [ビデオ(字幕)] 8点(2016-03-19 18:38:30) |
2. アザーズ
《ネタバレ》 この主人公も、もう一つの映画の主人公もそうなのだが、自分の立場を知ったときの衝撃は理解できる。もし誰かが、自分に対して「お前は死んでるよ」と言ったらと、考えると・・・。まあ、その時思うことは「生きてるのと同じじゃないか。」だろうけど。 8点(2005-02-20 23:32:17) |
3. アメリ
自分の殻に閉じこもった連中が、なかなか外に飛び出せずにいる様子をコミカルに描いている。不安があり、傷つくのを恐れ、何かきっかけを待っている。皆同じなんだなあ。老いも若きも、悩みは誰にでもある。 6点(2005-02-08 00:01:12) |
4. アバウト・ア・ボーイ
真面目な演技で、ストーリーも若干深刻な面があるけれど、適度に笑えて、ジーンとさせてくれる作品は好きです。英国的ユーモアのセンスが光っています。独身の印税生活で、ガールフレンドにも不自由してないのに、やっぱり満足は得られない。人間は社会との関わりなしには生活できないし、精神的な満足感を得られるためには、それなりの精神的負担を負わないといけないということか。コンサートのシーンは思わず応援したくなりました。ヒューが助けに入って、バシッと決まらないところも、またいい味出てます。まあ、しかし、一度はやってみたいなあ、独身の印税生活。 8点(2004-08-26 19:14:06)(良:1票) |
5. 愛と哀しみのボレロ
色んな国の家族が、それぞれの課程と歴史を経て、ある時期にボレロの演奏で一同に会する。バラバラのエピソードを因縁として結びつけ、音楽の効果で、見事な一つの作品としている。人間の結びつきとは、偶然と必然の微妙な関係で成り立っており、人生とは一面、こういうものなのだという解釈をしている。自分の人生は、両親から多くの影響を受け、自分もまた、子供たちに深い影響を与えているのかもしれない。幸福も悲劇も包み込んだラストの演奏が感動を呼ぶ。 8点(2004-06-06 11:31:05) |
6. 悪魔のような女(1955)
リメイクを先に観てしまったのが、残念です。サスペンスとしては一級ですね。意表を突く展開に、恐怖を感じさせる映像は見事でした。たしかに、これだけ面白いとリメイクしたくなりますね。邦題は誤解を与える要素がありいまいちです。くれぐれも、こちらを先に観て下さい。 8点(2004-05-12 22:49:05) |