1. 華麗なる殺人
“もし戦争というものが地上から無くなったとしたら・・・”という仮定に基づいたこの作品は、人間の闘争本能を満足させる為、国家がついに殺人を公式に認めるという、かなり過激な近未来のお話。10人勝ち抜けば高額賞金と特別な名誉が与えられるこの殺人ゲームには、誰でもが参加できるなど様々なルールも設けてあり、また対戦相手の顔が分からないスリルや、手段を選ばない様々な殺しのテクニックが味わえるという趣向。しかもその模様を“殺人ショー”としてTV中継するという念のいれようだ。まさに悪趣味の極みのような人間の愚かしさは、戦争が無くなった未来でも基本的になんら変わらないという皮肉がこめられている。が、本作に限って言えばやはり娯楽色が強く、むしろそれらの新趣向の殺し方を楽しんでいる我々観客のほうに、皮肉な目が向けられているようだ。 7点(2003-08-24 17:44:19) |
2. がんばれ、リアム
幼いリアムは、やんちゃで元気なおませさん。リアムはあがり症で、極度に緊張すると最初の言葉がなかなか出てこない。リアムは両親とお兄ちゃんとお姉ちゃんと仲良く幸せに暮らしている。しかし、この一家の長である父親が突然失業してからというもの、生活が一変してしまい、家庭内がぎすぎすとしてくる。いかにも英国人らしくプライドの高さを棄て切れない父親は、それゆえ仕事に有り付けないでいる。なにかとヒステリックな母親は、仲が良かった筈のご近所との諍いが絶えない。(このあたりの描写はいかにもお国柄を上手く反映している。)そんな中でもリアムは彼なりに家族を想い懸命になる。とくに大好きなお姉ちゃんの髪を梳いてやる仕草など、健気で意地らしくなってくる。子供が主役の映画は、如何にそれらしい子供を発見(又は発掘)するかが最大のポイントで、そういう意味でもこの作品は大いなる成果をあげたようだ。 7点(2002-07-08 00:24:10) |
3. 華氏451
一切の文字が禁止され、TVと絵だけの新聞が情報伝達手段として認められている近未来社会。書物を所持することすら違法で、発見されれば極刑に処せられ、火防隊の出動により書物を焼き払われる。なんとも暗鬱な未来で、実際こんな事が起こりうるのだろうかと考えさせられるが、しかし映画は「本は焼失しても記憶は消えない」とした反社会分子たちによる子孫から子孫へと伝えるために、書物の暗記を始めるという感動的なシーンで終わる。 8点(2001-03-11 23:41:43) |
4. 髪結いの亭主
P・ルコントの作品としては本作がピカ一!全編さわやかな風と光を感じるような、それでいて実に官能的で、それらが巧くドラマに融合されて見事な仕上がりをみせています。 8点(2000-10-20 11:46:59) |
5. カットスロート・アイランド
レニー・ハーリンの大活劇としてはそれ程出来のイイほうじゃないけど、ジーナ・デイビス(大ファン)の魅力でそれを補ってるって感じ。ただしマシュー・モディーンは明らかにミス・キャストで、映画のシーンみたいに“足を引っ張ってる”。 7点(2000-10-13 11:34:50) |