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R&Aさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2162
性別 男性
年齢 57歳
自己紹介 実は自分のPC無いので仕事先でこっそりレビューしてます

評価:8点以上は特別な映画で
全て10点付けてもいいくらい
映画を観て損をしたと思ったことはないので
酷評しているものもそれなりに楽しんで観たものです


  *****

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221.  ゴッホ
伝記とはまたアルトマンらしからぬ。と思うも、『M★A★S★H/マッシュ 』がアメリカ軍というシステムを、『ザ・プレイヤー』がハリウッドのシステムを揶揄したように、芸術が商品として売買される絵画の世界のシステムを揶揄する構成はやっぱりアルトマン。生前一枚しか売れなかったというゴッホの絵がオークションでとてつもない金額にせりあがってゆく現代のシーンを冒頭に持ってくるあたりが心憎い。嫌いな絵ばかりが売れ、好きな絵は売れないと言う画商の弟テオ。彼は画商でありながら芸術を知っている。芸術を知っているからこそ苦悩する。芸術の価値とかけ離れた商品価値に苦悩し、それでも売らなければ生活できないことに苦悩する。本物の芸術家であると確信する兄を支えるために芸術に対する背信行為を続けることに苦悩する。その苦悩を見て苦悩する兄ヴィンセント。芸術を解からない大半の中で芸術を解かっってしまったがゆえの二人の孤独。単にゴッホの生前を語った物語なんかじゃない。芸術を正当に評価できない世の中に物申す。そんな映画だった。
[DVD(字幕)] 6点(2009-04-10 15:35:24)(良:1票)
222.  みなさん、さようなら(2003) 《ネタバレ》 
原題「蛮族の侵入」。ローマ帝国は蛮族の侵入によって滅亡し、ヨーロッパ史は古代から中世へと移ることになる。。。主人公は社会主義者を公言する。息子は仕事が証券ディーラーというあからさまな資本主義代表。息子の、金に物言わせる強引な行動は、そのことをよりわかりやすく提示する。世界は社会主義が超資本主義という蛮族の侵入後、崩壊する。資本主義の象徴とも言えるツインタワーは反対にイスラム原理主義という蛮族の侵入によって倒壊する。人類の歴史は人殺しの歴史。ホロコーストすら霞む大量殺人の歴史。世界はその痛手を乗り越え新たな歴史を刻んでゆく。しかし個人は死んだらお終い。癌という蛮族の侵入にあった父はひたすら「生」を愛して死んでゆく。父と息子は主義や宗教を超えて繋がる。大量の死を刻む歴史の中でたったひとつの命の尊さが描かれた作品。
[DVD(字幕)] 6点(2009-03-26 17:43:55)(良:1票)
223.  天使の入江 《ネタバレ》 
私はオープニングシーンにヤラレタ派。女が映されたかと思ったらあっという間に猛スピードでカメラが引いゆく。そこにミシェル・ルグランの感動的なピアノが乗っかる。確実に脳内に何か出ました。ただ、この音楽がこの後何度も何度も出てくるのにはちょっと辟易。音楽が大袈裟すぎて画が負けてる。 ルーレットは運が占める割合が大きいとはいえディーラーがどの位置で玉を離すかとかどこを狙っているかを読んでいくゲームなわけだが、この作品はそんなルーレットの魅力を見せようなどとはこれっぽっちも思ってない。もちろんそれが正解。病的なギャンブル狂の女がいるということを見せればそれでいいのだ。女と主人公の青年とはギャンブルに対する概念が違う。女にとってギャンブルはお金じゃない。「生」そのもの。ギャンブルをしているときだけ生きているのだ。だからそこから逃れることは出来るわけがない。その象徴がオープニングシーンなのだろう。それでもラスト、女は新たに生まれ変わるのだ。すでに聞き飽きた感動的な音楽と共に。もったいない。音楽は最初と最後だけでよかったのに。
[映画館(字幕)] 6点(2008-12-04 14:59:28)
224.  黄金の七人
子供の頃によくテレビで見ました。で、去年(だったか?)レンタル屋に並んでるのを発見して久しぶりに見たのですが、『黄金の七人』というタイトルが私の中でどうやら一人歩きしていたらしく、もっと「七人」がかっこよく活躍するイメージになっちゃってたのでちょいと拍子抜け。でも無駄のない分り易い展開と貫かれる軽いタッチは老若男女に受け入れられる娯楽作なのだとあらためて思わされた。いかにも60年代のシャバダバ系音楽(これはなんというジャンルなんだろう?)とファッションが作品に色を染める。このお洒落さとヒロインの過剰にならない(ファッションは過剰だけど)お色気とコメディがうまくかみ合っている。
[DVD(字幕)] 6点(2008-11-06 11:47:30)
225.  セントラル・ステーション
ラジオを盗んだだけで射殺される国。ストリートチルドレンと人身売買。ブラジルの抱える社会問題がさらけ出される。この作品のいいところはこれらの諸問題を前面に出さずに、また語らずに、それでもしっかりと見せるところにある。都会から田舎へと移動するロードムービーはさらにブラジルの様々な顔を見せてゆく。代筆という仕事はブラジルの教育問題をもさらけ出しているが、同時に様々な顔を見せるブラジル中を繋ぐ重要な役割をこの女性が握っていることをわからせてゆく。そして田舎での代筆で、無条件に神に感謝する言葉、愛する人を想う言葉に「信じる」ことの素晴らしさを発見する。代筆、都会と田舎、子供、旅、それらは物語を感動的に盛り上げる一方でブラジルの現状というものを映し出す重要な駒ともなっている。いろいろな意味でよく出来た話。惜しむらくはユーモア。このおばさんと子供がなかなか魅力的なデコボココンビなのだが、このコンビならもっと楽しいシーンがあっても良かったように思う。
[ビデオ(字幕)] 6点(2008-09-30 12:57:46)
226.  禁じられた遊び(1952)
子供の頃に観たときはなんのこっちゃでしたが、大人になって観てみるとなるほど奥が深い。学校へ通う少年は文字が読めるけど、家の大人たちは読めない。この状況が子供の頃は理解できなかった。少年はただ文字を並べて祈りの言葉を口から吐く。その露骨なまでの投げやりな口調からは当然信仰心など見えてこない。でも大人たちの疑心に溢れた行いこそが信仰から遠く離れたものとして描かれてもいる。だから大人たちは戦争をしでかすのだ。ただここが大袈裟でコミカルにすら見えてしまうのだが、コミカルな方へはけして行かずシリアスのまま進行するのでちょっと戸惑ってしまう。音楽はひたすら悲しいし。男の子がぶたれるときの女の子の泣き顔は演技なのだろうか。5歳やそこらであんな顔はできんぞ。ラストもやるせない。この作品が名作となった功績は彼女の演技が大きいと思う。
[DVD(字幕)] 6点(2008-09-16 17:52:56)(良:1票)
227.  カストラート
見応え感がっちりな作品。こういうたいそうな映画は苦手なのだが、苦手な中にあって楽しめた部類。カストラートについてのあれこれには多くを語らず、兄弟の愛と葛藤のドラマを軸として見せてゆく。時代背景や音楽の歴史、(実在の)登場人物の背景、そしてカストラートの歴史など興味のつきない題材にもかかわらず、欲張らずに見せ所をしっかり絞った脚本の勝利。さらに衣装やセットも抜かりない。主人公は史上最高のカストラートと言われているカルロ・ブロスキ。今現在、カストラート自体が存在しないのでその美声の凄さは映画以上なのだろうが、その再現にボーイソプラノや数少ない男性ソプラノを使わずに、男性カウンターテナーと女性ソプラノの合成というまさにこの世に存在しない声で表現したのは納得と同時に感心。兄弟二人で一人の女を抱く、つまり3Pという特異な性生活が中盤にいかにも「プレイ」的な描写で登場するが、その行為が終盤に「プレイ」ではなく「愛の行為」として登場するくだりはなかなかの感動がある。5年以上前に観たっきりなので今観たらまた変わるかもしれないけど点数はまずまずの6点ということで。
[ビデオ(字幕)] 6点(2008-08-27 15:47:22)
228.  スイミング・プール 《ネタバレ》 
ラストカットで答えだしてるようなもんだから、解釈であれこれ語り合うほど自由度は無いように思ってたんですが・・。愛人に邪険にされた中年女の妄想の中での復讐といったところでしょ(?)。で、もちろんシャーロット・ランプリング=リュディヴィーヌ・サニエ。主人公が別荘に着くまで、そして着いてから部屋に落ち着くまでの異様な長さと特別必要とも思えないシーンの数々が伏線めいていて、序盤から映画への好奇心を煽りまくる。それら伏線めいたシーンの数々の中にはたしかに伏線だったものもあれば、伏線なのかもしれないけど私には解からなかったものも多々あって、でもたぶん全ての意味無さそうなシーンが全てなんらかの意味を持ってそうな雰囲気だけは充満していて、その雰囲気だけでこの映画はじゅうぶん見応えのあるものになっている。それでも意味ありげなシーンの放置状態が長引きながらも新たな意味ありげなシーンが次から次へと投げ込まれてゆくことで徐々に観続けることが面倒くさくなってくるというデメリットも。それでもサニエの若々しく眩しい裸体が画面から目をそらすことを許さない。
[DVD(字幕)] 6点(2008-08-07 12:16:50)
229.  ボーン・アルティメイタム 《ネタバレ》 
「1」も面白かったし「2」はさらに楽しめたので「3」への期待はそこそこに膨らんでいたのですが、大枠では期待は裏切られませんでした。とくにボーンは常に姿を現さず(見せず)に、しかし全てを見ているという、世界各国の背景を活かしながらのロングショットがこの「3」でも健在で(駅のシーン)見ている間にも期待値はどんどん上がってゆく。シリーズ通して多用される「何かを見る目を一瞬映しすぐあとに見られるターゲットなり次の行動なりを映すという短いカットの応酬もキマリまくり。ただ、カーアクションや格闘シーンの短いカットの応酬と揺れる画像もまた「2」よりも数段パワーアップしており、これはちょっとやり過ぎに感じた。ぶっちゃけ怒涛のアクションシーンなのに見てる途中から飽きてきた始末。それでもそんなマイナスを吹っ飛ばしてくれたのがエンディングのかっこよさ。海に浮かぶ体の影。テレビで伝えられる行方不明。それを聞いて笑顔になる女の顔。そして浮かぶ影が・・。もうわかってるんです。どうなるかは。わかりきったシーンをじっと待ってるこちらをじゅうぶんにじらせてそのシーンに持っていくその長すぎず短すぎない完璧な間の使い方が最高。拍手しそうになりました。
[映画館(字幕)] 6点(2008-07-03 13:04:34)
230.  オードリー・ヘップバーンの モンテカルロへ行こう
赤ちゃんを介した嘘がさらなる嘘を呼び、登場人物たちのそれぞれの事情と策略が入り乱れたドタバタぶりが楽しいミュージカルコメディ。オードリー・ヘップバーンはコメディ映画らしいオーバーアクトでちょっとバカっぽいわがまま女優を演じているが、なんとも初々しい。見所はドタバタとしたストーリーの面白さと赤ちゃんを追いかけに出てしまった楽団に変わってエアーギターならぬエアーサックスやらエアードラムやらエアーハーモニカなど多彩な楽器のうそ演奏をするマネージャーの軽やかな身のこなし。最後の最後で赤ちゃんの本当の親を探すコマーシャルというカタチで長々とミュージカルシーンが続くのだが、これがダメ。長すぎてせっかくのドタバタとした軽快なリズムを断ち切ってしまった。締め方も唐突。もうちょっと気の利いた締め方がなかったものか。まあでも、楽しい映画だと思う。
[DVD(字幕)] 6点(2008-06-27 13:44:17)
231.  ヴァンダの部屋
ペドロ・コスタ初体験。のせいもあるかもしれないけど、こんな映画観たことない。根底の部分において今まで観た映画とは別次元にある。作品の舞台となるスラム街が何故取り壊されるのかはどうでもいいとして(開発の過程で壊されてるんだろうけど)、ギリギリまで立ち退かず、また立ち退いても行く当てのない人たちの日常を切り取っている作品の中で、「何を言いたい」ではなく、ただひたすら切り取ったものを見せているという感じ。こんなにも何も語らないドキュメンタリーを観たことがない。多くは家々が壊される映像と音、ヴァンダという名の女性をメインにとらえた会話、そしてヴァンダも含めた住民のドラッグまみれの日常の描写が占める。朝、昼、晩と順繰りに映される日常に家々が徐々に壊されるという変化以外何も起こらない。たしかに美しい画が時折飛び込んでくる。部屋の光の当たらない片隅は「影」というより「闇」と言ったほうが正しく、そのうち全てのものを被ってしまうのではないかと錯覚するくらいに「闇」自身が自己主張しているかのようだ。その恐るべき「闇」があるから明るい場所がなんとも言えない美しさを勝ち得ている。でも、観ているうちに不安になる。この映画、いつ終わるの?と。なぜならいっこうに終わる気配が無いから。結局のところ、唐突に(映画の)終わりは来て安堵したのだが、いったいなんだったんだろう、、、と。何かを「観た」という手応えだけがあって、何を見たのかさっぱり解からない。私はいったい何を観て、何故手応えを感じたのか、、それを理解するにはもっと映画を観なければならないのだろう。
[映画館(字幕)] 6点(2008-05-12 15:48:40)
232.  マイ・ブルーベリー・ナイツ
夜の街を電車が駆け抜けてゆく。ウォン・カーウァイの作品によくあるこの風景がものすごく好きなんだけど、やっぱりありました、この作品にも。これでもかってくらいに(笑)。出ている人間がアジアンから欧米人になっても、お洒落に装飾された映像と恋に敗れた女が涙してといういつものカーウァイ作品で、ローレンス・ブロックが脚本に加わったところでアルコール依存を克服するための禁酒の会のくだりがそれっぽいくらいで、やっぱり相変わらずのカーウァイ作品であった。でもナタリー・ポートマンとジャガーに乗ってラスベガスに行くあたりからこれまでのカーウァイ作品にはなかったアメリカ的なカラッとした陽気さが漂いはじめ、『ブエノスアイレス』とは全然違う「旅」の映画、つまりロードムービーをほんの少し見せてくれる。出発点でもあり帰る場所でもあるニューヨークのシーンのいじりまくった映像が鼻につくっちゃあつくんだが、キスをしたくなる唇の描写はさすがである。
[映画館(字幕)] 6点(2008-03-31 16:38:04)
233.  ベンゴ
これはギャングのお話なのだろうか。いつの話なのだろうか。主人公の娘はなんで死んだのだろうか(映画内のお話以前に)。主人公の兄はなぜ人を殺したのだろうか(映画内のお話以前に)。よくわからないままに映画は進む。わからなくても結局困らなかったからいいんだけど。ファミリーの結束はそんじょそこらのギャング映画も顔負けの結束具合で、しかもやたらと男くさいのに怖さがなく、常に家族の結束としての暖かさに溢れている。そこに音楽。声も楽器のひとつなんだと思った。雰囲気は最高にいいんだけど、主人公の葛藤や行動に少々ついていけないところがある。兄の息子を守ること以外に自分の娘の死を引きずっていることも、最後の悲しい決断を促す要因になっているのだろうが、その行為が家族を守るための勇敢なもののようにも見え、ただただ悲しい運命にも見え、あるいは主人公のある意味投げやりな行為にも見えてしまうのが、最後の最後に自分の中で盛り上がりきらない原因になっている気がする。
[DVD(字幕)] 6点(2008-03-19 12:33:37)
234.  ガスパール/君と過ごした季節 《ネタバレ》 
二人の男が自由気ままに暮らしている。そこにおばあちゃんが入るだけでなんとなく擬似家族の出来上がり。その境遇ゆえに家族を求める男と家族を忌み嫌う男。いくら嫌っても家族の心地よさを否定できない。しかし擬似家族はある女と女の娘の登場によりますます家族性を強めてゆく。人に寄り添い、人と助け合い生きてゆく「家族」を捨てて自由であることを選ぶ男。ガトリフが描き続けるロマ(ジプシー)の性(サガ)を描いているのだろうか。それでもラストシーン、ついてくる犬を振りほどけない男は、また誰かと暮らすことになるのだろう。冒頭の姨捨がけっこう衝撃的だったのでおばあちゃん主体で物語が進むのかと思ってたんだけど、意外に脇役。もうちょっと前に出てほしかった。ガトリフの映画の中ではガトリフっぽさが抑えられているほうなのでけっこう万人に受けるのはこっちかも。個人的にはちょっと物足りない。
[DVD(字幕)] 6点(2008-03-17 17:34:48)(良:1票)
235.  シラノ・ド・ベルジュラック(1990) 《ネタバレ》 
寡黙な私にとってはこの女の行動はかなりむごい。キレイだけど。まあ「おはなし」なんだからムリに現実(しかも今の時代の)に当てはめるのもおかしな話ではあるんだけども。それでも戦争の最中で真実を知り、それでも変わらぬ愛を・・って展開だと思ったら、そのウン年後にまで引っぱってやっぱり「知的で詩的な愛の言葉」がいいのね、あなたは(ショボン)。キレイだけど。と、なんか複雑な心境ではあるのですが、たしかに「ことば」って大切だなあと。美しい言葉というのは美しい絵画や美しい音楽と同等に芸術なんだろう。その具現化した最たるものが詩であり戯曲であり、その戯曲で美しい言葉を題材にしているというのだから、この徹底した「ことば愛」も許されるってもんです。だから戯曲でこそ映えるんであって映画にしちゃうとちょっと違和感があったりするのだろう。ただ、言葉だけじゃなく、あんなに嫌な奴だった上官も含めてみんな男気に溢れていて、その男気の単純な見せ方には素直に感動。
[ビデオ(字幕)] 6点(2007-10-31 14:53:10)
236.  ショーガール
ヨメさんの、もう観ることもないだろう数少ないレーザーディスクコレクションにこれがある(なぜこれなんだ?)。映画はこれと『ラストエンペラー』だけ(なぜこの組み合わせ?)。深夜テレビも含めて何度か見たことのある私はひたすら「なぜ?」を繰り返すのだが、好きなんだそうだ。でもわかる気もする。もともと舞台劇好きだから、ショービズの裏側ってのはそそられる題材なのかもしれない。それになによりもストーリーがシンプルで解かりやすい。そもそも彼女が映画をあまり好きではない理由の「ドンパチがイヤ」「恋愛ものは腹がたつ」「誰かが病気で死ぬとかかわいそうで見てられない」というこの3つを見事に外した映画でもある。つまりひねったストーリーやら安易な驚きや感動で観客に媚びた映画ではないということになる。裸は裸を売りにしたビジネス界のお話なんだからあって当たり前だしエロさは然程無い。うーん、なんでラジー賞なんだろう。
[ビデオ(字幕)] 6点(2007-07-25 11:38:04)(良:1票)
237.  永遠と一日
いきなり「時間とは、浜辺で石遊びをする子供」ときた。最後は「明日の時間は“永遠と一日”」ときた。哲学的であり詩的である。そして難解である。時間の境界が取り払われ現在と過去が同じ画面上に映される。亡き妻が言うところの「私の日」、そして19世紀の世界が主人公の最後の1日である現在の中に現れる。明らかに現在とされるシーンにも恐怖をイメージ化したような国境シーンや不法滞在の少年を取り締まる警察の劇的な登場の仕方など、随所に幻想性を覗かせている。難解と書いたが、こういった映像にある醍醐味はじゅうぶんに楽しめる。そこに難解さは無い。意味を求めなければいいのだ。しかし意味を求めざるを得ないような映像であることも確かで、それでも映像に関しては全然いいとしても、発せられた「言葉」には、ただ詩的な映像を増幅させるためだけではなく、やっぱり必ずそこには意味があり、映画に没頭する傍らに意味を模索する自分がいて、時間と共に疲れてきてしまうのだ。重要な「言葉」が一つ二つならいいのだが。また無視できればいいのだが、なまじ映像が美しく、また考えるにはとっておきの静かな間が多いので無視できないのだ。だから映像における感動があっても常に消化不良感が伴う。
[ビデオ(字幕)] 6点(2007-07-06 19:07:55)(良:1票)
238.  百一夜
これ、たしか映画生誕100年を記念して作られたものだったと思うのですが、観たのがえらく前で、そのときの印象は、世界中の映画と映画人がたくさん出てきてはいるものの、コレ自体がフランス映画だけあって、メインはフランス映画で占められているなぁというのが正直なところ。とくに鮮烈に印象に残っているのがゴダールの『軽蔑』なのですが、そもそも『軽蔑』という映画は色(このときは赤)によってひとつのシーンをイメージとして頭にこびりつかせてしまう映画ですから、私の抱く強烈な印象が『軽蔑』そのものからの印象とごちゃ混ぜになっている可能性はありますが。次にやはりブニュエルの『アンダルシアの犬』でしょうか。ミシェル・ピッコリ演じるシネマ氏の元に訪れるアラン・ドロン(年をとっても男前!)にJ・P・ベルモンド(あんなにかっこよかったのに、、ちょっとショック)。その他、層々たる顔ぶれのフランス俳優の中にアメリカを代表するデ・ニーロがじゅうぶんな役割を任せられていることから、世界を代表する映画俳優として認められているのだとあらためて納得。セリフの端々に様々な映画へのオマージュがあったはずなのですがよく覚えていません。あらためて観たいのですが、なぜかレンタルショップに無い!前はあったはずなのに~。以前観た時よりも少しは映画を観た本数も増えているのでぜったい以前以上に楽しめる予感がするのですが。
[ビデオ(字幕)] 6点(2007-07-05 11:54:15)
239.  ピアニスト 《ネタバレ》 
母親の精神的完全管理の下、ピアニストとしてのみ生きて来た女はピアニストに必要なもの意外を受け入れる器を持たない。歳をとっても女として成熟していない。未熟な女が性欲を満たすために行う行動の一つ一つが男の性欲を満たすための行動となるのが面白い。つまり男は成熟しても性欲に対しては未熟なままということなのだ。なるほど、そうかもしれない。 異性への興味はあるものの、それを受け入れる器もないから認めたくもない。そこに突然表れる男。不器用を通り越した異常な愛の形。本当に縛られたいわけじゃない。本当に殴られたいわけじゃない。でも何をすべきか、何をしてほしくないのか、それさえも分からない。観ていて悲しすぎる。それでもハネケは手を緩めない。ラストであんな表情をさせるなんて、、、ハネケは鬼です。それにしても、これは小説ですね。ハネケは映画で小説を作ってます。
[DVD(字幕)] 6点(2007-06-27 13:59:04)(良:1票)
240.  イタリア旅行 《ネタバレ》 
ヌーヴェル・ヴァーグに影響を与えたと言われているらしいが、先に戦争を描いた3作品を観た後では、倦怠期の夫婦のドライブという地味な流れは物語上の抑揚が当然なくかなり退屈に感じた。車から見える風景や訪れる博物館や遺跡がバーグマンの心情を映し出しているのだが、バーグマンの独り言や表情がそのことを補填していて解かりやす過ぎるのも不満。それでも『ストロンボリ/神の土地』のように原因が描かれているわけでもない、ただひたすらヒビの入った夫婦関係を映しているだけなのに映画として成り立っているというのが凄い。そして修復不可能に見えた夫婦の絆の復活だけが実にドラマチックで感動した。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2007-06-19 10:47:06)
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