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ドラえもんさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

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21.  ハリウッド★ホンコン
香港の下町で暮らすチュウ一家は、男やもめの父に二人の息子がいて、焼き豚屋を営んでいる。三人ともおデブという似た者親子で、この実に愛嬌のある風体がむしろ強烈な印象を残す。商売は繁盛しているようだが、男たちだけの何とも侘びしい生活は、かなりの閉塞感をも伴っている。彼らの住む下層階級の迷路のような雑然とした風情は、日本の昭和三十年代初期の頃に近いものがあり、懐かしく感じるところ。一方で高層の建物が林立する、いわゆる我々の良く知っている近代化された香港の姿があり、彼らは空を見上げるように憧れを抱いているのだが、ここにも近代化の波に押され、解体の危機に瀕してもいる。映画はそんな彼らの前にひとりの少女が現れた事から起きる、ひと騒動をコミカル描いていくが、下町の人情話としてはかなりブラックな部分もあり、一筋縄ではいかないといった趣向がある。やがて、素性も知らないまま風のように去っていく彼女だが、彼らにとってはまさに至福の日々だったに違いない。なんとも殺風景だが実に爽やかな印象の残る不思議な作品である。
8点(2003-10-20 00:30:38)
22.  エデンより彼方に
舞台はニューイングランドのハートフォードという片田舎。エリートの夫には貞淑な妻であり、子供たちには賢い母親として、何不自由ない暮らしを送る美貌のキャシー。周囲からは憧れの的であり、理想の主婦ともいえる彼女が迎える人生のターニングポイント。これは様々な意味合いを込めて、50年代と言う時代背景を意識した作品だと言える。それはまさに偏見と言うものが、人の生き方をも大きく変えてしまうという哀しい時代。昨日まで仲の良かった親友でさえも、手のひらを返したような排他的な態度。このまやかしの楽園である見せかけの世界に、真の自分というものを失わずに生きていこうとする彼女の姿には、やはり共感せずにはいられない。大メロドラマのスタイルをもったこの作品の魅力は、ストーリー以上に、見事なカメラワークによる色彩の美しさ、この時代の男と女のエレガントさ、女性たちが身に纏うコスチュームの素晴らしさ、そして何よりもヒロインを演ずるJ・ムーアが魅せる眩いほどの美しさ。そう「めぐりあう時間たち」と錯覚するほど、この作品での彼女と酷似しているのは単なる偶然だろうか。そしてこういった役どころは、もはや彼女の独壇場と言っていいかも知れない。夫フランク役のD・クエイドにはこういった役柄はむしろ不似合いな気もする。黒人の庭師レイモンドを演じたD・ヘイスバードは今後の注目株。
8点(2003-09-07 16:46:34)(良:2票)
23.  ミニミニ大作戦(2003)
オリジナルのどこか気品があって大らかな作風に対し、新作はいかにもハリウッド製ハードアクション然とした、がさつさが売りのようだ。かなり大胆で大がかりな仕掛け(アイデア賞もの!)は、まさに強奪という言葉がピッタリだが、やはりアクションも今風の味付けが施してあり、かなり荒っぽいものの、水準以上の出来だと思う。C・セロンが久々に適役を得て光彩を放っているだけに、男優陣が少々影が薄いように感じたのは私だけでしょうか。さらにミニクーパーの機動力やその魅力にあまり力点が置かれていない事と、締めくくり方に盛り上がりがなく少々中途半端・・・といったところに不満は残る。
7点(2003-08-29 00:27:02)
24.  華麗なる殺人
“もし戦争というものが地上から無くなったとしたら・・・”という仮定に基づいたこの作品は、人間の闘争本能を満足させる為、国家がついに殺人を公式に認めるという、かなり過激な近未来のお話。10人勝ち抜けば高額賞金と特別な名誉が与えられるこの殺人ゲームには、誰でもが参加できるなど様々なルールも設けてあり、また対戦相手の顔が分からないスリルや、手段を選ばない様々な殺しのテクニックが味わえるという趣向。しかもその模様を“殺人ショー”としてTV中継するという念のいれようだ。まさに悪趣味の極みのような人間の愚かしさは、戦争が無くなった未来でも基本的になんら変わらないという皮肉がこめられている。が、本作に限って言えばやはり娯楽色が強く、むしろそれらの新趣向の殺し方を楽しんでいる我々観客のほうに、皮肉な目が向けられているようだ。
7点(2003-08-24 17:44:19)
25.  自由の幻想
公開当時“映像の尻取り遊び”と表現されたL・ブニュエル監督晩年の傑作の一つ。いわゆるオムニバス形式の変種と言ってもいいユニークさで、ひとつのエピソードが終わると、それまで脇を努めていた人物が、次なるエピソードの中心人物となっていくという、幾つかのエピソードがそれぞれ微妙な接点を持ちながら場面転換していく構成となっている。要するに最初から最後まで出ずっぱりの登場人物などいないということでもあるのだけれど、こればっかりはいくら説明しても、実際に映画を観てみないと、良く呑み込めないのではないかと思う。で、内容そのものはと言うと、“もし、こういう世界であったなら・・・”といった、まさしくタイトル通り“自由というものに対する幻想”を描いたもので、真の自由とは何か、世の中で今まかり通っている秩序が本当に正しいものなのか・・と言った問いかけをしながら、戯画化されたブルジョワ社会を皮肉まじりに批判していく。いかにも鬼才ブニュエル作品らしく、逆転の発想のユニークさやそのイメージの奇抜さ奔放さには圧倒されてしまう。
9点(2003-08-15 00:35:06)
26.  ブルジョワジーの秘かな愉しみ
巨匠L・ブニュエルが、6人の男女の遭遇する奇妙な日常を寓話的に描くことで、ブルジョア社会を痛烈に皮肉るという怪作。ここでは晩餐会(もしくはパーティ)というブルジョアジーの典型例をモチーフとして描かれていくが、なにやらボタンの掛け違えのような様々なエピソードを挟みながら、何故か終始食事にありつけない彼等の人間本来の姿が炙り出されていく。愛欲も食欲も普通の人間そのものだが、彼等はあくまでも見かけに拘る。体裁に構う。表層的なもので身を覆う。そしてその事により悪夢にうなされ続けるのである。繰り返し挿入される、着飾った正装姿でなぜか車にも乗らずに田園の一本道を歩く彼等。しかし何処へ行こうというのか、定かではない。あたかも夢の堂々巡りを象徴するかのようなエンディングに、ブルジョアジーの傲慢さと退廃の臭いを感じさせる。素人の批評など挟み込む余地の無いほど、ブニュエルの偏屈ぶりとイメージの奔放さは、本作でも独特のブラックな作品世界を築き上げ、異彩を放っている。
8点(2003-08-14 00:27:25)(良:2票)
27.  旅立ちの汽笛
これは珍しいキルギスから届けられたホロ苦い青春ドラマ。一人の少年が兵役に就くまでのひと時のエピソードが切々と綴られた、詩的で叙情的な佳作。いつの時代にもそしてどこの国にでもいる、ごく普通の思春期の少年が抱く夢や希望そして苦悩や挫折というものは普遍的であり、我々に懐かしい日々をよみがえらせてくれる。個々のエピソードが総花的で、やや散漫な印象は拭えないが、小さな山間の村から様々な青春の想い出を胸に列車に乗って、まさに大人へと旅立つ少年の初々しい姿には、熱いものが込み上げる。美しく雄大な自然を捉えたカメラが秀逸。
7点(2003-08-03 16:13:29)
28.  WATARIDORI
時折挿入されるナレーション以外、鳥たちがひたすら飛んでいるシーンで占められるというユニークな作品。俳優でありこの作品の監督でもあるJ・ペランは「決してドキュメンタリーではない」と言い切る。懸命に羽を動かして飛翔する鳥たち。その“被写体”に接写し“彼ら”と並列しての撮影技術の素晴らしさにより、我々人間が抱く空を飛ぶという感覚を存分に味あわせてくれる。決して大空高くというのでなく、海面すれすれ、あるいは木立の間を縫うようにして飛べるということが素敵なのだ。この作品を作るにあたって、あらかじめ沢山の鳥を調教・訓練し、膨大なカメラテストを経て撮影に臨んだとか。そういう意味においてもドキュメンタリー作品ではなさそうだが、労作である事には違いない。金と時間をかけて作る映画にも、こういうジャンルもあるのだという事を知りえただけでも、観た価値があろうというもの。
8点(2003-07-26 23:31:02)
29.  バティニョールおじさん
舞台は第2次大戦中のドイツ占領下にあるパリ。愛や希望を失ってしまった不幸な時代にあってなお、それらに押し流されまいと人々は必死に生きようとしていた。そんな中でも、ユダヤ人を強制収容所送りにする為ナチスに密告するといった、人間の最も醜い姿がある一方で、彼等を匿ったり逃がしてやったりと、正義感を伴った人間本来の美しい姿がある。本作はこういったまさに庶民レベルでの両者の戦いの物語とも採れる。主人公を冴えない中年の肉屋の親父(=バティニョール)にしたことで、この悲劇的なテーマがユーモラスで人間味溢れる作品になり得たのだが、このあたり自作自演のJ・ジュニョは、その風体からしてまさにハマリ役。ひょんな事から匿っていた子供たちをスイスへ脱出させるという、コミカルさからスリリングさへと場面展開していくが、その筋運びには些かの誇張もないだけに、十分に説得力があり面白い。結局、人間の尊さや人間の良心への問いかけをすると共に、この愚かしい大人たちの現実世界から、未来を子供たちに託すという、祈りにも似た気持ちを感じさせる作品だと言える。陽光と緑に包まれたエンディングも実に爽やかである。
8点(2003-07-26 00:19:01)(良:1票)
30.  メルシィ!人生
リストラを回避する為に“ゲイ”を偽装した主人公の顛末や如何に!彼の勤めているのがコンドームの会社というのがミソで、噂が噂を呼んで社内中が大騒ぎにはなるものの、話の進展は意外な方向へ・・・。うだつの上がらぬ主人公の人生巻き返し物語といった、至ってありきたりなテーマではあるが、F・ヴェヴェール監督が描く独特のエスプリの効いた本作は、少々大袈裟に言えば、我々観客に生きていく希望と勇気を与えてくれる。差別問題をも孕んで重くなりそうな展開を、からっと明るく、いかにもフランス映画らしいウイットに富んだ笑いに包み、さらに極めて鋭いその人間観察により、見事な人生賛歌となっている。
8点(2003-07-24 23:45:01)
31.  スパイダー/少年は蜘蛛にキスをする
子供の頃の“ある出来事”がトラウマとなって精神障害を起こした主人公が辿る迷宮の世界。薄汚れたコートの下に何枚ものシャツを重ね着して登場する彼の姿に象徴されるように、全編を通してジメジメとした肌寒さを感じる創りとなっている。このジメジメ感が蜘蛛のイメージと重なるのかも知れないが、所詮、大した意味はなさそうだ。結局、謎解きや演出力を楽しむというよりは、この孤独と狂気といった繊細な役柄を巧みに表現した、R・ファインズの演技力を堪能するべき作品ではないだろうか。決してお奨めしませんが・・・。
6点(2003-06-02 00:12:02)
32.  トランスポーター
ハード・アクションとしては確かに良く出来た作品だが、何かとひっかかる部分もある。何故、主人公は車のトランクの中に警官を閉じ込めたのか。結果的に彼らを爆死させてしまった訳だが、映画はその部分にあまり深く触れようとはしない。その後、弔い合戦であるかのようにアジトへ殴り込みをかけるのも、犠牲者に対して自責の念に苛まれてというよりも、自分の命を狙われた腹癒せにしかみえてこない。地元の刑事に執拗に職務質問されるという序段の細やかな描写があるが、運び屋という特徴あるテーマが生かされていたのはこの辺りまでで、以降、話が大袈裟になってきたこともあって、なにやら荒唐無稽な通俗スパイ・アクション映画のようになってしまったのが残念だ。
7点(2003-04-23 11:14:39)
33.  戦場のピアニスト
戦争の悲惨さ、とりわけナチスのユダヤ人虐殺をテーマにした映画は、過去にも数多く作られてきた。本作もその中の一本で、評価もかなり高い。監督はR・ポランスキーで、今まで大半が小品ばかり撮ってきた人だけに、そういう意味においても初の超大作だと言える。入魂の一作と言おうか、彼としてはかなり思い入れがあるようだが、果たしてどれだけの人々の心に響いたのだろうか。実在のピアニストであるシュピルマンの回想録を元に映画化されたものだが、本作に限らず、どうもこの“実話に観客は弱い”のが気になる。要は、この主人公にいかに感情移入できるか否かで、評価も変わってくるように思う。個人的には、ピアニストという職業というだけで何故、彼が戦場を渡り歩き生き延びられたのかという部分に、どうしても引っ掛かってしまう。彼は単に運が良かっただけと言う以上に、高名なピアニストだったから助かったような描き方では、他の人が浮かばれまい。そんなにピアニストが偉いのか。終盤のドイツ高官との本来感動的である筈のエピソードも、これではご都合主義ととられても仕方があるまい。目を覆いたくなるような殺戮シーンに比べ、このシュピルマンに対してだけ、やたら描写が甘いのは何故か?そして彼の家族はその後いったい何処でどうなったのか?時間の経過(年数の経ち方)の解り難さも含めて、実話だからと言って、その辺りにもっと説得力ある描写がないから、単なるピアノ好き、音楽映画好きの為だけの作品と言われても仕方がない。
6点(2003-03-21 21:43:38)(良:1票)
34.  8人の女たち
ベテランからニューフェイスに至る、それぞれまったくタイプの違う新旧の女優たちがスクリーンの向こうで一堂に会する。その豪華な顔ぶれとそれに負けずとも劣らない華麗なファッションの数々。数ある名女優たちの競演作の中でも、これほど映画としての醍醐味を味わえる作品も滅多にお目にかかれるものではない。サスペンス的要素が強くて重苦しいテーマを逆手にとった演出スタイルでミュージカルに仕立て上げ、重層な人間ドラマとして描き切ったF・オゾン監督の手腕はお見事と言うしかない。
8点(2003-03-18 00:18:50)
35.  酔っぱらった馬の時間
えっ!もぅ終わったの?上映時間1時間20分という、昨今の映画の中にあってこれはむしろ短編といってもいいほどの作品だが、いたずらにダラダラ長いばかりでさっぱり印象が残らない映画が多い中、これほど濃密な内容の作品は稀有だといえる。映画はイランとイラクの国境山岳地帯の寒村を舞台に、そこに住むクルド人たちの悲哀と、両親と死別し懸命に生きていこうとする幼い姉弟たちの姿を克明に描いていく。難病の兄を救おうと、大のおとなでも危険な密輸仕事を手伝う次男や、見知らぬ土地へ嫁がされる長女の姿に、貧しさゆえ互いに気遣い力を合わせて生きていこうとする子供たちのけなげさに胸打たれると同時に、地球の向こう側に厳しい現実が紛れも無く存在することを改めて思い知らされる。終盤、密輸のタイヤを運搬させるロバに、(おそらく寒さの気付けの為だろうか)酒を飲ませるシーンがあって、そのあと警備兵の待ち構える国境近くで本当に酔っぱらってしまった事から、次男らが死と直面する事となる。常に危険と隣り合わせで生き抜いていかなければならない彼らの長く苦しい闘いと、子供たちの行く末を暗示するかのように映画は終わる。テオ・アンゲロプロス作品を彷彿とさせる雪山の美しいシーンなど、セミ・ドキュメンタリーのような肌ざわりだが、あくまでもこれは劇映画なのだと理解するには、多少の時間を要するかも知れない。
8点(2003-02-07 00:19:06)
36.  まぼろし
長いブランクがあっての久々のS・ランプリング作品。彼女の「愛の嵐」での鮮烈なイメージが残っているだけに、正直観たくはなかった作品でもあった。確かに老いは隠しようもないが、しかしそれでもなお妖しい美しさと魅力を感じさせる彼女の圧倒的な存在感。そのぎりぎりに均衡が保たれた彼女の姿を見せることこそがが本作の狙いであり、映画の中で演じる中年女性が実生活での彼女とオーバーラップして、実に興味深い。子供はいないが、それだけに深い愛情で結ばれている中年夫婦。その愛する夫が突然目の前から消えてしまったことから、妻としての戸惑いと夫に対する不信感を、ランプリングは巧みで老練な演技力で見せきる。そしてなお夫を想いつづける彼女の姿には胸が熱くなる。上手に歳を重ねてきたと言おうか、老いと若々しさとが共存しているという不思議な魅力を放ち、見事なカムバックを果たした本作は、彼女の新たな代表作となったと同時に、真の大人の映画として近年の収穫だと言える。
9点(2003-01-31 16:06:51)
37.  モンスーン・ウェディング
冠婚葬祭にまつわる様々な人間模様といったテーマは、古今東西を問わず普遍であることを、この作品で改めて知らしめてくれる。ありきたりと言えばそれまでだが、ここに登場する人々それぞれに当然ながら、悩みや問題をかかえている。しかし彼らの決して後ろ向きでない生き方に、やはり共感せずにはいられない。上流階級のこれ以上ないと思えるほどの、煌びやかで華々しい結婚式の陰で、ぎこちない愛の表現ながらやっと見つけた幸せを、ひっそりと二人だけで永遠の愛を誓うシーンには、胸が熱くなる。国民性とはいえ、すべてをのみ込むように踊り狂う大団円に、爽やかな後味を残す。
8点(2002-12-29 00:43:34)
38.  バイオハザード(2001)
結論から言うと、予想以上に出来が良く、実に見応えのある作品となっている。単に日本が生んだ世界的人気ゲームの映画化という以上に、アイデアと技巧を凝らした、まさに力の入ったアクション映画となっていて、こういった作品にありがちな企画の安直さなど微塵も感じさせない。見せ場のひとつ、逃げ場のない通路でのレーザー攻撃で人体がスライスされるシーンは、見事な特殊効果で唖然としてしまうほど強烈なインパクトがあるし、ゾンビ化した人間たち以上にドーベルマンの襲撃シーンはさらに恐怖心を煽って、少々呆気ないものの新機軸としては面白く出来ている。さらなる展開が予想される終末観溢れるラストの視覚映像もなかなかのものだが、ただ前段の研究施設から地下鉄道での脱出のタイム・リミットのスリリングさが出ていないのが惜しい。
8点(2002-09-16 16:07:54)(良:1票)
39.  ル・ブレ
フイルム・ノワール的でいかにもフランス映画っぽいのはオープニング・シーンぐらいで、その後の展開はむしろマサラ・ムービー的デタラメぶり。しかし基本はコメディなんだろうけど、妙にシリアスな部分もあって、チョット不思議な感覚の作品でもある。例の大観覧車をぶっ壊すド派手なカーアクションは、ほとんど序盤だけで終わってしまい、凄まじいカーレースなどを期待する向きには肩透かしを食らってしまう。ポスターに騙されてはいけませんぞ。
6点(2002-09-13 00:05:48)
40.  父よ
老境にさしかかり父と同じ年齢になった今、どうしても父に対する自分の想いを映画にして残して置きたかったJ・ジョバンニ監督の若き日の半生を、自伝として実録風に切々と描きあげた佳作。しかし彼がなぜ父を嫌っていたかという理由や、父がなぜそれを甘受し息子に無償の愛を捧げていたのかという部分については、やや説明不足で曖昧さが残ってしまった。父の親としての責任や深い愛情が感じとれるだけに、なんとも惜しい気がしてならない。
7点(2002-08-25 16:10:28)
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