61. ルネッサンス
おフランスのゼメキス。これはどう考えてもカスでしょ。 「人の手」がほとんど介在しない(=コンピュータの自動処理部分の多すぎる)アニメに何の価値があるのか。冒険のない物語に、使い古されたアイデアをパワーで押し切って見せる事に何の感動があるのか。 エンキ・ビラルの爪の垢でも煎じて飲むように。 [DVD(吹替)] 2点(2008-04-15 00:32:59) |
62. ジャッカル
《ネタバレ》 ぎゃっははははあぁん~っ!o(>▽<)o" いま goo 映画情報で、この映画の解説(http://movie.goo.ne.jp/movies/PMVWKPD30864/story.html)を読んでたんですが、お、お、おかしすぎるぅ~! 腹がよじれる~! 『はたしてジャッカルの究極兵器が演壇を襲うが、夫人は間一髪で無事』とか、なんじゃその究極兵器って! あの目立ちまくりマシンガンがキューキョクだったんかよ! 凡作のあらすじを何とかして読めるものにしようというライターさんの苦闘の跡が笑いにまで昇華されてしまって、もはや手のつけようのない駄作であるコトの逆証明みたいになっちゃってます。でも、製作者の意図はわかんなくもないんですよね。『ジャッカルの日』がリアルな展開、抑えた演技・演出の傑作だとすれば、これをハリウッド流儀でバリンバリンに改造してゴージャスな展開、派手な演技と演出にしてやれば「もっと素晴らしくなる(…と製作の誰かが言ったに違いない!)ではないかーッ!」。んなわきゃないのは皆さんご存知の通り。ハリボテの展開と男臭い(=頭悪い)演技・演出で、滅多に見られない勘違い企画に…その象徴があの『究極兵器』なんだとすれば、確かにあれって本作の全てをあらわしたバカアイテムなのかもしれないですねえ(確かに試射のシーンだけはオリジナルとのギャップに笑ったけどさ)。やるなら、ブラッカイマー製作の映画くらいもっと男臭く(=頭悪く)、もっと豪快に(=大風呂敷に)、徹底してやったらんかい! 世界一の暗殺者が日本車に乗っても全然ゴージャスじゃないぞ! その昔から、暗殺者はアルファロメオに乗って潜入すると相場が決まっとるんぢゃあ。…なお goo 映画情報によれば、本作は『ジャッカルの日』との関係を一切明示していない(クレジットしていない)とのコト。まあアレじゃ、「リスペクトです」とタランティーノみたく胸を張る事すらできんわなああぁぁ(苦笑)。 [映画館(字幕)] 2点(2005-12-29 06:43:36)(笑:1票) (良:1票) |
63. 華氏451
高校の頃、ブラッドベリの原作を読んで感動してビデオも見たんだけど…くだらねえ。とことんくだらねえ。原作で非難されている『映像』をメディアとして使ってるのに、そこに何にもヒネリがない。自作だけは特別なんですか。そうですか。いろいろエピソードをカットしておきながら。観客を納得させるには『モンティパイソンのホーリー・グレール』の幕切れくらいの大仕掛けをやってくれなきゃねえ。まだ見てないが、リスペクト作品である『華氏911』にも同じような「自分は特別」志向を感じる。案外この2者はカウンター・カルチャーに根ざす、深い深い部分で似てるのかもね。美術的には『時計仕掛けのオレンジ』『スリーパー』の先取りって事で評価はできる。全然違う原作を選んでおけばよかったんだと思う。 [地上波(吹替)] 2点(2004-12-25 16:43:13)(良:1票) |
64. キングス&クイーン
小説と映画の最大の違いは何か。 それは「ページをめくる行為」にあると思っている。小説はいつでも読むのをやめられるし、スローダウンも後戻りも自由自在。しおりだって好きに挟めるし、余白に傍線引いたりメモも取れるし、その気になれば気に入らない場面の改変も(さほど)難しくない。 小説(というか物語)は「考える力」「想像する力」に依拠している部分が多いのだ。手短に言えば受け手主導のエンターテインメント。時として「洗脳装置」と揶揄される映画との最大の違いだろう。映画はどちらかと言うと演劇や音楽の流れであり、元をたどると祭事に行き着く文化だ。「その場にいるみんなで感じる/みんなで考える」のが映画の正しい接し方だと思う(DVDとビデオ鑑賞はまた別だけど…)。 んで本作。完全に《行間を読む》映画。その徹底ぶりと作劇の力は認めるが、その強引な「小説」ぶりにには辟易。完成度と反比例して好きにはなれない映画だった。 冒頭、ギターソロでつまびく「ムーン・リバー」が入る時点で、猛烈に世界が狭くなる。「これからしばらくは主観の映像です。本気にしないで下さい。でも人物像はよくわかりますよ」…と監督に囁かれているような感じ。 で、どこからこの物語に第三者の視点が入るかと思ったら、全然入らない。話の裏側は相当に陰惨で、憎悪と嫉妬が渦巻く犯罪ドラマのはずなんだけど、最後の最後まで二人の主人公である「うそつき」と「きちがい」の視点から語られるので、話は穏やかに、時としてエキセントリックに、明るく、オシャレに綴られていく。 そんな話を見るくらいなら、ヘンリー・ジェイムズの『鳩の翼』や『ねじの回転』を読み直すよオイラは。映像に行間は求めたくない。 DVDで自由に好きなだけしおりが挟めて、余白に書き込みもできて、表面を見ただけでどこまで鑑賞したか即座に見て取れる時代になったら、少しは印象が変わるかもしれないが…。 ●追記: 本作は受け入れられないが、同じ大嘘映画『サンキュー・スモーキング』は楽しく受け入れてしまっている自分に気付く。これが「男である事」の限界なのか…映画レビューにおける、極めて微妙なボーダーを踏んでいる感じです。 ●追記2: 完全にネタバレになるので小ネタ欄に入れますが、これ監督の私事で、かなり実体験入ってるじゃん…。 [映画館(字幕)] 1点(2007-02-03 23:38:11)(良:2票) |
65. U-571
船の出来がいいのは認めるけど、これを評価したら「金とスタッフを注ぎ込んだ作品はみな名作」という事になりそうな気がして…点数あげられません。『眼下の敵』も『Uボート』も『深く静かに潜行せよ』も『レッドオクトーバー』も、潜水艦乗りとしての人間ドラマがちゃんとあった。潜水艦モノはなぜか他の戦争映画と違って、敵との人間臭い駆け引きが描かれるのが多い。この映画と『クリムゾン・タイド』にはそれがない…真の敵、好敵手の登場しない戦争映画。華やかな「アメリカ一人勝ち時代」の、勘違い作品と見ておきたいです。 1点(2002-09-01 23:41:51) |