1. エスター
《ネタバレ》 話的にはありがちなサイコスリラーとも言えますが、実に丁寧に細やかに演出されて行くのでジワジワと静かにエスターの異常性が出されています。それにより引き取った夫婦は徐々に人間の暗部を晒してしまい、観てる方はそのやり取りにキリキリしてきます。そして後半は次々と狂気剥き出しにエスターが危害を加えますが、一番に戦慄を覚えたのはエスターが大人の化粧と下着姿で『父親』に迫る所です。あれは子供ではなく完全に『大人』のエスター・・。そこでのエスター役、イザベル・ファーマンの演じ分けは見事しか言いようがありません。そして真実が分かった時にエスターの厚化粧が剥がれ落ち、まさに化けの皮が現す瞬間は恐しいと感じながらも一番のピークとして見入ってしまいました。観終わった後は正直、疲れますが再びあのイヤ~な感じを味わってもいいなと厄介な事に思ってしまう程、優れた映画になっていると思いました。ちなみにDVDの特典で収録されているもう一つのエンディングの方が個人的には好きです・・あの笑顔は反則だよ! [DVD(字幕)] 8点(2010-03-12 01:58:04)(良:1票) |
2. 96時間
《ネタバレ》 リーアム・ニーソン父さんが、前半は娘を病的に心配してオロオロしたり、目の前でデレデレする姿は新鮮に見え面白くて笑ってしまうほどでした。そして中盤以降は娘救出一人部隊長として暴走・・お父さんはジェイソン・ボーンかと見間違うぐらいの格闘と頭脳のキレ味は相当な上に、リーアムの重厚な存在感も合わさりボーンとは、また一味違う魅力のキャラクターに創造されているのは良かったです。たまたま怒りのリーアム父さんに出くわしてしまった悪党はお気の毒さま・・・。終盤に向けてさらに暴走は拍車がかかり、しまいには事件に関係の無い女性に直接、危害!もう行く所まで行け!しかしクライマックスに対峙する悪党の中途半端な存在感で決着はインパクトが大分、薄れてしまい『えっ?』という感じでした。もうひと盛り上がり欲しかった感じもしますが、93分と短めで冗長なシーンもなくギュッとまとめてくれたのは好感持てます。あとボディガードする有名歌手とリーアム父さんとの関わりは、本筋とあまり関係なかったのは残念ですね。この映画は内容だけ見ると、ただの突っ込み所いっぱいのB級アクション映画にすぎないと思うのですが、リーアム・ニーソンのただ事じゃない存在感のお陰で(バリバリ、アクションをやる姿が微妙に似合ってない所もいい!)簡単に素通り出来ない魅力の映画になっているのは確かなようです。 [映画館(字幕)] 7点(2009-08-23 16:45:50)(良:1票) |
3. レスラー
《ネタバレ》 ミッキー・ロークの不器用で心優しいレスラーを見事に演じていました。 長年のファイトで全身ボロボロの上に身体にステロイドを打ちまくり、客を沸かすために事前の対戦相手との試合の段取り・・もうこれでもかとプロレスラーの生々しい姿を描かれていました。そしてリングから離れると家賃滞納、スーパーのアルバイトと過去の英雄が老い共に迎える現実の姿。試合後に見せる疲れた後姿と咳の一つ一つが痛ましく胸が締め付けられます。中盤で心臓発作を起こしたのがきっかけで疎遠の娘と子持ちのストリッパーとの仲も進んで、レスラーとして区切りを打ってスーパー勤務に専念して、ようやく普通の人生が送れるかと思いきや・・すべて崩壊・・この時の主人公の姿は中盤の凶器使用の血まみれファィトの痛々しさは比較にならないくらいでした。そして自暴自棄になり遂に自分はプロレスしかないと・・心臓に爆弾を抱えながらリングへ・・。花道を渡ると彼に声援を送る、現実世界とは比べ物にならない華やかさと熱さが伝わって、主人公も満たされた笑顔になる所は『ああっ彼はここでしか輝けないだなぁ・・』とグッときました。そしてラストでまさに自分の全人生をかけたコーナーからの飛翔でスパッと画面を黒くしてエンドロール。無駄なその後のドラマを一切流さず潔く終わらせたのは素晴らしかったと思います。あと、この映画を観た前日、2009年6月13日に亡くなったプロレスラー三沢光晴選手の満身創痍で挑んだリングで亡くなってしまった訃報を知った後だったので、どうしてもその姿と重なってしまい、ちょっと冷静に見れなくなっていたかもしれませんが素晴らしい映画である事は間違いないと思います。 [映画館(字幕)] 9点(2009-06-14 17:27:08)(良:1票) |
4. WATARIDORI
鳥が飛ぶ姿を同じ高度で見たアングルはさすがに素晴らしいですが、延々と飛んだり、休んだり映像の繰り返しで飽きます。10分見れば沢山です。 ただ「このアングルで撮った鳥」を見せたいだけの映画にしか見えないし、たまに味付け程度に文明批判を垣間見せる展開はわざとらしくて引きました。 [CS・衛星(字幕)] 3点(2005-06-27 19:42:15) |
5. ミニミニ大作戦(2003)
《ネタバレ》 物語は良くある話ではあるもののキッチリ手堅く最後までなかなか面白く見れました。 あまり余計なシーン(主役とヒロインのラブロマンスとか・・)は極力控えてほぼ金奪還作戦のみの展開に徹したのが大してダレる事無く見てる方も緊張感が保てて良かったのかもしれません。 あともう少し展開にひとひねりあれば8点以上挙げたかったです。 ただエドワード・ノートンは好きな役者ですが今回の役は正直、物足りなく感じました。キレ者なのか単なるセコイ小悪党なのかキャラが中途半端に見えましたのでとても惜しいです。 あと余談ですがドナルド・サザーランドが冒頭で娘役のシャリーズ・セロンに電話したシーンでまず思ったのは「多分、ドナルドはすぐ殺される役なんだろうなぁ・・」と展開を読んでいたらバッチリ殺されてしまい少し苦笑・・。 7点(2004-04-21 23:05:53)(笑:1票) |
6. 望郷(1937)
ジャン・ギャバンは好きなので彼の最高作とも言われる名画を観ましたが・・古い映画でも面白い作品は古臭い所なんかあまり気にせず観れますがこの作品はもう演出といい映像といい古臭い印象が個人的に強く感じて肝心な本編に入り込めなかったです。リアルタイムなら当然、違ったのでしょうが・・ 4点(2003-10-08 02:02:25) |
7. U-571
面白かったです。緊迫した状況が伝わってきて疲れるくらいでした。サウンドをDTSにするとさらに臨場感が増して迫力ありました。 7点(2003-07-06 21:45:19) |
8. 太陽がいっぱい
人に名作、名作と見る前から小うるさく吹きこまれていたの不愉快になりながら見ましたが思った以上に良かったです。アラン・ドロンってこんなかっこ良かったの?と痺れました。サインの練習シーンも妙に良かったし・・衝撃のラストを含め名シーン多いなぁ・・邦題もよくこのタイトルにしたものです。 9点(2003-06-19 00:41:52) |
9. 恐怖の報酬(1953)
フランス映画では一番好きです。このドロドロとねちっこい演出も最高です。前半40分以上に渡る連中のドン底生活の巧みな描写も飽きません。イヴ・モンタンのムンムンと漂う男臭さにもヤラレました。最初はダンディでボスの貫禄だったが徐々に臆病ダメオヤジに変わるシャルル・ヴァネルの演技も素晴らしかったです。底意地の悪いラストは妙に痛快に感じてしまいました。でも故郷に帰したかっかな・・後年、着色技術が施された本作のカラーライズ版はさらに暑苦しさが増してお薦めです。 10点(2003-06-17 00:22:34) |
10. カットスロート・アイランド
あまりにも単純過ぎる展開で終始、安心して見られる冒険爆破ムービーと思います。肝心なお宝の存在感がなかったのはどうかと思いました。 6点(2003-04-28 16:59:11) |