1. ベティ・ブルー/愛と激情の日々
「愛とは見つめあうものではなく、お互いが同じ方向を見つめること」という趣旨の格言がありますが、この映画はその格言の向こうを張って更に内側に沈み込んでいく愛が描かれています。「こんなの愛じゃない」という意見はご尤もで、私も現実的には家に火をつけたところで見切って、こんな女とはさよならすると思いますが、内心その先を見てみたいと思う気持ちもあるので、この映画を気に入っているわけです。理性的な判断しか認められない人間には芸術は創作できません。太宰治は人間性が破綻していたし、高村光太郎は妻が破綻していたし。ゾルグはいい小説家になるでしょう。 8点(2003-12-14 13:20:19) |
2. ドアーズ
ある人物の伝記的な作品であれば、客観的にその人の人生が判るような作品に仕上げるのが定石ですが、この映画を見てもいまいちジム・モリソン像が見えてきません。もちろんオリバー・ストーンには別の狙いがあったのだと思いますが、その狙いはジム・モリソンをよく研究している人にしか判らない類のものです。(ちなみに私にも判りません。)「マルコムX」のスパイク・リーのように正面から描いて欲しかったです。ドアーズ初心者には、この映画のサントラ盤はお勧めですが、映画はお勧めできません。 2点(2003-12-09 07:04:22)(良:1票) |
3. レオン(1994)
リュック・ベッソンの才能より、ジャン・レノの魅力に圧倒されます。牛乳を飲むシーンはショーケンを連想してしまいました。面白かったですが、個人的にドンパチが嫌いなので、点数は7点どまり。 7点(2003-12-08 23:01:15) |
4. ニキータ
ドンパチものは苦手なのですが、これはそこそこ楽しめました。やはり誕生日プレゼントの場面とかうまい演出ですね。もしドンパチシーンの映像をカッコいいと思えたら、8点や9点つけても良かったのですが、やはり苦手です。 7点(2003-12-08 22:55:02) |
5. 夢の涯てまでも
U2の曲がタイトルになっているし、ヴィム・ベンダース監督は小津安二郎監督のファンと聞いて親しみが持てたので、観てみました。結論は、それだけの理由で観るのは危険な映画です。観る人を選ぶ映画という意味では「ベルリン・天使の詩」以上です。 4点(2003-12-08 01:58:51) |
6. ベルリン・天使の詩
ヴィム・ベンダースさん、あなたの映画は難しくて良く判りません。巨匠と崇められてしまうと段々作風が難解になっていくのは、映画監督の性なのでしょう。ちなみにベルリンの冬は氷点下10度まで下がります。天使はどうだか判りませんが、人の住むところではないというのが、ベルリンに行ってみた感想です。 4点(2003-12-08 01:53:32) |
7. グラン・ブルー/グレート・ブルー完全版
こういう結論がなくて映像が綺麗な映画は何回も観れるので良いです。でも、日本人チームがあのような描かれ方をして、すべてぶち壊し。 4点(2003-12-07 20:53:52) |
8. イル・ポスティーノ
主演のマッシモ・トロイージの死を目前にしながらの鬼気迫る演技は注目に値します。惜しむらくは、スペイン語(イタリア語?)の詩を原語で理解できないことです。詩の翻訳は不可能なので、私は彼の詩の素晴らしさを1/10も理解していないと思うと悲しくなりました。 9点(2003-12-07 20:30:48) |
9. 告発
映画の出来としては、文句のつけようがないくらい良い映画だと思います。ケビン・ベーコンも勿論ですが、官吏の演技もおぞましさ満点で素晴らしいです。一度は観ておきたい映画です。しかし、テーマの扱い方が一本調子なので、もう一度観たいと思わせるような深さはありません。 7点(2003-12-07 04:04:29) |