1. バベル
何の先入観もなく見てしまったので、菊池凛子の賞云々よりもアメリカもこういう映画作るんだねという驚きの印象のほうが強かった。この映画の主題は世界は繋がっていないようで繋がっているということなんだろうか。4つのまったく違った文明が本人達の知らないうちに複雑にリンクしていくのだが、それぞれの生活が奇抜(特に日本)すぎてあまりリアリティを感じられなかった。5,5点(中国語字幕) [地上波(字幕)] 5点(2007-03-30 22:21:17) |
2. ユナイテッド93
緊張感があり、とても上質な作品である。手持ちカメラのような臨場感は乗客の絶望感を伝え、また突然のハイジャックに慌てふためく航空管制センターの人々の緊張もよく描かれている。テロリストから運転室を奪還する部分など脚色があることは事実であるが、乗客たちへの追悼という形式をとっている以上やむを得ない部分ではある。むしろ不満なのは、テロリストたちのほうがのっぺらぼうのように無個性に描かれてしまった点であり、アメリカの視点からの一方的な9・11観に留まった点にある。なぜ、9・11が起こったのか、その遠因はなんだったのかをアメリカ自身が冷静に客観的に認識したときに、より深みのある9・11映画はできると思う。 [DVD(吹替)] 7点(2007-03-28 14:05:26) |
3. ある子供
この映画を素直に面白いと感じたのは自分が成長したからだろうか?2年以上前にロゼッタを鑑賞したとき、その淡々とした内容に退屈せずにはいられなかった。しかし同時にダルデンヌ兄弟にとても大きな興味をもった。この映画も淡々としているが、退屈には感じなかった。演技に迫力があり、まるでドキュメンタリーを見ているような錯覚に陥るほどである。(赤ちゃんがあまりに泣かないのは違和感あったが)今度はロゼッタも再鑑賞したい。 [DVD(字幕)] 7点(2007-03-24 00:43:30) |
4. コーリャ 愛のプラハ
冷戦終結前夜のチェコスロバキアを舞台にした作品。子供嫌いな大人と子供が歩み寄り本当の親子のようになっていく映画はけっこうある。最近だとフランスの「バティニョールおじさん」「パピヨンの贈り物」、トルコの「少女ヘジャル」、ブラジルの「セントラルステーション」あたりがそうだろうか。この映画も前述した作品同様、ハートウォーミングな作品である。この作品の特徴は何と言っても共産主義の最後の時代を描いた点にある。1989年当時のチェコスロバキアはソ連の衛星国だったわけだが、「プラハの春」に代表されるように独立志向が強く、弾圧と武力侵攻の経緯からも市民レベルではソ連に好意的ではない。(ソ連を支持する人々もいただろうしあくまで監督の視点なのかもしれないが)このあたり、現在事実上アメリカの衛星国になっているわが国と対比してしまった。日本人は比較的アメリカに好意的であるように思うが、対等な戦略的パートナーとして日米関係が構築されているかといえば甚だ疑問である。民族的アイデンテティの問題として、この映画で描かれたチェコ人のソ連への感情と、日本人のアメリカへの感情は随分異なるように思える。 [ビデオ(字幕)] 7点(2007-02-16 22:36:12) |
5. ぼくの伯父さんの休暇
クスリと笑った箇所は数ヶ所だけ。ギャグが寒いのなんのって・・・。あのおっさんはいったい何がしたかったんだ??ただし、人の温かさやフランスの田舎のバカンスの雰囲気は悪くない。コメディとしてもう少し自分のツボにヒットすれば良かったんだが・・・・。 [ビデオ(字幕)] 4点(2007-01-25 01:01:39) |
6. 太陽がいっぱい
《ネタバレ》 スリリングな中盤から後半、そして完全犯罪成功?と思わせつつのあのラストがいい。淀川さんの「トムはフィリップに恋してたの」という趣旨の評をどこかで読んだことがあるけど、映画を見る限りそんな感じはしなかった。(原作小説がそうなのかな?)もう一度見たときに確認してみよう。 [ビデオ(字幕)] 7点(2007-01-20 19:00:17) |
7. 戦場のピアニスト
《ネタバレ》 なかなか良かったです。助けてくれた将校の顛末が哀れだった。でも、主人公にピアノの腕がなければ生き残れなかったわけで、そう考えると才能のある者だけが生き残るようで少し複雑な気分にもなった。 [DVD(字幕)] 7点(2007-01-07 12:36:13) |
8. 薔薇の名前
映像的には不気味だけど、ミステリーとしては物足りなかった。もう一度観たら見方も変わるかも。 [ビデオ(字幕)] 6点(2007-01-07 12:22:11) |
9. あこがれ (1958)
さらっと流れていく空気のような映画だった。それが心地よくもあり、退屈でもある。 [ビデオ(字幕)] 5点(2007-01-04 22:22:05) |
10. あの娘と自転車に乗って
キルギスタン映画は珍しいので新鮮だった。白黒映画の中でカラーを効果的に使っているが、テーマ自体は凡庸な気もする。キルギス族は中央アジアのテュルクの中でも日本人に近い顔立ちなので親近感をもった。 [DVD(字幕)] 6点(2007-01-04 16:41:11) |
11. プラットホーム
映画は長くて淡々としている。ただし文革後から90年代までの中国の文化や開放的な雰囲気を体感できるという点には価値がある。実際に、中国人はこの映画にとても感動するらしい。 [ビデオ(字幕)] 5点(2007-01-04 16:02:03) |
12. モーターサイクル・ダイアリーズ
《ネタバレ》 まさしく冒険映画。医学部卒の坊ちゃんでは見れないような社会の負の部分を直に目撃して、人道的な怒りをたぎらせる。そして革命家ゲバラが誕生するまでが描かれている。ゲバラという人には、共産主義者にありがちな権力欲が薄い人だったから今でもいいイメージで語られることが多い。こういう青春時代の青臭い映画が作られることも、またゲバラの素朴で愚直な人間性を表しているのだろう。 [映画館(字幕)] 7点(2007-01-04 15:54:17) |
13. 永遠のマリア・カラス
オペラが心地よくて眠気を誘う。もっと元気があるときに再見したい。 [DVD(字幕)] 5点(2007-01-04 15:40:08) |
14. バティニョールおじさん
《ネタバレ》 ナチスによるユダヤ人迫害映画にありがちなバッドエンドになっていないので後味はいい。主人公のおじさんは、最初子供を追い出そうとしたりと邪魔者扱いしているけど、見捨てられずに結局危険を冒して子供達を助けようとする。そこに人間臭さというか、どんな時代でも残る人間の良心への希望のようなものを見た。 [DVD(字幕)] 7点(2007-01-04 12:07:37)(良:1票) |
15. 上海ルージュ
室内シーンが多かったからかもしれないが、1930年代の上海という雰囲気があまり感じられなかった。この映画にも退廃的な雰囲気を期待していたんだけど、ちょっと物足りなかったかな。 [ビデオ(字幕)] 5点(2007-01-01 19:24:51) |
16. アメリ
良かったです。現実にはありえないおとぎ話のような映画だけど、アメリの自分の殻を破りたいという気持ちに共感を覚えた。 [DVD(字幕)] 7点(2007-01-01 19:05:31) |
17. サイレンス
悪くはないけど、それほど強い衝撃もなかった。イラン映画に見慣れてしまったのか、他のイラン映画に比べて印象が薄い。終わり方があっけないことも原因かもしれない。 [ビデオ(字幕)] 5点(2006-12-31 16:54:21) |
18. パピヨンの贈りもの
和み系の映画ですね。二人の距離が縮まっていく過程が微笑ましく、山の景色に癒される。エンディングの歌もいい。 [DVD(字幕)] 7点(2006-12-31 10:55:48) |
19. カンタベリー物語(1972)
笑えるといえば笑えるんだけどねぇ。あのパゾリーニ監督が作った映画という先入観で見ると・・・。自分の笑いはどちらかといえば(つ∀`)って感じの笑いだった。 [ビデオ(字幕)] 6点(2006-12-31 00:10:21) |
20. 気狂いピエロ
死から自由へそして自由から死への流れが、現実逃避して遊び呆けた浪人生が試験でつきつけられる現実みたいな悲哀を感じた。 [DVD(字幕)] 6点(2006-12-30 00:12:40) |