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もっつぁれらさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

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コメント数 542
性別 男性

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21.  殿方ご免遊ばせ 《ネタバレ》 
もう、タイトルからして駄作臭がプンプンとしていたのですが、この映画コメディーとして見ればなかなか面白い(と言うか、原題も素っ気無さすぎて、こちらもかなり微妙)。劇中でブリジットとかミシェル・ルグランという名前が出てきたり、終盤で見せる全くリアリティのないくしゃみなど色々と遊び心が感じられる作品で、中でも面白いのが、冒頭で乱暴な運転で警察に職務質問されるシーンでの一幕。「好きな人を追いかけているの。」に対し「追われれば逃げる。男とはそういうものだ。」と、違反を追及されるどころか愛の指南を受けるところなんかはいかにもフランスらしくて好き。 他にも、首相が撃ち落した鴨が二人の頭上に落ちてきたり、パーティー会場のウエイターの曲芸、殿下が人違いされて乱闘騒ぎになったシーンでのBBのアクションなど、コメディーとしての出来が良いので、BBを見るためだけの映画と位置づけるにはちょっと勿体無い気がします。 と言いつつも、この映画のBBのベストショットは背中のペンを取ってもらうシーンかな? 6点→7点に変更。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2012-06-30 13:42:55)
22.  黒魔術(1949) 《ネタバレ》 
催眠術師カリオストロ(ジョセフ・バルサモ)役にオーソン・ウェルズを配したのは大正解。 監督のグレゴリー・ラトフという人は初めてこの映画で知りましたが、オーソン・ウェルズの迫力の演技とそれを引き出した監督とのタッグが奏功した良作と言っていいでしょう。 勿論、デュマの原作が優れていたのも要因として挙げられるわけで、バルサモのフランス王宮を手中にしようと計を謀るストーリーは存分の見応えがあります。 自分としてはやはり何と言っても、下から光を当てて独特の妖しい雰囲気を作り出した照明テクニック、そしてオーソン・ウェルズの目力に特に興味を引かれました。彼の目力なしにはこの映画は成立しなかったでしょうし、ズームインを的確に用いる事で彼の目に集中させるカメラワークも良い仕事をしていたと思います。 生まれつきや幼少時に辛い経験を味わい社会に復讐しようとするが失敗に終わり見る側の涙を誘う、というストーリーはこの時代ではよくある話なのか、この映画でもまたまたデジャヴが・・・。 しかし、テンポ良く進む快活な物語はそれだけで貴重で、是非また機会があれば観てみたいと思わせる一本です。
[映画館(字幕)] 7点(2011-12-23 15:58:33)
23.  自転車泥棒 《ネタバレ》 
街の廃れた感じ、質屋のシーツのストックから、この時代がいかに貧しかったのかがわかります。 冒頭で職安の係員が主人公の名前を呼んだときに後ろの方で地べたに座っている主人公を捉えるショットがありますが、その背後に映っている更地の何と多いこと。わずかに建っている建物も相当古い感じで、戦後間もない時代を思わせますし、また自転車一台買うにも身を削らないと買えないという貧困ぶり。しかも、質屋の倉庫に山積みになっているシーツを見るに、このような経済事情の人は主人公一人ではないことも見て取れるでしょう。 自分が好きなのは、教会で大勢の人が祈りを捧げるシーンだとか、子供と一緒に食事をするシーンなんですが、ここはイタリアの日常が出ていて結構好きなシーンです。 最後に主人公が自暴自棄になって自転車を盗んでしまい逃げるシーンは、必死になって逃げる自転車のスピード感やそれを捕まえようと追いかけ回す人々の多さからくる臨場感がとてもスリリングなシーンになっていて、それまでの市井の人たちを描いていたゆったり感とのギャップもあって、非常に見応えのあるシーンで良かったと思いました。 また、イタリア人って「うちの息子はローマで一番の働き者」とか「うちのママのパスタは世界一」とか言ったりして、母子愛がかなり強い国民性らしいのですが、そんなシーンもちゃんと出ていたりして、いろいろと面白かったです。
[映画館(字幕)] 7点(2011-05-28 14:58:29)
24.  地下室のメロディー 《ネタバレ》 
犯罪映画というのは、道義的に犯罪が成功するようには作ってはいけないので、最後は何らかの形で失敗に終わってしまう事を我々は承知の上で観るのですが、観る側のそのような予想を上回らなければ作品としての面白さが出てこないため、そういう意味で監督としての力量が問われる実に難しいジャンルなわけです。 この映画の場合、人気俳優のギャバンとドロンが手錠をかけられたりして終わるようなことはしないので、彼らのファンに配慮しつつ(?)、更に、プールに紙幣を浮かべ画面の全てを覆い尽くしたりするアーティスティックな映像で幕を下ろすところなんかも、自分にとってはなかなか好みな感じでした。 ちょっと意外かもしれませんが、この映画で目を引いたのがシーンの切り替えの鮮やかさなんですが、例えば、序盤のレストランでのディナーのシーンでナポレオンというブランデーの話題になって会話が進んだと思った次の瞬間、自宅のテーブルのナポレオンのボトルの映像に切り替わったり、また、カジノで下見をしているシーンで1週間後にも同じことが起こると言って胴元がエレベーターに乗り込むシーンの直後に、ホテルの一室で小箱をエレベーターに見立てて作戦会議をしているシーンにジャンプするというシーンの移動があり、これがまた何ともスマートと言いますか、おしゃれなテクニックだなぁと感心してしまいました。 また、最後のプールの待ち合わせのシーンで、警察が事情聴取でプールの周りをうろついていて現金を渡すのにやきもきさせられるシーンがあり、ここで警察が近づいたり遠ざかったりしてヒヤヒヤさせられてしまうのもさることながら、警察の足元を映すのみの至極単純な方法であれだけの緊迫感を出せるというのも見事というしかなく、ギャバン演じるシャルルの方も、新聞を1~2センチ微動させるのみで心情を描き出しており、サングラスをかけていて表情を読み取りにくいというハンデなんぞお構いなしといった感じで、絶対にセンスある作家でないとこれらの事はできないと思います。 一方のドロンの方も、警察が迫ってきていることの焦りをあれだけ顔に出さずに演じられるのも、さすが名優のなせる業ですし、警察にジリジリと静かに追い詰められ、耐え切れずにバッグを沈めてしまうフランシスの心の弱さを完璧に表現したドロンとヴェルヌイユは素晴らしいです。
[映画館(字幕)] 7点(2010-11-03 23:20:19)
25.  平和に生きる 《ネタバレ》 
動物がストーリーの中に出てくるだけで何かもう、必要以上にリアリティを感じてしまって余計に面白く感じられてしまうんですよね。 面白いと思ったのは、ドイツ兵が訪ねてきて倉庫に追いやられた黒人兵が、暴れて出てきた時のみんなで大笑いするシーンなんですが、画面の中ではみんな笑って大騒ぎしているのに観ているこっちは笑うに笑えず、いつ何がきっかけでドイツ兵の酔いが醒めるか、冷や冷やしながら観てました。 画面の中で起きていることと対照的な心理状態になって観ているというのが何か妙な感覚で、多分こんなシーンって他の映画でも結構あると思いますが、何故かこの映画だけは特に強く印象付けられた感じがします。 最後の方で、ドイツ兵が目を覚ます前に逃げる準備をしているときに、アメリカ兵が来て暴れたりしたせいで土地を手放すことになってしまって、何という巻き込まれ方だろうかとか、惨劇を食らって可哀想だとか思っていたのですが、そんな状況下でも「戦争が悪い」と言って彼らを庇うところが、この映画のタイトルが示す通り反戦映画だなぁと思いました。 映画の前半の方で色々と笑いをとったりしながらも、ラストでは一家の大黒柱を失うというこの落差が、より冒頭のナレーションで語られていたノンフィクション感を強めていて良かったと思います。
[映画館(字幕)] 7点(2010-10-01 00:12:09)
26.  ミラノの奇蹟 《ネタバレ》 
何故か、吹替Ver.を観ました。ところが、吹替えや字幕もいらないくらいに映像がしっかりと物語を進めていってくれたので、すごく好感が持てました。 この映画は2部構成になっていて、前半は生い立ちから貧しい人たちと触れ合うまでが描かれており、後半はトトが鳩を授かって仲間の願いを叶えてあげるという内容ですが、前半はトトの優しさにとても感動して満足でしたが、後半での人間の欲の深さと、物欲が満たされることによって一時的に得る幸せの虚しさ、鳩のお陰でかえって不幸になってしまう人たち、そして争いのない平和な地を求めて旅立つラスト・・・と、どれもありきたりなテーマで斬新さに欠けているため、映画が最後に近づくにつれてトーンダウンしてしまいました。 普遍的なテーマが描かれている映画は好きなんですが、白い鳩というのもわかり易すぎますし、派手すぎる衣装や家に入らないくらいのタンスとか、ややストレートすぎるかなという感じもします。 一番印象に残ったのは、何と言っても、トトが小さい頃に煮物の吹きこぼれで床に川を作ったときのお婆ちゃんの対応なんですが、あのような育て方が心優しい人を育てるんだなぁと感心してしまいました。ま、うちの母親だったら往復ビンタは確実だろうなこりゃ(笑)。
[映画館(吹替)] 7点(2010-09-05 01:30:36)
27.  永遠<とわ>の語らい 《ネタバレ》 
オリヴェイラ監督の映画は初めてではなかったので、映像の美しさもストーリーの緩やかさもある程度予想していた通りでしたが、最後の予想外の結末に衝撃を受けました。 世界各地で人類の歴史に触れながら最後は父親に会いに行くなんて、何と素敵な話だろう、父親はどんな人なんだろうと思っていると、そんな空想やそれまで築き上げてきた展開を一瞬で壊してしまってそこで終了・・・。観終わった直後は何が言いたいのかサッパリ分からなかった。船長がプレゼントした人形のせいであの母娘がテロに巻き込まれる皮肉にどんなメッセージがあるのか詮索しましたが、そういうことだったのですね。 自分が観たのは某名画座でのオリヴェイラの特集上映だったのですが、2001年の911のテロからだいぶ月日が経っていることもあって、こんな社会派映画だったとは皆さんのレビューを拝見するまで気づきませんでした。 後半の4人の語りの中でのバベルの塔のくだりから、世界平和に触れられているなぁという程度しか意識してませんでした。 なるほど、船が爆破されたのもアラブの海でしたものね。 油断なりませんな、このオリヴェイラという人は。
[映画館(字幕)] 7点(2010-04-11 22:47:52)
28.  汚れなき抱擁 《ネタバレ》 
最近の日本でも、性の不一致で離婚する夫婦が多いみたいですが、約50年前のこの映画のストーリーはそれとはひと味違った模様。 特にこの映画の中ではっきりと出ていたのが、宗教的な観点による性に対する考え方でしょう。 結婚後の夫婦間における性交渉は神聖なものであってそれを行わないのは罪である、とは劇中の教会の言い分。 この映画の中では出てきませんが、もし仮にこの二人が婚前に関係を持ったりすれば、たとえどんなに愛し合っていようともそれは罪になってしまうのだろう。行われる行為に変わりはないけども、ここで宗教観なり道徳観なりが顔を出してくるわけで、それによってその行為の善悪が振り分けられるところが面白いといえば面白い。 この映画の中では、アントニオは神を冒涜したということになるわけですが、見ての通り故意的なものはなく、それどころか、愛しすぎていたがために起きてしまった悲劇というところが、何ともいえず辛い。 最後のアントニオの表情は、もし自分がその場にいたらとても声なんて掛けられなくなってしまいそうで、鏡越しでないと見れないくらいです。 この、鏡越しにというのがミソで、アントニオの寂しげな背中とうつむいた表情をワンカットで同時に見せていて、しかも、このワンカットだけでも光源の位置や光量に色々と変化をつけながら撮っているところが凄くおしゃれ。 他にも演出面ですと、使用人の女が床に倒れ父親は誰なのかと一人一人名前を挙げ終わったタイミングで背後にアントニオが現れるところとか、親父が電話で息子に真相を聞くシーンのカットバックとか、上手いなぁと思う箇所が他にも色々ありました。 途中、子供の問題に親が介入してきたところで冷めてしまいましたが、評価を下げる程ではなかったです。 宗教も結婚という制度も人間が作ったものですが、この二つについて色々と考えさせられる映画だなと思いました。
[ビデオ(字幕)] 7点(2010-01-23 11:34:19)
29.  モン・パリ 《ネタバレ》 
♪人類が月へ降り立ち、月面を歩いたという衝撃的なニュースより、もっと大事な事がある♪それは、私とあなたが手と手を取り合って同じ道を歩いたという事♪ この映画のテーマソングですが、ちょっとクサいけど、いかにもフランス映画っぽくて何か好き。やがてオープニングの歌が終わり、画面に出て来たのは何とオーバーオール姿のカトリーヌ・ドヌーヴ!!これには驚いた。昼顔やロバと王女など上品な印象が強く、しかもこの映画はドヌーヴが30の時に撮ったもの。30でオーバーオールって・・・。 対するマルチェロ・マストロヤンニは、あのお腹はどうやら画面を見る限り本物っぽい。よくあそこまで体つくったなぁと感心してしまいます。それに、本来二枚目俳優なのにコメディをやらせてもサマになっちゃうところはさすが一流俳優。 ストーリーは、見る前に解説とかを読んだときはアメリカンコメディっぽいイメージで臨んだけど、実際はジャック・ドゥミが手掛けたというだけあって、やっぱりフレンチカラーが強いです。 自分が一番気になったのは、すでに二人の間には子供がいるのにまだ結婚していなくて、三人で同棲(?)しているというちょっと変わった設定。 後から考えると、最後に結婚式のシーンを入れたくてこの設定にしたのかもしれないけど、そのおかげでいいエンディングを迎えられたので、結果オーライですね。 夫婦共働きで主夫をする人が増えつつある現代、“妊夫”を描いたこの作品は、時代を先見した映画といえるでしょう(笑)。
[映画館(字幕)] 7点(2009-12-31 01:04:33)
30.   《ネタバレ》 
この映画の一番の肝はやはり、後半に出てくる半身麻痺の少女なのでしょうか。 この頃の他のフェリーニの作品で本作同様、汚れのない子供に接することで人生をリセットするチャンスを与えられるシーンが見られますが、いずれの作品の主人公も結局立ち直れないままで物語が終了してしまっています。 全体的なストーリーは面白かったのですが、どうもアウグストの行動に疑問が残る。 少女の純粋さや気丈に振舞う健気な姿を見て、何もしてあげられない自分を恥じ、胸の詰まる思いをした事は事実。しかし、そこで改心したと思いきや、アウグストの体のあちこちからお金が出てきたのは、一体何が言いたかったのだろうと不思議に思った。最後、悪事から抜け出そうと道行く農民にすがろうとするアウグストを再び崖から突き落とすかのような結末に、本当に救いようのなさを感じました。 少女が懸命に松葉杖を使ってアウグストに近づき救いを乞う姿と、ラストシーンでの崖の地肌の乾いた感じが特に印象的。
[ビデオ(字幕)] 7点(2009-12-30 14:47:22)
31.  めんどりの肉 《ネタバレ》 
金の魔力というべきか、人の浅ましさというべきか。ただひたすら、おぞましいものを見てしまったという感じです。 登場人物のほとんどが悪い奴ばかりで、この手の犯罪ものは、悪事を働いた人間は逮捕されるか死んでしまうかでラストを迎えなければ道義的にマズいので、そこを上手にまとめられるかが監督のセンスの見せ所なわけです。 まぁ、女は撃たれて死んで1人の男は最後に車が炎上して終わったし、もう1人の男もいずれ捕まるでしょうから道義的にはオッケーなんですけど、どう見ても重すぎる。リアルに懲らしめるラストよりも、笑いや皮肉を込めたエンディングにした方が、もう少し娯楽色が出て良かったのになぁと思いました。 他にもいくつか意見を述べさせていただくと、あの女の悪女ぶりは他の映画にも類を見ないほど悪びれていたので、あのようなアッサリした死に方よりももっと残酷な死に方を見せてほしかったというのと、ガレージを掘り返そうとしたあの犬がもう少し深く穴を掘ってくれてればもっとスリルが出たのに、という事です。新聞紙のモンタージュ写真で、ちょっとしたサスペンスなワンシーンがあっただけに残念。 あと、映画の後半辺りで、トマの前妻の兄というオヤジに熱湯をかぶせたシーンが凄かった。体張りすぎでビックリしました。ポテトを揚げるシーンでしたけど、まさか本当に油を浴びせたんじゃないよね???
[映画館(字幕)] 7点(2008-10-23 23:30:09)
32.  太陽はひとりぼっち 《ネタバレ》 
愛の不毛3部作のうちのひとつ、というくらいの予備知識しかないままで観ましたが、さすがアントニオーニ。やはり、わからない・・・。 この映画は、前半1時間は寝ててもいいと思う(ウソウソ^^)。 延々と続く証券取引所のシーンは、あからさまにストーリーの本筋から外れる箇所と判るだけに、かなり退屈してしまいますが、面白くなってくるのはその後のシーンから。 モニカ・ヴィッティ扮するヴィットリアは「何で質問ばかりするの?」「互いに知り合わなくても愛し合うことは出来るわ」と言う。 実際に彼女はその言葉通り、相手をよく知らないまま情事に耽る。しかし、アパートを出た後の彼女は、やはり満たされることがないまま、虚しさだけが残り町を彷徨う。その時に映し出される風景の強烈な寂寥感・・・。これでもかというくらいの、無機質なカットの数々。 時代はカラーに変遷していく中、あえて(?)モノクロでこの映画を撮ったのは大正解でしょう。 原題のEclipseが意味するのは、何か一部が欠けるという事だそうで、登場人物、すなわち現代人の心が満たされない様を描いた作品、と解釈しました。 ところで、これは自分なりのアホな解釈ですが、前半の証券取引所のシーンも実は意味があって、つまり、恋愛も株の取引も同じだという事かなぁと・・・。 恋愛もお互いのことを知らずに、事だけを済ましてしまうと良くないし、株についても、会社の中身を知らずに投資すると痛い目に合うぞ~という、アントニオーニの愛とお金に関するちょっとした人生指南の映画・・・・・んなわけないっつうの! 
[映画館(字幕)] 7点(2008-10-21 00:02:49)
33.  赤い砂漠 《ネタバレ》 
アントニオーニの映画は5本ほど観ているのですが、ワケがわからなくてレビューのしようがない映画の方がほとんど。で、今回もその例に漏れず、やはりストーリーはまるでわからない・・・・・のですが、この謎めいた雰囲気、サスペンス感は大好き。 冒頭で、何処からともなく現れた1人の女性とその子供。身なりはしっかりしているのに、慌てた様子で道端の男から食べかけのパンを譲ってもらう。子供に食べさせるものがなく彷徨って歩いていたのかと思いきや、子供はそのパンをいらないと言う。さらに見ていくと、女は店を出したいと言うが、何を売るかもまだ決まっていなく、しかもその店の前の通りは人影はほとんど皆無(こんな所で商売が出来るのか?)。 過去に起きた交通事故で精神異常になってしまった女の奇怪な行動が映画全体を覆い尽くす非常に奇妙な映画で、彼女は何故こんな行動をするのか、といった謎めいた空気が常に漂っており、この女の存在そのものがまさにサスペンス。 ラストの黄色い煙が暗示するのは、危険なもの、害のあるものと判っていて自ら近寄らないもの。人間の世界に例えると、それは一体なんだろうか・・・? 皆さんのレビューにも書かれている通り、テクニカラーによる見事な色調が最高に格好良い。特に、夜の波止場の仄かな街灯の光に照らし出されるモニカ・ヴィッティの表情、港を出る時の霧の加減、映画前半の夜の寝室とラストのベッドシーンでの光の当て方に違いをもたせていて、後者の方が妖艶な雰囲気を漂わせているところなんかは非常に興味深い。また、色使いだけでなく、星の声を聞くためというアンテナが幾重にも繋がっているシーンの幾何学的な美しさなども目に留まります。 子供に話を聞かせてあげるシーンも、物語と画面の両方でちょっとしたアクセントになっていて、すごく良かった。 こういう映画って、自分ひとりで部屋で何もしてない時にBGM代わりに流すのに最適だと思います。モニカ・ヴィッティも最高に綺麗ですしね。
[映画館(字幕)] 7点(2008-10-13 02:04:03)
34.  危険な関係(1959) 《ネタバレ》 
セシル役のジャンヌ・ヴァレリーも、アネット・ヴァディムも最高に綺麗なんだけど、この夫婦のやりたいことがちょっとわかりにくかったなぁ。 チェス盤に文字を浮かび上がらせるオープニングクレジットもオシャレで良かったし、椅子の隙間からのカットとか、人が通った時の影を境に瞬時にズームに切り替えたりといった映像面での工夫が随所に見てとれたのも好印象。 最後の教義的な終わり方はいいと思うけど、ヴァルモンの死に方とか奥さんの火傷の負い方なんかは、ちょっと呆気なさ過ぎたような気がします。  
[映画館(字幕)] 7点(2007-09-29 23:46:33)
35.  女は女である 《ネタバレ》 
この映画を観る前は、ゴダールにアンナ・カリーナにベルモンド、音楽もルグランだし面白くないわけがない!といった感じだったのですが、「気狂い~」よりも「シェルブールの雨傘」よりも前に作られた映画だったんですね~。 映画の中の登場人物や映画を作っている人たちが本当に心底楽しんで映画を作っているのが画面の中から伝わってきました。凄く明るく飛びっきりポップな映画。見ていると、こっちまで楽しくなってきます。 クスクス笑うようなフレンチコメディはあまり好きではないけど、これは面白い。ゴダールが映画で遊んでいる感覚だけでも十分面白くて、さらに主役3人の個性が抜群に光り輝いています。「ホテル代払え」や、本のタイトルで喧嘩するシーンも面白いけど、一番好きなのは、アンナ・カリーナがお腹にぬいぐるみを詰めて妊婦の格好をするシーン。よく考えると、子供を欲しがってる女って結構かわいいかも、などと変な勘違いをしてしまいそう。 前作の「勝手にしやがれ」で主役をはったベルモンドは今回は脇役として登場し(降格?)、衣装も「気狂いピエロ」で見たときのそれと比べるとやや地味目の印象なのがちょっと不満だけど、ここでまた主役をやれば、後の「気狂いピエロ」が作れなくなってしまうからと解釈し、勝手に納得しときます。
[映画館(字幕)] 7点(2006-12-28 18:51:01)
36.  5時から7時までのクレオ 《ネタバレ》 
主人公が過ごす夕刻をリアルタイムに追い続け、ストーリーの中にこれといった大きな事件もないまま刻々と物語が進行していく。 ただ、主人公が病気に怯えているということを除けば、ごく普通の日常なのだと思う。病気に怯えているといっても、特に暗い雰囲気はなく、むしろ自分にとっては明るくも見えた。 時間の表示が何回も出てくるのも何の意味もなさそうだけど別に嫌いではないし、男の独り語りもあったし(←自分にとって高ポイント!)、動いているミシェル・ルグラン見れたし、ほのかに明るいエンディングも良い。 そして何といっても、クレオ演じるコリンヌ・マルシャンがとても綺麗だったので、最後まで飽きずに楽しんで観ることができました。
[映画館(字幕)] 7点(2006-12-20 23:57:59)
37.  カビリアの夜 《ネタバレ》 
ジュリエッタ・マシーナ扮するカビリアの、娼婦生活から足を洗おうとする一生懸命な姿、特に、教会で涙する彼女の姿に心打たれました。 一歩一歩順調に階段を上がっていくなぁと思いながら見ていると・・・やられました。このまま上手くいくはずなんてないとは思っていながらもあのラストですからね。衝撃でした。 フランソワ・ペリエの目のドアップのワンカットなんかを見ると、“映像の力”ってやっぱりあるよなぁ~って思います。 エンディングのワンシーンもジュリエッタ・マシーナだからこそあのように望みあるエンディングを迎えられるわけで。こういうのって彼女の発するオーラですよね。 けど、何回聞いても“カリビア”って言っちゃうんだよなぁ。是非、また観ます。*
[映画館(字幕)] 7点(2006-12-03 05:31:37)(良:1票)
38.  モンパルナスの灯 《ネタバレ》 
ジェラール・フィリップ特集なる企画で本作品を観ました。それまでに観た彼の作品は女性を口説くシーン満載だったのに対し、この映画での彼はちょっと影がある役柄で新鮮な感じもあって(他の作品とは違い)最後まで飽きずに観れました。 この映画で好きなのは、主人公モジリアニの周りの人に対する誠実さでしょうか。 序盤のベアトリスに対しての暴力を見ると、一見悪い人間のようにも見えるかもしれませんが、ジャンヌに対しての思い遣る気持ち、自分自身が貧乏であるにもかかわらず道で通りかかったバイオリニストにお金を置いていくところ、花を二人分買ったりするところを見ると、実はすごく芯の通った人間なんだと思います。また、アメリカの富豪の所に絵を売りに行ったときに言ったゴッホの言葉を語るシーンなんかは、あぁやっぱりこの人は芸術家だなぁと思い、彼の芸術家としての信念を見ることができて感動しました。 当時のモジリアニの絵を高く評価する人は、アメリカの富豪のように芸術や芸術家を理解しない人だったり、モレノ画商のように非情な人物が多く、彼自身は不運な人生だったかもしれませんが、ジャンヌをはじめとする多くの人に支えられたのは幸せだと思います。 最後にモジリアニの絵を買ってくれて、笑みがこぼれたジャンヌですが、真相を知って自殺してしまったという事を聞くと、何ともやるせなさがこみ上げてきます。
[映画館(字幕)] 7点(2006-06-25 17:39:38)
39.  ひまわり(1970) 《ネタバレ》 
自分にとっては毎度のことなのですが、またしてもやっちまったという感じでした(ToT)  ジョヴァンナがロシアまで夫を探しに行って一組のロシア人親子に出会った時、子供が「ボンジョルノ」と挨拶し、さらに、家に入ってダブルベッド(&枕×2)を見た時点で「ハハ~ン、成る程ねぇ・・・そういうことか~」と、その時点である程度状況を察していないといけない訳なんですよね。 ジョヴァンナが電車に乗り込み、号泣してるところを見るまで状況が掴めなかった自分には殺意すら覚えますよ全く。 こういう自分みたいな鈍感な人間がレビューすると、どんなに優れた作品でも必ず評価が低くなってしまう(-_-;) この映画の関係者の方々やレビューで高評価なされた方にはちょっと悪いなぁって思います。 さて、自分がこの映画で一番気になってしまったのが、最後の別れのシーンなんですけども、何か妙に過剰な演出に思えてしまうのです。ちょっと捻くれた考えかもしれないですが、映画の後半のストーリーを構成するためにわざわざあの別れのシーンを組み込んだ感じに見えてしまい、そもそもアントニオがイタリアに戻ってきた時点で、最後の見せ場を作ってるんだ、というハリウッドの映画によくあるようなわざとらしさみたいな感覚を覚えてしまって、あのシーンには特に何も感じることが出来ませんでした。 また、その一方、画面全体に夕陽を浴びたようなやや赤みがかった画面が終始非常に美しく、特に画面全体に果てしなく広がるひまわりの風景がとても綺麗で、あの印象的なテーマ曲と共にとても心に染み入りました。このテーマ曲とひまわりの映像だけでも十二分な価値があるのではないでしょうか。 ところで、オープニングとストーリー半ばで出てきたひまわりが堂々とした様子で咲き誇っているのに対し、エンディングで出てきたひまわりは、心なしかうつむいているような気がして、ちょっと切なくなってしまいました。
[映画館(字幕)] 7点(2006-06-07 22:55:28)
40.  ウイークエンド(1967) 《ネタバレ》 
何となく好きです、この映画。ストーリーがあるのかないのかよくわからないような感じなのですが、その道中に出てくる一つ一つの場面がみんなブッ飛んでいて面白いのです。中盤あたりになってくると、「おぉっ!また出てきたな(笑)」と変なヤツが出てくるたびに嬉しくなっちゃったりしてしまいます。 一番の圧巻はやはり300メートルと言われる渋滞シーンの長回しでしょう。この映画では長回しのシーンがよくあるのですが、このシーンには度肝を抜かれました。この渋滞の先には一体何があるんだろう・・・という風な、ちょっとドキドキさせられるシーンがある映画って好きなんですよね~。 あと、オープニングの「WEEK END」の文字のトリコロールカラーのタイトル画面が最高にカッコイイです。 個人的な好みとしては、出来れば、終盤におけるクライマックスをもう少し大胆にして盛り上げ所をつくってもらいたかったです。けど、この映画でちょっとゴダールが好きになったかもしれません。ゴダールってストーリーを無視して観た方が面白いかも・・・。
[映画館(字幕)] 7点(2006-05-27 21:48:40)
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