1. ロング,ロングバケーション
年季の入った名優ならではの演技。というかさすがに主演お二人ともお年を召しているので時々演技なのか素なのか分からずハラハラしたり。最初から最後まで老境を迎えた大人のためのおとぎ話なのだが、舞台はアメリカだが内容はイタリア映画的な情の深さが感じられ、ちょっと羨ましくさえ感じた。 [映画館(字幕)] 8点(2018-06-11 22:55:11) |
2. ドクトル・ジバゴ(1965)
映画好きの友人の熱烈なお勧めで視聴したものの、残念ながらそこまでは感情を動かされなかった。一言で言えばロシア革命を軸に歴史と運命に翻弄される男女の悲恋ストーリーで、プロットはしっかりしていて映画としての見応えはばっちり、それだけに重厚で長い長いストーリーが続くのも退屈はしなかった。が、主人公二人はいずれも自ら運命を切り拓くというより、ひたすら時代に翻弄されまくる受け身の人生に終始しており、出会うも別れるも辛酸を嘗めるも為す術もなく嘆き耐えるばかりの姿に、観ているこちらも淡々と受け止めるしか無く、感情移入しにくかった。またそれぞれの人生の幕引きも存外あっけなく、ラストには完全に肩透かしを食らった気分に。背景も素晴らしく壮大なスケールで描かれた作品だけに、映画館で観ればまた感想も違ったことだろうと、それだけは残念。 [DVD(字幕)] 5点(2015-06-16 18:55:06) |
3. ラストタンゴ・イン・パリ
自他共に認めるオジ専なのだが、もし若い頃に彼らのこういうリアルな醜態を見せられたらやっぱり男は若いに限る、となったかも。かと言って自分がおばさんになった今改めて観ても、映像美に酔いしれる以前に、主人公二人のビジュアルのリアルさが何とも残念で気分が萎えてしまった。 [CS・衛星(字幕)] 3点(2012-10-19 14:45:04) |
4. ロルナの祈り
ヒロインのロルナの感情の動きに同性として共感できるところがほとんど無く、「あーあ」で始まり「あーあ・・」で終わってしまった。外国映画を観ていると、社会背景も年齢も立場も全く異なるキャラクターであっても、女性が主人公の話ならどこかしら共感したり人間的な魅力を感じられることが多いので、それこそ祈るような気持ちでストーリーを追っていたが、残念ながら最後まで感情移入しきれずに終わった。 [CS・衛星(字幕)] 3点(2012-10-03 18:29:56) |
5. 昼顔(1967)
綺麗な女性を観るのは大好きなんだが、ドヌーブはもうちょっと年くってからの方が美味しい感じ。この若さではどうも人形じみた作りもの感が際だってしまってつまらない。その分モデルとしては完璧なのでお洋服鑑賞がまた楽しかったけれど。原作読んだ時は中学生だったので結構衝撃で、格調高いのにエロい、そのギャップにカルチャーショックを受けた。当時の印象と違和感のない映像化で楽しめた。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2012-04-18 16:50:08) |
6. シルク(2007)
《ネタバレ》 外国映画だけれど、日本の役者さん達がとても良かった。はるばる最果ての国まで・・のはずが妙に簡単に日本に行き着いてしまう。しかも何度も。外国人が抱きがちな日本へのなんじゃそりゃ的な幻想はチラチラ感じなくもなかったが、「ナイナイ!」と斬り捨てるほどでは無かったかと。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2012-04-18 16:25:59) |
7. 情愛と友情
原作未読。イギリスの田園地帯のお屋敷の情景が美しく、ブライズヘッドのシーンにはうっとり。チャールズにとってはブライズヘッドにまつわる全てが永遠の憧れをの真の望みがどこにあるのか、最後までブレブレで若干分かりにくかった。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2012-04-18 16:24:41) |
8. 息子の部屋
喪失感が伝わるはずのところで肩すかしされたり、文化の違いなのかあまりにも淡々としすぎていて感情移入しどころがなかった。ドキュメンタリー風の抑えた演出が味なのかも知れないが、正直乗り切れなかった。 [CS・衛星(字幕)] 3点(2010-10-20 12:46:15) |
9. 軽蔑(1963)
《ネタバレ》 軽蔑するよな、そりゃ。めっちゃ分かりやすいじゃん。と女の私は思うわけだが、わかんねー男はわかんねえんだろうな・・・。分からない男に絶望する女と、女が分からなくて絶望する男。そのどちらにも等しく世は不条理。女も唸るBBの美しさを堪能できて、眼福なり♪ [CS・衛星(字幕)] 7点(2010-08-07 22:50:31)(良:1票) |
10. イタリア的、恋愛マニュアル
オムニバスは1本目で評価しない、その鉄則を知る。後半へ行くほど味わい深い小粋な話となり、冒頭の軽さからは想像の付かない懐の深い後味が感じられた。これが本当に「イタリア的」なのだとしたら、確かに日本の恋愛事情よりよほど充実していて羨ましい限り。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2010-06-28 13:24:05) |
11. ライフ・イズ・ビューティフル
《ネタバレ》 安心して子どもに見せられるとても良質な戦争映画だと思う。決しておとぎ話にはなり得ない題材をこんな風に美しく伝えることが出来る芸術家たちの才能に惜しみない拍手を送りたい。ただあまりにもファンタジーとしての完成度が高すぎて私は泣けなかった・・。馴染み客だった従軍医師に「大事な話がある」と言われ、期待して行ってみたら思い切り肩すかしを食らって失望するというグイドの姿は、おふざけがすぎる主人公に対する痛烈な皮肉に思え、機転と空想力で乗り越えられない現実に思わず素に戻ったグイドの表情が印象的だった。 [ブルーレイ(字幕)] 9点(2010-02-22 09:10:36) |
12. 理想の女
ヘレン・ハントはミスキャストでは?と思ったが、話が進むうちに引き込まれ、ラストにはああ、これはやっぱりヘレンだわーと納得。金持ちの演出が嫌みじゃなくて品があるところが、単純な米国映画とは一線を画す。登場人物のそれぞれが人間らしいエゴを見せても卑しく見えないのは、分を弁えるルールが暗黙の了解で守られているからか。大人の粋が小気味よい物語。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2009-12-23 19:40:01) |
13. 題名のない子守唄
《ネタバレ》 まさに女の人生最悪バージョンを体現している主人公。目が離せないままだんだんと心拍数が上がるように物語に引き込まれ、ラストでようやく「あ、そう言えばトルナトーレ作品だった」と思い出された。最後には観て良かったと思える深い作品なのだが、痛すぎる描写が多くてもう一度観ようと思えない。特に、狂信的な母性愛故の行動とはいえ、いたいけな幼児を後ろ手に縛り上げ執拗に小突き回す愛の鞭シーンは辛かった。あんたは星一徹か?! [CS・衛星(字幕)] 7点(2009-11-17 20:45:58)(良:1票) |
14. イル・ポスティーノ
学はないが純粋な感性を持った男が、恋をして己の感情を無我夢中で表そうしたとき、ごく自然に詩人が生まれる・・「人が芸術家になる時」を美しく描いていて、何とも良かった。ただ、後半で狙った女を手に入れさえすればエセ詩人はあっさり廃業・・ってそんな無粋で打算的な男の話だったのかよ!!と憤慨しかけたが、うまいこと持ち直してくれて良かった。 それにしても惜しい役者を亡くしました。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2009-07-16 13:24:22) |
15. 五月のミル
骨の髄まで享楽主義がしみついたフランスのブルジョア階級の、優雅なようで滑稽な行動様式を眺めて笑う映画。しかし非常事態でもロマンスを忘れないこの人達の生命力はすごい。頭の固い日本人が学ぶべきものがあるような気がする。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2009-06-07 17:16:07) |
16. ひまわり(1970)
《ネタバレ》 戦場で死んだと思った愛する人が、生きていた。しかもそれなりに幸せにやっていると分かった。そこに喜びはないのだろうか。相手の生存よりも心変わりを嘆くヒロインの激情っぷりに、もはや感情移入できない自分が意外だった。そもそも出会いからわずか数日で「もう私たちは離れられない!」と性急に盛り上がったと思えばあっという間に別れた二人。そこには心の絆よりも若さ故の愛欲しかなかったように思えた。さらに戦争という悲劇を経てもなお、ひたすら自分本位の愛情を求めていただけのヒロインの成長のなさに、反戦への思いも吹き飛んでしまいそうだった。そんなわけでエンディングでは涙よりも納得感が勝った。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2009-05-01 23:01:29) |
17. ぜんぶ、フィデルのせい
親の思想に振り回される子供の境遇にありながら、流されることなく自分で考え自分で道を決めるアンナの姿が凛々しい。それにしてもアンナとフランソワの子供服が素敵。絵本「マドレーヌちゃん」の世界そのもののような学校シーンも、ブルジョワ生活が終わった後の普段着も可愛すぎ。往年のオリーブ少女はクラクラしました。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2009-04-16 14:19:51) |
18. 星降る夜のリストランテ
《ネタバレ》 ファニー・アルダンみたいな女主人がやってるイタリアン・レストランだなんて、それだけで魅力的。小さいけれど、おいしくて安くて気持ちよく過ごせるお店、という雰囲気だけでお腹一杯になれる気がする。そんなお気に入りの店に集う客達のそれぞれの事情を垣間見る、という洒落た趣向が良い。それぞれのエピソードは小粒ながら面白かった。ただしその客の1群としてのステレオタイプな日本人の描かれ方に閉口。見るに耐えなくてうんざりしていたのに、その日本人(といいつつ韓国語らしき言葉をしゃべっていたが・・)の子どもをラストに登場させ、せっかくのいい気分が台無しになった。もっとしっとりした、あるいは粋なエンディングにしてほしかった・・。 5点(2004-11-04 10:21:15) |
19. ウェルカム!ヘヴン
ペネロぺの不良娘にしてもあんまりなガニ股歩きはそういうワケだったのか・・地獄の大ボスが生意気な若造キャラというのがキュート。ファニー・アルダンとガエル・ガルシアの二人がいい味出してます。でも、ロクでもない男マニの魂がなんでそんなに重要なのか最後までよく分からなかった。スーパーで撃ち合いという緊迫シーンで元同僚の娘が二人の正体に気が付いて「あの二人ったら天使なんだわ♪キャー♪」と脳天気に興奮しているのがなんともラテン系らしくて笑った。普通それどころじゃないだろ(^^;) 6点(2004-10-09 10:54:25) |