1. 恋愛睡眠のすすめ
《ネタバレ》 ミシェルゴンドリー、好っきだなぁ! 若き天才発明家の恋愛模様。 戀愛にウブなんだけど、なにせ発想が異常! そんな青年を、徐々に受け入れる女性に好感♪ ミュージックビデオ畑からの才能なので、 夢のシーンは、おもちゃ箱ひっくり返したような場面が多く、楽しい。 [DVD(字幕)] 8点(2025-01-19 20:32:40) |
2. ミラノの奇蹟
《ネタバレ》 ま、あれだろうな・・ 前作2作が「自転車泥棒」と「ウンベルトD」だもん。 世の中、悲惨だよねっていう映画をいくら撮ったところで、 世の中、一向によくならない。 ならば、いっそ奇蹟でも起きねえかなっという内容。 こんな映画でも観なきゃやりきれねぇ!という叫びでしょ。 [DVD(字幕)] 7点(2025-01-15 23:53:06) |
3. フェラーリ
《ネタバレ》 ミッレミリアを映画化したのは、はじめてなんじゃない?「ラブバッグ」なんてありましたが、モンテカルロとは違うのですね。 公道レースは、凄く迫力がある。 事故の場面は凄惨でしたが・・ イタリアのこの歴史ある公道レースをアメリカでやってのけたのが、「キャノンボール」シリーズなんだね。 破産してでも、レースに勝つ車をつくる、ってのが凄いデス。 フォードやフィアットなどと資本提携の話が来る時、 フェラーリの名言 「(フォードなどは)売るために走るが、フェラーリは走るために売る」 エンジニア魂、ここに極まれり♪ フェラーリの下半身事情が細かく描かれてるのが、ほかのレース映画とは一味違う。 [DVD(字幕)] 7点(2024-12-22 23:49:43) |
4. 影の軍隊(1969)
《ネタバレ》 レジスタンスの映画。 見どころは、女性しかも母親が戦士になっている点。 むちゃくちゃ優秀なのだが、捕まって子どもを人質に取られると、かくも簡単に落ちてしまう。 この点において、やはり戦いに女性は使えないということかもしれない。 その女性、マチルダの練る作戦は、ものすごく優秀。 リノヴァンチュラが捕まった時に見せた作戦は、凄かった。 そのリノが、前半の主役である。 独特の風貌に似あう戦士ぶり。 しかし、映画は、アクションものではない。 レジスタンスの静かな戦いを描いている。 メルヴィルの作品。再評価の必要性があると思う。 どうでもいいが、手塚治虫のキャラクターにランプという人がいるが、リノヴァンチュラだと思う。 もう一つ、影の軍隊と言えば、我々昭和っ子には、漫画「男組」を思い出させる。 当時のワイルド7はじめ、こういう映画の影響が、漫画に強く出てたと思う。 [DVD(字幕)] 7点(2024-10-06 01:08:53) |
5. モラン神父
《ネタバレ》 持っているものがアレっぽち! ここで生活していく気持ちのない人に説教されても、 そりゃ胸には響きませんよね。 神さまに捧げているから、何もいらないってことでしょうか。 カトリックって厳しいんですね。 モラン神父が女性に興味を持たれてるとこから、どんなドラマが展開するか? そこがポイントでした。 神と女性、これを描いた映画は、古い映画ですが、「雨」という名作があります。 しかし、この映画は、ひたすらまじめな神父でした。 ただ、若さの価値を、あまり考えてない発言が多いですね、この人。 彼女の涙は、神父のけなげな気持ちが神さまにのみ独占されてるからでしょうか・・ 「来世」を重んじる思想は、今を大事にしないのでは? 次の赴任地へ旅立つ神父さんは、神の世である世界全部が、ひとつの生活地点となるのでしょうか? 土着に生きる女性には、理解できないズレが面白かったです。 [DVD(字幕)] 7点(2024-10-02 00:35:56) |
6. レッド・バイオリン
《ネタバレ》 様々な人の手に渡った、なんかしらの物が「呪い」をもたらすという話は、 ホラーなどではよくあるパターン。 でも、様々な演奏家により名曲を奏でたバイオリンが、 ラスト、オークションにかけられるというのは、変わった趣向。 様々な演奏家のエピソードも秀逸ながら、 クライマックスがオークションというのは、他にはないですよね。 飽きさせない展開で面白かった。 [DVD(字幕)] 7点(2024-03-16 00:02:40) |
7. モンパルナスの灯
《ネタバレ》 モジリアニの話。 劇中、金持ちに絵を売り込みに行くとこが面白い。 ジェラールフィリップの絵に関する博識ぶりが披露される。 画商、怖すぎでしょう!! 絵の世界じゃ当たり前!?怖いよ~(泣) このドラマの後の、奥さんのその後を知ると、酒を飲まずにはいられない。 興味ある方は、ネットでお調べを・・ [DVD(字幕)] 7点(2024-03-12 22:35:14) |
8. 題名のない子守唄
《ネタバレ》 「ニューシネマ」のトルナトーレ観たさに観ると、かなり落ち込む映画。 トルナトーレの毒が、かなり前面に出てる。 子供を羽交い絞めにして、立て!と怒鳴るシーン。 あれね~、酷いセックスのトラウマかと思ってたら、もっと深い愛だった。 子守唄という題の、深い意味に気づいたとき、かなり凹む。要注意。 うわ~、人身売買って途上国のものかと思ってたら、 ヨーロッパでも、養子で金もうけをたくらむ悪党がいるんですね~ トルナトーレから、ロマンチックな部分を取り除くと、結構厳しいっすね(汗) [DVD(字幕)] 7点(2024-03-09 21:26:27) |
9. マレーナ
《ネタバレ》 そして少年は大人になる・・ それじゃ銀河鉄道999じゃないかよぉ・・ そうか!メーテルのモデルは、マレーナみたいな 夫が戦争に行ってる未亡人(?)だったのかもしれないね・・ トルナトーレ、見事! [DVD(字幕)] 7点(2024-03-08 14:42:19) |
10. モリコーネ 映画が恋した音楽家
《ネタバレ》 映画中、誰かが言ってた。 「モリコーネの音楽は、何かの力だ。」 けだし、名言である。 [DVD(字幕)] 8点(2024-01-28 00:47:26) |
11. ウンベルトD
《ネタバレ》 「自転車泥棒」デ・シーカ監督のネオリアリズム映画。 公務員勤め上げた老人の年金額の不足による、もの哀しい映画。 家賃滞納のなか、年金日までどうやって暮らすかという切なさが来る。 老人とペットといえば、アメリカの「ハリーとトント」を思い出す。 あちらは、元気にやっていたが、こちらは戦争前のイタリア。 ただでさえ、戦争に敗けたイタリアのモノぐるしい空気が手厳しい。 自分に身を置き換えて観てしまう。 現代に置き換えるなら、ケンローチの「ダニエル・ブレイク」だろうなぁ。 寒い。うぅ・・ [DVD(字幕)] 8点(2023-11-07 22:03:14) |
12. 神の道化師、フランチェスコ
《ネタバレ》 「無防備都市」の監督である。 実在の人物、聖フランチェスコと十数名の兄弟たちのエピソードが綴られる。 特にジネプロのエピソードがいずれも秀逸である。 自分的には、暗殺容疑で死刑寸前まで行き、謙虚さが指導者の胸をうち、放免された話が面白い。 1200年代のイタリアが舞台だ。日本の鎌倉時代に当たる。 着ている服が、その頃日本では麻の単衣だったが、西洋でも同じような素材のシャツを着ている。 ジネプロのエピソード中の指導者の鎧が興味深い。 マンガ「鋼の錬金術師」の弟みたいな、ごっつい鎧だ。 動き回れず、何のための鎧か、笑ってしまった。 どつかれてもどつかれても、飄々としている修道士の彼ら。 のどか、の一言に尽きる。 [DVD(字幕)] 7点(2023-10-22 20:55:41) |
13. アデュー・フィリピーヌ
《ネタバレ》 明日の朝、卒業とかこの街を出るとかで、 一夜のアヴァンチュールを楽しむ映画は多い。 古くは「アメリカングラフティ」から最近のでは「ブックスマート」など。 この映画は兵役に行く男が、何日間一緒になった女の子たちとの三角関係が描かれる。 女性同士の友情みたいな、やっかみみたいな、複雑な気持ちの入り混じった関係が面白い。 ラスト、兵役に出る青年に、腕がちぎれんばかりに腕を振って、別れのあいさつをする 彼女らに、ただただ好感しか感じ得ない。 最高! [DVD(字幕)] 8点(2023-09-08 00:02:07) |
14. 眼には眼を
《ネタバレ》 大陸の人間は、発想のベースが違うよね。 昔、あまり有名じゃない映画なのだが、ロシアからインドまで歩いて渡った人間たちを 描いた映画を観たが、ありゃ嘘だな。 (※「ウェイバック~脱出6500キロ~」と言う映画です) この映画の方がリアルだよ~ 怖っ!人間も、地球も・・ [DVD(字幕)] 7点(2023-04-29 23:28:13) |
15. 続・夕陽のガンマン/地獄の決斗
《ネタバレ》 先に韓国映画の「グッドバッドウィアード」を観て、面白いと思ったら、 ここのレビューで本作が原案であることを知って鑑賞。 やっぱり元祖は違うね。面白い! セルジオレオーネ、いいですね~ 「ウエスタン」「夕陽のガンマン」も感心したけど、 本作も唸りました。 これだけ面白い筋なんだから、 日本の時代劇にも取り入れられてないのかな? 興味ある問題意識が出来た。 ちなみにルパンの次元は、イーストウッドだったっていうのは、気づきだった。 [ビデオ(字幕)] 8点(2023-04-07 11:12:17) |
16. サテリコン
《ネタバレ》 この頃のフェリーニは、武の映画が笑いで観るのを止めさせないように、映像演出で見せ続けていく。 今では当たり前の手法だが、この頃は新しかった。 ところが、この映画はそれだけではない。 中盤、あたりから、これはドエライ映画を観ているのでは・・と思い始める。 そうなんです。 フェリーニの凄さは「道」でも「8・1/2」のお洒落な感じでもなく、 この映画ではなかろうか!・・と思ったくらい、僕も多少、フェリーニを舐めてました。 多分、これを観て、キューブリックは「時計じかけ~」を思いついたのではないかと思うくらい。 ホドロフスキー、大友克洋、メビウス・・・たくさんの作家が この映画でインスピレーションを受けたのではと思うくらいの衝撃! まぁ休憩しながらでも、最後まで観ましょう! きっと何かが残るはずです♪ [DVD(字幕)] 7点(2022-06-26 20:52:48) |
17. シベリアの理髪師
《ネタバレ》 素晴らしい作品! ロシアの粗野な熊のような連中の国からチェーホフが生まれたのも 納得できる、そんなロシアの巨匠ミハルコフの作品。 話は、タイトルのシベリアの理髪師といわれるような、あの地の木々をどんどん 伐採していく機械の開発資金を調達すべく、アメリカの女性がロシアの将軍に近づこうと したことが発端である。 その列車の中、ロシアの士官と音楽を通じた交流をしてしまう、その女性。 そこで、青年士官は、すっかり恋の虜になる。 しかし将軍との三角関係で、嫉妬のあまり、青年は皇帝の列席する芝居で 大失態をしてしまい、シベリア極寒の地に送られてしまう。 その女性は、罪の意識と、純粋な青年に愛を感じ、その青年を追いかける。 しかし、もう青年は結婚しており、愛にやぶれる、その女性は、ある秘密を胸に生きる、という話である。 その秘密とは、 音楽(芸術)は、国境を超えるということである。 あの列車での思い出を胸に彼女は生きるのである。 政治姿勢の厳しいロシアの国で、ミハルコフのギリギリの発言だろう。 (あのマスクの兵士が彼との息子であったという考えもできる) 映画の演出モンタージュの生まれた国らしく、 核心のラストの部分は、この演出がすさまじくキレル。 文句なく10点! [ビデオ(字幕)] 10点(2021-01-11 20:43:44) |
18. 山猫
《ネタバレ》 ビスコンティでは、これが一番分かりやすくて、好き。 前半では、シチリア島からのイタリア統一を掲げていた革命軍から、国軍へと 転身したタンクレディ(ドロン)とアンジェリカの恋。 (アンジェリカの笑い声がヒステリックで怖い・・) 後半は、その革命軍の有志を討った男と貴族たちの宴。 ここで主人公のランカスターは、日和見な連中の中にいて、孤独を感じる。 貴族の没落を描くことの多いビスコンティは、ここでは退廃ではなく、 新時代になったことで旧体制との関わりの強かった貴族の没落を描く。 ここでランカスターはボソッとつぶやく。 「山猫と獅子は退き、ジャッカルと羊の時代が来る。 山猫も獅子もジャッカルも羊も自らを地の塩と信じている」と・・ 題名の山猫は、ランカスターら貴族のことである。 誇りあるが、孤独な老貴族の後ろ姿に、映画冒頭の 引用文が思い出される。 「現状を保つには、変わるしかない」 いつの時代も変わらないですね(寂) [ビデオ(字幕)] 7点(2020-10-25 23:45:45) |
19. 気狂いピエロ
《ネタバレ》 さてゴダールものである。 以前「右側に気をつけろ」を観て、さっぱり意味が分からなかったので、 今回は理論武装して、挑んだ。 当時の映画のあり方に批判的、実験的に模索していたのがヌーベルバーグである。 ゴダールの本作は、その代表ともいえる作品で、実験的かつ政治的メッセージをこめた代表作である。 今では、政治的メッセージを込めた実験映画は、数多く創られていて、youtubeなどでも散見される。 本作では、男女の会話で、それらしきことがほのめかされるだけだが、当時は衝撃的だった。 ストーリーはまったくない?(原作があるみたいだけど・・) ただ当時のアメリカのベトナム戦争や、世界を変えつつあった消費文化を 風刺しつつ、シネマスコープのスタイリッシュな映像で男女の逃避行が描かれる。 (男女の逃避行と言えば、「俺たちに明日はない」だが、この作品の2年後である) 筋を追って、観ていたら、何が何だがさっぱり分からなくなってしまうとこだろう。 「勝手にしやがれ」はまだ映画として成立していたが・・ まったく「ゴダールには気をつけろ」だ(笑) ※「ゴダールに気をつけろ」という映画本がありますね。図書館ででも見てみようっと。 [ビデオ(字幕)] 7点(2018-12-06 17:01:40) |
20. 溝の中の月
《ネタバレ》 ベネックスは、果たしてどういう人なのだろう? オタクな「ディーバ」と過激な「ベティブルー」の間に製作された興味深い一本。 この映画では、危ういところで何とか正気を保っている。 二人の女性の間で揺れ、迷路にさまよいこむジェラールデパルテゥ。 怪しい魅力を放つのは、当時のアイドルスター、ナスターシャキンスキー。 エンディングの曲が何もかも表してる。 音楽とは言えない程、破たんした曲から、まっとうな曲へと変わっていく様が この主人公の、気持ちのありようを表してる。 ベネックスは、真っ当な人ではなかろうか? ますます興味深くなってきた。 今日は、このまま「ベティブルー」を再見することにしよう。 [ビデオ(字幕)] 7点(2018-07-21 02:39:16) |