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S&Sさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2405
性別 男性
自己紹介 〈死ぬまでに観ておきたいカルト・ムービーたち〉

『What's Up, Tiger Lily?』(1966)
誰にも触れて欲しくない恥ずかしい過去があるものですが、ウディ・アレンにとっては記念すべき初監督作がどうもそうみたいです。実はこの映画、60年代に東宝で撮られた『国際秘密警察』シリーズの『火薬の樽』と『鍵の鍵』2作をつなぎ合わせて勝手に英語で吹き替えたという珍作中の珍作だそうです。予告編だけ観ると実にシュールで面白そうですが、どうも東宝には無断でいじったみたいで、おそらく日本でソフト化されるのは絶対ムリでまさにカルト中のカルトです。アレンの自伝でも、本作については無視はされてないけど人ごとみたいな書き方でほんの1・2行しか触れてないところは意味深です。

『華麗なる悪』(1969)
ジョン・ヒューストン監督作でも駄作のひとつなのですがパメラ・フランクリンに萌えていた中学生のときにTVで観てハマりました。ああ、もう一度観たいなあ・・・。スコットランド民謡調のテーマ・ソングは私のエバー・グリーンです。


   
 

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21.  オール・ユー・ニード・イズ・キル 《ネタバレ》 
ループ! ループ! ループ! 果たしてトム・クルーズはこの映画の中で何回タイムループしたんでしょうか?誰か数えた人いませんかね。言ってみればセーブできないRPGを何回もリプレイしている様なもんで、劇中のトムさんの身になったらこりゃ堪りませんよね。輸血されるとループ能力が失われるとのことですが、リタが強制的にリセット(つまりトムさんを殺すということ)しようとしてケイジ少佐が「待ってくれ、もうループ出来ないんだ!」と焦るシーンは、なんか可笑しくて堪りませんでした。最後のループからラストまでのシーンも、最初はちょっと理解できなかったけど良く考えられた結末ですね。 まあこれは究極の「主人公キャラが劇中で成長する」パターンの映画なわけで、やはりトム・クルーズぐらいのスターじゃないとこの映画の主役は務まりません。だいたい冒頭だけとは言え、ケイジ少佐のような腰ぬけキャラを彼が演じること自体が珍しいことですが、今後こういうダメキャラをもっと演じてみればトム・クルーズの新しい魅力が開拓できるかもしれません。 日本のライトノヴェルが原作なんだそうですが、良くここまで再構成したものです、ハリウッドの脚本家の能力はほんと侮り難いです。こういう題材を見つけてくる目利き力には感服ですけど、この宝の山に全然気がつかないというか無関心な日本映画界のダメさ加減にも呆れてしまいます。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2017-05-02 09:55:20)(良:1票)
22.  パワープレイ
“クーデターってやつはこうやって計画し実行するんだ”という事例を、まるでその手引書みたいにバッチリと見せていただけます。ドナルド・プレザンスといいピーター・オトゥールにしても、もうピッタリのキャスティングで文句なしです。でもある意味とてもリアルなキャラだったのはデヴィッド・ヘミングスだと感じます。始めは「誰も殺さない」なんて綺麗ごと唱えていても、実行されると敵味方に死者が続出、それでも「まあ、しゃあないか」と無関心。乗り気じゃなかったはずなのに大統領の席に座るともうにんまりと満面の笑み、こういう人って世間にゴロゴロいますから切れ者と見せておいての凡人感が半端ないです。静というかもたつき気味の前半と、打って変わってスリリングなクーデターが始まってからの後半パートのメリハリもイイ感じですね。 グラサンかけて砲塔ハッチに横座りして煙草をふかすピーター・オトゥールの姿は、ため息が出るほどカッコよかったです。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2016-12-30 23:10:35)
23.  トレヴィの泉で二度目の恋を 《ネタバレ》 
ありふれた“ボーイ・ミーツ・ガール”ストーリーの後期高齢者バージョンという感じなんですけど、予想以上にしっとりと見せてくれる映画でした。この “ボーイ”がクリストファー・プラマー、“ガール”がシャーリー・マクレーンという二大名優というところがミソです。マクレーンの住んでいるアパートに妻を亡くしたばかりのプラマーが引っ越して来てそれから…、というのが基本的なストーリーです。マクレーンはどこまでか本当の話かよくわからない虚言癖がある婆さん、もうキャラがぴったり過ぎて笑っちゃうほどです。最近思うにクリストファー・プラマーは老いてからどんどん良い俳優になってきてる気がします。気品ある風貌と演技が品格さえ感じられてきて、同年代のマイケル・ケインとある意味好対照な感じがします。また助演陣がまた豪華で、マーシャ・ゲイ・ハーデンにジェームズ・ブローリン、そして懐かしのジョージ・シーガルまでお出ましとは感無量です。 この映画はフェリーニの『甘い生活』が重要なモチーフになっていて、クライマックスではマクレーンとプラマーがトレヴィの泉で『甘い生活』の有名なシーンをオリジナルとそっくりな衣装で再現するというちょっとウルウルするようなシーンもあります。この二人の残された人生の時間はそう長くはないだろうし、もっともっと映画に出演してほしいしそれを観たいと切に願う次第です。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2016-10-18 19:28:33)
24.  マーターズ(2007) 《ネタバレ》 
前半はアート系が入ったような先がまったく読めないストーリー展開。いきなり日曜の一家団欒を楽しんでいた家族を突然の侵入女がショットガンで皆殺し。どてっぱらにあんなでっかい風穴を開けられたお母さんが突然蘇生するところは、そのあり得なさから本作で唯一クスッとさせられるところかもしれません。そしてグールみたいな姿に変わり果てた女が登場するあたりからもう背筋のゾワゾワが止まらなくなってしまいました。カッターナイフやカミソリの刃で人体を切り刻む映像がこんなに不快なものとは想像もしませんでした。日本刀やマチェーテでばっさり斬られる方が絶対いい、もし自分がやられるならね。 ほんとにすごいのは上映一時間を過ぎてから、もうちょっとあり得ないです。なんの救いもないラストもまたひどい。 でもよく考えてみるとこれってホラーなんですかね、サブカルに色目を使った鬼畜映画というのが正しいんじゃないでしょうか。『ムカデ人間』シリーズの方がはるかに後味が良いと感じてしまうほどです。 井口昇や山口雄大といった日本を代表する鬼畜系監督がDVDのコメンタリーをやってますが、口をそろえて「この映画をさすがに人に勧めることはできない、人格を疑われる」「ウン〇みたいな映画」と本音を語っていたのにはちょとびっくりでした。彼らみたいなホラーマニアに言わせると「ホラーにはロマンがあるけど、この映画は…」ということらしいです。
[DVD(字幕)] 3点(2016-10-12 23:53:57)
25.  白い家の少女 《ネタバレ》 
この年(76年)だけでジョディ・フォスターは5本もの主演・準主演作が公開されていて今で言うとクロエ・グレース・モレッツ状態、いやクロエちゃんをはるかに超える勢いだったんですね。実は彼女がトップにクレジットされるのは本作が初めてで、つまりジョディの初主演映画と言うわけです。『タクシー・ドライバー』の少女娼婦役が強烈過ぎてかすんじゃってますけど、この映画のリン・ジェイコブスはその後の彼女の映画人生に影響を与えたキャラだったんじゃないでしょうか。 面白い事にこの映画は、作家の親娘の話である『別れのこだま』と設定が酷似してるけど、まるで真逆の展開になるんです。『別れのこだま』ではジョディが心臓病を患う少女役ですが、本作では病魔に苦しむのは作家である父親で、しかもその娘は父の死後恐ろしい行動に出る。それまではハート・ウォーミングなキャラが持ち味だった彼女が、普通に見える少女の心の闇をここまで演じ切れば観客には強烈な印象を与えたことでしょうね(少女娼婦という存在はあまり普通じゃないですから)。少女なんだけど常に無表情で何を考えている測り知れない、だけど本質的なもろさはきちんと見せるという演技をこの歳で完璧にものにしているんだから恐ろしいことです。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2015-06-28 21:59:00)(良:1票)
26.  サイレントパートナー 《ネタバレ》 
まさにデ・パルマ風タッチを模倣した様な作風の映画、デ・パルマの様なキレ味鋭いめくるめくような映像美はないですけどね。でも良く考えてみれば、この映画が撮られた78年ごろと言えばデ・パルマはまだ『フューリー』を撮ったぐらいの頃で巨匠と呼ばれるには程遠く、『殺しのドレス』や『ボディダブル』は80年代のお話しです。それなのにこの濃厚なデ・パルマ臭は実に不思議です、ラストのクリストファー・プラマーの行動なんか『殺しのドレス』をパクったのかと思ったぐらいです。 スザンナ・ヨークが意外とストーリーに絡まないで謎の女が中盤に登場し、そこから始まる三すくみの騙し合いがなかなか面白い。エリオット・グールドの部屋とその下にある電話ボックスからのやり取りは印象的です。驚くほど残虐なクリストファー・プラマーがまた秀逸で、グールドの部屋のドアの郵便受けからいきなり顔をのぞかせるシーンは(どんだけ幅の広い郵便受けだよ、という突っ込みはさておき)、心底びっくりさせられました。でもこのプラマーを罠にはめて警察に逮捕させちゃうグールドも、飄々としたただの銀行員じゃない曲者ってところが良かったですね。あとただうろうろしてるだけの銀行の同僚役だったんですが、ジョン・キャンデイが妙に目立ってました(笑)。 この映画は脚本はカーティス・ハンソンなんです、そりゃ面白くないわけがありませんよね。
[DVD(字幕)] 7点(2015-05-18 00:10:39)
27.  アップサイドダウン 重力の恋人 《ネタバレ》 
重力と反重力が存在する双子の世界、このアイデアとプロットはセンス・オブ・ワンダーに満ち溢れていてグッドです。緻密に創りこまれたCG映像もレベルが高くてよかったんですが、この映像は大スクリーンで観ないと真価が判らないでしょうね、なんせTV画面では小さすぎて映像の情報量に全然追いつけないですからね。でも脚本はびっくりするほど稚拙です。リュック・ベッソンの『フィフス・エレメント』じゃないけど、まるで監督が中坊の頃に自分のイマジネーションを書きとめた脚本を映画化したみたいな出来です。そのイマジネーションは確かに凄いんだから、せめて脚本は腕のたしかなプロに任せた方がよかったですね。プロットやディティールには『ブレードランナー』など過去のSF映画からの影響が強く感じますし、何度も出てくるカフェのシーンでは『ガタカ』の世界観と雰囲気が彷彿されました。 「これはまた別のお話し」なんて思わせぶりなナレーションで終わるけど、続編を撮る計画があるのかな?
[CS・衛星(字幕)] 5点(2015-04-13 20:13:29)
28.  ウーマン・イン・ブラック 亡霊の館 《ネタバレ》 
冒頭に現れるカンパニー・クレジットを観て思わず「おお、懐かしのハマー!」と心の中で叫んでしまいました。ハマー・プロが現在も活動しているとは恥ずかしながら知りませんでしたが、この映画にもしっかりハマー・プロのDNAが継承されていた気がしました。 まずハマーらしくゴシック調のプロットが素晴らしい効果をあげています。怪談映画にはその物語の舞台となる風景が重要な要素であるというのが自論なんですが、フランスの世界遺産のひとつみたいな潮の満ち引きで陸地から隔離される半島というロケーションが不気味な雰囲気を盛りたててくれます。時代設定も1900年代初頭(たぶん)に置いているというのも良く考えられています。自動車は存在しているけど田舎には電気がまだ通っていないという環境は絶妙ですね。若いけど妻の死で打ちのめされ生活に疲れきってしまっているというダニエル・ラドクリフのキャラも、けっこう説得力があったと思います。ラドクリフくんのことですから終盤にはハリー・ポッターみたいになって霊と闘うのかと誰しも思うでしょうが、最後にはあの結末ですからねえ。でもハリウッド映画では決してあり得ないこのエンディングは、“ものの哀れ”を怪談の神髄だと信じている自分にはとても心に沁みるものがありました。 小品ながら怪談映画の佳作だと思います。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2015-01-18 20:32:55)
29.  チェンジリング(1980) 《ネタバレ》 
凄く怖い映画が観れるかと期待値大で鑑賞しましたけど、ちょっと期待外れでした。たしかに河に捨てたボールが家の中で転がっていたりする描写もあって見せかたに工夫はあるんですけど、お話しが進むにつれて私が怪談映画で重視している「訳のわからない恐怖」が薄れて行っちゃうのが残念なんです。刑事をあんな凄い技で殺せるなら、この霊なら核心人物をもっと簡単に誅することが出来るでしょうにね。あとジョージ・C・スコット、もうこの主人公が全然霊現象を怖がらないいつものスコットで、それどころか仕事をそっちのけで霊の復讐のヘルプに邁進しちゃいます。やはりこの人は悪魔と闘うエクソシスト見たいな役柄の方がお似合いですね。 どうも海外の怪談には日本と違って“ものの哀しみや哀れ”が希薄なんでどうも性に合わないんです。
[DVD(字幕)] 6点(2014-12-07 23:54:02)
30.  遊星からの物体X ファーストコンタクト 《ネタバレ》 
いやぁー驚きました、もうわたくしは断言しちゃいます、この映画はJC版のリメイクです。それも森田芳光がリメイクした『椿三十郎』と一緒の手法です。でもこういうのってアリなんですかね?前日譚ならふつうなんか製作者のオリジナルなアイデアや思い入れを見せるために撮るんじゃないでしょうか。唯一の工夫と呼べるのが主人公を女性にしたことだけど、これも最近はどこでもやってるし大したことはない。でもそのM・E・ウィンステッドがなかなかいい味出してました。この女優どっかで観た顔だと思ったら、『ファイナル・デッド・コースター』や『デス・プルーフ』のあの姐ちゃんだったんですね。この人ホラー映画のヒロインとしてはなかなか良い素質を持っているので、もっとこの手の映画に出るべきですね。 モンスター自体もかなりJC版を意識というか再現してますが、どうも画面が暗くて欲求不満がたまりました。まあこの映画は、ある意味あの「スプリット・フェイス」モンスターを見せたくて撮った様なものですから、こいつに関しては迫力満点でした。あの顔が、分離しかけた状態じゃなくて逆にくっついて出来たというのは、良いアイデアでこの映画で唯一のオリジナリティです。「二人羽織をしながら蜘蛛の真似をする」と言うのがこのクリエイチャーの適切な表現かもしれませんが、それにしても大した芸です(笑)。
[CS・衛星(字幕)] 4点(2014-08-07 20:17:27)(良:1票)
31.  2012(2009) 《ネタバレ》 
観始めた段階では、この映画はマヤ暦やらニュートリノなどのタイムリーなアイコンを散りばめた『地球最後の日』のリメイクみたいなもんだろうな、と思っていました。実はそれが終わってみれば『天地創造』のリメイクと言った方が相応しいとは、夢にも思っていませんでした。G8各国が手を結んで秘密裏に建造していたものが、地球から逃れるための宇宙船ではなくて文字通りの方舟だったなんて、ローランド・エメリッヒの頭の中身をいっぺん良く調べてみたいもんです。 この映画の脚本は、素人の私が書いてももうちょっと何とかなるんじゃないかと思うほどのレベルの低さです。『アルマゲドン』『ボルケーノ』『ポセイドン』などのディザスター・ムーヴィーから寄せ集めた様なシークエンスになぜか『ダ・ヴィンチ・コード』からも引用し、おまけに『ホワイト・ハウス・ダウン』を先取りしてる寄せ集めの極致のようなプロットなんですからねえ。ジョン・キューザックとその家族が、ロシアの富豪およびその愛人と中学生がでも憚る様なご都合主義で出会うというのには、もう大笑いさせてもらいました。 もうこれは『アルマゲドン』が傑作だと勘違いさせられる様な、おバカ映画の金字塔です。 
[CS・衛星(字幕)] 1点(2014-01-26 17:12:46)
32.  アメリア/永遠の翼 《ネタバレ》 
実はわたくし、H・スワンクを初めて観たとき「この人A・イアハートと瓜二つだ」と言うのが第一印象だったので、まさに満を持しての主演じゃないでしょうか。きっと本人も自分がイアハートに似ていることを自覚していたので、自ら製作総指揮を買って出る大熱演となったのでしょう。 航空映画は空を飛ぶ飛行機をいかに美しく見せるかが命ですけど、その点は航空ファンである私も大満足でした。とくにアフリカの上空を飛ぶロッキード・エレクトラの姿は、『愛と哀しみの果て』の映画史に残る空撮シーンにも負けない素晴らしい画でした。 R・ギアやE・マグレガーといった取り巻く男たちのキャラが薄いのが難点ですが、もっとこの映画の脚本の困ったところは肝心なイアハートの人物像までもが曖昧なままで終わってしまうところでしょうか。純粋なヒコーキ馬鹿なのかなと思えば活動資金を得るために商売っ気もまる出しなところもありで、そこら辺のキャラが中途半端に描かれているのは失敗だったと思います。女流監督が撮った女性映画という見方もありますが、やはりここはスコセッシの『アヴィエイター』みたいにコテコテのドラマにした方が良かったのではないでしょうか。 イアハートの遭難は、アメリカの歴史に刻まれた“世紀の謎”なんですから。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2013-03-17 21:31:50)
33.  ローズ・イン・タイドランド 《ネタバレ》 
久々にきましたダークなギリアムの真骨頂、もう俺は撮りたいものを撮ってやるんだ!という意気込みというか開き直りがビシビシと伝わってきました。あんな可愛い子にヤクの注射器を準備させる演技をさせるなんて、もうここでこの映画を観るのを止めちゃった人もけっこういたでしょうね。おまけにそこはかとなく漂う幼児性愛的な雰囲気、その分野に耐性の低い自分にはちょっと強烈なインパクトでした。読んだことがない私にはどこまで『不思議の国のアリス』をモチーフにしているのか見当もつきませんが、ここまでグロテスクにしちゃうともう関係ないでしょうね。恐るべきJ・フェルランドの演技、なんでアカデミー賞にノミネートされなかったのか実に不思議です。たぶん題材がヤバすぎたので、アカデミー協会もひいちゃったんでしょうね(笑)。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2013-01-30 21:30:39)
34.  白い刻印 《ネタバレ》 
人生がドツボにはまった男のあまりに暗く陰惨な物語で、ある意味、ここまで夢も希望もないストーリーを、ポール・シュレイダーよくぞ考えついたなと感心してしまいました。ニック・ノルティは“雪原のトラヴィス”というよりは、ただひたすら粗暴でイタイ性格の男でしかなく、そしてなかなか見事なバカっぷりです。なんせ人から聞いた話をすぐ信じ込んで自分の苦境を癒す妄想に走ってしまうんだから始末に負えない。そのきっかけは弟のウィレム・デフォーが造った様なもんだから、考えてみればこいつも罪な男です。ただどう考えてもデフォーのキャラはこの映画の脚本の大きな欠点ではないでしょうか。最初はモノローグだけで一時間もたたないと画面には登場しないし、なんか不必要な登場人物の様な気がしてなりません。子供のころの回想シーンで登場する弟がデフォーではなかったと判ったら、ますますこのシナリオに?が加わりました。ジェームズ・コバーンはこの映画でオスカー獲ったのですが、これは演技に対してというより功労賞的な意味あいが強いみたいですね。 まあとにかく、とても後味が悪い映画です。
[CS・衛星(字幕)] 4点(2012-02-21 17:12:26)
35.  キラー・インサイド・ミー 《ネタバレ》 
このケイシー・アフレックが演じるルー・フォードは、『アメリカン・サイコ』のパトリック・ベイトマンを凌駕するサイコ・キャラですよ。ジェシカ・アルバのケースはともかくとして、ケイト・ハドソンに関してはなんで殺しちゃったのか、さっぱり理解不能。でもね、こういう人間って現実にいそうな世の中だから背筋がぞっとするわけです。それもケイシー・アフレックの好演の賜物で、アルバとハドソンもなかなか良い脱ぎっぷりで感心しました。ただラストの火が燃え上がるシーンは、あまりにチープなCGなので興ざめしてしまいました。バジェットが足りなかったのかしら? サイモン・ベイカーやビル・プルマン(ほんのチョイ役でした)を使ったりして、たしかに無駄に豪華なキャスティングでしたから。
[DVD(字幕)] 7点(2011-12-25 01:15:13)
36.  Dr.パルナサスの鏡 《ネタバレ》 
主演俳優が急死しても製作が続けられたと言うと、山本政志の『てなもんやコネクション』という大珍作をついつい思いうかべてしまいますが(この映画の場合は俳優が途中で降りただけです)、さすがテリー・ギリアム、まるで始めからこういう脚本だったみたいに違和感なく仕上がっています。このお話し、よく考えるとゲーテの『ファウスト』のパロディ・オマージュなんですね、Dr,パルナサスはファウスト博士でニックはメフィストフェレスというわけです。それを現代に時代を置き換え、コテコテのギリアム流イマジネーションで再構築していますが、ギリアムファンではない人にはこのセンスについてこれないのではと思います。謎の男トニーも一座を救うヒーローなのかと思わせておいて、結局はホントの悪党だったと言うオチは、なかなか意表をついていて好きです。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2011-12-08 21:30:41)
37.  カポーティ 《ネタバレ》 
わー、本作を観て昔『冷血』を読んだときに味わった衝撃がまた甦ってきました。本作をご覧になった方で未読のかたは、ぜひカポーティの『冷血』も一読されることをお奨めします、ノンフィクション小説というジャンルを開拓した文学史に永遠に残る金字塔です。映画の中でもカポーティが『冷血』を朗読すると大劇場の聴衆が凍りつくシーンがありましたが、あれは決して誇張ではないと思います。この映画のカポーティ像は、自分が『冷血』を読んで残った「ああ、カポーティはペリーと一緒に処刑されちゃったんじゃないか」という感想とまったく同じなのでびっくりしました(まさかその当時は、カポーティがそのまま新作を発表しないで亡くなるとは予想してませんでしたが)。フィリップ・シーモア・ホフマンの演技は神がかり的で今さら論じるまでもないのですが、自分はキャスリーン・キーナーのネル・ハーパー・リーがまた素晴らしかったと思います。彼女はけっこう地味でおばちゃん顔(失礼!)なのでハーパー・リーの様なキャラはピッタリだと思うんですけど。
[DVD(字幕)] 8点(2011-05-16 21:35:04)
38.  JUNO/ジュノ 《ネタバレ》 
大統領選挙の仕組みと並んで自分には理解しがたいのが、アメリカ人の養子に対する感覚である。この映画を見る限り、ハリウッドセレブだけの流行りでではなく庶民にもあまり抵抗がないみたいですね。生むの生まないのという話になるとすぐ神様がお出ましになる国ですから、里子に出すという方法は重要と供給のバランスを保つアメリカらしい合理的な解決なんでしょうね。 この監督は『サンキュー・スモーキング』を観たときからただ者じゃないぞと感じてました。全篇に漂う力を抜いたペーソスとユーモアが良いですね~。エレン・ページはこの若さでこれだけの表現力を身につけているとは大したものです。『ゴーストワールド』のイーニドみたいなキャラですが、ソーラ・バーチよりページの方が格段に上手い演技です。お父さんとお母さんも人間味あふれていて良かったです。
[DVD(字幕)] 7点(2011-01-06 22:45:20)(良:1票)
39.  ダブル・ジョパディー 《ネタバレ》 
法理論“Double Jeopardy”というアイデアがまずありき、で書かれた脚本だからダメな映画にならざるを得なかったというところでしょうか。日本でも「一時不再理の原則(一度判決が確定した罪で再度罪を科されることはない)」という法原則がありますが、これとはちょっと違うのでしょうかね。サスペンスの常道的なラストにしちゃったので、あれじゃ単なる正当防衛で済むのじゃないかな。アシュレイ・ジャッドが出演した映画は初めて観たのですが、どうも彼女がアンジェリーナ・ジョリィに似てる様な気がして、そしたらだんだん『チェンジリング』と雰囲気や展開がかぶってしまいました。もっとも映画としての完成度は雲泥の差ですがね。棺桶に閉じ込められるところは『キルビルvol2』のパクリみたいで、アシュレイ・ジャッドが刑務所で体を鍛えていたのはまさかユマ・サーマンみたいに棺を突き破るつもりだったのかとちょっとドキドキしてしまいました。でも普通閉じ込める前に拳銃持っていることに気がつくもんでしょう。トミー・リーも『逃亡者』のジェラードみたいな役ですが、ほんと中途半端な存在でした。とまあ、プロット以外は色んな過去の映画からのパクリが目立つ作品でした。
[CS・衛星(字幕)] 4点(2011-01-06 01:22:35)
40.  アポロ13
懐かしいですね、この事件はリアル・タイムでニュースで観た記憶が残っています。当時の日本のニュースではさほど深刻な事態と騒いでなかったので、本作を観てけっこうヤバかったんだなと驚きました。何度観てもサターン・ロケットの発射シーンは素晴らしく、ロケット本体から氷の薄片がとび散る描写が個人的には好みです。ドラマ自体はロン・ハワードらしいかっちりと正統的な撮り方をしているので、引き込まれますがもうちょっと肩の力を抜いたところがあったらもっと良い作品になったのではと思います。まあ確かに、アポロ計画が終わってから誰も月に行ってないというのも変な話ですね。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2010-11-01 01:12:27)
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