1. イースタン・プロミス
昔の任侠映画の世界に似たロシアンマフィアの哀しさに酔いました。よく練られた脚本、生理にかなう尺(最近長い映画は体力的にツライのです)、役者も全員適役、いかようにも解釈できる余韻を残すラストにクローネンバーグの余裕を感じます。 [映画館(字幕)] 9点(2008-08-16 22:54:52) |
2. アンダーワールド/エボリューション
前作が予想外に面白かったので、期待していたのですが、残念ながら期待はずれ。前作の格好よかった部分を全部そぎ落としてしまったような気さえします。前作を見ていないと理解できない人間関係とか、小難しくしようとしてるくせに全体的に新味乏しくチープな展開とか、もうちょっと何とかならなかったもんでしょうか。前作は格好良かったのになぁ・・・これは期待度が高すぎたせいなんだろうか・・・ [DVD(字幕)] 5点(2006-08-29 19:02:13) |
3. サイレントヒル
ショーンを観るためだけに行ったようなものなのですが、あまりにご都合主義(ゲーム的)展開に唖然。主人公の行動が「自業自得」以外のなにものでもなく、まったく共感できません。ホラーのはずなのに全然怖くないし。出演者のファン、あるいはゲームのファンでない限り、お勧めはしません。 [映画館(字幕)] 3点(2006-07-20 14:05:20) |
4. ヒストリー・オブ・バイオレンス
《ネタバレ》 この作品をどうとらえるかは、受け手に委ねられています。なぜジョーイはトムとして生まれ変わろうとしたのか、暴力に目覚めた息子の今後の学校生活は?信頼を失った家族の再生は可能なのか。劇中生じる疑問の答えを監督は用意していません。ただ、この多くを語らない手法は、私たちの想像力を刺激し、むしろ多くの「答え」を感じ取らせてくれるように思います。ラスト、団欒の場に戻ったトム=ジョーイの姿に、救いと希望を感じつつ、同時に破滅も予感させる居心地の悪さ。見た目のグロテスクさはずいぶんと抑えられていますが、クローネンバーグ映画の尾を引くイヤラシサは健在です。また、わずかな目の動き、微妙な表情の変化で複雑なトムの人間性を表現するヴィゴの執拗なまでのアップは、ファンには眼福。繰り返し見るたびに新たな「答え」を発見する非常に懐の広い映画です。 [映画館(字幕)] 10点(2006-04-20 14:23:10) |
5. ファンタスティック・フォー [超能力ユニット]
最近のアメコミ作品のなかでは群を抜いて明るいところが良いですねぇ。登場人物が深刻ぶらないところとか、4人組が本当に仲良さげなところとか、脳みそ一切つかわず楽しんでね!という姿勢が潔くって私好み。ややアクションシーンが地味なのが難点ですが、仕上がりにはほぼ満足。映画館で観るほどの内容でもないんですが、この手のバカバカ映画が好きな方にはお勧めです。同じアメコミでも蜘蛛や蝙蝠のダークテイストや苦悩モードがお好きな方には微妙かも(私は蝙蝠も好きですが) [映画館(字幕)] 7点(2005-09-22 12:55:14) |
6. ニュースの天才
題材として面白みがないわけではないのですが、映画としては全く面白みを欠いてしまってますね。別にドキュメンタリーを作りたかったわけでもないんだろうに・・・。正直なところ、主人公くんにはまったく共感は出来ないし同情の余地はないんだけれど、日本のスポーツ紙レベルなら彼のやってることは日常茶飯事、一般紙と呼ばれてる大新聞だって記者さんたちがご自分の思い込みで記事をお書きになることはよくあること。スティーブンの場合、たまたま「権威ある」雑誌の編集部がまずかったんでしょうねぇ。(やりすぎちゃった、というのももちろんありますが)それにしてもヘイデン君、アナキンといい、このスティーブンといい、「こんな部下はいらない」リストのトップにきそうなキャラを演じるの上手ですね(笑) [ビデオ(字幕)] 4点(2005-08-05 00:02:04) |
7. バイオハザードII アポカリプス
ゲームの映画化。それ以上でもそれ以下でもないですが、ジルさんを見てるだけで眼福、眼福。 [ビデオ(字幕)] 5点(2005-05-17 12:18:53) |
8. 天国の青い蝶
見るまではお涙頂戴系のあざとい映画かと思っていましたが、病気の少年を同情的にではなく淡々と描いているところが好感度大。ウィリアム・ハートのそりこみ具合が気にならないと言えば嘘になりますが(笑)変に奇をてらっていない演出に後味のよさが残る作品でした。 [ビデオ(字幕)] 7点(2005-04-15 01:58:36) |
9. ボウリング・フォー・コロンバイン
改めてドキュメンタリーってなんだろう、ジャーナリズムって?と考えさせる興味深い作品でした。インタビューの編集や数字の捉え方に非常に恣意的なものを感じるので、本気でこの問題について考えたいのであれば、客観的な事実を自分で補完しなくてはいけないですね。他人事として眺める映画としては、よく出来ていると思います。ここで描かれているのは、あくまでムーア監督から見たアメリカとその病巣。事実の一端であり、それを見てどのように思うかは人それぞれ「話し合う」必要があるのでしょう。と、問題提起をしつつ、映画の底辺に流れる監督の自己主張の激しさ、どんな論戦においても相手を打ち負かさずにはおれない姿勢が、アメリカ人気質を感じさせ、そこに問題があるんじゃないのか?と薄笑いを誘いました。 7点(2004-09-17 12:44:05)(良:1票) |
10. フリーダ
フリーダ・カーロの絵画について、予備知識があるかないかで映画の感じ方も変わるかも。私はあいにくあまり彼女の絵に好感を持ってなかったので、その絵の源泉を描いた本作への感動も薄かった。ただ、ひたすらに描き続ける彼女の狂気じみた姿には、ある種、敬意を表するのだけれど、どうにも共感できない。暗い話になりそうなところを、あっけらかんとした空気が漂っているので後味は悪くないのだが。小道具を使ったり、衣装の色合いとか、ジュリー・テイモアの絵面作りは相変わらず見事だなー、というのが、この映画の私的一番の見所だった。 6点(2004-05-04 12:16:53) |
11. 死ぬまでにしたい10のこと
《ネタバレ》 余命2,3ヶ月と宣告された子持ちの若い女性が死ぬまでにしたいことをリストアップする、その切り口と前半の描き方は私好みだったのだが、子供たちの母親代わりの女性が偶然にも隣に引っ越してくるのはどうかと・・・。いきなりご都合主義を感じて、それまでのリアル感がすっと失せてしまった。全体の雰囲気やテーマが好きだっただけに、ガッカリ度も高くなってしまった。 7点(2004-05-04 12:01:24) |