1. ファースト・スクワッド
《ネタバレ》 いやはや、奇作すぎて言葉がないです。 美術面ではロシアの好む色使い(ユーリ・ノルシュテインみたいなや (詳細はブログにて)[インターネット(字幕)] 7点(2016-05-15 22:29:50) |
2. トータル・リコール(2012)
《ネタバレ》 オリジナルのシナリオをほぼそのまま使って、プロダクトデザインは40年代パルプSFから21世紀SFへのイリュージョンを図ったのね。 おかげで話を追うのに汲々としてこぢんまりしちゃったんだけど、良しとし (詳細はブログにて)[インターネット(字幕)] 7点(2013-07-18 01:03:23) |
3. 300 <スリーハンドレッド>
《ネタバレ》 どうしても「スリーハンドレッド」じゃなくて「さんびゃく」と読んでしまうオイラ。フランク・ミラー作品という事もあって、地味~にパラノイアで鬱々とした内容なのはわかってたから、食指が動かずに放ってありまし (詳細はブログにて)[DVD(吹替)] 6点(2009-04-04 22:35:04) |
4. ローズ・イン・タイドランド
うあぁぁぁ~! ことぶきオヤジ~っ! …やっと正常に戻れたので書き直し。映画館で、生まれて初めて吐き気に襲われました。これからご覧になる皆様は、くれぐれもハンカチのご用意をお忘れなく(笑)。 [映画館(字幕)] 8点(2006-08-15 06:41:45) |
5. NOTHING ナッシング
なんかもう猛烈に『CUBE』頭わるい版。 最後までのあらすじを聞いてたから驚かなかったけど、本当にこいつら頭悪い。けど画面も単純・キャラも単純で、めっちゃ爽快感があったよ。特にあのエンディング(エンドクレジット前)は突き抜けた頭の悪さで凄かった! あの終わり方は高く評価します。 …とはいえ、途中で何度もベント・ハーメルの『卵の番人』を思い浮かべたんだよな。似たような仕掛け(受け要素ゼロ映画?)なのに、向こうは現実世界を舞台にして、とても味のある話になっている。ナタリはもっともっと肩の力を抜いて、「観客を波乱の展開で面白がらせよう」というつまらん姿勢を捨てるべきだったと思う(亀を軸にした不毛な三角関係が生まれるものと期待してたんだけどなあ…)。少なくともハーメルはそういうスタンスで映画を作って、逆説的に猛烈に面白くなったぞ。 まあ、あの状況下でもエキサイティングに生きちゃう二人を描くのが目的だったんだろうから、仕方ないのかもしれないけど。この映画の主役は「ねじくれた老人二人(しかも頭悪い)」って設定でやった方が最終的に面白かったと思う。 ネタ的には、高速道路の間にある家のポジションがモロにJ・G・バラード作『コンクリートの島』を意識してるワケで、ナタリ監督はこの頃から次回作『ハイライズ』のアイデアを練ってた事がうかがえますナ。てなこってオイラ的ナタリの本命・試金石は次回作『ハイライズ』なのれす。ここはちょっと低目の点数で(とは言っても『CUBE』よりはずっと高得点ですが)。 [DVD(吹替)] 6点(2006-07-22 03:14:39) |
6. ヒストリー・オブ・バイオレンス
食前酒は深紅のネグローニ。カンパリ特有のピリッとした苦味が舌を刺す。それからうって変わってまったりとしたニョッキのポタージュがやってきた。食べごたえ十分の、ホッとする家庭的な味。だが一緒に出てきたビーツと赤ピーマンのサラダが、熾火のような紅をチラチラと自己主張して目に痛い。その後に巨大な巨大なステーキが来た。席に着く前からレアステーキだとはわかっていたが、これが実際に目の前に置かれると途方もないコッテリ感だ。ふうふう言いながら食べ終わるが、これでメインディッシュは終わりではない。仔牛のテールシチューがやってきた。デミグラスソースの複雑な香りに、ひとつまみ置かれた血のようなパプリカ。ひとさじ口へ運ぶと濃厚な酸味が食欲を奮い立たせる。もうこれ以上こってり系は食べられない。もう無理だ。絶対に食えないよ…などと思いつつ、気がつくと平らげていた。何という恐ろしいシェフだ。容赦なく客を肉責めにするとは…そう思っているうちにやってきたデザートの抹茶アイス。甘みを抑えた脂肪たっぷりのアイスクリームに、手摘みの玉露を挽いた抹茶の苦味が加わって、それまでの胸焼けが消えていく。決して爽やかな後味ではないのに、味わうほどに奥深い甘みを感じる。食べながらいつの間にか泣いていた。周囲の席でもかなりの人が泣いていた。いまこれを打ちながら、舌に残っているのは最後のデザートの心地よさだけだ。ここのシェフは普段ゲテモノばっかり出してくるが、ちゃんとしたディナーを作るとそこらのレストランでは太刀打ちできないモノを出してくるのが、自分が通い続けている理由だろう…でも今晩はもう、お腹いっぱいです。しばらく肉はいらないや。 [映画館(字幕)] 9点(2006-04-28 21:10:09)(良:1票) |
7. エイリアンVS. プレデター
《ネタバレ》 題名に偽りあり。正式タイトルは『エイリアン VS. プレデター in キューブ inspire by 物体X and ジュラシック・パーク』です(いま命名!)。もう何でもアリアリのお祭り騒ぎでわないですかー楽しいなあ(笑)。オイラは基本的にプレデター派なんでコレは許せちゃうなあ。今回はプレデターの殺陣カッコいいし。両作の主人公リプリー+ハリガンの合成結果がパワフルな黒人女性ってのも、シナリオ頭悪くていいです。それより何より、初代プレデターの仕掛けたバカみたいに強力な自爆装置の存在理由もわかったし、宇宙船を持たないエイリアンがいろんな星に繁殖してる理由もわかっちゃって得した気分。惜しむらくはヘンリクセンの片付け方がちょっとアッサリすぎねー? ってくらいかなあ…彼は絶対、プレデターの科学技術力でサイボーグとして復活すると確信してたのに(そしてそのままビショップのプロトタイプとなるのであーる!)。まあエイリアン派にはちょっと怒りが収まらないでしょうが、プレデター派としてはヘソで茶の沸くシーン満載な美味しい企画でございました。ここまで受け狙いに徹して楽しませてくれた作品ゆえ、7点が妥当と思われますだ。●追記:いま気づいたけど、あの自爆装置がエイリアン抹殺用だったってコトは、シュワはエイリアンより素で強いのか…。 [DVD(吹替)] 7点(2006-01-14 07:10:39) |
8. みなさん、さようなら(2003)
泣いた泣いた、もう思考停止状態です。一人の《進歩派左翼知識人》の死を通して、そのカテゴリに属した一群のサブカルチャーを「あなたたちはもう終わった人なんです」と優しく葬ってしまった怪作…なんだというのは教会の骨董品鑑定のシーンから明確だと思う(見終わった直後だからまだ自信はない)。リベラリストの象徴である父が、息子の莫大なカネの力を受け入れて個室に移り、麻薬を受け入れ、コテージに移動し…死期が迫るにつれ徐々に弱々しく周囲を受け入れていく姿が泣ける。まぁ日本の場合は、この手の人たちって割と早いうちに世間に迎合しちゃってて、こんな状況は成立しないと思われそうだが…実は強烈に我が父にダブったのだよ…あの超頑固な労組世代に…《あなたが父さんでよかった》。まだ健在ですが。(6/11 2点下げ) [DVD(吹替)] 8点(2005-04-03 00:01:42)(良:1票) |
9. ヘビー・メタル
正月からえらいモンに当たってしまったなあ。もちろんその存在は知ってた。だが見る気も起こらないで見てなかったのを、いま猛烈に後悔してます。「悪」の表現手法に、ロメロのリビングデッド・シリーズの影響があると思うんですが、この作品が他作へ及ぼした影響も凄いモノがあると言わなきゃならんです。ちょっと思いつくだけで、『風の谷のナウシカ』『フィフス・エレメント』『ゴースト・オブ・マーズ』…他にもいくつか。ルネ・ラルーの仏アニメ『ガンダーラ』も絵的に近いんだけど、オリジナルがコミックだからなあ(すごく複雑な経緯のリスペクトっぽい)。この映画が時代の一里塚、コミックからSF映画への橋渡しの役目をしたんですねえ。続編も見たいような…あろえりーなさんのレビューを見たら見ない方がいいような…微妙(笑)。 ●2007/12/31 点数調整で8点に…。 [DVD(字幕)] 8点(2005-01-02 03:23:46) |
10. イグジステンズ
衝動的に買っちゃったよ…ツタヤで1547円だったもんで…でもねー、謎かけが多い方が好きなので『裸のランチ』の方がいいかな。もー展開読め過ぎです。あとクローネンバーグ作品の主人公に美男美女はイカガなものか(『デッドゾーン』を除く)。それだけならまだしも、ジュード・ロウ&ジェニファー・ジェイソン・リーってあーた、演技派の職人俳優じゃないすか。危なげなところがなくって、逆に拍子抜け。そりゃそーと相変わらずの演技で頑張ってるなー、リー。ロウより10歳も年上でヒロイン役とは…ちょっと感動でした。 6点(2004-12-11 23:12:50) |
11. ハイランダー3/超戦士大決戦
いやいや、まだイケルよ。去年DVDも買ったし。現代日本の部分がなんともウルトラQっぽい…予定外のとこで受けた。 6点(2004-06-22 03:39:34) |
12. デッドゾーン
《ネタバレ》 大半の人は知らないだろうが、この映画には一般に売られている90分のバージョンの他に、124分のディレクターズ・カット版がある。この映画は海外での公開後、なかなか国内でビデオ化されなかった時期があった。その頃にこのバージョンを元にして、ワープロ文字の字幕を入れた「裏ビデオ版」がレンタルビデオ屋で出回っていて、オイラと本作の出会いはこのバージョンでの事。泣けるんだこれが。まあ画質も字幕も翻訳も泣けるんだが、それを吹き飛ばすくらいに内容がよかった。ビデオ版でカットされているのは概ね屋外の寒い風景のシーンと丁寧だが淡々と描かれる家庭教師シーン。あまり本筋には関係ないわけだけど、実はこの二つがないとそれほど泣けないのを、正式版のビデオを見て即座に気付いた。何としても教え子がアイスホッケーの試合に行くのを止めようとする、ウォーケンの静かな激しさは、平凡に積み重ねられていく家庭教師シーン/そこから生まれる師弟の信頼関係なしには理解できない(でないとただのお人好し超能力者に見えてしまうはず)。「自分の人生を壊してまでもやり遂げなければならない事があるのだろうか」というラストのテーマに直結する問いの、中盤での要約だ。今のビデオ版はここの重みが抜けてしまったので、そこからラストシーンに至る主人公の行動に重圧感がない。まるで魔法を見るかのように予定調和な終わり方になってしまっている。そういう想いもあって、残念な公開のされ方をしてる作品だなあと思う次第。124分版なら9点なのだが、ケジメのため点は低くつける。 3点(2004-06-12 22:55:43)(良:2票) |
13. CUBE
《ネタバレ》 なぜ面白くないのか考えてみました。まず、最後までCUBEの秘密が明らかにならないであろう事が、序盤でハッキリわかってしまう(オフ・オフブロードウェイ前衛演劇の手口に近い)。次に、「厄介な奴だな~」と思ってると予想通りの揉め事を起こしてくれて、それも全員が律儀に人間的な弱みの罠にはまってくれる。最後に、そういうシュール演劇路線である割には、CUBEのセットのリアリティと言うか説得力がありすぎて、人間様がかすんで見える。個人的にはもっとチャチいセットのウソっぽいCUBE内で悪戦苦闘(格闘すると壁が揺れちゃう、とかね)してもらうか、開き直って「CUBEというキャラクター」そのものから人間を観察するようなカメラワークを探求(HAL9000 が参考になりそうだな)してほしかった。もっとも、これが舞台劇なら多分高い点を献上したと思うよ。 4点(2004-05-06 04:03:13) |
14. ゴールデンボーイ(1998)
《ネタバレ》 キングの原作は、多分最初から映画化を念頭に置いて書かれていたと思う。超常現象とサイコサスペンス抜きで「心の闇」というテーマに正面からぶつかっている。かつてのナチ収容所長ドゥサンダーは原作と同じように虐殺の《職人》として描かれる。仕事でやってたんだから猟奇殺人者のように精神が蝕まれないかと、言うとそんな事は全くなくて、ちょっと機会があればナチの異常性を取り戻してしまう。キングが描いた物語を中盤まで忠実になぞったおかげで、映画版も「悪」「犯罪」という分けづらいモノの分離に成功しているようだ。惜しいのは画が季節感に乏しく、また実際に物語の最初から終わりまで、原作のように数年かかったわけではなさそうだという点。原作で、最初にドゥサンダーの元を訪れたトッドは14歳だからね(最終的に18歳で自滅)。この、子供の無邪気さが残る微妙な年齢設定を活かしてほしかった。クライマックス以降は予定調和なので、正直どうでもいい。むしろ原作版よりこちらの方が恐ろしかった。これから、ナチ将校から譲り受けた心の闇を抱えて生きていかにゃ~ならん! という重圧感が重く圧し掛かってくる(でもラストの画はもうちょっと何とかならんのかね)。ラストに大量殺人を持ってきてR指定になるのを避けたかった、というのが製作側の本音だろうけどねえ。もっとも昨今の映画はDVD化を当て込めるわけで「原作通りのラストも一応撮っておいて、特典に収録」みたいな技を使ってもよかったかも(足元には箱入りの弾薬。高速道路を遠目に見ながら、ライフルを掲げて「俺は世界の王様だぁ~っ!」と叫ぶトッドを後ろから撮って、後の展開は字幕で…エキストラなしの一発ロケ。安くて済むよ、シンガーさん)。 [DVD(字幕)] 6点(2004-05-04 08:24:50)(良:1票) |
15. チェンジリング(1980)
この映画で初めてジョージ・C・スコットという俳優を意識した。だからオイラにとっての彼の魅力は、「堂々とした風貌ながらも悲哀を漂わせる誠実な男」これに尽きる。最初に『パットン大戦車軍団』や『博士の異常な愛情』や『炎の少女チャーリー』に出会わなくて本当によかったと思う。世間での彼の代表作はパットンだろうが、オイラにとっては『チェンジリング』だ。アメリカンなマッチョ男が不幸な運命の子供に溢れんばかりの愛情を注ぐ異色「ハートフルホラー」。そんなジャンルがあるわきゃないが、この映画が語るのはまさにそういう世界だ。『ゾンビ』に駆逐される寸前のホラー界ではこんな事もやれていたんだよね。 8点(2004-05-01 03:19:59)(良:1票) |
16. バンビ、ゴジラに会う
なぜこの映画が登録されてる…? 0点は個人的に忍びないので1点にさせて下さい。バンビちゃん、可愛いでちゅね~…ンだけだな。感想は。 ●DVD情報(本作を見てみたい方へ):こいつのオマケで収録されました→『吸血怪獣ヒルゴン/魔の谷 2 in 1』 http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B0009NEV94/249-3886619-7400338 『CUBE』の付録の『エレヴェーテッド』みたいなモンですね。 [映画館(字幕)] 1点(2004-04-11 05:23:14) |
17. ゴーメンガースト
告白します。映画の評価ではなるべく原作との対比を重視しているオイラですが、ゴーメンガースト3部作は何度も挫折を味わい、読了できていないアルプス級高峰でした(そーいや「指輪物語」「ホビットの冒険」もいつも1巻目で遭難してるよな)。それがあーた、たった4時間の労力で鑑賞できてしまうんだから、手が伸びないはずがありやせん。原作を読んだ上で見た方がいいであろう事は承知の上で、敢えてDVDを買いました。結果。「4時間に収まらない内容を4時間に納めるため、圧倒的演技力を投入した力技ドラマ」という評価です。まさにファンタジー版の『ファニーとアレクサンデル』(絵はショボいけど)。『ゴーメンガースト』への観客の期待は「城を見たい」「人々を見たい」の2面に分かれるでしょうが、このBBCドラマは後者の欲求を満たすべく、予算を徹底的に「役者」と「衣装」に絞り込んでます。石の大迷宮はチャチいビデオ合成になっちゃってますが、その分、一人として存在感のない人物がいないのでドラマの迫力は圧倒的になりました。ある意味、とても豪華絢爛な造りです。3DCG大作として「納得できるようなゴーメンガースト城」を作れたはずの予算と期間を、役者と、その役作りに投じてるんですから。この先、何度も見返すでしょう。もう一度、原作にチャレンジする際の道しるべとして…。 7点(2004-03-20 09:36:08) |
18. エンゼル・ハート
《ネタバレ》 どうしても『ドグラ・マグラ』を思い浮かべる作品なんだよね…最初から最後まで出口がないちゅーか。でもラストシーンで、堕ち切ったエレベーターから出てくるロークの姿を見て、ちょっと安心してしまったりもする。絶望的・ショッキングなラストにするのを避け、方程式が解けた瞬間のような「落ち着くべき場所に落ち着いた」という妙な安堵感を漂わすラスト。オカルトとハードボイルドの巧い融合だと思いました。とはいえ、暗いので減点。 5点(2004-03-15 02:34:19) |