1. サイレントヒル
《ネタバレ》 怖い怖いと言いながらもしっかりとゲームはクリア。そのゴシックホラー的な内容と演出には、物凄く興奮したことは覚えています。まさか、そのゲームが映画になるとは。多少設定は変更されているが、ゲームの持つ空気感ですか、そんなものはしっかりと再現されています。だから原作を知らないで観賞された方とは、評価の視点がちと違ってきます。ご勘弁ください。怖い映画なのに、思わず嬉しくなったのは、あの霧。サイレントヒルの街を覆う、あの霧。実際は灰が舞っているからそう見えるだけなのかも知れないが。ほんでもって誰もいない街。陥落した道路。学校。机。サイレン。あっちの世界の赤錆まみれの通路。金網。視覚にまとわりつくのは、全くゲームとおなじ場面。これだけで、お腹がいっぱいになりました。ゲームをやっていた時期の、違う思い出までよみがえってきます。映画とゲームが自分の中でシンクロしてしまいました。映画としては、母は強いという切り口で一応の終わりを迎えます。現実世界には戻っていないんだけれど。少し悲しくもあり、苦くもあり。この部分はゲームを終えた時と同じ気分です。バイオといい、これといい、日本のゲームクリエイター達が、いかに海外の映像作品やその他のものを研究し、日本向けに昇華させたか、そしてそれが海外のクリエイターにいかに影響を与えてきたかが、よくわかる作品となっています。 [DVD(字幕)] 7点(2007-10-12 17:52:06)(良:1票) |
2. ファンタスティック・フォー:銀河の危機
なんともゆるい映画でした。アメコミものの中でも人気のある作品らしいですが、映画として表現されるものとしては、視覚的な所のみが少しわくわく、といった感じでお話の緊張感のなさといったら。地球だけじゃなく、銀河の危機というふれこみの割にはスケールがなく、局地的な展開の割にはまとまりがない。漫画だからいいのか。大きな画面の中で、漫画本をめくって楽しんでる、そんな雰囲気でしたね。自分としては飛ばし読みしたかったのですが。ちなみに妻は、あれでいいのよ。このゆるい感じが持ち味なのよ。といいますが、ほんとなのか? [映画館(字幕)] 5点(2007-10-12 17:19:28) |
3. 300 <スリーハンドレッド>
観賞する人を選ぶ作品だとは思います。でも、個人的にはすごく面白かったです。この映画の持つ匂いと言うか、香りというのが、ちょうど東映仁侠映画が上映されていたあの頃の映画館の感じがとてもするのです。最新の技術でもって、古めかしく絵画的なトーンでまとめられた内容がそう思わせるのか。はたまた、出てくる男達の粗野でいて美しく気高い精神にそう思うのか、よくは分りませんが懐かしい熱さを感じました。ハラハラドキドキという感情の起伏以外に、こう腕に力がみなぎるみたいな、健康的にはどうだろうというアドレナリンが体に沸きまくりました。一緒に観賞していた妻も同じような印象を持ったと言っていました。でも、映画の表現方法にはまだまだ道があるのですね。そういう点でも見応えのある作品でした。 [映画館(字幕)] 9点(2007-06-25 14:40:55) |
4. バイオハザードII アポカリプス
《ネタバレ》 音響効果の優れた映画館での観賞が幸いして、物凄く楽しめた作品でした。アクションに徹した内容が分かりやすく、テンポよく、そして迫力があって、言葉による説明が省けて断然良いです。そのためか、もう劇画、漫画、はたまたアニメーション然とした処はありますが、主人公のアリス、そしてゲームから抜け出てきたかのようなジルの見せ場づくりには大成功ですね。特に教会でのアリスの登場シーンとモンスターをやっつける処などは、鳥肌もの。どうすればカッコイイのかを考えて、考えて見せきった感じがして、興奮しました。「バイオハザード」というゲームをやった方なら、ピンとくる小ネタ(教会のろうそく、ドアを開けるシーン、ネメシスを落とすヘリのシーンなど)もちゃんと用意してあるあたりもうれしかったです。それにしても、ゲームが各国の恐怖映画、ゾンビ映画、をモチーフにして作られて、それがまた映画に対して影響を与えてこういう形で昇華されるなんて、これも一種のコラボレーションじゃないのかな。クレジットの最後に大きくカプコンの文字が出て来たときには、日本人として自慢したくなりました。(自分が大阪人なので大阪に本社があるのもうれしい)アリス計画の始動するパート3が早く見てみたい。そんな気にさせる映画です。 8点(2004-09-21 09:26:25)(良:3票) |
5. ドリームキャッチャー
《ネタバレ》 このレビューでも酷評の本作品ですが、たまたま時間があったため、DVDを借りて観てみました。(原作は1・2巻まで読みました)原作の持つ不思議な能力についての描写や人間の肛門をぶち破って出てくる怪物の描写などは、映画ならではの視覚効果になっています。しかし、モーガン・フリーマンが登場してくる頃になると、話はその神秘性を失い、アクションめいた展開を見せます。つなぎがチグハグな印象を受けました。スタンド・バイ・ミーを彷佛とさせる少年時代の回想もあっさりと片付けられ、ダディッツの特殊性が(何故4人にとって特別なのか、それぞれが思い出す程の存在感があるのか)描ききれていない感じがします。ラストもヘリと人間の対決シーンなど描くよりも、あの赤いカビに侵食された住民の方がとても気になります。男2人の葛藤などテーマではないのですから。そういう意味では狙いが外れた映画だとしか思えません。ダディッツと異星人の関係もそれでいいのか?と画面に問いかけてみたくなりました。ただ、ひとつ、いいなあと思ったのは、うっそうと繁る木々に雪が嵐のように舞う中、車が走るシーンを俯瞰気味にとらえている場面。「シャイニング」のオープニングシーンを観ているみたいで、視覚的に不安にさせることに唯一成功していると思います。その他は、う~ん、しんどい映画でした。 3点(2004-03-29 11:35:19) |
6. アート・オブ・ウォー
DVDにて観賞。映画館にどうしてもいけずレンタルしたが、レンタルで良かったです。いかんせん、この映画のテンポは悪すぎます。アクション俳優を使ってアクションの見せ場を悪いアングルで見せてどうなる?って箇所が多くて、何だかじれったく感じました。タイトルになっている戦い方っていうのも活かされていないし、監督の意向が全くみえない不発作です。ラストの至近距離での撃ち合いも、じゃれあっているぐらいにしか見えないので、あまり迫力もなし。「マトリックス」めいた絵の作り方は、もう結構っていう気がします。オリジナル性の高い見せ方や展開が観たいのに。スナイプスファンも消化不良を起こしそうです。 4点(2004-03-23 10:55:37) |
7. スパイダー/少年は蜘蛛にキスをする
《ネタバレ》 カラーなのに、あまり「色」を感じさせないトーンで全編貫かれています。台詞も少なく、音楽も静か。眠気を誘う緩やかな展開。まるで、夢遊病者の夢に付き合わされているかのような、印象を受けます。曖昧になっている記憶を、蜘蛛の巣をつくるみたいに紡いでいくお話はわかるのですが、いかんせん、画面に入り込めない、取り残され感の非常に強い映画です。だから、ラストの驚きもあまりなく、それも、もしかしたら作られた記憶?なのかも知れません。終わりのない話で、終わっている変な映画です。 6点(2004-03-04 18:04:34) |