1. キングコング: 髑髏島の巨神
《ネタバレ》 せっかくの割引の日ということで、IMAX3Dで鑑賞。かなり面白かったです。人物紹介もそこそこに髑髏島へ乗り込み、あとはとにかくアクションのつるべ打ち。途中での原住民との出会いもいい具合に箸休めになっています。適度にドラマを盛り込み、大上段に振りかぶっていないところが効果的でした。小道具の使い方もうまい(どうも最近、こういう映画を見たという記憶がありません)。まあ難点は、いつ怪物が襲ってくるかわからないのに、けっこうお気楽な雰囲気のところでしょうか。もう少しユーモアも入れてほしいところですが、この話の流れだと難しいかもしれません。ともあれ、次作の設定がどうなるのか、いろいろと想像をかき立てるところもあるし、娯楽作品としてよくできていたと思います。特に「コング対大ダコ」というのは嬉しかった。 [3D(字幕)] 9点(2017-04-03 16:09:58) |
2. JUNO/ジュノ
《ネタバレ》 深刻になりがちなお話を、軽いユーモアを交えてカラッと仕上げていますが、決して軽薄ではありません。そのあたりのバランス感覚が絶妙で、こうした映画に関して深刻か軽薄かの二択しか思いつかない人は、高く評価しないかもしれません。しかし軽みの中にもシリアスなテーマはしっかりと練り込んであり、それが男女の愛情問題・人間関係を軸として展開しているので、見ていて充実感がありました。ジュノの成長が、年相応のものに抑えられているのも、好感が持てます。あと、リアがいい奴でとても嬉しくなってきます。欠点がないではないですが(両親が理解がありすぎるとか)、あまり気になりませんでした。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2013-08-30 22:08:56) |
3. Dr.パルナサスの鏡
《ネタバレ》 なかなかよかったですが、こういう映画はスクリーンで見ないと面白さ半減(以下?)でしょうね。元ネタが『ファウスト』だと知らない場合も、ちょっと辛いかも(と言いつつ、私も読んだことはない)。あと、NHKでの放送時間が120分だったのが気になりますが……。 お話としては、ニックがトニーの死を望む理由がよくわからないのですが、ヴァレンティナがいなくなってゲームが続けられなくなるからでしょうか。このあたり、悪魔の価値観がわかりません。出演者はそれぞれ好演でしたし、映像的にも堪能できました。代役の3人も、あまり不自然さを感じさせずよかったと思います。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2013-07-14 11:14:04) |
4. トイレット
よかったと思います。話としてはありがちなんだけど、登場人物のキャラクターと、それによってかもし出される雰囲気が好き。悪人が登場しないところもいい。『かもめ食堂』よりも、ドラマ『すいか』っぽい感じがします。言葉が通じなくても心が通じればオッケー、みたいなところがあって、何とはなしに嬉しくなってきます。まあこの映画に関しては、あれこれ理屈を並べるよりも、実際に見て味わうに如くはないでしょうね。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2013-02-05 22:12:14) |
5. ラストデイズ・オブ・ザ・ワールド<TVM>
《ネタバレ》 けっこうよかったと思います。Wikipediaの記事を読む限りでは、基本設定は原作に忠実そうですね。その点はSF的ですが、話の主軸はパニックもの・サバイバル路線でした。序盤は比較的じっくりとした展開ですが、コーカー大佐と合流してサバイバル合戦になってからは、次から次へと話が進んで引きつけられました。よくSF小説などで「宇宙からの侵略者が現れたら、地球人は争いをやめて共通の敵に向かっていく」という話がありますが、本作はそんなものを真っ向から否定しています。トリフィド自体の脅威が隠蔽されていたこともありますが、新しい秩序を作るのための勢力争いに必死で、なかなか協力体制が築けません。トリフィドに襲われないように生贄を捧げる修道院長とか、なかなか辛口な話になっています。無事島に渡って当面の脅威から逃れたという結末ですが、根本的な問題はなにも解決しておらず、批評精神をより強調しているように思われました。 映像的には、視力を失った人たちがさまよう様子がゾンビのようで、インパクトがあります。実際、原作の最初の映画化作品は、ロメロに影響を与えたようですが。トリフィドの方は歩行植物というのが特徴なはずですが、どうやって歩くのかがよくわからなかったのが残念。トリフィドが登場するのは夜の場面が多く、いつどこから襲ってくるのかわからないというサスペンスはありました。また、崩壊したロンドンの街も、CGでしょうが印象的です。 全体としては、主人公のトリフィド対策とサバイバル・アクションがうまくかみ合っており、時間が長くても飽きることなく見られました。ただ、肝心のトリフィド対策の方法がわかりにくかったのが残念。また、アクションやサスペンス中心で文明(人間)批判というところが弱かったのは不満点です。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2013-01-13 11:09:43) |
6. ゲスト(2009)
申し訳ございません。しょせんはB級だと高をくくっていた私が悪うございました。たしかに事件の真相はある意味パターンですが、それをうまく生かし切ったシナリオ・演出はよくできています。本作は基本的にサスペンスですが、ホラー風の演出が取り入れられています。これが単なるこけおどしではなく、ちゃんと必然性があるところに感心しました。主演の姉妹、特に妹役のエミリー・ブラウニングが好演です。決して美人とは言えないところが、かえって魅力的でした。事件の真相を知ると、それに沿ってちゃんと描写しているのかどうか、最初から見返したくなります。さらに、最後のカットで思わずニヤリとさせる趣向。見終わってなるほどなぁと合点する原題。なかなかの秀作です。邦題が最大の欠点ですね。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2011-02-28 21:03:57)(良:2票) |
7. シー・オブ・ラブ
犯罪捜査ものとしては、犯人登場が唐突すぎる。相棒の刑事とかいいんですが。ロマンスとしては、くっついてはケンカしてで、やはりよさが感じられない。どちらにしてもぬるくて中途半端。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2010-11-23 18:14:18) |
8. エスター
この手の「畏るべき子供」ものは以前からあって、その正体は悪魔の子供だったり宇宙人の落とし種(?)だったりします。で、今回ですが「オイオイ、そんなんかい!」というようなオチ。一応理屈はつけてあります。それに関する伏線もちゃんと張ってありますし、見直せばさらにいろいろ気づくかも。悪くはないけど、ちょっと脱力系? 演出は、この手の映画としては正統派でしょうが、怖がらせてやろうという気が満々で、それが逆にコケ脅かしになってしまったのは残念。ただ、最初は利発な子に見えたエスターが徐々に正体を現し、最後にアクションに持っていく段取りはよかったです。でも、温室で終わってもよかったかも。それも含め、全体的に濃いめでしつこい印象を受けました。それにしても、最近は残虐な場面も普通に映像化してしまいますが、そういうのはある程度押さえて、見ている側に想像させる方が怖いと思います。 ちなみに、原題は「孤児」の意味。見終わってから内心ニヤリとしました。 [映画館(字幕)] 7点(2009-10-10 20:28:09) |