1. ヴァレリアン 千の惑星の救世主
《ネタバレ》 なんか中身のない映画だったなー。肝心の映像の方も色んな映画の寄せ集めみたいで、何から何までダサいですし。正直観る価値はなかったかな。 [DVD(字幕)] 3点(2019-07-18 23:57:06) |
2. ローマンという名の男-信念の行方-
《ネタバレ》 人づきあいが苦手で世間から変わり者と目されている弁護士、ローマン・J・イズラエル。だが、その人並外れた記憶力を武器に彼はこれまで常に社会的弱者のために働いてきた。そんなある日、恩師である事務所の共同経営者が急な病によってこの世を去ってしまう。それまでぎりぎりの経営で成り立っていた事務所は突如として閉鎖されてしまうことに。残務整理のためにやって来た大手法律事務所の重役ジョージからの再雇用の申し出も自分の信念から一度は断るものの、経済的困窮から仕方なく彼の事務所で働き始めるローマン。すると、ジョージから自分の恩師が長年不正を行っていたことを告げられるのだった。「もう恩知らずの連中に尽くすのは疲れた…」。正義のためだと信じてきたこれまでの仕事に限界を感じていたローマンは、やがてごく普通の弁護士――正義の追及も金儲けもどちらも同じように大事なものだという割り切った考えを持った弁護士へと生まれ変わってゆく。そんな時、絶対にバレない違法すれすれの金儲けのチャンスを目の前にしたローマンは……。たった一人、社会的弱者のための正義を貫いてきた孤独な弁護士に訪れたそんな信念の危機を描く社会派ドラマ。自閉症気味の変わり者弁護士ローマンを演じるのは、これまでのこわもてイメージを一切感じさせない渋い演技でアカデミー主演男優賞にノミネートされたベテラン、デンゼル・ワシントン。拝金主義的な典型的エリート弁護士を演じたのは人気俳優コリン・ファレル。監督は違法すれすれのスクープを狙うパパラッチを描いた前作『ナイトクローラー』で強烈な印象を残したダン・ギルロイ。いかにもこの監督らしい、社会からはみ出してしまった孤独な男の自らの信念を巡るドラマは見応え充分。地味なお話ながら徹底的なリサーチに基づいたストーリーテリングの巧みさもあり、最後まで惹き込まれて観ることが出来ました。特に、D・ワシントンのさすがの演技力が素晴らしい。この一見とても友達にはなりたくない偏屈弁護士をリアリティたっぷりに演じていて、途中からは彼の行く末が気になって思わず感情移入。それは正義なのか偽善なのか――。法律の限界に鋭く迫るそのテーマ性はなかなか深い。ただ、惜しいのは後半の展開。彼の意志を継いでジョージがある行動を起こす心変わりにいまいち説得力が感じられず、そこらへんちょっと詰めが甘いです。また、このお話が全て3週間の間に起こった出来事というのもだいぶ無理があるような。40年も信じてきた自分の信念が、たった3週間の間に揺らいでしまうというのはさすがに説得力が欠けます。前半がすこぶる良かっただけに、後半の展開があまりにも惜しい。 [DVD(字幕)] 6点(2019-06-25 23:36:27) |
3. ザ・サークル
《ネタバレ》 世界最大のSNS企業〝サークル〟に就職した新人女子社員が、社長の抜擢により全世界にリアルタイムで自分の生活を24時間公開することに。最初は注目されることに快感を覚えていた彼女だったが、やがて様々なひずみが生じ生活のすべてが壊れ始めていく――というお話。エマ・ワトソン、トム・ハンクス共演ということで今回鑑賞してみましたが、基礎的な演出力が全く足りていない恐ろしくレベルの低い作品でしたね、これ。SNSで自らの私生活を発信することが当たり前の世の中となった現代、その問題点を提起するために「自分の私生活を全て全世界にさらけ出す女の子」というテーマを採択しているというのに、主人公がそうなる決断をするのが映画が始まって半分以上すぎたあたりって。展開が遅すぎるっしょ!!普通のスリラー映画なら20分、遅くとも30分くらいで主人公をそういう非日常的状況に追い込み、徐々にサスペンスを煽っていくものなのに、それが1時間もかかってたらそりゃかなりテンポの悪い間延びしたストーリーになるのは当然の帰結。また、前半随所に「今、ここで伏線はってますよ」とでも言わんばかりの幼稚な演出がなされているのですが、その伏線が後半見事に回収されるのかというと全くそんなこともなく、むしろ全然回収しきれてません。致命的なのは、主人公をはじめとする全てのキャラクターの人物造形がかなりいいかげんなので、誰にも感情移入できない点でしょう。現代的でいくらでも面白くなりそうなテーマを扱い、しかも今を時めく人気女優とベテラン俳優をキャスティングしていながら、この体たらく。監督をはじめとする全スタッフには猛省を促したい。エマ・ワトソンのさすがの美しさに+1点! [DVD(字幕)] 4点(2019-01-21 02:21:24) |
4. マリーゴールド・ホテルで会いましょう
《ネタバレ》 マリーゴールドホテルにようこそ。英国式の伝統建築で建てられたここでは、インドでの優雅で洗練されたバカンスを約束します――。亡くなった夫の借金を返すため家を売ったイヴリン、子供のころの親友に会って謝罪したいグレアム、長年の夫婦生活の末に酷い倦怠期を迎えているダグラスとジーン、足を骨折し手術を受けようとしている酷い人種差別主義者ミュリエル、生涯現役を自任しパートナー探しに余念がないノーマン、息子夫婦と上手くいかず家を飛び出してきたマッジ……。人生の終盤を迎えインドの郊外に建てられたという豪華ホテルへとやって来た彼ら。だが、そこはそんな魅力的な写真とは真逆の寂れたホテルだった。「広告と全然違う。こんなの、詐欺だわ!」当然のようにそう抗議するものの、支配人である若いインド人に強引に説得され仕方なくチェックインする彼ら。そんな薄汚れたホテルでいろいろと不満を覚えながらも、みんなで共同生活を送るうちに彼らは次第に第二の人生を謳歌していく……。初老の域に差し掛かり、自分のこれまでの人生を見つめ直すことになる様々な人々の生活を、洗練された美しい映像と音楽で瑞々しく描き出すハートウォーミングなコメディ作品。ここ最近、ハリウッドでは初老の人たちの第二の青春?ブームが続いてますね。「恋におちたシィクスピア」で有名なジョン・マッデン監督が新たに挑んだのも、そんな若いエネルギーに満ちたインド社会に触れ再び生きる活力を得ていく初老の男女を軽妙なタッチで描いたヒューマンドラマでした。個性豊かなキャラクターたちが繰り広げる終始ほのぼのとしたお話はなかなか楽しい。ただ、ちょっと軽すぎますかね、これ。あくまで個人的な好みなのだけど、こういう登場人物誰もがみんな最後はちゃんと幸せになって終わる薄味作品ってあまり好きではありません。確かに、映画としてよく出来ているとは思うのですが、「やっぱり人生って幾つになっても素晴らしい!」というこの作品のテーマはちょっと凡庸に過ぎる。理不尽で残酷な現実に翻弄され人間として壊れてしまった人(インドのスラム街にはそんな人がたくさん居るはずです)なんかを、その片鱗でもいいのでもう少し直視する視線があればより物語に深みが増したと思うのに。それにこの全編に漂う、いかにも英国風のお上品な雰囲気にもいまいち馴染めませんでした。これはもう好みの問題なので致し方ない。 [DVD(字幕)] 5点(2014-08-22 12:08:20) |
5. ゴーストライダー2
《ネタバレ》 前作は観たという記憶だけはあるものの、肝心の内容はと言えば「ニコラス・ケイジが骸骨になってバイクで走ってただけのお馬鹿映画」というイメージだけしか残っていなかったので、続編である今作も特に興味もなかったのだけど、「よし、今年の映画鑑賞の締め括りということで(本日2013/12/30、たぶん明日は観ない)、半分シャレで今年の有終の美はゴーストライダー2で飾ってやろか~」と鑑賞してみました。いやー、今作もやっぱり「ニコラス・ケイジが骸骨になってバイクで走ってるだけのお馬鹿映画」でありました。でも、そこまで酷くはなかったかなー。決して面白いわけじゃないですけど、腹立つほどつまらん!ってこともなかったんで良かったんじゃないでしょうか。思い返してみれば、今年も色んな映画を観てレビューを書いてきたけど、僕が良いと思った作品が酷評されていたり、反対に僕がつまらないと思った映画が評価高かったり、やっぱり映画って人によって色んな楽しみ方が出来る素晴らしいものだとしみじみ思います。僕のように、この作品を「どれだけ酷い映画なんだろーと思ったら、そこまで酷くないじゃん、うん!それよりニコラス・ケイジ、顔疲れてない?」とひねくれた楽しみ方をする映画オタクも居るってことで(笑)。さあ、来年はどんな映画と出会うことができるんだろー。そしてニコラス・ケイジは何処に向かうのか?今から楽しみです(笑)。皆さん、良いお年を~☆ [DVD(字幕)] 4点(2013-12-30 21:03:13) |
6. ボーン・レガシー
《ネタバレ》 このボーンシリーズって取り敢えず1・2作目は観たのだけど、なんだか個人的に嵌らなくて、それは何故かと言うと登場人物たちがあまりにも完璧すぎて人間的魅力に乏しいからで、こういう完璧な主人公たちが活躍する疾走感溢れるアクションが好きな人の気持ちも分かるのだけど、僕はもういいやって感じで3作目は観てなかったのだけど、俳優や製作陣も心機一転して新たに創られたという今作、僕の好きなエドワード・ノートンも出てることだしとあらためて鑑賞してみました。うーん、映画が始まってから2時間以上のあいだ誰一人としてほとんど笑わない相変わらず超真面目な登場人物たちが織り成す、超糞真面目なストーリー展開は、やっぱり個人的に苦手だなぁ。でも、それを抜きにしても、ちょっと脚本上の粗が目立つような。クライマックスは当然エドワード・ノートンと直接対決するんだろうなーと思っていたら、唐突に出てきた№3とひたすらカーチェイスして、最後は何故かヨットに乗って「まあ復讐は果たせなかったけど、面倒臭いからこのままバカンスに行っちゃおう」って、ちょっとあまりにもやっつけ過ぎるでしょ、このオチ。 [DVD(字幕)] 4点(2013-10-30 22:52:38) |
7. それでも、愛してる
《ネタバレ》 父親から受け継いだ玩具メーカーでCEOを務めていたウォルター。何不自由なく暮らしていた彼の生活に、鬱という突然の病魔が襲い掛かる。何もかも失い、失意のどん底で自ら死を選ぼうとしていた彼は、ふとしたことからビーバー人形という別人格を手にいれ、それをきっかけに再起を図ろうとする。そんな難しい主人公の役にメル・ギブソンを抜擢したのは明らかな失敗だと僕は思う。やっぱり、ジム・キャリーとかロビン・ウィリアムスとかが過剰なユーモアを伴ってそんな壊れた男をエネルギッシュに演じていれば、もっと彼の狂気と悲愴感が上手く表現できていただろうと思うのに。それに全体的な雰囲気が無難で上品に過ぎるところもちょっと不満かなぁ。興味深い題材と設定だけに、僕にはちょっぴり残念な作品でした。ジョディ・フォスター、昔から好きなんだけどねー。 [DVD(字幕)] 5点(2013-08-22 00:42:18) |
8. ウェイバック -脱出6500km-
《ネタバレ》 共産主義体制化のソ連、スパイ容疑で逮捕され、シベリアへと流刑になってしまった男たちが決死の思いで脱出。彼らのインドへの6500kmにも及ぶ苦難の逃避行を淡々と描いた作品。事実を基にしているということなのだけど、映画として観るには、さすがにこれは退屈に過ぎるのではないか。芸術性云々よりも、僕はただ単純に映画としての見せ方が下手なだけだと思えてしまった。エド・ハリスとコリン・ファレル以外、誰が誰だか最後までよく分からないから人間ドラマが一向に頭に入ってこないし、男たちがひたすら砂漠を歩く映像を延々と見せられても眠気が湧いてくるだけ。そして、そんな極限状況に追い詰められた男たちに急に若い女が加われば、どう考えても(簡単に人を殺す荒くれ者だって居るのだから)みんなでレイプしようという発想が必ず起こるだろうけど完全にそれもスルー。人肉食の問題も軽く触れる程度。そうやって綺麗事だけで映画を作るならあまりにも娯楽性に欠けているし、芸術性の高い映画とするならあまりにも人間心理への掘り下げが足りない。結局、退屈な二時間を過ごしてしまったなぁという感想しか僕には残らなかった。 [DVD(字幕)] 3点(2013-08-12 14:44:14) |
9. コンテイジョン
《ネタバレ》 丁寧に作られたパンデミック・スリラー映画。豪華な俳優人の抑えた演技が緊迫度を増していて、ソダーバーグの手堅い演出が光っている。映画が始まってから約二時間、緊張の糸が途切れないのがすごい。ただ、それが余りにも優等生なつくりに仕上がっていて、幾分物足りないようにも感じる。この群像劇のなかにもっと一人くらい人間的な壊れたキャラクターが欲しかった。監督が過去に撮った傑作「トラフィック」に出てくる、子供のために麻薬を売り捌く母親のような。 [DVD(字幕)] 6点(2012-08-12 10:49:28)(良:1票) |