Menu
 > レビュワー
 > _ さんのレビュー一覧。2ページ目
_さんのレビューページ[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 554
性別

表示切替メニュー
レビュー関連 レビュー表示
レビュー表示(投票数)
その他レビュー表示
その他投稿関連 名セリフ・名シーン・小ネタ表示
キャスト・スタッフ名言表示
あらすじ・プロフィール表示
統計関連 製作国別レビュー統計
年代別レビュー統計
好みチェック 好みが近いレビュワー一覧
好みが近いレビュワーより抜粋したお勧め作品一覧
要望関連 作品新規登録 / 変更 要望表示
人物新規登録 / 変更 要望表示
(登録済)作品新規登録表示
(登録済)人物新規登録表示
予約データ 表示
評価順1234
>> 通常表示
21.  サーカス(1928)
サーカスを舞台に、エンターテイメント的な構成でまとめた傑作。一見すれば、観賞者を笑わせる為だけにしか見えない滑稽な様子も、実は隠れたメッセージ性として“束縛を嫌いまた自由を”…と言う風刺を、さりげなくレトリック表現を用いて描いたのは、どこまでもチャップリンらしい。そして完成された個々の描写は、可笑しさの中に垣間見える喜怒哀楽の表現を豊かに見せる。子供が握っているパンを食べてしまう…あの僅か一片のシーンに1カ月半をかけて撮影し、完全無欠の創作精神としてこだわり続ける…。だからこそ、代役も合成も行わずに700回以上にも及ぶ綱渡りの曲芸を、命賭けでやって退けたチャップリンこそ偉大なる映画人と言えるのでしょう。ちなみに、足が悪かったチャップリンがそれを隠す為に生み出した独特な歩き方…、ラストシーンでいつもながらに独り歩き去る容姿は、それまでのユニークで滑稽な様子とは対照的な故深く印象に残ります。
10点(2003-12-08 20:29:55)(良:1票)
22.  のび太の結婚前夜 《ネタバレ》 
のび太はジャイ子と結婚して6人の子をもうける…と言う未来を、ドラえもんの助けでねじ曲げて見事に静香と結婚する事になった青年・のび太。そんな自分の未来に不安を感じ、結婚前夜にタイムマシンで訪れたのび太とドラえもん。この話もまた原作から抜粋した話を基に脚色して映画化した作品。涙が出る程感動的な話では無いが、まァ原作の基本がしっかりしているし、昔TVで放映されたよりも遥かに画のクオリティが高いので良かったと思う。ちなみに、この作品では確認不足で分からなかったが、原作では2人が結婚式を挙げるのは12月25日のクリスマスだそうで…。勿論、ドジなのび太がそんな気の利く事が出来るわけが無く、静香が決めたのだろうが結婚前に早くもその主導権を握り頼もしい限り。彼女を主体にして考えると、ドラえもんがセワシの使いで過去へ行かなければ、静香はのび太と結婚する事は無かったわけで…(やはり出来杉くんと結婚しただろうに)。そう考えると不敏に思えてしまう。
5点(2003-11-05 21:28:36)(良:1票)
23.  カリフォルニア(1993)
ケン太さんの質問にお答えしましょう。「カリフォルニア」のスペルの“C”が“K”になっているのは“Killer”をかけている、監督のメッセージだそうです(自分も気になって調べた)。殺す者が見せる狂気をタイトルに込めているらしいですが、イマイチ伝わらないような気もする…。ちなみに、ブラッド・ピットをこの映画で見て、希薄で汚い男が良く似合う!!…と改めて確信しました。以降の映画も、希薄で汚い男役をブラッド・ピットに求めてしまう自分。そして、なんと言ってもサボテン収集癖のある、天然系の女の子役のジュリエット・ルイスが見事に好演でした。とにかく、この翔んだバカップルが全ての映画。共演しているデヴィット・ドゥカヴニーは、すっかり「X-ファイル」のモルダー捜査官で定着。連続殺人事件の現場をルポしながら、カルフォルニアを目指すのが彼の役どころだが、何かの捜査か!?…と思わずしてならない。本作の役名(ブライアン)を差し置いて、終始彼を“モルダー”と呼んだのは私だけではない筈だ。
5点(2003-05-18 18:13:30)(笑:1票)
24.  三匹荒野を行く 《ネタバレ》 
ブルテリアの老犬“ボジャー”、ゴールデンレトリバー“ルーア”、そしてシャム猫“テーオ”の三匹が飼い主を追い求めて320kmの旅に出る…懐かしの感動作品。当時、ブルテリア犬は今程有名では無かった為、あの容姿から途中までブタか何かと思っていた幼少期(笑)。ナレーションのみで構成している為に、動物を客観的に…そしてドキュメンタリーでも観ているかの様な錯角に陥り、森で熊と遭遇しての威嚇バトル等はもうPRIDよりも…またK-1よりも白熱し、手に汗握ってしまって大変でした(アホ)。ちなみに聞く所によると、老犬・ボジャー役を演じたブルテリア君の実年齢はまだ3才程だったとか…。弱々しい表情や体力が衰える様子など、見事に演じていましたね。シャム猫もまた、猫とは思えぬ独立した演技を見せてくれました。川の濁流に呑み込まれた場面などもう絶叫。ちなみに、猫は耳に水が入ってしまうと外耳炎を発症しやすくなり、神経障害に至ってしまうので動物愛護協会が目を光らせている現在では、同じシーンは2度と撮影出来ない貴重なシーンと言えるでしょう。…ちなみに、2年後に製作された同ディズニー作品「シャム猫FBI/ニャンタッチャブル」のDC役のシャム猫とは、同一のタレント猫なのでしょうか…? 芸達者な所はそっくりです。ところで、(↓)いえいえ、オオカミさんなら絶対にレビューしているだろうなァ…と思っていたので、先の書き込みは嬉しい限りでございます。ディズニーは技術を向上させる事に終始し躍起になるばかり、大切なものを見落としている…同感。
8点(2003-12-08 16:29:30)(良:1票)
25.  フォレスト・ガンプ/一期一会
基本的なストーリーが見えない…。更に話の繋ぎが悪く、フォレスト・ガンプが齎すそれぞれのエピソードが、個々に独立しているように見えた。フォレストが様々な場所で誰と何をしていても「だからどうした」とツッコミを言わずにはいられない。これが実話だったら話は別だが、フィクション上でのヒューマニズムはイマイチ説得力が有りません…。
3点(2003-04-12 22:45:28)(良:1票)
26.  転校生(1982)
大林作品の中でも素晴らしい映画。原作は山中恒著の「おれがあいつで あいつがおれで」だが、「転校生」というタイトルが見事。小林聡美と尾美としのりの力演も見応えある。特に入れ代わった後の一夫を演じる小林聡美が、こんな事が出来るのは何故?…と思う程のインパクト有る演技に驚いた。あの自転車で坂道を一気に駆け上がるのもスゴイ! …それとは対照的に尾美としのりの一美は好演ながらも、やはりキモチ悪いのがこの映画の痛い所。ラストは感動的で見終われば深く印象に残る。尾道に行く事があれば、一美と一夫が転がり落ちたあの石段のロケ地となった御袖天満宮へ行ってみたいものだ。
8点(2003-04-23 23:03:14)(良:1票)
27.  裏窓(1999)<TVM>
ヒッチ・コック名作のリメイク版。クリストファー・リーブがこの役を演じるのはなるほど…思わず頷いてしまいました。確かに適役・ハマリ役。観ればちゃんと顔で演技しているので、ちょっと感動してしまいました。ただ、リハビリに専念する彼の姿はドキュメントを見ている様で実に痛々しい。更に、常に水を飲まないと上手く喋れないのか…時々声が枯れてセリフを喋るのが辛そうで…。クライマックスのシーンでは映画だと分かっていても過度な感情移入を持って観てしまいました。片足を骨折するのと、首以外が動かないのは全然違うとは思いますが、現代ならではのハイテクを使った演出で、リーブの為に創られた映画なんだな…と良く分かります。“リーブ主演でどんなものが創れるのか”でコレだった…と言う事ですね。そもそも、映画が創られた目的が違うので、ヒッチ・コックとはあそこが違うとか、ここが違う…だなんてヤボな評価は致しません。ラストシーンで「今はまだ無理だけど―…必ず立てるように」のセリフにジンと来ました。実に良いセリフです。
7点(2003-10-31 14:57:54)(良:1票)
28.  ハチ公物語(1987)
引っ越し魔な自分は実は元・渋谷区民。小学生の頃イヤと言う程、道徳の時間で散々勉強した「ハチ公」の話は今でもしっかりと脳裏に焼き付いてしまい、先生に「ハチに誇りを持て!」・「渋谷区民としてハチを自分の問題だと思え!(←コレが良くわからない…)」と言われ、スッカリ洗脳されてしまいました。だからと言うわけでは有りませんが、先生からもらった渋谷区のハチ公資料と映画のギャップが…(苦)。確か、あんなにキレイな町並みでは無かったような気がするし、美化され過ぎて元・渋谷区民としてはどうも納得が行かない…。それに、あまりにも有名過ぎる実話な物語なだけに、逆に映画では感動出来ませんでした。本物のハチの為に敢えてこの点数で…。
4点(2003-09-24 17:21:04)(笑:1票)
29.  ジョイ・ラック・クラブ
母娘の心の葛藤を描き、意図する家族愛を中心に描いた良作映画。中国移民の4人の女性と、アメリカ人として生まれて育った娘たちの境遇を対照的に描く事により、明確に表れる考え方の違いや互いの誤解。そんな葛藤を乗り越え、最後には理解し合える母と娘の深い愛情。過酷な運命を生きてきた4人の女性の過去を、オムニバス的に…それでも決して独立せずに描写している個々のストーリーは実に素晴らしく、母から娘へ、また娘は母へ…と言う感情を見事に表現している。母は強し! 女性は強し!…と言える良作映画。
8点(2003-12-13 22:29:22)(良:1票)
30.  チャップリンの黄金狂時代
風刺に見えない作品性を重視してしまうと、残るものは何も無く…。だけどやっぱりそこはチャップリン。布を羽織っただけの出で立ちで、あの場所にいるだけで可笑しい。そしてなんと言っても、空腹から靴を食べてしまう描写とフォークとパンを使った卓上芸は本当に最高だ。ゴールドラッシュに沸き、金銭欲にかられる世間の人々と無欲の探鉱家・チャーリーとの対比…。女性達にからかわれている事も知らずに、呑気に卓上芸を披露している夢を見るチャップリンの純真無垢な描写が、人間性を諷する唯一のアイロニー表現なのでしょう。後に付けたナレーションを不要に思うのは、愛すべくサイレントの魅力を殺いでしまうから…。まァ、どうせナレーションが有ったとて、英語の分からない凡人の自分には字幕を読むしか無いのだから…(苦笑)。…ちなみに、本当に靴を食べた人はいるそうですよ(イヤ、本当の話)。牛革だから、まァ食べられなくは無い…か(笑)。
9点(2003-12-10 22:59:51)(良:1票)
31.  GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊 インターナショナル・ヴァージョン
「GHOST IN THE SHLL 攻殻機動隊」の英語版。アメリカが先行公開につき、こちらの製作がやや早かった…と記憶しています(完全にアメリカをターゲットに絞っていた…と言う事か)。当時、日本語版は創らない…などとアニメ誌で読んだ為、独りブーイングでやむを得ずこちらの方を最初に観賞。自分としては、日本で製作されたアニメに外人がアフレコだなんて…とムッとしながら観ましたが、イヤこれがどうして…とても良かった。特に草薙素子とバトーの会話がクールに聞こえてカッコイイ! イングリッシュ・マジック効果で、まるでアメリカ映画をそのまま観ているようでした。唯一、日本語版とは声優のコントラストが違う為、日本語版が染み付いている方には拒否反応が出るやもしれないが、それ以外は同じ内容なので観賞に特に問題は無い。個人的には英語版は全然“有り”でした。
7点(2003-10-30 14:54:39)(良:1票)
32.  風が吹くとき
唯一の被爆国である日本では、当時この映画の評判は高かったように記憶している。“核の恐ろしさをもっと知るべき”と言うメッセージの対象は日本ではなく、勿論外国向けなのでしょうが、それでも充分に伝わるのはそれだけこの映画の完成度が高いと言う事。…主人公の夫婦は、ごく普通の日常生活の中で“核”をとらえている。まるで台風でも来るような備えしかせず、本当に淡々と描かれる話に、次第に日本映画が描く“核”とは全く異なる恐ろしさを、この映画に見た気がする。同時に日本人である我々がこの映画を観ると、違う悲しみを感じてならない。“外国は核映画を作れない”というレッテルを、見事に覆した作品。逆に言えばこういう映画は日本には絶対に描けないでしょう。そういう意味でも、この映画のレーゾンデートルを高く評価したい。
9点(2003-08-24 19:41:19)(良:1票)
33.  ローマの休日
良く考えてみれば“ローマ版・あんみつ姫”とでも言うべきか(…と言う事は、あんみつ姫の方が時代的にはスゴイ?)。…なんて前置きは良いとして、何故か今までオードリー作品とは無縁だった…と言うよりも、CMを含め様々なメディア媒体などであまりにも有名で主要な名場面を見過ぎて、観賞せずにここまで来た自分。この歳で初観賞…と言うだけで非難されそう(笑)ですが、実に素敵な作品でした。何故にこんなにも優美且つ可憐な女性がこの時代…この場所に存在したのであろう。そう考えると作品は勿論の事、オードリー・ヘプバーンと言う名の女優のレーゾンデートルに深く魅了されてしまいます。演じる事に必死だった…と言うオードリーが見せたほんの一瞬の素顔は、言わずと知れた“真実の口”の名シーンで見て取れる。グレゴリー・ペックとの相性もナチュラルでとても良かった。世界中の誰もが彼女に恋した本作品の貢献度は圧倒的に勝っており、勿論作品のレーゾンデートルを高く評価したい。
9点(2004-03-11 02:28:35)(良:1票)
34.  たそがれ清兵衛
何故、過去形にしてしまったのだろう…という印象で、終始、娘・以登(岸恵子)による“良き父の思い出”として語らせる演出は余計。現在進行形で進む映画のストーリーも、“語り”という手法で過去形によって話を進めれば進ませる程違和感を覚える。大体、娘の知らない所で父が何をしているか…だなんて、実際に見もしないで語っている時点でリアリティに欠け、虚構のストーリーだと浮き彫りにしているだけで興味が薄れる。ただ、日本の良き情景を背景にたった1人の侍の様を淡々と描く演出なり、独特な味わいがこの映画の特徴で良いと思う。
6点(2004-10-10 15:24:25)(良:1票)
35.  花とアリス〈web〉 《ネタバレ》 
WEB公開シネマとして某お菓子メーカーの企画で製作された作品。岩井監督の独特の映像美と、鈴木杏と蒼井優の両者が好演しているのが印象的。第一章「花の恋」・第二章「花の嵐(1.秘密、2.乱舞)」・第三章「花とアリス」まで全て観ましたが、音楽の良さも手伝い、個人的には好きな作品でした。岩井監督は、こういう何気ない少女の日常を捉えるのが非常に上手いですね。第三章のラスト…学園祭の二人の場面。先輩の男の子との会話で泣き出す花と、公演中の笑いをとる落語のシーンとの対比。哀楽の画面を交差させ、少女の押さえられない感情と意図する花の心情を映像で表現するのが、監督らしい演出で実に素晴らしい。当然、劇場版へと期待が繋がる。…ところで、第一章に登場する駅の名前に既にお気付きの方も多いと思いますが、お遊び的処理にしては看板のサビ具合といい、とても凝っています。「水木駅」→「石ノ森学園駅」→「藤子駅」→「手塚高校前駅」。…つまり、花と有諏川の二人は手塚高校の学生…と言う事になりますな(笑)。ちなみに、凝っているのはこれだけでは無く、実は各駅の行き先にまで至る。「北廊(キタロウ)・塗壁(ヌリカベ)」、「来田(ライダー)・木会田(キカイダー)」、「野比田(ノビタ)・須根尾(スネオ)」、「黒雀(ブラックジャック)・跡武(アトム)」。…と、ここで疑問。水木駅から次の行き先は確か「北廊」のハズなのに、何故か到着するのは石ノ森学園駅。―…謎だ(笑)。
7点(2003-11-25 01:29:48)(良:1票)
36.  説得 エホバの証人と輸血拒否事件 《ネタバレ》 
当時、ニュースでも事の動向を見守り、また論争を巻き起こした実話が元のTBS製作によるTVムービー。重体の息子に輸血が必要になり、施そうとするが父親は輸血は受けさせないと断固拒否。医師側は少年の命を救うべく父親を説得するのだが、結局少年は亡くなってしまった訳で…。寡黙な父親をビートたけしが好演しているので、TVムービーとは言え見るべき点は充分に有る。説得などせずに輸血をしてしまえばいいのに…と思うが、それが出来ない理由は本人を含め家族が承諾しない事…つまり、“宗教”に有る訳だ。宗教の教えで輸血は絶対に犯してはならない“大罪”なのだそうで…。こういう宗教問題はそれこそ複雑で一概には言えないが、彼らから見れば聖書に書かれている事こそ真実。信じれば信じる程逆に何かを失ってしまうような気もしてしまいます。ちなみに、劇中で輸血の是非を少年に提示したが、お父さんの言う通りにしたい…と拒否した訳ですが、紛れもなく信じたのは“神”でも“宗教の教え”でもない。…そう、信じたのは何ものでもない“父親”だったのだ。TVムービーとは言え、ドラマの延長に有るような作品に加え、内容が内容なだけ勧められる作品では無いが、人は遠くに咲いている大輪の花を見すぎていて、気が付けば足下の小さな花を踏んでいた…と言うのは、宗教に関係無く誰にでも通じる事だ。
5点(2003-11-23 20:56:09)(良:1票)
37.  姉のいた夏、いない夏 《ネタバレ》 
ドラッグのシーンは別にいらないんじゃないかな…。それでも必要性があるならば、過度な演出は避けるべき。姉の痕跡を辿れば何かが変わるかもしれないと言う妹・フィービー(ジョーダナ・ブリュースター)だが、性格がややマイナス面に描かれているのもちょっとツライ。更に、姉の元彼・ウルフと肉体関係を持った事を“罪悪感”という言葉で片付けないで欲しいとも思う(←正直、この展開にはかなり戸惑いました…)。まア、姉・フェイス(キャメロン・ディアズ)の偽善行為で自らの呵責に苦しむ“罪悪感”との対比を表現したかったのは良くわかるが、コントラストと言うかバランスが非常に悪い。単純に“姉のいた夏”は良かったが、“いない夏”が良くなかった。
5点(2003-05-31 00:34:37)(良:1票)
38.  バイオハザード(2001) 《ネタバレ》 
ビルの非常階段を見れば上がりたくなり…、設置されている消化器を見れば取りたくなる。そこら辺に生えている雑草もハーブに見えてしまう程、バイオシリーズにのめり込んだ…ゲーム経験者の自分には、まずまず観れた作品。ゲーム開始と同時に、この主人公のようにポ―ンとバイオハザードの世界に投げ出される感覚を、やや分かりにくい観もありますが一時的な記憶喪失という設定で上手く表現しています。慣れてくればスイスイと進めるゲーム攻略のような記憶回復とともに進行する独自のストーリーは悪くない。ゲームと言う複雑したストーリーも、ゲーム未プレイ者にも楽しめるように作ってあるのは感心。何よりバイオハザードの世界観に溶け込んでしまうミラ・ジョヴォヴィッチが、実に適役に加え好演でした。…ただ、雰囲気は悪く無くとも、ゲームの世界観があまり活きていませんね。ゲームではゾンビで溢れたラクーンシティと、(のちのちに分かる→)アンブレラの悪行を隠すために街ごと爆破するという設定で、生き残った主人公らが逃れるために、封鎖された街から脱出する…と言うようなストーリーも、劇中では全く逆で序盤からネタバレ。プレイするとともに、アンブレラの全貌が除々に明らかになるワクワク感とは程遠い。更に、ゲームとは無関係なレーザー攻撃は残虐過ぎて引く。これは“恐さ”であって“怖さ”ではないんですよ。こうした“怖さ”と“恐さ”を取り違えた演出が多いのは、ホラーアクションと謳われる作品にしてはいただけません。独自のキャラクターと、ゲームとは逆に進行するオリジナルストーリーが確立出来るのは、あくまでもゲームの設定とシナリオが優れているからの話。個人的な感想としては、あれだけ素晴らしいゲームシナリオと設定をもってしても、こんなヤワな話になってしまうのか…と外国人のアレンジの下手さにはガッカリしました。大体、あれだけしつこいゾンビを女性のパンチ(しかも素手)とキックでブッ倒すのは、あり得ないの一言(ゾンビ犬なんて蹴り飛ばして済めば楽で良いなァ)。ゾンビの怖さがあまり伝わりませんね…。あの“リッカー”のショボイ映像処理もなんとかしていただきたいもの。ちなみに、ドラえもんもビックリな四次元・アイテムボックスは、さすがに映像化はされませんね(笑)。
5点(2004-09-05 00:26:37)(良:1票)
39.  インビジブル(2000)
誰もが一度は憧れる“透明人間”。男ならば透明人間になったら…と考えると、どうしてもエロスな方へ走ってしまいますが、映画なんだから透明人間で出来る事…と言うのを、エロ以外でちゃんと観たかった(別にいくらでもやる事あるだろうに)。日本のマンガでも透明人間になって女風呂覗く…なんてやりたい放題の話が有りましたが、まだそちらの方が良かった。まァ、要するにその道に走るなら徹底的にやれ…って事ですよ(笑)。随所に盛り込まれるシーンが、ただ先を観せるだけの“繋ぎ”でしか無く非常に中途半端だし、そういう制作側の意図がイヤらしい。ちなみに、透明化のシーンは、毛細血管の一本一本まで精密にCG再現され、技術はホントにスゴイと思う。どうでも良いが、クライマックスで半透明になったセバスチャン・ケイン(ケビン・ベーコン)の微妙なシーンに、ちゃんとモザイクがかけられていたのには、ちょっと笑ってしまいました(CGなんだからモザイクかける前にごまかせるだろう)。それだけリアル描写に力を入れていたのか…CG技術以外は辺鄙なストーリーでした。技術に力を入れる前に、ストーリー展開にもっと力を入れるべき。ちなみに、もしも自分が透明人間になったら…毎日映画館へハシゴ! コレしかないね(…なんて言うとまた叱られるか)。
6点(2003-10-28 22:12:03)(笑:1票)
40.  散り行く花
アメリカ前半期に、有名だったD.W.グリフィス監督の最も愛すべく作品。若き日のリリアン・ギッシュの魅力を、余す所なく活かした素晴らしい映画。元プロボクサーである義父の、娘・ルーシーへの絶えまない虐待と暴力。どうしても笑う事の出来ない彼女が、口元に指を当て頬を上げて哀しい微笑みをつくる名シーン…。彼女を見守るうちに、芽生えた切ない想いにかられる中国商人・チェンハン(リチャード・バーセルメス)。どうようもない想いと交差するように物語は進み、やがては悲劇的なラストを迎える。白人による中国人の表現は、やや奇妙に見える所が難点(しかもロリコン)だが、全体的な評価は◎。ちなみに、グリフィス監督がリリアン・ギッシュのあまりの美しさから、カメラを寄せていく手法を偶然使った事から、クローズ・アップが生まれた…なんて以前新聞で読みましたが、そんな監督の少女愛のようなものがこの映画で垣間見られます。まだ観ていない人は一見の価値有り!
10点(2003-05-29 22:23:08)(良:1票)

■ ヘルプ
© 1997 JTNEWS