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プロフィール
コメント数 730
性別 男性
年齢 34歳
自己紹介 初心者です。7点を中心に見事な二次曲線を描く点数分布。しかし映画の評価は点数に還元しきれぬもの。点数と心中の差をいかにレビューで表現できるか。とはいえ適当なレビューも多数(笑

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評価順1234
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61.  ツリー・オブ・ライフ 《ネタバレ》 
あまりのつまらなさに驚愕した。元々テレンスマリックは説教くさい映画ばかり撮っていて評論家ウケはするけど自分とは相性が悪いとは認識していたが、ここまで好き勝手にやるとは思わなかった。これは単なるキリスト教のプロパガンダ映画。スピリチュアルな方向は全て神に向かい、自らの内面や人間関係の実相は結局何かよくわからない光の中に集約されてしまう。それなら何を描いても同じではないか。一体何を描きたかったのか、何をあの家族から引き出そうとしたのか。私はそれが「生きること」とか「生命の枝葉としての方向性」なんて漠然としたものでは納得できない。最初の30分は何だったのか。宇宙の誕生、地球の形成、生命の誕生。その悠久のときを幻想的に描くという意図であるなら(自分はそう解釈したが)あれだけの時間をかけてそれだけしか表現できないのは無能であるとしか言いようが無い。高評価には正直驚くが、無内容であるからこそ高く評価できる余地も生まれるのだと思う。勿論この無内容は比喩的な意味で、テレンスマリックのキリスト教的祈り、思想の吐露であるに過ぎないという意味である。観る側に自由を与える、とか解釈の余地を与える、とよく言われるが、これは自由に解釈させているわけではなく、無内容なだけである。これを観てどうしろというのか。極度に宗教的な世界観、歴史観を延々と見せ付けられるのは苦痛でしかない。やはりテレンスマリックの自己満足的な思想表明に共感できるかどうか、受け入れるかどうかがこの映画の評価の分かれ目になると思う。それにしてもタイトルのわりに「水」のモチーフが圧倒的に多いこととか、予告編はもう詐欺のレベルであることとか、いろいろ不満はあるけれど、きつかった。
[映画館(字幕)] 1点(2011-08-18 01:51:31)(良:1票)
62.  ナイロビの蜂
凡作。明確なテーマが無いままだらだらと終わってしまいました。題材盛りだくさんにしすぎ。だから全部が中途半端で平凡な感じになってしまった気がします。新薬の人体実験云々の話も描写が少なすぎて、その悲惨な実態がほとんど描かれておらず、ほぼ登場人物の説明のみで語られているので「へぇ~」としか思えず、スラム街やアフリカの大自然もわざと見せているようにしか見えませんでした。あのカーチェイスとか、テッサが医師と村を回るのを延々と見せるシーンとか、必要あったのかな? 薄っぺらかったです。
[DVD(字幕)] 4点(2008-03-14 18:35:37)(良:1票)
63.  ゴーストライター 《ネタバレ》 
二流の政治サスペンスに成り下がってしまった。ポランスキーは雰囲気を作り出すことにかけては一級品だが、どうもそれが他の要素とあいまって昇華することが少ないように思う。脚本の問題かもしれないが…。ラスト近くのシーンは素晴らしい。ブレッソン「スリ」を思わせる手紙の手渡し、事故が起こった後の紙吹雪(?)は美しい。が、それ以外において雰囲気だけはあるものの、低俗さばかりが目に付くつまらない映画になっている。
[DVD(字幕)] 6点(2013-03-23 12:11:20)(良:1票)
64.  ブラック・スワン 《ネタバレ》 
ニナの母親が叫ぶ。「ニナ、あなたは病気よ」と。そしてこの映画はその通りの映画で、その過程を描くものだ、といったら身も蓋もないが、白鳥がブラックスワンになる、というモチーフをうまく利用して映像効果を使っておりおもしろい。この奔放なカメラワークはやはりバレエだからか。ナタリー・ポートマンのほぼ一人芝居のような演技も言うまでもなく素晴らしい。「perfect」の言葉をあれほどまで痛切に感じさせる演技はほかに無いだろう。と、ここまで誉めておきながら7点なのは、やはり「ニナ、あなたは病気よ、病気なのよ」としか言えない点にあるのかもしれない。
[DVD(字幕)] 7点(2011-09-18 19:08:21)(良:1票)
65.  瞳の奥の秘密 《ネタバレ》 
過去の事件に捕らわれ、「空虚な日々」を送ることになってしまった25年間。「何かをしなければ」という衝動が過去と現在をつなぐ。ラストに至って、モラレスがゴメスを幽閉して「終身刑」にしていたという事実が、なぜ彼にAを補わせたのかが正直疑問だった。それが空虚な日々を取り戻すきっかけなのか? 25年間を支えていたのは、モラレスにとって復讐であり、主人公にとっては愛だった、ということなのだろうけど、まるでリンチを真っ向から肯定しているようでぞっとしない。とはいえ、回想を織り交ぜつつ、緊迫感のあるサスペンスと主人公が愛に目覚めていく過程が程よく絡んでいて面白い。スタジアムのシーン、空撮から一気に観客席へと持って行くところや、鏡やガラスを利用したカットが印象的だった。
[映画館(字幕)] 7点(2010-10-17 20:03:34)(良:1票)
66.  ザ・マスター 《ネタバレ》 
初めに述べておくと、これは傑作である。しかしどうにもつかみどころがなく、この映画を映画に即して観て考えることは非常に困難だ。様々な観点からのこの映画の批評を期待するところである。私は二つの表面的な点だけを指摘しておきたい。まずオープニングから、海。元はふかい青、緑のような色であった海に、船の立てた泡が白く混ざり、何ともいえぬ淡い青になっているオープニングから心をつかまれる。これはオープニングだけでなく、劇中で三度ほど出てきているので、恐らく重要なシーンであろう。船も何度か出てくる。そして被写界深度の浅さである。非常に浅い。特にフレディが最初にコーズの船に乗り込むシーンは、まず手前のフレディ、そしてフレディがぼやけて船、そしてまたフレディ、というように被写界深度の浅さが効果的に使われており、意図を感じる。後半はそれほど浅さを感じることはなかったのも一つのポイントだろうか。全体として、この映画はなんだかよくわからない。宗教団体コーズを描いているが、この映画から宗教的な香りはしない。では世俗的な人間ドラマなのだろうか。恐らくそれも違う。事態はもっと複雑で、恐らくこれは宗教的ならざる神秘性のようなものを描いているのではないだろうか。これは振り返ると「マグノリア」のテーマであったようにも思う。そしてこの映画におけるその神秘は、フィリップシーモアホフマンでも空から降ってくる大量のカエルでもなく、フレディ自身なのである。
[映画館(字幕)] 9点(2013-03-28 19:06:54)(良:1票)
67.  ぼくのエリ/200歳の少女 《ネタバレ》 
こぢんまりとした映画のようでいて、実はこれは玉手箱であった。きれいにまとまりつつも緩急をつけたストーリーは勿論、美しい映像、巧みな構図や大胆な演出という面でも見所満載。「マイ・ライフ・アズ・ア・ドッグ」を思わせる雪景色と少年。しかし少年はいじめられており、ナイフを持ち歩き、夜には自分のいじめを自分ではない誰かに対して反復する。ある種屈折した人間像。対してヴァンパイアのエリは自分を認め、現実を受容するある種素直な性格である。それゆえに完全な理解さえ求めない。エリは出現の方法や外見からして超越的ではあるが、それをやりすぎていないところが好ましい。ヴァンパイアと少年との恋(しかもモールス信号)なんてベタというよりも、コメディになることを恐れたが、この絶妙のバランス! これはひとえに、描いてしまうと「やりすぎ」感のあるシーンでは婉曲的な表現を多用しつつも(例えば空を飛ぶシーンや壁を登るシーン)、インパクトのあるシーンはしっかりと撮る大胆さ(例えば朝日を浴びて女が燃え上がるシーンやエリの襲撃シーン)の功績である。そしてなんといってもプールのシーンと、血まみれのキスシーン。これほど素晴らしいホラー描写とキスシーンは久しく観ていない。紛うことなき傑作。
[DVD(字幕)] 8点(2011-03-02 09:55:03)(良:1票)
68.  誓いの休暇(1959)
雪解け期の単なる国家賞賛映画ではない、新たな映画観に基づく傑作。みずみずしい美しさが何とも言えない。
[レーザーディスク(字幕)] 8点(2010-04-10 21:04:42)(良:1票)
69.  マイ・バック・ページ 《ネタバレ》 
学生運動と60年代、70年代初頭を描くという強烈な「わかりやすさ」が物語の推進力となり、映画をエンターテイメントとして成立させている一方で、果たして彼らが目指していたものは何だったのか、あの時代はどこに向かおうとしていたのか、なぜ、そして何に対して彼は泣いたのか、というような強烈な「わかりにくさ」が映画を奥深いものにしている。沢田のキャラクターや唐谷と梅山との対比、映画のポスターや放浪生活など、脚本の妙にうならされる一方で、さまざまな技法や構図を駆使した山下監督の確かな画が、この映像を映画たらしめている。梅山をただのインチキ思想家だと非難することは簡単そうだが、沢田をインチキジャーナリスト呼ばわりする者は誰も居ないだろう。しかしそんな梅山に共感してしまった沢田自身は自分をジャーナリストとして合格だとはまったく考えていない。彼もまた自らの拳を通して語りうる思想を持ちえなかった、行動しえなかったという点において敗残者であるが、最後の一線(取材源秘匿)だけは守った。それは主体的な行動ではありえず、沢田は種類は何であれ、思想の先頭に立ち、それに殉じたかったに違いない。梅山もそれは同じで、ひとかどの人物になりたいという出世欲がうまく時代の潮流に沿わなかったのだろう。時代に合わなかった人物という点で彼らは同種の仲間である。総合的には、山下監督のエポック、ここまでの集大成としての代表作になりえている。もっと簡単にいえば、彼は「山下の映画」というだけの一種のブランドを確立したといえると思う。それだけこの映画には無数の仕掛けがあり、奥行きがあり、素晴らしく完成されている。まとまりのないまま書いてしまったが、一度観ただけではこの映画は測れそうもない。もう一度観てくることにしよう。
[映画館(邦画)] 9点(2011-05-30 00:28:59)(良:1票)
70.  父、帰る
なんか良くわかんないけど、「突然父が帰ってくる」というシチュエーションでもうツボ。帰ってきた時の家族と兄弟のあの何とも言えない感じはすごいです。  展開も一筋縄ではいかない謎がありますが、素直に父親と兄弟の人間ドラマとして観るべきでしょう。兄弟がいい。
[DVD(字幕)] 8点(2008-04-04 14:09:14)(良:1票)
71.  おと・な・り
隣の音という設定がおもしろい。二人が出会う過程をほのぼのと楽しむストーリーですが、きちんと伏線が張られていて、上手い脚本だと思います。会社の組織がいまいち良く把握できませんでしたが、きっと市川さん演じる女性は元カノなんでしょうね。コーヒー豆をひく音や、フランス語の練習をする音、とても心地よかったです。ゆったりした午後のコーヒーのような映画。
[DVD(邦画)] 7点(2010-08-19 15:27:44)(良:1票)
72.  インビクタス/負けざる者たち 《ネタバレ》 
スローモーションだの幻影だのベタベタであざとい演出ばかりだったにも関わらず泣きそうになります。イーストウッドの手のひらで踊らされているよう。結果ももう分かり切ってるのに、そこへ到達するまでの展開がやはり上手いんだろうなぁ。ここまで露骨な演出をするとは思わなかったのでかなり意外でしたが、それが効果的。 完璧なエンターテイメントに仕上がっています。とはいえ、イーストウッドお得意の大俯瞰も随所に有って、らしさも伺えます。すげーやつです、イーストウッド。
[映画館(字幕)] 7点(2010-02-15 21:15:14)(良:1票)
73.  39 刑法第三十九条 《ネタバレ》 
作品全体に漂う陰鬱さはこの映画の最たる特徴で、それが一応功を奏していると言えるが、少々くどい。それが他のレビューに散見されるような「声が聞き取りづらい」とか「単調」という感想につながる。また、画面の揺れや極端なシャロウフォーカス、スローモーション、暗転などの演出はわざとらしく、安っぽい。二時間ドラマのような印象はそのせいである。「家族ゲーム」の光は感じられない。辛うじてカフカの母親が用意する異常な分量の料理にその片鱗が見られる程度である。「家族ゲーム」も然り、食べ物で気持ち悪さや不快感を催させるのにかけては一級といえよう。肝心の内容は、一応うまくまとまっている。柴田の回想するシーンから気付いてしまったが、なかなか面白い。ただ押し入った際に妻が既に死んでいた、という結論はどうか。妻を殺したのが彼ではないことはすぐ分かるであろうし、妻が生きていたら殺していないのだろうか。話の結論からして妻は殺さないであろうが、そうすると詐病について明らかな齟齬をきたす。脚本での一番の難点。ところでキャストの堤の欄はネタバレではないだろうか。ちょっと危うい。
[DVD(邦画)] 6点(2010-09-11 01:35:29)(良:1票)
74.  乱れる
乱れました。
[DVD(邦画)] 10点(2010-12-18 14:19:53)(笑:1票)
75.  ファニーゲーム 《ネタバレ》 
全然面白くない。アイディアも別に面白いとも思わない。現実と虚構を‥とか観客への皮肉‥とかは分かるけど、映画そのものにそこまでの魅力が無い。ゲームをしようと言いながら何のゲームでも無い。一貫性も無いし、ドキドキもハラハラもない。前半は子供が逃げるありきたりなシーンと奥さんが服を脱がされただけじゃないか。後半はあっさり帰ったと思ったら車に乗って(直接には描いていないがそういうこと?)舞い戻る。全然脈絡がないし、つながりが悪すぎる。巻き戻しは唯一「おぉー」と感心。カメラ目線などで虚構であることをアピールしており、またバイオレンス描写も極力避け、さほど家族に対しては感情移入させないつくりになっていたので、そこまで辛い描写なわけではなかった。バイオレンス映画ではない、という評価はここから生まれるのだろう。でも結局巻き戻しやりたかっただけじゃないの? 巻き戻しに3点。
[DVD(字幕)] 3点(2010-07-25 18:49:47)(良:1票)
76.  下妻物語
テンポの良さ、独創性、キャスティング、音楽、どれをとっても相当の完成度。「テレビドラマのような安っぽさ」のようなレビューを時折見かけるが、この映画のようなテレビドラマが過去ひとつでもあるのなら教えて頂きたいし、アニメーションやCGを使うことは安っぽさと同義ではない。後半の深田恭子の演技はすこし辛いものがあるが、それを補って余りあるロリータファッションのハマり具合。脚本のシンプルさはむしろ友情という純情の裏返しであろう。
[DVD(邦画)] 7点(2011-08-10 23:17:27)(良:1票)

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