1. ひまわり(1970)
《ネタバレ》 はじめにお断りいたします。この映画が大好きな方々、本当にごめんなさい。私はこの作品、受け付けませんでした。どこがダメだったかを語らせてください。耳障りならとばしてくださいね。一番ダメだったところは、ロシア戦線から命からがら帰還した兵に対して、お礼の一言も言わなかったソフィア・ローレン。彼女には怒り爆発です。彼だって早く家族の元に帰りたいだろうし、心底疲れ切っているだろうし、友人を見捨ててきてしまった負い目もあるだろう。それなのに誠意をもって話してくれた、あの帰還兵に対してなんのいたわりもない。哀しいのは自分だけなのか?陽光降り注ぐイタリアから白銀の世界であるロシアに送られた兵士たちのストレスは並大抵のものではなかったはずなのに。それすら想像できないあの女には、まったく感情移入できませんでした。一方のロシア人女性、彼女はすばらしい。夫に対する不安で押しつぶされそうになっているはずなのに、彼の行動には何もいわない。そちらの美しさのほうが際だって、彼の結婚生活から目を背けたい女が電車に飛び乗るシーンでも、冷めた視線しか投げることができませんでした。ただ、彼女が元恋人(夫?)を探し出したことで、彼の母親は本当に嬉しかったと思います。誰とひっついていようが息子は息子。愛する孫までできていた。そういうところで、少し安心できた部分はあります。でもやっぱり女の身勝手さが受け入れられない。腹が立つ。そこに、ヘンリー・マンシーニの哀愁のある音楽。彼の音楽は素晴らしいのですが、逆にうっとうしかったんです。というわけで、この作品はあまり好きではありませんでした。本当にごめんなさい。ペコリm(_ _)m 3点(2003-12-20 10:54:30)(良:8票) |
2. 案山子男(OV)
《ネタバレ》 申し訳ない。前半部分が面白かったので6点……。前半だけだったら7点はあったなぁ~。案山子のくせにあのアクロバティックな動き、そして耳あたりのいい?音楽。けっこう良かったのではないでしょうか。少なくとも、私は楽しめましたよ。この際、高校生のくせにみんな老けているなんて言ってはいけません。どだい高校生になりきるなんて無理とばかりに、メイクやらも若くはしていません。開き直って、ヘソ出しルック(←古い? 笑)を着ているのなんて、頑張っているねぇ~って褒めてあげたい。じゃあ、どこからが嫌だったかを話しますね。後半で、墓守りのおじさんと保安官のおじさん(2人)を殺したところです。基本的に案山子男は生前、いじめられたり苦しめられた相手を殺していたのですが、この3人は案山子男になんらダメージを与えていないのに、殺されてしまっています。そこがなんとも嫌な感じ。お母さんを前にしたとき、案山子男にのっとられそうな、本来の理性が出てきたはずなのに、その葛藤はどこにもなく、ただ殺りくしていくだけっつーのは納得できなかったのです。というわけで、非常に残念で惜しい作品だったと思います。 ところで、「案山子」を「カカシ」ってちゃんと読んでいた私ですら「アンザンシ」と読むようになってしまいました(汗)。さらに、この作品をレンタルしたとき、♪アンザンシ、バカよね~♪(【STING大好き】さん作詞)って唄っていた私がいます。もう、どうしてくれるんですか!(ぷんぷん) ↓【へちょちょ星人】さん、ワーストランクインの邪魔をしてすみませんでした。ペコリ [DVD(字幕)] 5点(2004-01-22 04:23:18)(笑:3票) (良:1票) |
3. 決断の3時10分
とにかくグレン・フォード演じる悪者の親分、ベンがかっちょいい。そして、ベンを見張る牧場主のダンもかっちょいい。前者はスマートでかっこよく、後者は誠実でかっこいい。こんな男同士(念のため言っておくけれど、決して顔がいいわけではありません)が、各々の考えに基づいて心理戦をする。かたや捕まりながらも悠然と過ごす男。かたや200$のために命をかけて慎重に見張る。もともとダンは金のために見張り役に志願したんだから、ベンはダンを買収しようとする……。この二人の一挙一動を、私たちはただみつめるだけ。この均衡が崩れるのはどこなのか……それを、ただじっと待つのです。ダンが仲間を集める。ベンの手下がやってくる……。どこで動くか、乞うご期待!ってな映画です。 [DVD(字幕)] 8点(2005-06-12 22:15:12)(良:4票) |
4. 麗しのサブリナ
むちゃくちゃ好きな映画なので、どうコメントしたらいいものか(悩)。主役3人の魅力もさることながら、ララビー家のお父さんやサブリナのお父さん、使用人仲間、パリの料理学校の先生など、魅力溢れる脇役がいっぱい。セリフまわしもオシャレだし、コネタもきいている。私はこの映画で、ビリー・ワイルダーが好きになったし、ヘプバーンもホールデンも好きになった。もしかしたら私が映画好きになった原点がここにあるといっても過言ではない。STING大好きさん、シザーハンズ大好き(ぐるぐる)さんに続くなら、私は「麗しのサブリナ大好き」と改名しないといけないかもしれないな。つまりは、それくらい好きなんです。 10点(2003-11-23 20:26:09)(良:4票) |
5. マタンゴ
《ネタバレ》 この『マタンゴ』というタイトル。コレに惹かれて観る前から「マタンゴ!マタンゴッ!」と盛り上がっていた。ドラクエの敵キャラ“おばけきのこ”を見ては「マタンゴ!」と言い、自らを鼓舞してきた。なもんだから、実際に観て失望しないか?という不安が……。そんな不安はさておき、観ました、観ましたよ。ちょいセレブな感じの若者7人のヨットクルーズ。そのときの音楽がとても楽しくで期待感が増幅。それもつかのま、嵐に合えば、あっと言う間に仲間割れの予兆が!期待どおりに話が進む。ラジオはすぐに電池切れ。マタンゴがいつ出てくるかと楽しみに待っていた30分。マタンゴと名付けられた巨大キノコの標本?が出てきたときに期待感は最高潮へ。難破船の中がむせそうになるくらいカビ(胞子)にまみれているのも、観ているだけで気持ち悪い。その後もオキマリのパターンでストーリーが突き進む。仲間割れどころではなく、狂ったうえでの喧嘩、殺人、裏切り、出し抜き……人間のエゴが露になって、なかなか醜い展開となる。はっきりいって後味は悪い。それにしてもどーして、マタンゴが人間を襲うのか?がわからなかった。それが明らかになったのはDVDの特典映像「予告編」を観たとき。じ、実は、マタンゴ……吸血モンスターだったのだ!!いやぁ、気付かなかった。それはともかく、私もプロフェッサー同様、あの島に行ったとき、愛する人と一緒にキノコとして生きるのが正しい道だったよーな気がしてならない。《印象に残ったセリフ》「あいつら半分キノコだ!」←真剣に言っているのが、妙におかしい。 5点(2005-01-13 23:39:11)(笑:4票) |
6. イル・ポスティーノ
《ネタバレ》 海の町にはいつも惹かれる。特に島には。私が生まれ育った瀬戸内海は、あそこまで美しい海ではないし、建物もオシャレじゃない。けれど、同じような匂いの中で生活してきたように思う。とかいいながらも、実際は島育ちじゃないんですがね。よくフェリーで島に遊びに行っておりました。クワガタなんかを探して、100円でフェリーに乗って(笑)。砲台跡なんかで隠れんぼうをしたりもしました。もし、大人になってあの街から島に移り住んだら、彼のような人生を送ったのかもしれません。まっ、詩人にはなれませんがね。ちょっとたらたらと日々の足跡みたいな日記ともつかない散文を書いたりしながらね。今、ふるさとを離れて思うこと。すごく素晴らしい環境の中で生活をしていたんだってこと。だから詩人が、この島の素晴らしいところはという問に、好きな女性の名前しか挙げられなかった心がよ~くわかります。太陽も、海も、空気も、音も、時間の流れも、何もかもが素晴らしいものであるのに、すぐそこに転がっている、いつもそこにあるから気付くことができないもの。詩人は、尊敬していた大詩人がいなくなったことと、天性の感受性のよさで、島を包んでいるものがどんなにステキなものなのかを感じとったのでしょう。やはり、録音機に島のあれやこれやの音を録音していった時の心情というのには涙が出てきます。あの島を離れていない人間が、身の回りのものの素晴らしさに本能的に気付く。私は本当にその感受性がうらやましい。詩の内容については、どれだけ理解できているのか、怪しい部分は多々ありますが(笑)。 8点(2003-12-20 10:31:02)(良:3票) |
7. 不機嫌な赤いバラ
《ネタバレ》 不器用で嫌味なばあさん(大好きなシャーリー・マクレーンです♪)が、ダグ役のニコラス・ケイジにだけは深い信頼と愛情を持っていたというのにやられてしまいました。元大統領夫人テス(シャーリー・マクレーン)が何度も見ているビデオはご主人の葬儀風景。この葬儀に参列しているシークレット・サービスたちの中で唯一、涙を流しているのがダグだったってくだりに、そうだったのか〜としんみりしちゃいましたよ。だから、彼女はダグにこだわっていたのかぁ〜。そしてダグの純粋な心が見えてきて、すごく些細な場面ですが、ぐっとくるものがありました。この場面があるからこそ、テスのイケズな態度もかわいらしいと思えてくるんです。こういう愛情表現が下手くそな婆さんの可愛らしさっていうのにコロッといっちゃうんですよねぇ〜。そうそう、病院を退院するときのテスの強がり……あれも、めっちゃ可愛いですぅ〜(笑)。 8点(2004-02-12 20:33:05)(良:3票) |
8. 月はどっちに出ている
ワタシがまだ映画が趣味の人間でなかった頃、不思議と何度もレンタルして観ました。哀しい人間がいて妙にリアルなんだけれど、元気が出てくる映画でした。東京タワーに月って、どうしてこんなに絵になるのでしょうか。決してオシャレとはいえないスポットですが、私は東京タワーがとても好きです。もうちょっと地価が安かったら、東京タワーが眺める部屋に住むのもいいなぁって思っています。都会に住む雑多な人々の中で、懸命に生きる……この映画は在日朝鮮人の人々にスポットがあてられていますが、何も彼らだけでない、当時、東京に出てきたばかりの私への応援歌であるような気持ちで観ていたのです。お金もほとんどなくって、仕事もなかなか見つからなかったあの頃、負けるもんか!って頑張っていた時代もあったなぁ。そんな思い出とともにある、超個人的に思い入れの強い映画です。今じゃあ、けっこうのほほんと生きているんですがね。そう、慣れてくればなんとかなるものですね(エヘヘ)。 8点(2004-06-07 03:09:26)(良:3票) |
9. 華麗なるヒコーキ野郎
“ヒコーキ野郎”=“ヒコーキバカ”。たいていの場合“野郎”と“バカ”は同義語です。本当は誰しもバカをやりたいんだと思います。って思い込みかもしれないけれど、少なくとも私はバカをしたい。大バカになりたいけれど、小バカ程度にしかなりきれない小心者なんです。そこが人間の器の違いなんでしょうね。だから映画でホンモノのバカを見ると、妙に嬉しくなってしまいます。いけぇ~、突っ走れ~っみたいな。って、映画のレビューになってませんね(汗)。 7点(2003-10-26 23:51:45)(笑:1票) (良:2票) |
10. 遠い空の向こうに
《ネタバレ》 私が理系に進み、その道に挫折したからでしょうか。胸の奥からじーんとこみ上げてくるものがありました。何度も何度も打ち上げ実験に失敗する。それを、何度も何度も改良して、再挑戦することの繰り返し。コミカルにテンポよく描かれていて、とても楽しい雰囲気なのですが、この苦労といったら並大抵のものではありません。実際に実験なんかやらなくても、同じような苦労は多くの人がなさっていると思います。特にこの就職難の折り、何度面接に行っても就職までたどりつかない……私もはじめての就職活動でン十回と面接を受けました。それで、なんとかギリギリ希望の職種に滑り込んだわけです。話とはまったく関係ありませんが、そんな想いがよぎってきて、ジワジワと感動してしまいましたね。実際問題、私はふるさとから都会に出て、それなりに好きな職に就くことができました。もちろん故郷(父や母のところに)戻りたいと何度も思いました。街を捨てたところなんて、この物語の主人公と同じです。親とのいざこざもありました。だって、私は大学生になるまで地元を離れないつもりだったんですもの。地元で学校の先生になるっていうのが高校生までの目標だったはずなのに、親からみると裏切られたような感じだったでしょう。でも、一生懸命やりたい気持ちをみせて努力するとわかってくれるんだ!って、なんか自分とオーバーラップしちゃって……困ったものですね。30歳を超えた人間のノスタルジックというか、自己投影ってホントにみっともないものなのに、なんだか涙が出てきてしまうのです。炭坑の街で、街とともに生きる親を含めた大人たちに敬意を感じることができてはじめて、少年たちの夢は周りの人々にも応援してもらえるんですよね。私も地方を支える父親、母親たちの生き方に尊敬の念を送りながら、自分の道を進んでいけたらと思っています。もっと早い時期、そう大学生の頃に観たかった映画のひとつです。映画ひとつで人生が変わるなんて思いませんが、若い頃の私にはこういう作品が必要だったような気がして、しょうがありません。 [ビデオ(字幕)] 8点(2004-04-05 03:05:25)(良:3票) |
11. フランケンシュタインの花嫁
《ネタバレ》 「感動するよ」という話を聞いてはいたのですが、なかなか観る気にならなかった作品でした。だって、フランケンシュタインですよ。あの鉄鋲をつけたモンスターが暴れるだけかと思っていたんです。『フランケンシュタイン』(31)も、なんだか納得いかなかったし。で、ヒマだし観てみようかな、と思って手に取ったんですよ。今までの私の先入観を恥じましたね。前作から4年しか経っていないという事実に驚きすら覚える完成度の高さ。上手に前作のダイジェストを入れて、初めてみる人&前作を忘れた人にも親切設計。モンスターの孤独を中心に、胸がしめつけられるような辛いシーンや心温まるエピソード。そして……心打たれるラスト……。どうしてあんなレバーが?なんて言ってはいけません。そんなことはどうでもいいんです。「友達……いい」と話す彼の夢は、自分を友達としてみてくれる人と一緒にいたい、ってことだけなのに。はじめてモンスターを友人として迎えた、盲目のおじいさん。モンスターの姿が見えないから迎え入れてくれた、というのも辛いじゃないですか。とかく人間は見た目に左右される。それは私もしょうがないことなんだろう。だけど、私も孤独な盲目のおじいさんのように偏見を持つことなく生きていけたら、どんなに素晴らしいか。もっとも、おじいさんも辛い思いをして、毎日淋しく生活していたから、モンスターを受け入れることができたのでしょうが。あの二人を引き離さないでいて欲しかった。感動するという言葉は適切じゃないかもしれない、でも心に深みを与えてくれるような、そんな作品でした。是非、ご覧ください。この作品のコメントがまだ二人だけというのは、少し淋しいですねっ、【Pewter All】さん。 8点(2003-12-08 07:10:06)(良:3票) |
12. 明日に向って撃て!
《ネタバレ》 とにかくエッタにジェラシー感じまくり。2人に囲まれた彼女があまりにも羨ましかったので「へんっ!キャサリン・ロスってあんま美人じゃないよね。(私でも大丈夫だよねぇ~ん)」なんて暴言をはいてしまった。本当に申し訳ない。深く反省をしております。何が羨ましいって、この際サンダンスの恋人っていうのは置いておくとして、ブッチにまで甘い言葉を囁かれているところよ!! いや、お互いに恋愛感情がないのは解っている。あくまで友人なんだけれど、かっこいい友人に「一緒に自転車に乗ったら結婚してるのも同じ」って感じの言葉をもらえるなんてぇ~っっ。ゼーゼー。ちょいと取り乱してしまいました(汗)。まぁ、最終的には彼らと別れなければならない運命だったので許してあげます。彼女は、ボリビアに行くときの約束「あなたたちの死は見ませんからね」を決行したんですよね。ああ、辛すぎる。結局、「畑仕事はできない」し「牧場はつらい仕事」だと言う彼らに泥棒稼業を辞めるなんてことはできなかったわけだし。エッタを引き留めなかった彼らにもわかっていたんでしょう。ただ悲観的になることはなかった。最期まで“今回は逃げ通せる”と信じていたんだから。ははっ、もしかしたら生き延びたかもしれないし、ネ。なんて、そう思いたくなるくらい彼らが魅力的なんですよ。つまるところ。 9点(2003-10-17 06:23:27)(笑:2票) (良:1票) |
13. ベスト・フレンズ・ウェディング
《ネタバレ》 愛と友情の物語です(笑)。主役二人(マイケルとジュリアン)はおいておいて、マイケルの婚約者キミーとゲイのジョージ二人の愛と友情の力がすばらしいのです。体全体でマイケルへの愛情を表現するキミーに、友人のために遠くからかけつけるジョージ。この二人にはさんざやられっぱなし。愛って、友情っていいなぁーって思ってしまいます。また、最後の最後でマイケルがジュリアンに言った「蛆虫以下だ!」の言葉。ああいうことが言える友情にも心打たれます。「なのに放っておけない」んですから。条件付きの友情じゃなく、無条件の友情。そういうのがとてもステキなんです。何度も繰り返してみたシーンは、カニレストランでジョージのホラ話から店全体へ広がる「小さな祈り」大合唱のシーン。あの曲がむちゃくちゃ好きなので、それだけで楽しい気分になれるんです。レストランの従業員がカニの爪型グローブをつけて手を振っているところがおちゃめでかわいいので、注目してみてください♪ 8点(2004-01-30 11:17:41)(良:3票) |
14. 死刑台のエレベーター(1958)
《ネタバレ》 オープニングでいきなり「ジュテム、ジュテム」と電話口で繰り返すジャンヌ・モローを観たとき、何なんだ?この話はぁ~???とハテナマークが飛び交ったんですが、なるほど夫殺しの話だったのね。夫殺し、妻殺しの映画を観て思うことは、そんなにイヤなんだったら離婚すればいいのに。離婚してくれないならともかく、財産も欲しいなんて欲を出すからダメなんだよ、といささか冷めた目で見てしまう傾向にあります。ところがこの映画に関しては、ジャンヌ・モローのあまりにもの思い詰め具合に引き込まれて、もういいとかダメとかそんな判断能力がぶっとんでしまいました。また、コトの真相が解った後のジャンヌ・モローの行動力といったらアッパレの一言。愛人を探して夜の街をふらついていた彼女と同一人物とは思えないほどです。しかも花屋の娘を「小娘」と言い切る彼女は貫禄充分。ロープを忘れるヘマをし、エレベータに閉じこめられ、車を盗まれて殺人容疑がかかり、警察に捕まっていただけの男より、よっぽど彼女自身が夫を殺害したほうが成功率は高かっただろうに。暗室の現像液の中から浮かび上がる写真には本当にドキっとしました。あまりにも綺麗な笑顔だったから。このうえなく幸せという顔をしたジャンヌ・モローが写し出される一方で、絶望の淵にたたき落とされた彼女がいる。すんごい対比です。ただ、あの写真、誰が撮影したんだ~っという疑問は残りますが。 8点(2003-10-24 00:56:55)(笑:1票) (良:2票) |
15. めぐり逢い(1957)
私の中で、プレイボーイNo.1はこの作品のケイリー・グラント。ちなみにNo.2は『麗しのサブリナ』のウィリアム・ホールデンです。ずっと不思議だったんですよね。なぜにケイリー・グラントがホールデンを抜いたか。ホールデンのほうが単純にカッコイイし身のこなしもスマート。お金持ちだしぃ~、私だったらホールデンを選ぶ。でもここのケイリー・グラントがNo.1たる所以は、“金を持っていない”のに女が自ら貢ぐってところ。はぁ~たいしたもんだ。個人的には、この作品の登場人物の中で一等好きなのは、おばあ様です。あの上品でピアノの上手なグランマに私は惚れてしまいます。あんな人と一緒にお茶したい。ごくごく個人的な話なんですが、先日こじんまりとした宿に友達と泊まった際、和服をキリッときこなしたこの上なく上品なお婆さんをみかけました。出発のときにチラッと見ただけなのですが、こんな方にいろいろなお話を伺いたいものだと思いました。きっと、ヒロインにとってもお婆さんと過ごした数時間は一生忘れられないステキな時間だったんだと思います。 8点(2003-10-17 03:01:38)(良:3票) |
16. ウェディング・シンガー
《ネタバレ》 ドリューの給仕姿にドキッ。かわいいじゃ~ん。対するアダムのパーマ長髪にもドキッ。坊主頭じゃなくてもいいじゃ~ん。お互いに婚約者がいるのに、惹かれ合う二人。もちろん応援しましたとも。だから、ドリューの友達がキスの練習といって、二人をけしかける場面では、「いけいけ~」と盛り上がっておりました。そしてとろけるようなキス。いいですねぇ~。素敵だなぁ~。横でみていた友達が羨望するくらいのキスは、もう二人の心が繋がっているからこその代物なんだろうね。その後も物語は二転三転しますが(そりゃそうですよロマコメのお約束 笑)、ラストの飛行機のシーンがまた、盛り上がります。ちょっとドリューの婚約者が可哀想な気もしないでもないけれど、仕方がない。だって“窓側の席を譲らなかった”んだからね。この映画を観て以来、大切な人にはなるべく窓側の席を譲るようになりました。なんて影響されやすいんでしょうね、私(笑)。それにしても、飛行機会社のファーストクラス乗客へのサービスはすごい。なにかコトを起こすときは、ふんぱつしてファーストクラスに乗ると、なにかいいことがあるのだろうか? あやかりたいものだなぁ~。私の人生において、ファーストクラスに乗る日がくるのかどうかは解らないけれど。あっでもね、のぞみのグリーン車には一度、乗ったことがあるよ~っ。私のお金じゃなかったけれど(汗)。えっと、何か言い忘れている……そうだそうだ、アダムの失恋ソングのインパクトが忘れられないなぁ~(笑)。でも茫然自失となっているときに、人の結婚式をムチャクチャにしたところだけは許せませんでした(プンプン)。まっ、とにかく私、この映画が大好きなんです。幸せになってもらいたいなあ~。 《追記》ブシェミーが最後に結婚式場で働いていたシーンに笑った。 8点(2003-12-26 18:17:44)(良:3票) |
17. 初恋のきた道
《ネタバレ》 ↓高評価コメントの方々と同じような感想。思い出は美しいほうがいいんです。ほら、自分だっていろんなコト美化してきているでしょ?少なくとも私は美化しております。失恋に終わった恋、想いがかなった恋といろいろありますが、子どもにね、「お母さんはこんなにお父さんのことを好きだったんだよ」と胸を張っていえる人生っつーのも、いいじゃないですか。あたしゃ、弱い人間なんで、恋愛ひとつに体当たり的な人生は怖すぎますが……。チャン・ツィイーのストーカー話もいいんですが、より感動したのは棺を運ぶ元教え子達の姿。雪の振る中、換わりばんこに棺を担ぐ。もう、それを見ただけで先生の人柄、温かさが伝わってきます。よく、あの先生のどこが……という意見がありますが、あの人柄だけで恋する理由は充分です。それを一目で判った彼女の直感はすばらしい。文革で投獄された先生が戻ってきて良かったのは、何もチャン・ツィイーだけじゃない。あの小さな村にも宝物が戻ってきたんです。ああ、このコメントを書きながら涙が出てきました。現時点では7点だったんだけれど、やっぱり8点にしちゃお。先日、親友(三十路を超えている)が「チャン・ツィイーのピンクの服を着た~い」とのたまわっていました。どう考えても似合うわけないのに(だってそうでしょ、あのモコモコを着た大人が日本の街を歩いている姿を想像してみてください)、あの格好をしたいとまで言わせる作品の影響力。そういうのが映画っていうもんじゃないですか? 8点(2003-11-30 17:19:59)(良:3票) |
18. 駅馬車(1939)
《ネタバレ》 終わり方が好きです。お尋ね者と娼婦との恋……ふふっ、すがすがしいですね。こういうイキな計らいで終わる映画は、その場面だけを観ても嬉しくってニンマリしてしまいます。もちろんチェイスの場面も、襲われた集落の場面もどこも迫力があるんですが、どうしても人間模様のほうに目がいってしまいますね。たくさんの人が出ているのに、それぞれ個性があって、どの人も活かされている。どことなく対立していた感のある妊婦と娼婦が、出産に協力するという過程を経て、次第になんとなく心が通じ合ってくる微妙さが、これまたイイ感じ。賭博師のダンディズムもなかなか良かったのですが、どうも娼婦の方に肩入れしてしまうので、なにかと娼婦を無視する彼には減点かも。その点、娼婦をレディとして扱うジョン・ウェインの好ましいことといったら。飲んだくれの医者が頑張ったところもよいし、どの人もそれぞれ魅力的なんですよね。 8点(2003-10-26 22:52:35)(良:3票) |
19. プリティ・ブライド
《ネタバレ》 皆様、『プリティ・ウーマン』のほうが面白いという意見が多数ですが、私はこちらのほうが面白い!と声を大にして言います。そりゃ邦題は問題ありありです。なんで“プリティ”なんぞをつけてしまったのでしょう。お陰で、この映画を観るのが随分と遅くなってしまいました。私の中では『らんなうぇい・ぶらいど』で通しています。いえ、『プリティ・ウーマン』が面白くなかったわけではなく、普通にまぁ面白い映画だったのですが、普通以下に面白くなくなっているのではないかと心配したのです。やっぱり罪なことですよ。『プリティ・ウーマン』好きの人は、この映画を、いわゆる“前作”と比べて面白く感じない。一方『プリティ・ウーマン』嫌いの人は、最初から手に取らない。これを罪と言わずして、何を罪というのか。不当に低評価なのは、この影響もあると思います。私のつまらないごたくはこれくらいにしておきましょう。で、どこが良かったのか。1)R・ギアの胡散臭さがちょうどいい。インチキコラムニストなんて最高です。2)J・ロバーツの言葉「私なんか口が大きいし……」この自己分析力。このセリフを言わせた人も素晴らしいが、これを話すJ・ロバーツに好印象。3)J・ロバーツの金物屋。赤いトラックが超キュート。4)脇役の女性陣。主役二人を含めて、ベタベタないかにも設定が◎ 5)結婚式の出席者の対比。田舎組とN.Y.組で装いが全然違う。6)ラストのマンハッタンの夜景。……アレ?ここまで書いて気付いたけれど、どれもそんなにプッシュできるような内容じゃないなぁ~(オ、オカシイ、どこかが狂っている)。とにかく、私の超個人的感覚では、すべてがツボにはまり、非常に楽しめた作品です。他力本願ですが、この作品の魅力を人が解るように解説してくれる人、出てこないかなぁ~。 7点(2003-12-08 23:38:07)(笑:1票) (良:2票) |
20. リリー
ずっとずっと探していた作品だったので、レンタルショップの片隅で出会えた時の感動といったら! 観たい観たいと思っていたら、いつかは出逢えるものですね。こちらの作品はMGMミュージカルのカタログとも言うべき『ザッツ・エンタテインメントPart.2』に収録されています。リリーという身よりのない女の子(年齢は16歳ですが、年より随分と幼そうな設定)が、恋に破れ、行き場をなくしたときに、人形劇の人形たちに励まされるといった、一言でいってしまえば幼稚な内容です。でもでも、あのリリーの可憐さ、人形とホンモノとして真っ正面から対峙し、真剣に大切に思って、共に楽しみ共に哀しむ。あの姿は、私が映画(特にミュージカルやファンタジーなど)を観るときの姿なんですよ、実は。私はリリーのような可憐さは、残念ながら持ち併せていませんが……(汗)。とにかく、映画を楽しむってこういうことなんだなぁーと思わせてくれるステキな一本になりました。1週間のレンタル期間で、通算3回観てしまいました(笑)。なかなか出逢えない作品かもしれませんが、この『リリー』はどこかにひっそりと眠っています。こんな作品に出逢えたことを感謝したいと思っています。 8点(2004-01-16 02:14:40)(良:3票) |