1. 悪魔のような女(1955)
《ネタバレ》 世にサスペンス数あrど、この作品ほど見ていて頭を悩ませ、また背筋が凍るような思いをしたものは数えるくらいしかありません。前半のストーリー展開から説明的過ぎず、また荒の無い脚本で完全犯罪の過程を描き出し、中盤、死体が忽然と消えてからは謎が謎を呼び、一層不安な気持ちが増幅されて、そして後半のあのくだり…。音響や残虐な手法に頼らずに、役者の演技と光の加減だけで描き出された一連のシーンは下手なホラーよりもよっぽど怖い。正直な話、最近では映画を見てもあまり恐怖に感じなかった僕だけれども久々に“恐い!”と思いました。そしてラストのあの意味深な台詞…非の打ち所の無い映画というのはまさにこういう作品であるという事を思い知らされました。サスペンス、スリラーが好きな人はまさに一見の価値あり! [DVD(字幕)] 10点(2005-02-23 21:46:27) |
2. アンドロメダ・・・
《ネタバレ》 邦題から、宇宙空間を舞台にしたSF映画を予想してたんですがみごとのに外れました。しかしながらそんな事はどうでもよくなってしまうくらいに凄い映画でした。冒頭、“何か”が起こった街を探索するシーンから研究所に至るまでが淡々と描かれてますがそれがかえって未知の恐怖を倍増する効果をもたらしているし、中盤から後半に至るまでの“アンドロメダ”の謎の解明などがスリリングに描かれているのもこの映画が普通のSFパニックではないことを物語ってます。言うまでもなく、これはSF映画史に残る傑作です! [地上波(吹替)] 10点(2004-03-20 20:19:31)(良:2票) |
3. 悪魔のいけにえ
《ネタバレ》 他の殺人映画の中では残酷表現は控えめで地味な方。だけど恐怖と狂気は他のどの映画よりもダントツにすさまじい。あの乾いた感じと退廃した感じが後のホラー映画に大きな影響を与えたのも頷ける。俺の映画best10にはいる映画。 しかしながら残念なことに、マスクを被ってチェーンソーを振り回す殺人鬼、というと、今では間違いなくジェイソンという答えが返ってきて、レザー・フェイスと言おうものなら「誰だよそれは!?」と言われる始末(実際俺の友達は全員ジェイソンと答えた…)一連のホラーの立役者であり、それらを生むきっかけとなった記念的作品なので、もっと日の光にあたってもいいのではないか?と思う。 [ビデオ(字幕)] 10点(2002-09-09 15:56:40) |
4. 赤い河
西部劇の名作といえば言わずと知れた「駅馬車」ですが、この「赤い河」も、それに匹敵するほどの傑作西部劇であることが言えます。とにかく、上映時間が2時間以上あるにも拘らずすべてにおいて充実しておりまたテンポ良く話が進んでいくために全く飽きを感じさせません。その点においてやはり今の話題性ばかりが先走りして中身が置いてけぼりを食らっているそこらのハリウッド製エンターテイメントとは質、内容量共に次元が違いすぎます。圧巻はやはり中盤の1万頭にも及ぶ牛の大暴走。もうコレは「この先1年くらいは牛見なくてもいいや」と思うくらい大迫力ですし、後半部に差し掛かる頃の盗賊団との撃ち合いなど痛快な描写満載です。そうかと思えば中盤、壮年期に差し掛かったジョン・ウェイン扮するダンソンが銃を取り落とす場面では、「駅馬車」の勇姿がフラッシュバックしてきて今の彼が哀れに思えてくるなど、人間描写の方も手を抜いていなkところが素晴らしい。やっぱり、外人が日本の侍に憧れを感じるのと同様に、日本人もアメリカのカウボーイに憧れるんですよね。テキサスから1400キロも離れたミズーリに牛を運ぶ旅の最初に、次々に「イェェァハァーーー!!!」と叫ぶ場面では「これぞカウボーイの生き様!」と心の奥から躍動を感じました。またラストも今で言えば安直な終り方ですが、それが帰って彼らの陽気なライフ・スタイル(現実にはより過酷なんですが)を反映しており、これぞ娯楽の王道!と言わんばかりの爽快感を味わえます。これは駅馬車と並んで西部劇の傑作です。 9点(2004-08-16 16:21:11) |
5. RRR
《ネタバレ》 めちゃくちゃ熱い映画でした。 突然歌いだすとか踊りだすとかは好みがあるでしょうが、社交パーティで愚弄されてからの「ナートゥはご存じか?」からのダンスバトルはノリノリ、それ以外にも一度は友として分かり合えた二人が敵として相まみえる際の熱きバトル、ラーマの真の目的を後半部で描くことによって前半の「なんであそこで?」という疑問がすべてわかってくる演出、そして覚醒した二人の共闘や、「命よりも重い銃弾」をお返しするくだりなど、誰しもがアツくなってしまうであろう展開が山盛り、3時間ある作品でしたがまったく長さを感じさせない。大変面白い作品でした。 [映画館(字幕)] 8点(2022-12-04 20:26:34) |
6. 悪魔の往く町
《ネタバレ》 見せ物興行一座の一団員だった男が、千里眼の秘技(トリック)を身につけ、成功を収めていくが、結局破滅していく。 書くと「それだけ?」という感じですが、これがとても面白い。 詐欺師なので「そんなのあるわけないじゃん(笑)」というスタンスながら、タロット占いの不吉な占いは彼の末路を見事に的中させ、「見えない力」が働いているかのごとく主人公に降りかかる。 そしてついに失墜し、再び戻った見せ物一座。彼が得た職は「狼男(ギーク)」人間なのか、獣なのか?という、口上で一座の中でも最下層に位置するであろう扱いを受けている。そんな冒頭の口上が思い起こさせるラストというか主人公の末路は滑稽であり残酷でもあるものだと思いました。 「すべてはあなたの精神状態が作り出した妄想、簡単にいうとすべては悪夢なのよ」という痛烈なセリフがとにかく印象的。原題の「悪夢小路」がなんともぴったりだなと思いました。 [DVD(字幕)] 8点(2022-02-27 03:18:49) |
7. アンダルシア 女神の報復
《ネタバレ》 前作同様、外交官と云いつつ外交官らしくない織田裕二が大活躍する。 まあ僕は映画的手法はこれっぽっちも判らない素人なのでそういったこと抜きで話をすると、織田裕二の気取っている役柄はあんまり好きではないけれど、今回は前作よりもあまりそれが感じられなかった。 ストーリー的には少し無理を感じるものの見せ場や盛り上がる場面もあり、なかなか楽しめた。 ※2021年8月3日追記 これは何度も観返すうちにどんどん好きなっていった作品。 冒頭の黒田の登場シーンや、戸田恵梨香演じる前作の登場人物、安達の登場シーンなども、いきなりではなく、前のカットで後ろ姿を映しておいての登場、というさりげなさからくる巧さ、黒田の処置を、闘牛士の事故を被せることで暗示する演出、そしてカサブランカを彷彿とさせる余韻の残るラストなど、実に、巧いな、と思わせてくれるシーンがたくさんありましたし、実際のところ、アクションもかなりクオリティの高いもので、和製ジェームズ・ボンドものとでもいうべきスタイリッシュさも兼ね備えている作品でした。 アンダルシアである必要性は?と聞かれると正直内容にも思えるのですが、十分良くできた作品だと思います。 [映画館(邦画)] 8点(2011-07-11 04:06:24) |
8. 阿弥陀堂だより
《ネタバレ》 久々に、タイトルでピンと来た作品です。全体の印象としては「眠る男」のような感じを受けましたが、「眠る男」よりも親しみやすい出来であったと思います。緑に覆われた山々、昔ながらの日本家屋、一面に広がる田園風景、鬼ごっこや縄跳びをして遊び、日が落ちれば「夕焼け小焼け」を唄って家路につく子供達…。春夏秋冬、様々な色に染まる自然の中、おうめ婆さんの「阿弥陀堂だより」を通して語られる人の四季。迫り来る死期に全てを委ねるものもいれば、死の淵から戻ってくるものもいる。作品を通して、物語は淡々と進み、決して派手さは無いけれども、それぞれの役者が貫禄のある演技をしていて、しみじみと作品を味わう事が出来ます。特に、北林谷栄さんの演技は、普通に見ている分には素でいってるのではないかというくらいのものがあります。忘れられた日本を思い出させてくれるような、そんな作品でありました。 [DVD(字幕)] 8点(2005-04-21 19:38:32) |
9. アイ,ロボット
《ネタバレ》 一見すると「未来でのロボットの反乱」という使い古されたネタを派手なアクションと綺麗なCGで終始観客を飽きさせないような、そんなアクション映画という感じがしますけど、実は結構深いことを言ってますね。人類を守るが故に人類を管理しなければならないとか、「人類は次々に新たな破滅の道を歩もうとしている」という台詞とか。しかしそんな小難しい事を言っているにも拘らず、それを気にさせないような作品構成は流石ですね。ロボットのビジュアルがもう少し洗練されていてもいいのではないか?と思ったり、スプーナー刑事のロボット嫌いについてのエピソードがやや説得力に欠けたりとアラは有りますが、全体としての展開は予定調和ながらなかなかしっかりとしていますし、ロボット(人工頭脳)の反乱の説明も、個人的には「ターミネーター」より納得のいく物だと思います(無論、ターミネーターは大好きですがね)。それに、後半の対ロボット戦などもなかなかスピード感があり、また縦に横に360度グルグル回転するカメラも、なかなか迫力が出ていて良かったです。個人的には、人間でないもの(要はサニー)が人間の心を持つ、というストーリーにちょっと弱い傾向があるのですが、そんな個人的な感情をを差し引いても充分面白い作品だと思いますので、点数は文句なくは8点です。最後に、もう少しネコの登場回数が多くても良かったんでないのかぁと思う今日この頃でした(笑)。 8点(2005-03-06 23:14:56)(良:1票) |
10. アレキサンダー
《ネタバレ》 「トロイ」「キング・アーサー」と来て、次は「アレキサンダー」ですが、個人的にはこの3本の中では明らかにこの作品が良く出来ていると思います。スペクタクルや俳優陣のキャッチーさから言えば、トロイに一歩譲ると思いますが、構成的には久しぶりの“史劇”と呼べるものを見た気がします。セットや衣装などは、この時期のことはさらっと流した程度だったので、あまり詳しいことは判りませんが、まあ史劇に多少の誤りは付き物、ということでそれほど気にはなりませんでした。それに、やはりこの手の映画の醍醐味といえば途方も無いエキストラを導入した戦闘シーンと、きらびやかで壮大なセットでしょう。昔と違って、多少CGに頼る事もありますが、やはりこうした“壮大なる金の無駄遣い”と思わせるようなものをまた見られるというのは史劇ファンにとってはたまりません(笑)。物語のほうはといえば、一番の盛り上がりである戦闘シーンが他と比べて少ない、という点で、そういったものを目当てで見に行った人には結構辛い3時間になると思いますが、その代わり、アンジーやホプキンスはなかなか素晴らしい演技を見せてくれてますし、アレキサンダー大王の心の葛藤など、人物に重点を置いた物語展開になっているので、ストーリーで楽しむ、という人にはなかなか良い出来だと思います。また、同性愛のことが描かれてるので、そういったものが嫌いな人にも受け付けられないと思いますが、そりゃ、この時代を描く上では仕方ないですよ。だってこの時代は完全な男性中心社会、神に似せて男が作られたと信じられてた世界なんですから、男の体=美しいもの=愛しいってな感じで式が成り立つわけですよ。なので、「なんだよこれ!?こんな○モ映画見に来たわけじゃねえぞ俺は(私は)!金返せよッ!」ってなことを思っていたとすればそりゃただその人の勉強不足って奴ですよ。聞く所によると、早々にラジー賞にノミネートされてしまったらしいですが、個人的には久々の“当たり”だと思います。 8点(2005-02-23 21:34:39)(良:1票) |
11. アメリカン・パイ
冒頭の両親とのやりとりからしてすでに大爆笑でした。真面目に見ると、アメリカ人ってのは馬鹿なのか?と思ってしまいますが、これはそういう映画なんで、全然そうは思いませんでした。妙に理解者であるお父さんがいい味出してますし、最初はただ女の子とエッチするというそれだけの理由だったのに対し、次第に心が変わり、恋に目覚めるオズのエピソードなど、純な恋愛ものとしても充分面白いと思います。 8点(2003-12-15 03:52:51) |
12. 悪魔のえじき/ブルータル・デビル・プロジェクト
明らかにブレア・ウィッチ・プロジェクトを意識しているパッケージと宣伝文句。【ジャージー・デビル・プロジェクト】の一件もあるので、またもや真祖の登場か?と思われるかもしれないが、そんなの全部真~っ赤なウソ!これはドイツ製のスプラッタ映画で、ブレア~の類でないことは映画が始まってものの“5秒”で解ります。ドイツと言えばその凄まじいまでの残虐描写。この作品も確かに例外ではないんだけれども、ここまで死に方を誇張して描かれると「人間の体って、本当にこんな風になるんかい?」と違う疑問が沸いてくるのですよ。実際、この系統に無縁の友人もそう言ってましたし。でも、そんな事よりもっと凄まじいのがこの映画の展開!冒頭、ブレア~を彷彿とさせるテロップと共に始まり、いきなり第三者の視点からの映像が始まります。「え??」という言葉を尻目に3人の男が漂流して謎の島に上陸するシーンが主人公のうちの1人のモノローグによって描かれます。そして上陸するや否やジェイソンマスクを被った軍団にあっさり捕まり、1人があっけなく処刑、残った二人、そして軍団の裏切り者の東洋系青年は“狩り”の獲物にされ、森へ逃亡。そこに現るはゾンビ軍団!そしてお次はニンジャ軍団!!ゾンビの登場シーンでロメロの【ゾンビ】のアレンジが流れたり、ここで東洋系青年の仲間2人が登場してそれからの闘いが明らかにギャグ(水平飛行してくるニンジャが垂直に掲げた刀に自分から突っ込んで真っ二つになるシーンは爆笑必須のシーン!)だったりと、このあたりからストーリーが破局してきます。そしてなんと、ここで冒頭の主人公と思われていた2人があっけなく殺されてしまう!あのモノローグは何?という疑問はさておき、物語はいよいよクライマックス。装弾数無視しての銃撃戦、無敵に思われた東洋系青年が雑魚にあっさりやられるというハプニングがありながら残った仲間がようやく黒幕を倒し、「やったぁ!勝ったぁ」と夕日に向かいハイタッチ!―完!!いやぁ今までこれほど展開がコロコロ変わる映画は見た事無いです。マジで。この映画のもたらす影響を考えるとゾッとする?こんな映画に影響される奴なんて居ないでしょう。この映画を手の込んだイタズラと判断?こんなものを本物と思い込む奴は明らかに馬鹿でしょう。いやぁ本当に、恐ろしすぎて、息もできない…×→面白すぎて、息もできない…○映画です。 8点(2003-12-04 02:09:28) |
13. 雨に唄えば
やっぱりミュージカルはいい。見ていて心が弾む。特に、有名な雨の中唄い踊るシーンと、ラスト、社長と3人で歌いながら幕を上げるシーンがとてもいい。それにコズモーの体を張ったダンス、壁蹴りムーンサルトなど、見所も沢山で、最後まで見ていて元気になる。 8点(2003-11-23 03:36:17) |
14. アラジン(1992)
《ネタバレ》 ※2021年7月30日追記 2019年版の実写映画の方もすごく良くできていますが、やはりこうした題材はアニメーションだからこその荒唐無稽さが楽しいわけで、その点やはり本作は改めて観返してみてもテンポの良い演出と楽曲で圧巻の楽しさ。 現代風にアレンジはされていますがコロコロ変わる展開や場面場面の臨場感と疾走感のあるカメラワークとスコアで終始飽きさせない作り。 正直絵柄の好みはありますが、それ差し引いても楽しい映画でした。 [ビデオ(吹替)] 8点(2003-10-27 16:49:03) |
15. アンドリューNDR114
《ネタバレ》 ロボットに感情移入したのはジョニー5以来だ。最初は、ショート・サーキットとAIを足して2で割ったような作品かなぁと思ってたけど、見ていくうちに、AIという意見を撤回した。人間でないゆえに普通に愛されることの無いアンドロイドが、次第に人間の心に目覚め、最後には認められ、人間でないものでも人に愛してもらえるというストーリーは、確かに陳腐ではあるにしろ、とても感動的だった。これを見た後、壮大なホラを吹いたAIがより一層駄作に思えてきた。まぁ、あちらも、キューブリックが監督すればまた一味違ったんだろうけど… 8点(2003-10-25 03:00:03) |
16. I am Sam アイ・アム・サム
中だるみのような感じを受けたシーンも少しあったけど。正直に、面白い、というよりもいい映画だと思った。家族の温かみを感じさせてくれる映画、本当に心のそこがジーンと来る映画、少ないながら希望に満ちている映画、愛は何物をも越える映画と、そのよさを挙げればきりが無いし、何よりこんな臭すぎるセリフを連発している自分が恥ずかしくなってくるのでこの辺でやめておきますが、久しぶりにいい映画に出会えた気がします。障害を持ちながら、それでも娘を必死に育て、誰よりも愛した父親、障害を持ちながら、そのことを心から理解し、本当に父のことを愛している娘。「こんなパパでごめんよ・・・」「いいの、だって、私はすっごく幸せだもん」この言葉を聞いたとき、思わず涙が出てきました。元々なんでもないようなシーンでも涙が出てくるということも関係してるのかもしれませんが・・・前半はなれない子育てに奮闘し、後半は愛する娘を取り戻すために必死に戦うというストーリー設定も、単純ではありますが実に良いと思います。最初はどこか邪険にしていた弁護士も、次第にサムのピュアな心に触れ、本気で彼を助けようとする。そして、まるで自分のことのようにサムのことを思い、一緒になって闘ってくれる仲間たちも素晴らしいと思いまいた。劇中で、もし娘さんがあなたの知能レベルを超えたら・・・ということを言ってますが、教育というものには、あまり知能は関係ないと思うし、それだけでは子供を人間として良い大人に育てることは絶対に出来ないと思います。確かに、勉学の面では劣っているかもしれませんが、少しくらい勉強が出来るからといって、それが賢いということにはならないはずです。例えば、学校を首席で卒業した人がいたとして、その人が盗み、ドラッグ、最悪の場合殺人を犯したとしたら、それは絶対に賢いとは言わないはずです。どんなに頭が良くても、人間的にダメな道を選んだなら、それは絶対に賢いとは言わないはずです。その点においてのサムは、確かに人より知能は劣っているかもしれませんが、誰よりも心は綺麗です。そんな彼が、自分の娘に堕落の道を歩ませるような真似は絶対にしないと思います。誰よりも清い心を持つからこそ、人々が彼についていき、そして自分も、彼に、そしてこの作品に惹きつけられたんだと思います。 8点(2003-07-07 19:19:25) |
17. アンドロメダ・ストレイン<TVM>
《ネタバレ》 旧作は個人的にSFのオールタイム・ベストですが、このリメイクもなかなか良くできていたと思います。 旧作のワイルドファイア研究所内の造形は今見るとちょっと古めかしい悪の組織の秘密基地、と言われてもしょうがないような感じですが、今作ではちゃんと最新鋭の機器やら情報端末やら、研究所内の雰囲気も現代に合わせrた洗練された感じになっていて良かったと思いますし、これまでは描かれなかた、アンドロメダが徐々に広がり封じ込めに奔走する軍の動きや、冒頭のピードモントの街で何が起こったか?というのを映像化していたり、核自爆装置のくだりもよりスペクタクル感があって映画的に映えるものになっていたのは良かったです。 また、ここは賛否がより分かれるところですが、よりSF色が強くなった設定や陰謀説などもなかなか好みでした。 その反面で、外部の描写が多くなりすぎて緊張感が持続しなかったのと、旧作では十数分かけて描かれていた、郁恵にも厳重に行われる滅菌・消毒や、度重なる実験・検証を持ってしてアンドロメダの正体に迫るという非常にサスペンスな部分がごっそり抜け落ちて随分あっさりになってしまったのは非常に残念でした。 ある意味、旧作はちょっと古いけど、というときに観るのが正しい見方なのかもしれません。 [DVD(吹替)] 7点(2022-11-10 01:24:48) |
18. ANNA/アナ(2019)
《ネタバレ》 リュック・ベッソンお得意のネタ?のようでいて、近年のノリと勢いだけの感じを受ける作品よりは幾分かストーリーも複雑になっていて、二転三転する展開に最後まで楽しめる作品でした。 まあ、KGBのスカウト理由がそれ?とか、3年で超一流の超一流の諜報員になるとか半年でトップモデルになるとか、「ウソ~ん?!」なことも多いですが、それは主人公の美貌と、士官学校に通っていた(+親も軍人)という設定で強引に納得。 過去と現在を行ったり来たりしてちょっとテンポが悪いな~と始めのうちは思うのですが、作戦の導入部やその後の展開を描写するスパイものの作品には半ば仕方ないことですし、後半からは気になりませんでした。 何よりも、強くて美人で格好いいおねぃさんが男どもをバッタバッタと葬り去るレストランでの大立ち回りや、華麗にヘッドショットを決めてスマートに暗殺を遂行していく描写などがひたすら格好いいです。 ラストに関しても、男どもは無駄に翻弄され、女が求めるものを手に入れて去っていく「勝ち逃げ」感があってよかったですし、某南画のセリフ「裏切りは、女のアクセサリー」ともいうべき感じでm手玉に取られてる感があって、バカな男の一人としてはとても良かったです。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2022-07-31 15:51:39)(良:1票) |
19. 雨あがる
《ネタバレ》 剣戟を主体とした単純明快な時代劇、というものではなく、どこかゆったりとした時間が流れている印象を受ける本作。 そのため、途中の御前試合や、道場主たちから逆恨みを買い、やむなく刀を抜くシーンが際立っていたと思います。 ラストも、いい余韻があり、たまにはこういうゆったりした作品もいいな、と思える作品でした。 [CS・衛星(邦画)] 7点(2022-05-20 01:31:38) |
20. アルプススタンドのはしの方
《ネタバレ》 元々高校演劇用の戯曲だそうで、言われてみれば野球がテーマなのに球場内を絶対に映さない演出とか、よく聞いているとなんだか違和感というか浮世離れしてる?という感じをうける台詞回しとか、演劇を見ているような感じです。 ただ、場面切り替えが多少あるといえど、ほぼ同じシチュエーションで最後まで見せる展開や、高校生の抱える葛藤などという普遍的なテーマ、ラストに向けて「だんだん野球が好きになっていく」と錯覚させてくれる過程などなかなか見応えのある面白い作品でした。 [CS・衛星(邦画)] 7点(2022-04-22 01:12:42) |