1. アキレスと亀
《ネタバレ》 芸術家を題材にした伝記は数あれど、この映画はただ絵が好きで、特別に技術が高い訳でも独創性があるわけでもなく、自分がどんな絵を描けばいいのかもわかってない平凡な男が主人公で、そんな男をここまで真剣かつコミカルに描ききったものは他にないだろう。 監督自らの絵を使ったという劇中の絵の数々はバリエーションがあって素人目には随分面白い。その絵を劇中で辛辣かつ的確に批評するキャラクターがいるのも面白い。 芸術へのアプローチは突き詰めれば、お笑いも同然となり、これを観ていると全盛期の武の命がけのバラエティ番組を思い出し、ニヤニヤしてしまった。やたらと死が身近なのは、芸術をつきつめることのシビアさ、悲しさを表すと同時に滑稽さをも表現しているようにも見える。命をはれるくらいじゃないと話にならず、死など大したことではないのだという気概がなきゃダメなんだ。と。 いい歳して子供作ってまでこんなに金にならないことをやって周りに迷惑かけてるのは本当にどうしようもない。どうしようもないがどうにも憎めない。暖かく見守りながらも甘いものじゃねーんだぞとも言っているような芸術に対する監督の眼差しが感じられます。すべての芸術家を志す人、夢を追う人に観てもらいたい一品。 芸術やら何やらわけわかんないものを追いかけてることよりも、そんな奴を愛する人がいるってことこそが一番幸せなことですよね。誰でもピカソとかでも、一人者でどうしようもない芸術家の方がずっと多いですし。 [DVD(邦画)] 9点(2009-03-03 23:47:56)(良:2票) |
2. アヒルと鴨のコインロッカー
《ネタバレ》 原作小説の映画化としては申し分ないんじゃないでしょうか。ごちゃごちゃした物語をわかりやすく、かつ魅力的に伝えていると思います。 回想中心のため、臨場感が薄いのが難ですが、話の運び方がとても上手なのでのめりこむことができます。軸に隠されてるのはシリアスで重い話ですが、登場人物達が基本的にコミカルであることもあって、暗くなりそうなとこも暗くなりきらないでサラっとしています。このへんも原作の雰囲気をそのままもってこれてるなと感じました。瑛太始め、キャストもがんばってます。 [映画館(邦画)] 9点(2008-01-23 14:54:08) |
3. アドレナリン:ハイ・ボルテージ
《ネタバレ》 いやー前作に劣らない、オゲレツ指数ハイボルテージな楽しいクソバイオレンス映画。乳首カットは流石に痛そうだった・・・。 また続編が出たら劇場行っちゃうな、こりゃ。 [DVD(字幕)] 8点(2010-10-23 14:20:19) |
4. 愛のむきだし
劇中で一体何度「変態」という言葉を聞いただろうか。 むきだしの愛を中心に、宗教と友情と勃起と盗撮と血と絶望とが入り交じった青春アクションシリアスコメディサスペンスラブストーリー…とジャンル分け不能のごった煮な映画でありながら、バランス感覚は良い。 長くて無駄が多いし、安っぽさが目立たないわけでもないが、尋常ではない人生を送ってきたむきだしな登場人物たちの行方に目が話せず、4時間近い尺もなんのその。 しかし、盗撮はともかく、好きな女でしか勃起しないなんて変態どころか、究極に純粋だと思うぞ。そして、やはり安藤サクラはエロい。 あと、いくら長いからといって、DVD上下巻に分けて別売りするのはヤメテ欲しいですね。 [DVD(字幕)] 8点(2010-01-24 20:41:41)(良:1票) |
5. あるいは裏切りという名の犬
癖のある二人の刑事は、ともに善人とも悪人とも言い難い複雑な部分があり、人間味がある。二人の睨み合いと、それぞれの人生の転がり方が非常に面白い。カメラワーク、映像が非常に洗練されていてカッコ良い。テンポも良いし、ラストまで全くだれることなく、集中して見れた。 思わず手にとってしまうようなかっこつけた邦題だが、「この中にあるいは、裏切りという名の犬がいる!」っていう話ではない。 [DVD(字幕)] 8点(2010-01-07 17:14:42) |
6. アドレナリン(2006)
常にアドレナリンを出してないと死んでしまう毒を受けた男のノンストップアクションクライムコメディ。 アクションは痛々しくグロ満載で、笑いに関しては悪乗り、下ネタ、不謹慎のオンパレード。映像も常に無駄にスタイリッシュでこりまくっていて、ステイサムにも観客にも休息を全く与えません。 全てにおいて大衆に媚びない妥協なきブチ抜けエンターテイメントっぷりを感じられるS級のB級映画。笑いました。中途半端に真面目腐ったお茶の間アクション映画が苦手な僕は、こんな映画なら大歓迎です。 [DVD(字幕)] 8点(2008-03-06 00:29:41) |
7. “アイデンティティー”
脱出不能の小さいモーテルに集まった客が一人ずつ死んでいくサスペンスホラー。テンポよく無残に人が死んでいくので最初から最後まで緊張感がスゴくて目が離せません。賛否が激しく分かれそうなオチも伏線があるだけに納得せざるをえません。見終わったあとは釈然としない気になりますが・・・。 [DVD(字幕)] 8点(2008-02-01 14:42:00) |
8. アートスクール・コンフィデンシャル
眉太の画家志望青年が自分のスタイルに葛藤する美大生ドラマ。とは言ってもそこはテリーさんの映画(とは言っても漫画原作ですが)、サスペンス要素なんかを無理矢理挿入し、変わった展開にと、ひねりと皮肉の聞いたセンスと脚本が面白い。ヒロインは可愛いし、ブシェミの使い方もファンには嬉しい。変化球の青春映画。 [DVD(字幕)] 8点(2008-01-27 22:29:27) |
9. 甘い人生
《ネタバレ》 前半は、ラブロマンスになっていくんじゃあるまいなぁなんて思ったけど、とんでもなかった。後半は不死身のビョン様の殺戮無双に大興奮!かなり動ける俳優さんなんですな。かなり無茶苦茶なハードバイオレンスだけど、楽しかった。クライマックスは美学の押しつけが過ぎて笑えてしまった。 [DVD(字幕)] 7点(2011-07-09 22:28:20) |
10. AFRO SAMURAI アフロサムライ
《ネタバレ》 アフロの侍がブラックビートにのせて、情け容赦なく人間、ロボ、化け物を斬りまくる。 ばかばかしいながらも、絶望的で残酷なストーリーや演出はシンシティに似てるかも。 登場人物も日本人が多いのに吹き替え版がないというのもひとつのこだわりなんだろうな。動きまくるし、アンバランスでクールなバイオレンスアニメとしてなかなか楽しめた。 [DVD(字幕)] 7点(2010-10-23 14:08:24) |
11. アバター(2009)
《ネタバレ》 ただただ、映像凄い。3D凄い。奥行きとか凄い。あと世界観が良い。人間側の兵器がテレビゲームのフロントミッションに出てくるような近未来兵器だし(分かりづらいかな)、中にはエイリアン2でリプリーが乗っていたような人型兵器も出てきてテンション上がります。T4ほど未来未来してない、良いさじ加減。西暦何年とかっていう具体的な設定もなかったようだし。 他方、ナヴィ側はファンタジーの世界。言うなればパンツァードラグーンの世界(超わかりづらいな)。みんなでプテラノドンっぽいのに乗って、空中から矢を放つナヴィ人達がかっこいー。 ストーリーは普通で展開は読める。大筋は大長編ドラえもんのパターン。異世界を覗いて、自然破壊はやめましょう的な。その割に説明不足な部分は多い。 しかし、3Dって目がなれるのに30分くらいかかる。序盤は目がつかれてしょうがなくって、字幕追うのも大変で集中できない。そのせいで設定を理解しきれてないのかも。3D作品はやっぱ吹き替えで観た方がいいかも。 [映画館(字幕)] 7点(2010-01-06 00:04:03) |
12. アンヴィル!夢を諦めきれない男たち
ドキュメンタリーとしてのつくりは、平凡かそれ以下で、エンターテイメント性もあまり高くない。素材が足りなかったのか、ちょっと短すぎる気もした。 しかし、30年も活動し続けている売れそうで売れない50過ぎのバンドマンの生きる姿には心を打たれてしまう。夢を追うことの素晴らしさだけを表面的に描いた映画は数あれど、本作はそれがどれだけ大変で、人に心配をかけ、色んなものを犠牲にするかがともに描かれている。 そして、それでも諦めずまっすぐにつき進んでいくオヤジ達の姿はやはり美しい。 僕はメタルが好きじゃないからってのもあるかもしれないが、アンヴィルの音楽やライブは最後まで全くかっこいいとは思えないがらも、がんばってほしいなーと思うのでした。 [映画館(字幕)] 7点(2009-12-23 22:08:37)(良:1票) |
13. 愛してる、愛してない...(2002)
《ネタバレ》 アメリとは役の質は近いし、それほど時間が経ったわけでもないのに、なんだかマダムっぽくなったオドレイ・トトゥの歪んだ愛情物語。 一つのストーリーを別の視点からみせるという手法は珍しくないが、とにかく展開が早い。ポップに始まった序盤からどんどん雲行きがあやしくなり、ぞくぞくとさせられました。時間を感じさせないよくできた映画で、オドレイの不思議な凄味は見ものです。 [DVD(字幕)] 7点(2009-05-27 10:12:01) |
14. アイム・ノット・ゼア
なんだかどういうスタンスの映画なのか最後まで見てもわからなかった。ボブ・ディランをモデルに6人が演じるという予備知識だけで観たのですが、その6人が同一人物なのか、別人なのか、どこで切り替わるのか、割とぼやかして描かれているので終始混乱。 一つのストーリーというより、ボブディランオムニバスなんですよね、たぶん。でも適当に見てても映像のきれいさ、音楽の良さ、セリフの面白さ、キャストの多彩さでそれなりに楽しくみれます。ボブ・ディランが大好きな人ならきっともっと楽しめるでしょう。 [DVD(字幕)] 7点(2008-12-14 20:36:47) |
15. アフタースクール
確かに面白かった。面白かったんだが、ちょっと決定打に欠けたかと。意外性のあるストーリー運びならなんでも良いってわけじゃない。伏線の張り方もどんでん返しものとしては、ちょっと物足りなく、後半の高揚には繋がりませんでした。 メインキャスト3人は悪くないんだが、中村靖日&山中聡のコンビを思い浮かべるとどうにも今一歩突き抜けたインパクトと面白味が足りないし、脇とのバランスがイマイチ。致命的なのは前二作ほど人間を描いてないため、感情移入のしどころがなかったことかな。退屈させないつくりは相変わらず素晴らしいが、そろそろ映像方面にも少々力を割いても良いのではないでしょうか。この作風で変に安定しちゃわない事を望みます。内田監督の映画はもっとイメージの固まってない俳優陣で見たいな。今回は普通の面白さでしたが、内田作品にはそれ以上のものを期待してしまうんです。日本で数少ない面白いオリジナル脚本を書ける監督なので大切にしたいですね。 [映画館(邦画)] 7点(2008-07-29 00:20:19)(良:2票) |
16. アカルイミライ
なんとも評価しがたい作品ですが、なにか心に残るものはあります。彼らに明るい未来はあるのでしょうか。エンディングテーマのバックホーンの曲もなかなかマッチしてます。クラゲが印象的です。 [DVD(邦画)] 7点(2008-02-11 14:08:47) |
17. アイ,ロボット
アクションも派手で、テンポは良く退屈さもなく、何気に悪くないストーリー展開。ハリウッドの娯楽大作としては充分じゃないでしょうか。 [DVD(字幕)] 7点(2008-02-01 14:47:28) |
18. I am Sam アイ・アム・サム
知能が8歳レベルの父親が、8歳以上の娘を育てられるかどうかで法廷で争うという話ですが、下手に重くならず、軽快かつコミカルなストーリー展開に好感が持てます。曲が終始ビートルズってのは芸がなく、安易に感じます。娘、可愛いすぎです。 個人的には、子供ができた経緯が気になってしまうのですが・・・。 [DVD(字幕)] 7点(2008-02-01 14:32:26) |
19. アドベンチャーランドへようこそ
《ネタバレ》 脇役もヒロインも魅力的で良いんだけど、主人公がモテすぎてむかつくのは俺のただのひがみだろうか。土手のシーンあたりで終わればもっと好印象だったんだけど、最後が蛇足に感じたな。 [DVD(字幕)] 6点(2010-10-23 14:03:35)(良:1票) |
20. アルファ・ドッグ 破滅へのカウントダウン
実際に起きた犯罪を基にしたサスペンスらしいです。物語の構成や演出、役者は面白く目を引きます。なんともやりきれない事件ですが、なんでこの事件を基にして映画を撮ったのかがイマイチ伝わらないです。破滅への行動の不可解さを事実だからってことでごまかしている気がしないようでもないですし。映画というフォーマットの中だと数多のもっと陰惨な事件が扱われているしなぁ…。 [DVD(字幕)] 6点(2009-10-14 13:22:53) |