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イニシャルKさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

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1.  アウトレイジ 最終章 《ネタバレ》 
前作で完結とうたっておきながらまだ続きがあるような終わり方だったのでどうかなと思っていたら、やっぱり出たシリーズ第3作。しかし今回は今までと比べるとかなりおとなしく、このシリーズの魅力の一つであった激しい罵り合いや殺しのシーンも迫力やインパクトに欠け、印象に残るシーンも少なく盛り上がらないし、逆に前作からの数年間で病気をしてしまった西田敏行と塩見三省が見ていて痛々しく感じた。とくに中田を演じる塩見三省は前作で迫力のあるドスの利いた演技を見せていただけにあまりの変わりようにビックリ。たけし映画としてもかなり平凡な出来で今まで感じたことのないようなやらされてる感じがして物足りなかった。それに本作のあとしばらくしてたけしの事務所独立騒動が起こったが、そのあとになって本作を見るとやはりたけしは乗り気がしないまま作ってしまったと思えてならないし、シリーズとしても三本全部見て最初の作品が一番面白かったという、シリーズものにありがちな感想になってしまう。やはり映画監督としてのたけしには好きなように映画を作っていてほしいと思う。それでもラストの虚無感は既成感はあるものの、やっぱりこういうところがたけし映画らしさを感じる部分ではある。「アキレスと亀」以来久しぶりに大杉漣がたけし映画に出ているのが嬉しく、やっぱり大杉漣はどんな作品に出ていてもたけし映画に出てるイメージが強く、本作でも堅気から先代(神山繁)のあとを継いだ花菱会の会長を演じているが、その勢いだけの小物というキャラが良く合っていた。結果的にこれが大杉漣にとって最後のたけし映画出演になってしまったのは残念だが、やっぱり大杉漣は寺島進と並んでたけし映画に無くてはならない存在だったと思う。あらためてご冥福を。そして独立したたけしが今後、どんな映画を作るのか、ちょっと気になるし、不安ももちろんあるが、楽しみでもある。
[DVD(邦画)] 6点(2023-11-25 11:08:07)
2.  アナと雪の女王/家族の思い出
「アナと雪の女王」のスピンオフ第2作で、マスコット的キャラクターである雪だるまのオラフを主人公にしている。内容はオラフがエルサとアナのためにクリスマスの伝統を捜しに行くというものだが、全編オラフを中心としたPVを見ているような印象があるものの、ほかのディズニー短編と比較して上映時間22分と、30分アニメ一本分くらいの長さがあるためか、起承転結がしっかりしていてそこそこ面白く、オラフのキャラクターとしての魅力もよく出ている。「アナと雪の女王」本編を見終わって本当に直後に見たためか、舞台の街の雪景色を見て、またエルサと思うところだったが、舞台がクリスマスなので、冬の時期に降る自然の雪なんだと思いなおし、ちょっと感慨深い気持ちになった。
[地上波(吹替)] 6点(2019-05-06 22:57:45)
3.  アナと雪の女王 《ネタバレ》 
公開当時にすごく話題になったディズニーアニメだが今更初めて見た。(嗚呼、天邪鬼。)すでに公開から5年も経っていて、有名な「ありのままで」をはじめ、劇中楽曲はすべてどこかで聴いたことある曲ばかりで、その面ではあまり初めて見る映画という気はしなかったのだが、それでも思っていたよりは面白かった。アナが猪突猛進な明るいキャラクターに描かれているのに対し、手に触れたものすべてを凍らせる魔法の力を持っているエルサはそれがために長い間、閉ざされた城の一室に軟禁状態というのがかわいそうで仕方がなく、両親にもっとほかになかったのかと問いつめたくなるのだが、このおかげでエルサに感情移入しながら見ることができた。エルサが「レット・イット・ゴー」を歌うシーンがけっしてハッピーなシーンではなく、むしろ正体が露見し、山に逃げ、孤独な身となった状態で歌われていることに、今までこのシーン「だけ」をテレビで本作を取り上げる度に何回も見ているとビックリしてしまうのだが、もう隠し事はやめてありのままの自分でいたいというエルサの気持ちがすごくこめられていて、ここでこの歌を流したのは正解だと思った。(話題になっているからってちょっとこのシーンはテレビで流しすぎていたように思う。)アナが出会ってすぐの王子と婚約するという展開はすごいのだが、この王子が己の私利私欲のために動いている本作の悪役というのは、なんか時代が変わったなあという感想を持った。映画のテーマとしては「レット・イット・ゴー」の歌詞にもあるようにありのままを受け入れる大切さというのもあると思うのだが、それ以上にエルサとアナの確執と和解がテーマとなっている点が面白く、アナにかけられたエルサの魔法を溶かす真実の愛というのが王子とのキスといった異性との愛ではなく、エルサとアナがお互いを思う心だというのが、本作がエルサとアナという姉妹の物語であることを強く感じさせるものとなっている。(普通にアナとクリストフが結ばれることによってアナにかけられたエルサの魔法が解けると思ってたからちょっと意外な感じはしたけど。)ラストの町中の氷が溶けていくシーンは圧巻で、まさに大団円という感じで映画的なカタルシスもちゃんとあるし、ディズニーらしいハッピーエンドなのも良い。どうしても「レット・イット・ゴー」の部分(だけ?)が話題になる本作だが、ヒットした理由はそこだけにあるのではないと感じることができ、それだけでも見て良かったと思える映画だった。ちょっと甘めかもしれないけど、7点を。
[地上波(吹替)] 7点(2019-05-06 22:17:21)(良:1票)
4.  あん 《ネタバレ》 
先ごろ亡くなった樹木希林の主演映画。どら焼き屋の雇われ店長をしている千太郎(永瀬正敏)とそこに現れたあん作り歴50年という徳江(樹木希林)。この二人を中心にした物語で、とくに前半はこの二人やどら焼き屋にやってくる女子高生を中心としたお客さんたちとの交流を交えて、どら焼き屋が繁盛していくまでを描いている。小豆一粒一粒に愛情を持って接し、小豆に話しかけながら丁寧にあんを作っていく徳江の優しいまなざしはとても印象的だし、そのあん作りのシーンもまるでドキュメンタリーでも見ているかのように丁寧にじっくりと描かれているのが好感が持てるし、そんな苦労して作ったどら焼きをおいしそうにほおばるお客さんたちをみてこっちまでどら焼きが食べたくなってしまう。しかし、徳江がハンセン病患者であったことが露呈するあたりから空気は一変する。後半は重い内容だが、ハンセン病患者たちの思いや辛さというものがひしひしと伝わってくる。そして、亡くなった徳江が千太郎とワカナ(内田伽羅)に残したメッセージは今になって見ると実際の樹木希林ともオーバーラップするところがあって、吉井徳江という役柄と樹木希林という役者が本当に分からなくなって涙なくして見ることができなかった。千太郎が桜が満開の中、笑顔でどら焼きを売るラストシーン、それまでどこかやる気のなさげだった彼は徳江との出会いで変われた。また徳江もずっと隔離されていて、最後のほうになって社会とかかわることができた、これを思った時、否応なしに感動してしまった。ほぼ予備知識なしで見た映画だったのだが、本当に見て良かった映画だったと思う。そして、樹木希林さん、この人のような役者はもう二度と出てこないと本気で思う名女優のひとりで、亡くなられてしまったのは本当に残念でさびしい。心よりご冥福をお祈りします。
[DVD(邦画)] 8点(2018-10-10 18:01:13)(良:3票)
5.  IAM A HERO アイアムアヒーロー 《ネタバレ》 
邦画のホラーものというと基本的に霊を題材にしたものというイメージが強く、まして本作のようなゾンビを題材にしたものは邦画ではちょっと無理があるのではと思っていたが、本作はその邦画ではなじみにくいゾンビという題材を扱いながらもかなり完成度の高いものになっていて、途中飽きることなく最後まで退屈することなく面白く見ることができた。とにかく開始20分過ぎたあたりの主人公 鈴木英雄(大泉洋)の恋人であるてっこ(片瀬那奈)がゾンビ化して英雄を襲いはじめるシーンからかなり気合いの入った怖さで目が離せなくなった。この手の大作系邦画にありがちな安っぽさやハリウッドかぶれのような感じも無く、ゾキュン発生の経緯や、よけいなドラマを一切排除した脚本も潔い。とくにゾキュン発生の経緯が一切描かれないことによって、見ていて登場人物たちと同じ目線になることができるし、またリアリティーも感じることができる。(街がパニック状態になってテレビが報道特番に切り替わる中、一局だけアニメを放送しているところが細かくて笑える。このシーンを見ていて「クレヨンしんちゃん 爆発!温泉わくわく大決戦」を思い出した。)確かに後半アウトレットモールが舞台になってからは少し失速した感があるが、それもそれほど気にはならなかった。趣味でクレー射撃用のライフルを所持している英雄がこんな状態になっても銃刀法違反をずっと気にしているというのが思わずそこかよと突っ込みたくなるのだが、本作はこの英雄(えいゆう)と書いてひでおと読む冴えない主人公がいかに本当にヒーローとして覚醒するかも見どころで、それを最後まで溜めているので、クライマックスの英雄とゾキュンの戦いが半端なくカタルシスのあるものになっているのが最高だった。ラストシーンで藪・小田つぐみ(長澤まさみ)から名前を尋ねられた英雄がそれまでと違い、「ただの英雄です」と答えるのは彼の成長とこれからゾキュンから彼女たちを守って行くという決意が感じられてすごく印象に残る。原作漫画未完の頃に作られているので終わり方としてはやや中途半端な感じがするのだが、個人的にはこの終わり方で良かったと思う。もしも続編が作られたら見たいと思うのだが、ちょっと出来が怖い気も。
[DVD(邦画)] 7点(2018-07-21 21:57:12)(良:1票)
6.  アシュラ(2012) 《ネタバレ》 
東映アニメーションが原点回帰を掲げて製作した作品で、社会的に物議を醸し、発禁本となった漫画が原作となっている。こう書くと話題性だけの映画かと思ってしまいそうなのだが、まったくそうではなくきちんとしたメッセージ性のある社会派映画になっていてとても見ごたえがあった。けだもの同然の主人公 アシュラが生きるために人を食う描写はかなりリアルなのだが、同時にアシュラの悲しさもうまく表現されていて、ここに手抜きがないからこそ本作の重いテーマがぐいぐいとこちらに伝わってきて、東映アニメーションといえば子供向けの企画ものアニメというイメージを覆すにじゅうぶん。切ないシーンも多いが、アシュラが初めて心を許した存在である若狭の恋人を傷つけたことで彼女から遠ざけられるシーンは思わずアシュラに感情移入して見ていた。若狭たちに飢餓がきてアシュラと立場が逆になるという展開もうまく、普通の人間であってもひとたび極限状態に陥ればアシュラと同じようなけだものになるという人間の本質をリアルに描いている。アシュラが馬の肉だから食べてと差し出した肉を人肉と疑い、食べようとしない若狭に対してアシュラが必死に説得するシーンは胸が痛くなるほどの切なさで、このシーンが本作の中でいちばん重く感じた。アシュラの声を担当する野沢雅子はまさに名演技で、どうしても自分の世代だと悟空のイメージが強いのだが、あらためて名優の一人だと思うし、また本作は彼女の晩年の代表作になると言っていいほどだ。75分と短い(ところどころ端折られている感があったのでもう少し長くても良かった気はするのだが。)映画だが、見る価値はじゅうぶんにある映画だと感じた。
[DVD(邦画)] 7点(2017-08-04 22:12:59)
7.  悪人 《ネタバレ》 
「悪人」というタイトルは殺人事件を犯してしまった主人公を差しているのかと思っていたら、そんなに単純な話ではなく、人間誰しもが持っている闇の部分を描いている映画になっていて、演じている俳優たちの演技も素晴らしく、淡々とした展開だが、最後まで集中して見ることができた。とくに事件の真相が明かされるところまでは目が離せない。しかし、事件の真相が明かされてからの主役ふたりの逃避行にイマイチ乗ることができず、行動がすごく浅はかに見えてしまい、共感はできない。演じる妻夫木聡と深津絵里は熱演していて、演技自体はいいだけにこれはちょっともったいなく感じた。(ついでに言うと前半で初めて会った二人がいきなりラブホテルに行く展開は理解できない。)それよりも娘(満島ひかり)を殺された父親(柄本明)には少しだけだが感情移入することができた。しかし、増尾(岡田将生)のある一面だけを見て人間性を判断しているあたりは「こういう人いるよね」と妙に客観的になってしまったのも事実だ。主人公の祖母(樹木希林)が騙されるエピソードはほかと何も関わりがなく、浮いて見え、取りあえずこの祖母にもなにかないとと付け足した感じが否めない。演出に関しては見る人をグイグイ引き込む力があり、最初に書いたように見ていて退屈はせず集中して最後まで見ることができるのだが、ドラマとしては描き方が一面的な人物が多く、薄みで物足りなさがある一方でいろんなことを描きすぎて大味に感じるという印象が残る。このあたりはもう少しなんとかなったのではと思うと惜しい映画だと思う。音楽は久石譲なのだが、彼の最近の担当作品の中では久々に耳に残るようなテーマ曲だったのは良かった。それともう一つ、作中で出会い系サイトが重要な役割をしていて、主役ふたりが出会うきっかけも出会い系サイトなのだが、深津絵里(ラストのタクシーのシーンでの抑えた静かな演技が良い。)がネットで男と知り合う役を演じていると「(ハル)」をつい思い出してしまう。本作でも赤い服を着て白い車に乗っているのでなにかよけいにかぶって見えた。
[DVD(邦画)] 6点(2016-09-20 13:51:12)
8.  悪の教典 《ネタバレ》 
一見模範的な教師が実はサイコキラーという設定で、それを演じるのが正義感の強い役柄を演じることの多い伊藤英明というギャップを狙ったようなキャスティングは確かに面白いし、この教師によるクラス全員皆殺しというセンセーショナルな内容もどことなく「バトル・ロワイアル」を思い出すが、この教師の背景の描き方が中途半端(ほかの登場人物も浅い。)なため、ドラマとしての見ごたえが薄く、ただ単にクライマックスの大量殺戮だけを見せたかっただけの映画という気がして、同じく非情な教師が主人公の「告白」を先週に見ているせいもあって、つい比べてしまうのだが、「告白」があくまで主人公教師の恨みを持つ生徒への復讐劇だったのに対し、こちらの教師の犯行至る理由は完全に自分の都合で、「告白」の主人公にも感情移入しずらかったのだが、本作ではこの教師に感情移入以前に完全に傍観者として見ているしかなく、この時点で差が激しい。(中島哲也監督ならもっとうまくドラマとして仕立てたのではないかと思えてしまう。)この教師の背景をもっと知りたいなら前日壇を描いたテレビ作品である「悪の教典 序章」を見ろということなのかもしれないが、とてもそんな元気はない。「告白」にも出演していた人が何人か出ていて、中でも少年AとBを演じていた二人が本作でも共演しているのは意識してやっているとしか思えない。次回へ続くと出て終わるのだが、本当に続編は作られるのだろうか。あまり興味ないが。
[DVD(邦画)] 5点(2016-08-18 18:28:24)
9.  愛犬とごちそう 《ネタバレ》 
飼い犬と一緒にジャンクフードばかり食べている男に健康志向の彼女が出来て・・・というストーリーを男の飼い犬の視点から描いている。セリフがほとんどないが、躍動感があり、アニメであることをフルに生かした作風。また犬の視点で描いていながら恋人同士である男女の空気感がこちらに伝わってくるようで、この二人のドラマとしての流れをじゅうぶんに感じることができるのが見事で、物語としてもしっかりとしたものになっている。とくにあにやんさんも書かれているが、ラストでの数年間の時間の流れを二人の仲直りから一気に見せきるのをああいうふうに演出したのは見事だった。冒頭から男が飼い犬にジャンクフードを与える描写が繰り返されるが、汚らしく描写されていて、深く考えれば動物虐待や飽食社会への批判をこめていると思えなくもないが、本作の言いたいことはもっと単純で、自分と違う他者を受け入れることの大切さなのだと思う。主人公である犬がとても可愛らしいのだが、飼っていた犬(15歳)を先月亡くしたばかりなので余計にそう思うのかもしれない。ちなみにもちろんうちの犬にはジャンクフードはやっていない。
[地上波(字幕)] 7点(2016-03-30 08:00:13)
10.  アナと雪の女王/エルサのサプライズ
社会現象的に大ヒットした「アナと雪の女王」のその後を描いた短編。実は本編見ていない状態でいきなりこれを見たので、見る前は大丈夫かいなという気持ちもあったが、それでもそこそこ楽しめたし、松たか子や神田沙也加の吹き替えも違和感は特に感じなかった。いつか本編見てみようかな。
[地上波(吹替)] 6点(2016-03-29 00:58:05)
11.  アウトレイジ ビヨンド 《ネタバレ》 
自身最大のヒット作である「座頭市」でもやらなかったたけし映画初の続編だが、前作が続きがあるような終わり方に思えなかったため、ちょっと無理やり感のある映画なのかと見る前は思ったが、そこまで無理やり話を続けているという印象はなく、むしろ続編としてはよく出来ていて面白かったと思う。しかし、登場人物が殺されまくる映画をというところから企画が始まったという前作に対して、今回はストーリー重視の作りになっているせいか前作のような勢いはなく、これでもかと言わんばかりのバイオレンスが全開だった前作に比べ暴力描写もかなり控えめになっていてインパクトには欠け、何やら普通に東映の任侠映画でも見ている感覚で、その分物足りないと感じるのも事実。(前作では印象に残る殺しのシーンが多くそれを楽しんで見ていたところがあり、それが面白さにつながった部分が大きかったのだが今回は普通に射殺が多い。)前作で新鮮な印象を残した三浦友和や加瀬亮のヤクザも2作目となるとやはり慣れて鮮度が落ちてしまっている。それでも三浦友和は好演しているが、加瀬亮はちょっと切れすぎで、前作ではもっと落ち着いたクールなキャラという印象があっただけにこれは残念。(見ていて「spec」じゃないんだからと思ってしまう。)今回は関西のヤクザが新たに登場し、その幹部のひとりを西田敏行が演じているが、普段温厚なイメージがあり、ヤクザ役を見るのは初めてにもかかわらずほとんど違和感を感じさせていないのは良かったか。「極道の妻たち」シリーズにおいて最後に岩下志麻に仕留められる役回りの多い中尾彬が序盤であっさりと殺されるのが妙に印象に残る。キャッチコピーでは完結と謳いながらラストは3作目がありそうな雰囲気だったがどうなのだろうか。この映画でたけしらしさがいちばん出ているのはラスト近くのパチンコ屋で三浦友和が殺されるシーンの無音の演出。たけしはこのシリーズや「座頭市」で大衆的な娯楽映画もできることを証明していて、こういうたけし映画も嫌いではないのだが、個人的にはまた初期の作品のような静かな雰囲気の映画を作ってほしいと思う。
[DVD(邦画)] 6点(2013-10-03 18:41:40)(良:1票)
12.  アウトレイジ(2010)
「全員悪人」と謳われているとおり本当に全員がワルで、またそれぞれが個性的に描かれていて面白かった。出演者がたけし以外は全員、北野武監督の映画に出演するのは初めてというのも異色。登場人物が次々殺されていく映画をというところから企画が始まったらしく、とくに後半は殺人のオンパレードで、普通なら目を背けたくなるようなシーンの連続なのになぜか安心して見ていられるから不思議。ヤクザを演じる俳優陣は國村準、石橋蓮司といった強面はもちろん、あまりこういう役をやる印象のない加瀬亮や三浦友和といった面々まで好演している。とくに三浦友和がなかなかいい。逆に山王会会長を演じた北村総一朗は確かにうまいけれども「踊る大捜査線」でのとぼけた署長役の印象が強すぎて(ほとんどあの役しか見たことがないのもあるが。)どんなに凄んでも笑えてしまう。たけしの最近の監督作を見るのは「座頭市」以来だったが、全体的に「座頭市」と同じく娯楽に徹している感じで見やすくなっているが、つい最近「その男、凶暴につき」や「3-4X10月」を見たばかりなので、それらと比べるとセリフの量が増えて見せ場が派手になり、初期の映画にあったどこか冷徹な雰囲気もあまり感じられなくなっているのは少々残念。「座頭市」や本作のような娯楽に徹した作風も面白いし、嫌いではないが、個人的には初期の監督作品のような独特の静けさの中に狂気を感じさせる映画のほうが映画監督としてのたけしらしさを感じられて好きだな。
[DVD(邦画)] 7点(2011-06-23 18:11:17)(良:3票)
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