1. aftersun/アフターサン
《ネタバレ》 父と娘の映画といえば、昭和世代には、テイタムオニールが思い出される。 娘っ子の生意気なところが、キュンポイントなんですね。 でも、この映画は、エリックロメールの映画のように、 事件性のない、避暑地での親子の時間を撮っているだけ・・ しかし、何となく、何故別居中なのか、というとこも見えてくる。 思い出作りにやっきになってる、父親のはかなげな愛が、 ハンディビデオの粗い映像によく表れてて、夏は終わる。 父親の泣いている姿が、哀しかった・・ [DVD(字幕)] 7点(2024-01-28 23:05:05) |
2. アイ・フィール・プリティ! 人生最高のハプニング
《ネタバレ》 ミシェルウイリアムズって、「ブルーバレンタイン」の? 同姓同名やろ!? 同じ人物には、見えんよ~(泣) ある日、突然の衝撃で、コンプレックスが、超ポジティブ思考に変身する女の子。 ラテン系ともいえるノリで、面倒くさい女性が本当に魅力ある女性に見えてくるとこがスゴイ! 夢を抱くと叶うとはこの事か!?って感じのサクセスストーリーのようでもある。 でも、また以前の自信のない自分に戻ってしまうとこが面白い! 結局、私が私であることが一番好き!ってな話で、 女の子の心理の勉強になるテキストムービーでした、ハイ。 [DVD(字幕)] 7点(2024-01-04 00:11:24) |
3. 愛について、東京
《ネタバレ》 柳町光男。 「火まつり」の神と人間の世界のとらえ方で、若い時に魅せられた監督の一人。 さて、「十九歳」「さらば愛しき」を観て、柳町ワールドを押さえたうえで、本作を鑑賞。 絶望を突き抜けて、神と対峙した、この監督作品は、 実に、淡々としたものだった。 そうです、東京は金のない人には、面白くも何もないのは、 中国人だろうが、地方出身者だろうが、同じこと。 まぁヤクザとその女をめぐる逃避行を、中国人に置き換えただけの話ではあるが、 突き抜けた人だけが持つ、温かみのあるラストだった。 藤岡弘が強精剤を集めるとこが面白かった。 [DVD(邦画)] 7点(2023-12-03 21:37:32) |
4. 青いパパイヤの香り
《ネタバレ》 ベトナム映画史は、ダン・ニャット・ミンから始まる。 このサイトには登録されてないが、「十月になれば」が有名である。 小生は、この次に有名な「河の女」を観たことがあるが、 ベトナムの革命時のの埃っぽい町が印象的だった。 それから、数年して、アジア・ヌーベルヴァーグが起こり、 この映画が出てくる。 ベトナム映画史的には、次の波である。 この映画、金持ちで働く使用人の女の子の視点から見える 金持ち一家の様子である。 何より驚きなのが、失踪癖のある旦那が亡くなった後、この家は落ち込み、 次の奉公先で、いいとこの息子に見初められ、嫁に居座るというハッピーエンド(笑)? 観てて、ほっこりする佳作。 [DVD(字幕)] 7点(2023-11-19 00:10:53) |
5. アメリカン・スリープオーバー
《ネタバレ》 何とも爽やかな青春学園もの。 って思ってたら、高校に上がる前のお泊りなんですね、これ。 高校に上がる前には、皆、キスを済ませていないとおかしいということでしょうか? うわ~、やっぱりアメリカはススンデマスネ。 お泊り中の3組の男女を追いかける話だが、 一番好きだったのは、双子女子に言い寄られるエピソード。 そりゃ、どっちが好きって双子に言われたら、分からんわ(笑) [DVD(字幕)] 7点(2023-10-13 23:15:32) |
6. アデュー・フィリピーヌ
《ネタバレ》 明日の朝、卒業とかこの街を出るとかで、 一夜のアヴァンチュールを楽しむ映画は多い。 古くは「アメリカングラフティ」から最近のでは「ブックスマート」など。 この映画は兵役に行く男が、何日間一緒になった女の子たちとの三角関係が描かれる。 女性同士の友情みたいな、やっかみみたいな、複雑な気持ちの入り混じった関係が面白い。 ラスト、兵役に出る青年に、腕がちぎれんばかりに腕を振って、別れのあいさつをする 彼女らに、ただただ好感しか感じ得ない。 最高! [DVD(字幕)] 8点(2023-09-08 00:02:07) |
7. ある男
《ネタバレ》 見応えある。 ラスト、一瞬、シャラマンばりのフェイクストーリー?と思わせるとこが面白い。 騙された? でもそうじゃない。詐欺師の柄本明が「本物」だからだ。 偽物の奥さんと一緒にいる妻夫木弁護士を看破していたからだ。 つまり、本物の犯罪者は、本物だってことなんだろう。 救いは、安藤サクラの言葉だ。 「真実」を知らなくても、実際平和だった私たちの幸福こそ真実じゃないかというセリフだ。 傑作である。 [DVD(邦画)] 8点(2023-06-29 22:58:04) |
8. ア・ホーマンス
《ネタバレ》 いいですね~ 制作当時の1986年といえば、アメリカのウォルターヒルが絶好調の頃。 喧嘩映画が全盛の頃、松田優作も俺も!って感じで監督したんじゃないでしょうか? (最初の方で、もろウォルターヒルじゃんって音楽の使い方してるし・・) ターミネーターも1984年だったので、かなり意識したのかもしれません。 ヤクザ映画、数多しといえど、ロボットが出てくるのは、これくらいじゃないでしょうか? 面白いB級映画だと思います。 [DVD(邦画)] 7点(2023-03-04 14:04:57) |
9. アイダよ、何処へ?
《ネタバレ》 国連の紛争現場での悪戦苦闘ぶりを描いた映画は、ほかに「ノーマンズランド」がある。 国連も人道的に有意義なことをいっぱいしているだろうが、 やはり映画が取り上げるのは、こういう過酷な現状である。 映画は、紛争現場の国連の動きの中で、なんとか正気を保とうとする 女性を描いてる。 きついな、と思ったのは、セルビア人との関わりの証拠を処分する中で、 夫が3年半の間、紛争の記録をつけた日記すら処分していたことである。 歴史は、このような戦火をかいくぐれなかった記録が膨大にある中で、 わずかに残った記録から形づけられているのだろう・・ [DVD(字幕)] 7点(2023-02-25 23:23:23) |
10. 雨あがる
《ネタバレ》 小泉さんらしい、骨太の佳作。 あのお侍さんと、奥さんは、小さい頃から一緒にいた感じだね。 能力はあるのだが、冴えがなく、いつまでも貧乏な夫婦。 現代の平社員にもいそう(笑) [DVD(邦画)] 7点(2023-02-10 13:55:45) |
11. アキラとあきら
《ネタバレ》 主人公は2人の男とバチバチ火花を散らす。 1人は同期のアキラ。 ライバルがやがて、一緒に戦う者となる。 スポーツではありがちだが、ビジネスもので、この展開は新鮮。 もう1人は、上司の不動。 名前の通り、銀行のセオリーの権化である。 クライマックスは、一気にこの二人の男とバチバチやる。 だから、ヒートアップして、観ている者も、おおっと画面にくぎ付けになる。 巧いね♪ 女性があまり出てこないのに、埃っぽくないのは、今どきの若者の清潔感ゆえか・・ [DVD(邦画)] 7点(2023-02-01 23:45:52) |
12. 天草四郎時貞
《ネタバレ》 時代劇をかなり観てきたが、この映画は容赦ない。 前から思っていたのだが、時代劇の映画と漫画では、残酷さが違う。 白土三平や小池一夫の漫画は、かなり残酷だ。 一方、映画は、侍をどう描くかに力点を置くのが多い。 藩の横暴をここまで描いた映画は、今のところ、知らない。 それだからこそ、反乱というのが起きるところに説得力が出る。 江戸時代の多くの反乱。 それを真っ向から描いた、この映画は、ひょっとしたら多くの作家に 衝撃を与えて、文化を変えてしまったのかもしれない。 白土三平の漫画が多くの若者に影響を与えたように・・ その出発点が日本のヌーベルバーグ大島渚のこの一本もかなり関わったのではないか? [DVD(邦画)] 7点(2023-01-13 17:31:13) |
13. 秋津温泉
《ネタバレ》 若い頃、結核で悩んでた青年は、旅館の娘に 一緒に死んでくれと頼む。 心中を引き受けることは、抱かれることよりも深い。 引き受ける娘だったが、青年の馬鹿真面目さについ笑ってしまう。 それから、青年は温泉地を去り、所帯をもつ。 長い時間がたって、青年を忘れられない女性との再会で、 二人は抱き合う。 しかし、もう青年は「死んで」しまった。 空っぽの青年の言葉が彼女に響くわけもなく、 若かりし頃の青年の後を追うかのように彼女は自殺をする。 ただ腑抜けの青年は、その女性を抱いて泣くのみである。 メロドラマの傑作である。、 [DVD(邦画)] 8点(2022-11-19 19:00:10) |
14. 赤い影法師
《ネタバレ》 黒澤明が七人の侍をステーキにうなぎ、カレーをぶちこんだ作品と 言っていたが、いやいやこの本作も中々、お腹いっぱいになる♪ 前半、御前試合で、たくさんの武者の試合を見せ、 後半、三成と徳川家の因縁に悩む母子忍者と、服部半蔵と柳生十兵衛の顔合わせ。 いや~、これはお腹いっぱいになりました! 思うに、映画という玩具を手にしたとき、大陸的面白さがジョンフォードなら、 アイデア満載、見せ場満載の、この娯楽時代劇の面白さが、島国の面白さじゃなかろうか? それは、マンガに引き継がれ、そして、ネットの時代、どこに開花するだろう? 日本文化は、なかなか楽しい。 [DVD(邦画)] 8点(2022-10-24 23:19:05) |
15. 阿部一族(1993)<TVM>
《ネタバレ》 森鴎外のしっかりした原作に、 アクションの部分は、深作さんが渾身の力で、 演出する。 すると、こんなに奥深い娯楽時代劇が出来てしまう。 テレビ映画と言うことだが、ちょっと高めに、この点数。 [DVD(邦画)] 8点(2022-10-23 14:29:03) |
16. 愛の勝利(2001)
《ネタバレ》 マンガみたいなストーリーだが、ベルトルッチの手にかかると、 とても知的な駆け引きの映画になってしまう。 ベルトルッチの巧みな男女の駆け引きが描かれていて、 仇敵(しかも兄妹両方!男VS女、女VS女!?)との騙し合いの愛、そして真実の愛が ベルトルッチのマジックで、あらら、何となく説得力持ってしまうから面白い。 18世紀の劇らしいが、この時代から、このようなユーモアはあったんだね。 [DVD(字幕)] 7点(2022-09-12 23:24:27) |
17. 愛なのに
《ネタバレ》 ん? 間違えて、アダルトビデオを借りたかな? 大林宣彦調の映画に、突然、激しい濡れ場。 目が点になりました(笑) [DVD(邦画)] 7点(2022-08-31 23:48:29) |
18. 茜色に焼かれる
《ネタバレ》 尾野真千子の叩きつけるような演技が心に刺さる。 息子役の少年も共鳴するかのように、叫びながら静かにそこにいた。 旦那のオダギリジョーがそもそも悩みつつも、あがいてる人だった。 他所に子供まで作るのだが、尾野真千子は、そんな彼を好きになる。 そして、生まれた息子を愛して、この世界を生き抜いていく。 最後、バタバタと落とし前がついていくのだが、 最後の「神さま」という題の劇。 走る走る、尾野真千子が走る。 そんな彼女を見て、少年は、これが自分の母親だと、世界と結びつく。 茜色の夕陽にいつまでも夜にならない、いつまでも死にきれない、 生かされる二人の母子に、我々も生きねばと勇気づけられる。 筋よりも、尾野真千子のキャラを描いた、コロナ禍の中で生まれた石井監督の力作。 [DVD(邦画)] 7点(2022-08-23 00:54:23) |
19. 雨のしのび逢い
《ネタバレ》 マルグリッドデュラスの作品。 実にシンプルな構成。 2組の男女の話。 一組の痴情のもつれからの殺しについて語る、もう一組の男女。 その男女をジャンヌモローとベルモンドが実にいい雰囲気で演じる。 無駄なエピソードがないので、何度も観たい作品。 [DVD(字幕)] 8点(2022-07-17 13:15:14) |
20. アモーレス・ペロス
《ネタバレ》 イニャリトゥ監督は、見せ方が上手い。 どのエピソードも飽きさせない展開で見せる。 終わってみると、一つの事故現場の3人のエピソードが絡むことなく、 2時間半綴られていくだけだけど、これが面白い。 この監督ならではの、カタルシスといった感じ。 犬がどのエピソードにも重要なのだが・・ 闘犬で稼ぐ兄嫁に惚れた男の話、事故で怪我したバツイチと一緒に住むモデルの話、 テロリスト上がりの殺し屋の話。 どの話も面白い。 殺し屋が最後、殺さないのがまた良い塩梅ですな。 [ビデオ(吹替)] 7点(2022-05-22 22:26:20) |