1. 悪魔は誰だ
《ネタバレ》 すべてが繋がる音声解析のシーンでは感嘆の声を上げそうになった。お見事。しっかり丁寧に練り上げられている上質ミステリーであり、人間ドラマでもある。テイストは「容疑者Xの献身」あたりに近いのかも。容疑者Xもそうだった気がするが、真相が分かってからのダラダラ感が勿体ない。全体的に、もう少しハイテンポでグイグイすすめてくれれば、相当な傑作になったと思う。三人とも悪魔に取り憑かれてしまったとも言えるだろうし、これがただの人間で、悪魔なんかいなかったんだとも言える。何とも、複雑な気持ちになる結末だ。 [映画館(字幕)] 8点(2015-04-14 01:16:18) |
2. アクト・オブ・キリング
《ネタバレ》 インドネシアであった大量虐殺の加害者に、当時のことを再現しながら演じてもらうというドキュメンタリー。今まであまり大っぴらにされていなかった歴史的事実にこういった形で切り込むというのはそれだけでも意義があり、興味深い。 撮影を続けるうちに、最初のうちは純粋にノリノリだった加害者アンワル・コンゴ達に、変化が起こっていく。暴動のシーンや、悪夢のシーンで、加害者がふと放心したような顔をしたりするところを捉えているので、その度にハっとさせられる。 終盤の拷問シーンに至っては、いままで自分には罪の意識なんかないと豪語していた男が恐怖に怯え、 身体に異常をきたす。そして彼は涙ながらに・・・って、どうもできすぎに感じてしまう。 カメラを回していないところで、演技指導もしくは何らかの誘導があったのではなかろうか。 そこで唐突に終ってしまうので、「大量殺人者である彼らも人間である」という結論ありきの作品だったようにも見えてしまった。 遊び半分で残酷なシーンを演じる前半の彼らには嘘くささはなく、心底ゾっとさせられた。エンドロールに並ぶ、Anonymous(匿名)の多さには脅かされた。 [映画館(字幕)] 8点(2015-03-27 23:21:45) |
3. 青いソラ白い雲
《ネタバレ》 東京とかにいて大した被害を被ったわけでもないのに「震災以降すべて変わってしまった…」と物憂げに言う人や「こんな時だから助けあわなきゃ」と必要以上にシリアスになりがちな人達への違和感ってあるよね。 そんな不穏ムードに暮れていた日本を笑い飛ばすような、気持ちの良いコメディ。 皮肉のバランスが絶妙で嫌味がほとんどない。こういう感覚で震災と向き合っている映画は他に見たことがない。素晴らしい。 [映画館(吹替)] 8点(2014-07-20 18:10:22)(良:1票) |
4. アナと雪の女王
《ネタバレ》 見惚れて聞き惚れてるだけでもあっという間に終わっちゃう うっとりムービー。やはりミュージカルをやらせたら、ディズニーは天下一品! ただ、コメディ要素が強めなので、シリアスな場面が軽くなっちゃうところが残念といえば残念。とは言え抜群の演出力で、城が完成するシーンはうおぉーっと目を奪われた。 お姉さんが最強な上、悪人でない時点であまり酷いことにはならないというのが予想できてしまう分、絶望感をもっと煽って欲しかった。小悪党なんかじゃなくて、もっと明らかな『脅威』があれば違ったんだけど。 ストーリーは地味だが、結末のつけかたは今までのディズニー作品の常識とは、一味違った。また一段高みに上がったようだ。 できるだけ音響の良い映画館で是非。 [映画館(字幕)] 8点(2014-03-22 18:22:31) |
5. アウトレイジ ビヨンド
《ネタバレ》 面白かった!!1と毛色がだいぶ違う。 1のコメディ色や、グロテスクさはほとんど鳴りを潜め、かなりカッコ良く、渋く、駆け引きだらけのバイオレンス映画になっている。前作生き残ったクソヤローたちに加え西側のクソヤローが参戦で、一体誰が生き残るのやら最後まで分からない。 1に比べると派手なシーンはあまりないが、ストーリーが面白いので、問題なし!桔平クラスのむっちゃ怖くて、むっちゃカッコいいヤクザがいないところが、1に比べてちょっと落ちるところか。 もっと関西勢と血みどろの戦争をしてほしいところでもあったが、それはまた次回? 西田敏行と塩見三省に全力で殺し合いをしてほしい! 関西死闘篇をお待ちしております。 [映画館(邦画)] 8点(2012-10-17 23:15:47)(良:1票) |
6. アベンジャーズ(2012)
アイアンマンがビューン! キャップがバシーン!! ソーがズガシャーン!!! ハルクがグオォー!!!! 楽しんだもん勝ち! 祭だワッショイ!! [映画館(字幕)] 8点(2012-09-15 19:12:11)(良:1票) |
7. アタック・ザ・ブロック
《ネタバレ》 エドガー・ライト絡みだというから、てっきりコメディだと思ってた。ノリ自体は軽いが、意外や本格派。団地を舞台に、ヒップホップをBGMに、クソガキどもがクールにエイリアンと戦いまくる、熱いノンストップアクションなのである。 年端もいかない子供たち(リーダー格はオッサン顔だけど)が主人公なので、一人も死なないのかなーと、思ってたら、容赦なく餌食になってしまうのが怖い。そのため、しっかりと緊張感も維持されている。もっと悪くて怖い、兄貴分に追われているところも面白く、エレベーターから血だらけで出てくるシーンは鳥肌モノ。派手な追っかけっこや、アクションが満載で、とにかく面白い。 もっと大規模公開するべき作品じゃなかろうか。もったいない。エイリアンの造形は、若干安かったし、エイリアンに殺されるシーンは結構ショッキングなのが多いですが、幅広い層が楽しめそうなブラックエイリアン映画。 ちぇきっ!! [映画館(字幕)] 8点(2012-07-29 02:42:07) |
8. アニマル・キングダム
クライムムービーではあるが、バイオレンス描写やアクションは、ほとんどない。仰々しい演出もない。 しかし、主人公のジョシュア君が追いつめられていくにつれて心拍数が上がり、胃がキリキリして、息苦しいような感覚になる。 後半は食い入るように展開を見つめていて、あっという間に終わってしまった。 これは、成り上がらない版ゴッドファーザーである! 初監督なのに、決して欲張らず、余計な事を描かず、この重厚感。どこぞの巨匠が撮った作品かと思った。 [映画館(字幕)] 8点(2012-07-22 11:50:20) |
9. アジョシ
《ネタバレ》 韓国映画は、レベルの高いハードバイオレンスな映画を乱発しているが、あまりにもショッキングな内容ゆえ、万人に進められるかと言えば厳しいものばかりだった。 しかし、本作はそのハードなテイストはしっかり残したうえで、「レオン」のような要素を盛り込み、万人にも訴えかけられるような作品に仕上がっていた。いわば、これは韓国映画の集大成のような作品なのである。 それゆえ、ストーリー展開や演出なども目新しいものではないのだが、今までのどの作品よりもクオリティが高かった気がした。もし自分が、韓国映画に慣れてなければ、本年度ナンバー1に推していたかもしれないな。 韓国の役者の顔のバリエーションは凄い。登場人物多くても全然分からなくならないもの。その上、熱気に溢れてるし。頭オカシイ人いっぱい出てきて楽しい。 ウォン・ビンさんはすっごく二重瞼だったし。とっても面白かったです。 ラストは、韓国映画とは思えない感じであるが、救いを根こそぎ奪うだけが、能じゃない!それにしても警察が役に立たないのはもはや韓国映画のお約束ですねー。 [映画館(字幕)] 8点(2011-09-23 10:01:41)(良:1票) |
10. 悪魔を見た
《ネタバレ》 キ×ガイがイッパイ!!主演二人以外にもサイコ野郎が出てくるよ! 暴力描写は、グロいというより、執拗。もはや韓国映画のお家芸か。子供がこの映画見て、頭デコボコになるほど殴っても人間はなかなか死なないなんて思っちゃ大変だから、R-18なんだね!本作は140分超えの作品だったらしいが、その長時間で映し出されるのは、ほとんどが暴力シーン。ストーリーなんかほとんどないのに全然長さを感じなかった。 ビョン様が追っかけまわすサイコ野郎は、オールド・ボーイで主演のオ・デスを演じたチェ・ミンシク。随分老けたが、凄味は更に増していて、本当に憎たらしい!!また、復讐される側として追っかけまわされる役っていうのが少し笑えるが。 しかし、警察は最後まで無能すぎる。まあ、それは復讐モノの常套句だからいいとして、ビョン様の復讐の仕方が余りにも下手!!そんな復讐の仕方したら、周りに迷惑でしょ!?やるなら、もっとスマートに徹底的にやって!! と、ひたすら突っ込みたくなるくらいスヒョンの復讐は危うい。 くれぐれも復讐は計画的に!! [映画館(字幕)] 8点(2011-02-26 21:59:05)(笑:1票) (良:2票) |
11. アンストッパブル(2010)
《ネタバレ》 この映画には、感動もないし、深いストーリーもあっと驚くような展開もないし、暴力もないし、犯罪者も悪人も出てこないし、可愛い女の子もでてこないし(フーターズ除く)、ラブストーリーもない。それなのに面白いなんて! ただ電車が走っていて、二人の男が一生懸命それを止めようとするだけのお話。 主人公二人だけでなく、脇のキャラクターがそれほど掘り下げられない割に、魅力的に映るのは、会話のやりとりが軽快だからかな。いちいち面白くて、ニヤニヤしてしまう。 下手に感動させようとか、驚かせてやろうとかいう、欲張り根性が全くない分、すっきりしていて、シンプルに楽しめるパニックムービーとしてしっかり仕上がっている。 特に気に入ったのが、やけっぱちみたいな二人の動機。その軽さが心地よい。簡単に命かけちゃう、この二人、嫌いになれないっす。 期待せずに気楽に映画館で観るには最適な一本。映画館で観ないなら、観ないでもいいような一本でもある。 [映画館(字幕)] 8点(2011-01-10 00:30:36)(笑:1票) (良:1票) |
12. アウトレイジ(2010)
面白いじゃねーかコノヤロー!! 本作「アウトレイジ」は、北野武監督が今まで得意としていた表現、芸術的、叙情的なものを一切排除し、暴力による暴力のためのバイオレンスエンターテイメント映画であり、 それ以上でも以下でもないのである。 だから、感情移入出来ないとか、中身がないだとかそんな批判をするまでもなく、 こういう映画嫌いな人は、「嫌い!」とか「つまらん!」とか「低俗!! 」とか一言で片付けてしまえば十分であると思う。 痛々しいシーンも多いし、笑えるところも意外とある。 監督が得意とする「静」すらも放り投げ、常に誰かが殴ってるか怒鳴っていて、 ひたすら「動」で攻める攻める。北野映画で最もテンポが良いだろう。 伏線や、細かい部分も凝っているようで、確かにもう一回見たい気になる。 どっかの映画祭で絶賛と言うより、タランティーノ絶賛タイプ、 北野武版「仁義なき戦い」とも言えよう。 バイオレンス好きの肉食野郎どもは直ちに映画館へ直行すべし! [映画館(邦画)] 8点(2010-06-13 12:22:25)(良:3票) |
13. アバウト・タイム 愛おしい時間について
《ネタバレ》 タイムトラベルで過去に戻れる青年ティムの物語。能力を使って、好きな子を射止めるなんてズルい。ズルすぎる。人のために使うことも多いけど、ちょっとした失敗もすぐ能力で解決しようとしたりするので、コイツはロクな大人にならんなーと思ったんだが、後半は少し成長して、最低限にとどめるようにしているし、根本が善良で素朴なので許せる。この能力を持ったことでマスコミやマッドサイエンティストに追っかけまわされたり、同じ能力を持つ人間と対決したりっていうSF的展開はない。 それにしても、何らかの代償があってしかるべきだと思う。何も失わないなんて!能力を使ったことで他の誰かが不幸になる(死ぬ)とか老化が進むとか、で普通はバランスをとるもんだよ。代償らしきシーンもあるんだけど、それもなかったことにできちゃうのはズルすぎる。嫁にも一生言わないつもりかしら…。 ここまで徹底していることから、陰の要素はあえて排除しているのだということもわかる。タイムトラベルの能力は一つのスパイスと捉えれば、グッと来る部分は多く、平凡な幸せを描いた素敵な物語だと思います。 本も映画も時間を気にせず見放題で楽しそうだなー。 [映画館(字幕)] 7点(2015-04-14 01:18:14)(笑:1票) (良:1票) |
14. アメリカン・ハッスル
《ネタバレ》 話の大筋自体はそんなに面白くはないが、見どころは「世界でひとつのプレイブック』と同じく口論シーンかと。警察でありながらもっとも憎たらしいブラッドリー・クーパーのブチ切れっぷり、有能な詐欺師でありながらヨレヨレで情に流されやすいベイルさん、引っ掻き回すジェニファー・ローレンス、男を翻弄し男に翻弄されるエイミー・アダムスが本音でわーわーケンカするのを観ているのは非常に楽しい。 [DVD(字幕)] 7点(2014-09-07 09:39:24) |
15. アイアン・フィスト
《ネタバレ》 グラインドハウスっぽいB級バイオンレス・カンフー映画。ヒップホップとカンフーの不調和を楽しんでくれという感じでしょうか。鉄の体を持つ人がいたり、中途半端にミュータントな人がいます。首や腕が頻繁にもげます。お腹もパックリ割れます。アクションはヘボいです。決め画がイチイチダサいです。お話は全く面白くありません。中盤は当然中だるみします。 カンフー映画なのに、多国籍で一昔前の格ゲーのような世界観です(スト2というより餓狼伝説っぽいかな)。要は劣化キル・ビル。 なんと言ってもキャラの名前が、「ジャックナイフ」「X-ブレード」「ポイズン・ダガー」「マダム・ブロッサム」「ブロンズ・ライオン」…って、小学生か!!ダメ映画と言ってしまっても問題ないと思うんですが、無邪気に一生懸命作った感じが、結構好きです。 広い心で観てあげてください! [映画館(字幕)] 7点(2014-02-10 23:54:17) |
16. アンコール!!
《ネタバレ》 正しくベタであって丁寧に作られていればやはり面白い。 主人公のツンデレ爺さんのちょっとした仕草や発言が笑いを誘う。気むずかしい役なのに、同時に愛くるしさがあるため、何だか応援したくなってしまうのだ。手堅く、素敵な映画ではあるが、難もある。肝であるショーのパートが盛り上がらない。 歌というものにそれぞれがどんな想いを持っていて、どんな表現をしたいのかっていうのが薄いため高揚できない。 最後はもっとド派手に決めてテンション高く終わって欲しかった。 エンドロールに関しても、そこは合唱の曲で終わらなきゃダメだ。 [映画館(字幕)] 7点(2014-02-10 23:48:54) |
17. アウトロー(2012)
《ネタバレ》 いつもより、ちょっぴり乱暴なワイルドトム! でも、いつもとあんまり変わらない気もする爽やかトム! 冒頭の無差別殺人から、軽く意表をつくストーリー展開は案外楽しい。王道ハードボイルドという感じで、特筆すべきところはあまりないので、トムじゃなきゃ、全く日の当たらない作品になってたかも。 おじいちゃんもカッコイイよ!! [映画館(字幕)] 7点(2013-04-29 12:50:42) |
18. 悪の教典
《ネタバレ》 一般生徒のケンカで効果音がドゴォッ!!ってとこでまず笑うよね。クローズじゃないんだから。 猟銃で撃たれて吹っ飛ぶさまがコントのよう。 そして、ホークアイばりの神がかった百発百中っぷり。猟銃ってあんなに離れた相手に正確に撃ちこめるものなの? ともかく、無茶が多いんですが、まあその辺はニコニコと楽しく見れます。 グロテスクな表現もありますし、いっぱい人が死にます。殺人鬼が観る夢のシーンは、マジで意味不明。 とにかく人がいっぱい死にます。 人をいっぱい死なせるためだけにこの映画はあるので、ストーリーは人がいっぱい死ぬためだけにあるようなものです。 それはいいんだけど、ちょっとテンポ悪くて、かったるい。この内容で129分はないでしょ! つまらない伏線を効かせての解決と、ラストの過剰な説明セリフには萎え萎え。 [映画館(邦画)] 7点(2012-12-08 17:08:14) |
19. アーティスト
《ネタバレ》 静かな映画だと寝ちゃう自分としては不安もあったけど、面白かった。セリフはサイレントだけれど、音楽が雄弁に語る。映像もすごく計算しつくされている感じで、名画を見ている気にさせてくれる。かといって高尚な映画というわけでなく、中身が薄いというか、良い意味で軽~いストーリーで楽しい気分になれる、魅せられる映画。 腹の立たない程度にさらっと反則技をしかけてきたり、脳天気すぎるラストだったり、力の抜け具合にも余裕が感じられる。計算されつくしすぎて、逆にかわいげがない作品である。 個人的には女優さんにもっと魅力を感じられたらもっとハマれたかなーと思った。 何の影も苦労もない幸運なパー女にしか見えなかった…。 [映画館(字幕)] 7点(2012-07-09 23:33:01)(良:1票) |
20. アフターショック
《ネタバレ》 長すぎる前振りでうんざりする頃に、地震発生。最悪の事態の連続。誰がどこで死ぬか予測不可能。登場人物にトコトン無慈悲。あぁ、掃除のおばちゃんよ! 結局、本当の悪人は犯罪者に絞っているところが健全というかぬるいというか。 [DVD(字幕)] 6点(2014-01-19 18:57:35)(良:1票) |