Menu
 > レビュワー
 > あにやん‍🌈 さんの口コミ一覧。2ページ目
あにやん‍🌈さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2517
性別
ホームページ http://coco.to/author/aniyan_otakoji
自己紹介 レビューを相当サボってしまってるの、単に面倒になっちゃってるからなんですよね。トシのせいか、色々とメンド臭くなっちゃって。
映画自体、コロナ禍以降そんなに見に行かなくなったのだけど、それでも年に70~80本は見てるワケで(でも今年は50本行かないかな?)、レビュー書けよ自分、って思ってる、でもなんか書かない、みたいな。
これからは今までよりも短文でレビューを上げてゆきたいな、と思う次第であります・・・微妙だけど。.

表示切替メニュー
レビュー関連 レビュー表示
レビュー表示(投票数)
その他レビュー表示
その他投稿関連 名セリフ・名シーン・小ネタ表示
キャスト・スタッフ名言表示
あらすじ・プロフィール表示
統計関連 製作国別レビュー統計
年代別レビュー統計
好みチェック 好みが近いレビュワー一覧
好みが近いレビュワーより抜粋したお勧め作品一覧
要望関連 作品新規登録 / 変更 要望表示
人物新規登録 / 変更 要望表示
(登録済)作品新規登録表示
(登録済)人物新規登録表示
予約データ 表示
評価順123456
投稿日付順123456
変更日付順123456
>> カレンダー表示
>> 通常表示
21.  かもめ食堂 《ネタバレ》 
「空の彼方に躍る影」だよ!と冒頭の小林聡美のモヤモヤにシンクロしてる時点から術中にハマってしまっていたのでしょう。映画の中の人々と共に淡々と、じんわりじんわりとちょっとした幸せを感じてゆく映画でした。小林聡美が、なんていい表情をするんだろう、ってくらいにイイです。彼女によって作られてゆく料理と人間関係とが、あったかい気分にさせてくれます。ただ、もたいまさこと小林聡美だと、私の中ではどうしてもかーやときみちゃんですねぇ。本来はリアルなハズの二人のぎこちない距離感が逆に違和感になってしまうという。あと、最後の方の、トランクの中身とプールでの「エヴァ」の最終回みたいな部分は必要だったのかどうか、ちょっと疑問だったりはしました。ですがこの監督の「恋は五・七・五!」みたいな、らしくない無理した感じはなく(あれはあれで楽しい映画でしたが)、「バーバー吉野」の時のじんわりとして、ちょっと可笑しい、って感じが更に高められて、ああ、この監督の映画がもっと見たい、と思いました。そして、それ以上にかもめ食堂に行ってみたいな。
[DVD(邦画)] 8点(2006-09-29 01:13:06)
22.  華氏911
最初に書いておかねばなりますまい。私はブッシュが嫌いです。さて、私にはこの映画、世間での「良くも悪くもブッシュをひたすらコキ下ろしたシロモノ」という評価とはちょっと違うように感じました。ムーアの著書もそうなのですが、看板と中身に実は差がある感じ。メディア戦略によって操作されて伝えられる情報、その情報にコントロールされてしまう民衆、その危うさを、ムーアは自らこの映画で具象化してみせたのでは?と。編集や音楽によって意図的に操作されまくっている映画なのですが、実のところ政治の場もこういう事でしょ?って。タイトル部分で本番前の準備をしている政治家達の姿が映し出されていますが、それは政治もまた国民に伝えられるのは真実とは別の、加工されたモノなのですよ、と認識させようとしているのではないかと思います。メディアは物事を非常に短絡的に、二元論化して判りやすくコントロールしているのではないでしょうか。白でなければ黒、善でなければ悪。真理は決してその極にはない、そんなに単純なモノではないのに。共和党と民主党の二大政党状態が、端的に二元論化でコントロールされている状態を表しているような気がしてなりません。もっとも、その傾向はアメリカだけに言える事ではありません。民衆の中に敵を作り出し、議員が特定の市民を「反日的分子」と言い放ってしまうどっかの国もまた、安易な二元論へ堕している傾向が顕著です。某巨大掲示板に見られる、信者でなければアンチ、右翼でなければ左翼、という極論に走ってしまう原因って、一体どこにあるのでしょうね? そうそう、その国の総理も、平然と犯罪者でもない市民を非難したりしてましたけど、ひとつ言いたいのは、芸術を愛するフリするならば、見てもいない映画をケナすのはイカンのではないの? 最後に、あの無惨な被害者や死体の映像にまで真実がない、なんて言う事はできないですよね。そして、あれは、明日の自分の姿なのかも・・・。
[映画館(字幕)] 8点(2004-09-01 21:14:55)(良:5票)
23.  がんばっていきまっしょい
高校時代が遠い昔な私にとっては、この映画、過ぎ去りし日の青春の思い出という感じ。この映画が描いた世代に近い人間なモノですから、今の高校生とは違う、当時の高校生の雰囲気、モロにキました。今思えば明らかに「昔」の世界なんですよね。田中麗奈の、あんまり愛想ない、だけど凛とした表情が魅力的でした。試合シーンでの無骨な字幕に違和感があって、あそこはもう少しなんとかなんなかったのかなぁ、とは思いましたけど、全体的には私にとってふわふわと心地よく癒される映画でした。映画の世界に入りこんでいた私は、映画館を出た瞬間に広がった新宿の街の風景に、なんだかがっかりした事を覚えています。そして、この映画を見た10年前より新宿はもう少し更に大都会になっていて、この映画は更にもう少し昔の世界。
[映画館(邦画)] 8点(2003-11-30 14:22:21)
24.  回路 《ネタバレ》 
この映画を見たのは有楽町で、見終わった後、映画では誰もいなくなっていた有楽町の街、主役の二人が車で走った道を歩いてみました。そして人がいっぱいいた事に安心(あの細っこいマリオン脇の道をなぜわざわざ走ったのかはちょっと疑問でしたが)。淋しい、って感じる気持ちを人類滅亡レベルで描いてみせたこの映画、その原点は、迷子の子供の気持ちかも?って感じました。信頼してる人との繋がりが断ち切られる恐怖、心から依存している存在を失う恐さ。関係を繋ぎとめるために、安心していられるために、一生懸命コミュニケーションを試みているこの時代に、コミュニケーションが断ち切られる恐さ、依存できる人を失う恐さ、そして自分が忘れ去られる恐さを、ドン!と提示してくるこの映画は、見終わった後、考えれば考える程、恐さがじんわりねっとり湧き上がってきます。世界の全体像が描かれず、主人公達が見ている世界だけで展開するというリアリズムも(実のところ予算の関係だとしても)、いっそう恐さを盛り上げていました。オバケが恐い、って映画とはちょっと違う気がします。
[映画館(邦画)] 8点(2003-11-29 15:14:10)
25.  学校の怪談4 《ネタバレ》 
賑やかなドタバタを繰り広げた前3作とはガラリと趣向を変えて、日本の風景の中に展開する幽霊話となった今作は、『2』でチラリと感じさせた郷愁が前面に押し出されています。時を隔てて津波で死んだ子供達が救済される物語は、深い味わいを持って描かれ、良質な和風ファンタジーへと昇華されていると思います。これは本当に、「日本の映画」ですね。
[映画館(邦画)] 8点(2003-11-24 15:39:16)(良:3票)
26.  学校の怪談2 《ネタバレ》 
都会の子供、田舎の子供の対立から始まるこの映画は、1作目の、子供を楽しませるというコンセプトからもうちょっと進んで、大人にはちょっと郷愁を与える映画になっています。古い学校の佇まいは、おじいちゃん、おばあちゃんのエピソードと共に、子供にはちょっと判りにくい、感傷的な世界。今作も途中で展開が延々と空回りする部分があったのがちょっと残念ですが、時代に媚び過ぎていない良質な映画でした。
[映画館(邦画)] 8点(2003-11-24 15:30:36)(良:1票)
27.  かがみの孤城
 公開前なのでネタバレなし方向で。   最初に注意しておきたいのは学校でのいじめや無視の表現が結構バリエーション豊かにあって、その経験がある人はフラッシュバックを起こす可能性があるので気をつけて。もう何十年も前の経験だったアタシでもキツかったもの。あれって時間と共に薄らいだり癒されたりするモノじゃないのよね・・・   映画の中身についてだけれど、良い物語だと思ったわ。居場所を失っている子供たちに対して、ちょっと生きるヒントを与えてあげるような、決して甘くない世界だけれど、それでも道は見つけられる、そんな物語。誠実で丁寧な作りの映画。  物語には幾つかの秘密があって、進行と共に明かされてゆくのね。7人の最初の距離感ならともかく時間を経た上での関係性を考えたらそこまで延々気付かないのって不自然じゃない?って思うような秘密も複数あるのだけれど、それは作劇上、仕方ないと割り切っているのかしらねぇ。描かれる期間が割と長いゆえに7人が結びついてゆく時間も多いと思うのよね。意識し過ぎてしまうがゆえに逆に人との距離感を測るのが苦手なコたちゆえのぎこちなさゆえと解釈すべきかしら。   真面目に作られた映画なのだけれどちょっと物足らなさというか贅沢な注文を言ってしまうとアニメーションとしてのダイナミズムとか躍動感とか、そういうワクワクした感じに乏しいと思ったのね。原恵一監督は『クレしん』映画の時代にはそういう映像がいっぱい溢れていたのだけれど、それより後は誠実、丁寧、真面目の方は目立つものの絵が動いて楽しいって方面にはあんまり、みたいな印象。キャラクターデザインもアニメートも背景美術も決して悪くはないのだけれど、テレビアニメでも今はクオリティの高い作品が多いので、そこから映画として原恵一監督作品としての特別さというのは感じられなかったのね。   映画の中に存在する最も大切な要素、その場所やトリックや構造がいかにテーマを語っているのか、見終わってじっくり考察してみるのもいいかもしれないわ。
[試写会(邦画)] 7点(2022-12-20 15:00:06)
28.  神々の山嶺 《ネタバレ》 
 ミステリーかと思っていたけれどあのカメラとその中のフィルムはマクガフィンってコトね。別にアレはなんでもよくて。山を目指す動機というか理由というか言い訳的な。   映画は姿を消した登山家を追うカメラマンの物語、時代が飛びまくるのでぼーっとしてると混乱しちゃうのだけれど(過去と現代、ではあるけれどその現代すらも今ここから見たらかなりの過去だわ)、エピソードの積み重ねによって深町と羽生の人となりが浮かび上がってくるのね。幾つもの流れを経て最後は2人のエベレスト登山(正確には単独無酸素登頂を目指す男とその姿を追うカメラマンという切り離された関係)に集約されて。その登山シーンは苦しさ辛さが伝わってきて見ていてシンドくて。そしてその先にある世界、2人を分かつ道がそれぞれの生き様を見せて。  日本の描写がたっぷりで登場人物も多くが日本人なので国産アニメーションのようにも見えつつ、シンンプルな人物のタッチと精緻な山の描写がアチラな感じ(その人物と背景の関係、過酷な描写は『ロング・ウェイ・ノース 地球のてっぺん』を思い出させたわ)でハイブリッド状態。昭和~平成の日本の描写が見事、だったのだけれどただ一点、カタカナのーは縦書きにした時にはーでなく|になるのよ、ってのは誰かアドバイスできなかったのかしら? 縦文字看板が軒並み横棒状態だったわね・・・   映画を見ながら25年前に冬の日本アルプスで滑落死した元上司の事をずっと思い出していたわ。奥さんとまだ小学生だった息子さんと娘さんをのこして逝ってしまった常務。何故山に登るのか、アタシには理解できない世界だったし、今、この映画を見ても理解はできないけれど、そういう生があるんだ、っていうのは苦しさを伴って伝わってきたわ。   日本の骨太な、男臭い題材をフランスが映像化するって、今の日本の萌えまくりアニメ業界じゃ映像化するのは無理?ってなハナシではなくて今はもう世界中の才能が国境の分け隔てなく創造してゆける時代になってきてるのねって思うわ。今は人も映像も音も簡単に繋がれる世界なのだから協力しあってより良いものができたらいいわね。傍観者が偉そうに何語ってるのよ、ってカンジだけど。ごめんなさい。
[映画館(吹替)] 7点(2022-07-24 18:14:54)
29.  怪盗グルーのミニオン大脱走 《ネタバレ》 
 前作でルーシーが登場した事で愛すべきシリーズへと昇華された感があって、今回は見ている間、とても幸せな気分に浸れた、のですが、でも作品的には前作の方が好きだったなぁ、と。   前作には血の繋がりの無い者同士が家族を形作るという大きな流れが貫かれていましたが、今作は最終的には「家族っていいね」ってところに到達するものの、散漫でまとまりに欠けています。  悪党バルタザールとの戦いと反悪党同盟をクビになるグルーとルーシー。突如現れたグルーの双子の兄弟ドルー。母親として認められるために奮闘するルーシー。ユニコーンを探すアグネス。グルーに反抗し家を飛び出し騒動を起こし投獄されるミニオンズ。それぞれが密接に絡み合って1つの映画を高めてゆく、っていう訳にはいかず、バラバラ。  邦題にある「ミニオン大脱走」は本筋に全く絡まないエピソードで、ミニオン達の大活躍が見たければ『ミニオンズ』の続編に期待しましょう、って状態。明らかにキャラを広げ過ぎたようで。それを自覚してでしょう、ネファリオ博士なんか作劇上ジャマだとばかりに退場状態にしてしまいますが、ほったらかしなまま映画が終わってしまって唖然。  ドルーは本当はもっと重要なポジションだった筈でしょうに、立ち位置も性格もハンパ。もっと振り切れたキャラで良かったんじゃないかと思いました。   それでもグルーと三姉妹(孤児院出身なので本当は血の繋がりは無いと思いますが)とルーシーとミニオンズ、その世界の更なる続きが見られる事は幸せですし、オモチャ箱みたいなガチャガチャした感覚は健在。  それに今回は80年代のヒット曲満載で世代的にツボでした。   次が楽しみなシリーズ、ですが、これまで3~4年に1作ペース、次は一体いつになるんでしょうねぇ・・・
[映画館(吹替)] 7点(2017-07-23 18:45:13)(良:1票)
30.  家族はつらいよ2 《ネタバレ》 
 安定のキャスト陣による安心な続編、と思いきや、今回かなりブラックになっています。映画が死の方を向いているんですよね。老いて確実に近づいてくる死に対して向き合う映画。前作にもその匂いはありましたが、今作はストレートに死を描きます。何しろ火葬場に向かう棺桶からの主観、火葬される棺桶の主観という2つの「死者の視点」が描かれているくらいで。あれ、かなりドキッとする画で。   前半、運転がおぼつかなくなってきている周造の描写によって事故による死の影がチラつき、後半になると旧友の死という全く別方向から死が直接的に描かれます。  幾つかのひっかかりどころはあります。脚本上ジャマとばかりに早々に富子を海外に送り出す事で物語から退場させたり、幾つものエピソードが投げっぱなしでなんの回収もせずに終わってしまったり。え?そこで終わり?みたいな状態で。でも、その唐突な終わり方が「さあ、自分なりに色々と考えてみろ」という余韻の残し方のようでもあって。  免許と車の事、富子のベッドの事、丸田の遺骨や遺族の事、憲子の母と祖母の未来の見えない生活の事。解決されないままにプッツリ終わって映画館を放り出されて、映画と繋がる自分の現実と対面する事になる、みたいな。そういうのを実感できる世代の人に向けて作られた映画なのだなぁ、と。  せめて笑って死にたい、少しでも幸せを感じて死にたい、そういう死に方についての映画ゆえ、もちろん希望に溢れたキラキラした映画じゃありませんが、お馴染みのキャストによって見易く、受け入れ易く出来てる、そんな印象を受けました。   ちなみに丸田の死因は具体的には描かれてませんでしたが(心臓が悪いという説明はありましたが)、あれ、銀杏中毒だと思います。いくらなんでもあそこまで銀杏食べたらヤバいっす。マジで。
[映画館(邦画)] 7点(2017-06-04 21:03:13)(良:1票)
31.  彼らが本気で編むときは、 《ネタバレ》 
 ふんわりとしたタッチの中に偏見や差別、育児放棄といった問題が編み込まれていて、その弱者であるがゆえの脆さが心に痛い映画。   LGBTのカップルと育児放棄された子供の共同生活というと『チョコレートドーナツ』を思い出しますが、この映画では登場人物達は差別や偏見と戦いません。ひたすら耐え忍ぶ、逃避する、やり過ごす・・・当然、勝利する事はありませんし、ゆえに勝利のカタルシスもありません。  途中でトモが台所洗剤で攻撃するシーンに爽快感を覚えたりするものの、それは間違った事として否定されますし、リンコが男性病棟に入れられた事を差別だとして怒るマキオに対しても何の対応もされません。自殺未遂のトランスジェンダーの少年に未来が開ける事もありませんし、最終的に誰かが救われる事もありません。  もっと世界と戦っていいんじゃないか? あまりに被虐的なんじゃないか? とも思うのですが、この中で勝利した事で現実の世界で何かが変わる訳ではありませんからね。カタルシスはそこで完結させちゃうためのものですし。   リンコと母、マキオと姉、その姉、トモと母、少年と母、それぞれの関係を通して、家族だけは理解し、味方になってあげなければならない事が強く示されます。社会や世間がいかに無理解で、牙を剥いてこようとも、家族が理解し、居場所があれば生きてゆける、と。徹底的に父性が排除されている点にどんな意図があるのかはちょっと理解し難く気になりますが。男はマキオや老人ホームの年寄りを見てもただのガキとしての立ち位置しかないような感じ。   残念ながら生田斗真が『予告犯』や『グラスホッパー』や『秘密』の生田斗真その人、リンコというキャラを演じてる人にしか思えなかったのは、私の想像力の欠如が原因かな。でもそういう人の「演技」はそうだよね、っていう感じで、ナマのそういう人の感覚がどうにも薄かった気がするのですよね。   世界が理解を示してくれればいい、けれどそれはあまりに遠い道、ある意味絶望的、ならば理解ある人だけで繋がる世界であっても仕方ない・・・って、それは色々な偏見や差別と同じ地平に繋がっている訳ですね・・・
[映画館(邦画)] 7点(2017-02-28 23:26:11)
32.  家族はつらいよ 《ネタバレ》 
 どうも山田洋次監督の作品ってあまり得意ではなく、これもまた昭和の古びた笑いを見せられるんだろうなぁ、って思っていましたが、考えてみれば私も昭和の人間でしたね。   橋爪功が笑える爺を好演して、とてもいいです。ロクでもない爺さんなんですが憎めない。この爺さんをめぐる人々のドタバタ喜劇、いや昭和の笑いだって悪くないよ、と。   『東京家族』とキャスト丸カブリってどうなの?って思いましたが、対を成すような作品でその違いを楽しむ作りになっていました。   とは言えあちこちに散りばめられた自作パロディや(本広克行作品か?っていう)、お年寄りに媚びてますってのが丸出しのネタ(正蔵が三平の「どうもすいません」をやってみせる、っていうね)なんか、それはどうなのよ?って。そもそも橋爪功と吉行和子の夫婦っていうのは元々和泉聖治作品の『お日柄もよくご愁傷さま』『大安に仏滅!?』っていうのがありますし、『おとうと』『東京家族』『母と暮せば』と最近の山田洋次作品はオマージュというか再生産というか、新しいものを立ち上げようって気は感じられないよねぇ、って思ってしまうのも正直なところで。  『東京家族』とこれと、妻夫木聡と蒼井優の二人に次代に繋がる希望を託している感じがありますが、ならばいっそ二人をメインに据えた作品を作ってもいいんじゃないかなぁ。
[映画館(邦画)] 7点(2016-04-08 20:57:51)
33.  カンフー・パンダ2 《ネタバレ》 
前作は擬人化された動物達が、なんだか妙にマジメにカンフー映画してみましたって感じがどうもしっくり来なかったのですが、今回はアクションシーンに高低差やスピード感を駆使した様々なパターンを盛り込んで全く飽きさせません。前作が『酔拳』のアニメ版ならば、今回は『プロジェクトA』のアニメ版みたいな感じで、スケールも大きくなって。ただ、主人公を苛ませる過去の暗い記憶は、映画全体のトーンを重くしてしまっている感じがしますし、そういうドラマを堪能するほどにはキャラクターに魅力があるとは思えないのですよね。それは前作でも感じた事なのですが、今回、前作で既に作られたイメージがあるためか、パンダ以外にキャラクターをもう少し掘り下げてくれるという事は殆どしてくれてなくて。タイガーの過去が思わせぶりに暗示されはしても、それはまた続編で?みたいな状態ですし。元々ジャック・ブラックって人があまり好きではないがゆえに、その人に寄ったキャラクター造形であるって時点で上手く馴染めないのかもしれませんが。一方で映像表現に関してはもはや言う事のないレベルではあります。影絵タッチのオープニングとエンドクレジットの雰囲気もいいですし、本編の描き込まれたCG世界を3Dで駆け抜ける感じも見事。ドリームワークスアニメーションの3Dは効果的な見せ方を判っている感じで常に他より一歩先んじているように思えます。競いあって成長してゆくアメリカのCG業界は凄いなぁ。
[映画館(吹替)] 7点(2011-08-21 14:35:18)(良:1票)
34.  風が強く吹いている 《ネタバレ》 
オーソドックスと言うよりは古臭い映像や音楽も、クサさ連発のセリフも、小出くんのずーっと作り物臭さが鼻に付きまくる演技も、映画が語る熱さの前では致命的な欠点ではない感じがしました。ただ、映画全体の半分以上を占める予選~往路~復路が合わせて全部クライマックスって状態、見ている方のテンションが維持できないよ、と。予選が決するあたりがピークで、あとむしろテンションが下がっていっちゃいます。これまで注目もされなかったチームが、箱根駅伝出場が決まった事で俄然注目される事になる、そこでばーっと盛り上がっていいハズなんですけど、その前で盛り上がっちゃいましたからねぇ。すぐに駅伝本番へと至って、そしてこの駅伝部分、ロケは非常にしっかりしてるんですが、ドラマ的にはなんだかとてもありきたり、古臭さ、クサさがここにきて裏目ったかぁ、って。映画半分くらいを占めているのにワリとフツーなドラマで駅伝自体はあっさり終わっちゃう印象なんですね。もう映画の最初から駅伝スタートさせて、全部回想でやった方があっさり感は防げたかも。あと、大学対抗駅伝を素材にしながら安易に「悪」の存在を設定しちゃうのは気持ち良くないです。お笑いに走るのならともかくネチネチと。こういうのってお互いフェアにやってこそでしょ。最後の2人の走者がドラマ的にクドくてかえって醒めちゃう存在で、そこら辺は相当惜しいんですが、一切退屈はしなかったので、無難に楽しめる映画ではありました。
[映画館(邦画)] 7点(2009-11-12 21:09:19)(良:1票)
35.  河童のクゥと夏休み 《ネタバレ》 
原恵一作品という事でどうしても期待してしまいますが、良くも悪くもマトモな佳作アニメ止まりでした。前半の、上原家内や康一の生活範囲内だけで描かれる世界は楽しく弾んでいてちょっとした描写にまで凝っていて感心するものの、マスコミが絡み始めてからの展開になると、どんどんと作画は崩れるし、演出の間が悪くなってゆくし、展開が間延びするしで、雑な印象になってしまうのが残念です。物語の構造が80年代に濫造された『E.T.』フォーマットものの枠内に納まってしまっているのも意外性に欠けてしまいますし。それに多分、今回も宮崎アニメや『クレしん』映画と同様、脚本なしでコンテから直接作業に入っているのではないかと思われますが、進行がいびつになってしまっている気がして、見る前に2時間18分って大丈夫な尺なのかなぁ?と思ったのですが、結局のところやはり大丈夫じゃなかったなぁ、と。あと20分削れたでしょう。後半の演出の間の悪さと、デザインも描き方も違う作品なのに『クレしん』的作画になってしまう状態に、ああ、途中で力尽きたんだなぁ、みたいな。疎外されてゆくものの気持ちを大切に描いていた筈なのに、最後の方でキャラに唐突にテーマとして喋らせてしまったり、自然を大切にしてない人間がいかん!と説教臭くなってしまうのもどうかと(そもそもエコロジー映画は資源を大量消費して成立するアニメーション映画という形式との矛盾を抱えてるのですよね・・・)。でもクゥは可愛かったし、ワクワクできたし面白かったしで、期待したほどではないけれど・・・という感じかな。
[映画館(邦画)] 7点(2007-08-05 17:29:09)(良:2票)
36.  頑張れ!グムスン 《ネタバレ》 
母親の自覚ゼロな若い主婦が、ぼったくりバーに囚われてしまった夫を取り戻すべく、赤ちゃんを背中に夜の歓楽街を駆け巡る混乱劇。タイムリミットは義父と義母がやってくる早朝まで。基本的にバカ映画。ゴタゴタした展開と沢山の登場人物で盛り沢山ですが、バカさ加減を楽しめないとツラいですか。色々なエピソードを散りばめつつ、それぞれにきっちりケリを付けきってないのが残念ですね。一応エンドクレジットでその後が描かれるんですけど、登場人物のエピソード全てにオチが付いてる訳じゃないですし。あと「花嫁はギャングスター」を見てないと判らないようなネタもありますが(あのシリーズで白鮫を演じていたチャン・セジンが意味ありげに出て来ますが・・・)。赤ちゃんを背負っている、っていう状態がキーになって物語が動いてるんですが、肝心のクライマックスで赤ちゃんを背中から降ろしてしまっているのは失敗かなぁ。あの展開ではさすがに背負ってたら無理がありますけど、あれだけ引っ張ったのならば、そこも赤ちゃんをキーにした展開にすれば良かったんじゃないかと思います。でも、ペ・ドゥナがボロボロクタクタになりながらもずっと魅力的で、母親としての目覚めとか妻としての自覚とかいうメッセージを描こうとしつつ描けてないような欠点も、彼女の魅力の前ではどうでもいい事のように思えてしまいます。描かれているのはたった一日の出来事ながら、色々なパターンの彼女が見られます。ペ・ドゥナ主演のバカ映画、ってキーワードでピクッ!と食指が動く人ならば、楽しめるんでないかな。
[DVD(字幕)] 7点(2006-12-24 01:07:41)(良:1票)
37.  亀は意外と速く泳ぐ 《ネタバレ》 
「あずきパンダちゃ~ん」が頭の中で延々とリフレインしていて、こりゃヤバいです。私の中の貴重な記憶領域に『人生におけるどうでもいい記憶』として「あずきパンダちゃ~ん」が書き込まれてしまったワケですね。あーあ。さて、映画は小ネタをいっぱい盛り込んだバカ映画でした。フツーじゃない人を描く映画は、対比のためにフツーの人をフツーに描かないと面白くならないって思ってるんですけど、この映画に出てくるフツーの人はちっともフツーじゃないので、この状況じゃあ何が起ころうが、意外性はなーんにもないじゃん、なんて思ったり、だけどそもそもフツーって何よ?という映画だったりするので、これはこれでありなのかな。ただ、スズメとクジャクのコンビが楽しくて、映画としてはむしろそっちをメインにしてくれたらなぁ、なんて。この二人のはっちゃけたシーンに比べると、本筋の方はそこそこな展開で、そこそこなオチに落ち着いちゃって、公安もスパイ話もそこそこで終わってしまうので、せっかくのフツーじゃないフツーの人達の映画がそこそこじゃあ、勿体ないでしょ?と思いました。クジャクの存在が大胆に絡んでくればなぁ。あのキャラがあんなオチってのも勿体ないです。って事で続編を希望。
[DVD(邦画)] 7点(2006-09-07 01:11:42)
38.  カーズ 《ネタバレ》 
うーん、複雑な気分です。これまでのピクサー作品よりも、素晴らしさとガッカリの落差が激しい感じ。美術センスは最高ですし、物語もベタだけどいい。キャラクターもいろんなパターンがあって魅力的。でもね、このキャラに普通の映画のようなドラマを維持させようとする事が無謀だと思うんです。CGアニメの限界点を弁えきれてないように思え、だから全体的に間延びした印象を受けちゃう。手描きアニメにしろCGアニメにしろ、役者としては大根なんですよ。表情や仕草で人の機微までも表現できるほどの表現力はないワケで、だからまんま映画みたいな文法を当てはめる行為が適切とは言い難いのですよね。もう少し彼等に相応しい舞台というのがあった筈です。あとは、動きが軽すぎるせいなのか、モデリングに問題があるのか、サイズ感覚にバラつきが感じられました。一応、実車と同じサイズ、って考えていいんですよね? だけど小さなオモチャにしか見えないカット多数。ボディに対して大き過ぎな目がいけないのかな? ベッタベタなアメリカンのノリは、これはこれでいいでしょう。世界の子供達の目にどう映るのかは判りませんが。個人的には双子のミーハーっ子が昔の私の愛車と同じ車種だったのが嬉しかったですね。
[映画館(字幕)] 7点(2006-07-16 23:49:03)
39.  カルメン故郷に帰る
映画がカラーで世界を描けるというのは、今となっては当然、当たり前なのですが、それって素晴らしい事なんじゃない?というのを実感させるような、最近の映画はカラーである必然すら存在しない気がしてしまうような、色が鮮烈な印象に残る映画でした。当時のフィルム、プリントは現在とは方式自体が違うので着色感が強いのも原因ではあるのですが(逆にあのタッチを今のフィルムで再現するのは不可能でしょうねぇ)。物語の方は、田舎の色の中に都会の色が入り込んで騒動を起こすというコメディですが「幼い頃、牛に蹴られてパーになっちゃったリリイ・カルメン」こと高峰秀子がとても魅力的で、逆に、翻弄される田舎の人々の保守的な思考は、ちょっと今の時代にはツラいかなぁ、なんて(これを見たのは今から20年前の松竹系の劇場でしたけど)。もっとも田舎を持たない私には、ちょっと憧れの世界でもあります、故郷に帰る、って。
[映画館(邦画)] 7点(2004-02-04 11:22:53)
40.  カラー・オブ・ハート 《ネタバレ》 
赤狩り時代のアメリカや、ファシズム、カラー=有色人種といった、色々な象徴を内包しつつ、変化してゆく事、変化を受け入れてゆく事で世界が広がるという、ファンタジーっぽいけれど、実は深いテーマが刻まれてる映画です。私としては、この世界の純朴さの象徴であるカフェのオーナー、ジェフ・ダニエルズが印象に残りました。ただ、気になったのは、この世界、変化してゆくことで、プレザントヴィルの外側の世界ってどうなっていったんでしょ?という事。そこは具体的に描かれてませんでしたが。パラレルワールドとして現実と同じような世界が存在しています、って事なのかなぁ。
[映画館(字幕)] 7点(2003-11-30 13:53:08)(良:1票)
080.32%
1220.87%
2421.67%
31234.89%
431912.67%
548419.23%
654521.65%
745518.08%
829811.84%
91827.23%
10391.55%

全部

■ ヘルプ
© 1997 JTNEWS