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あにやん‍🌈さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

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コメント数 2517
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ホームページ http://coco.to/author/aniyan_otakoji
自己紹介 レビューを相当サボってしまってるの、単に面倒になっちゃってるからなんですよね。トシのせいか、色々とメンド臭くなっちゃって。
映画自体、コロナ禍以降そんなに見に行かなくなったのだけど、それでも年に70~80本は見てるワケで(でも今年は50本行かないかな?)、レビュー書けよ自分、って思ってる、でもなんか書かない、みたいな。
これからは今までよりも短文でレビューを上げてゆきたいな、と思う次第であります・・・微妙だけど。.

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21.  華麗なるギャツビー(2013) 《ネタバレ》 
 この映画のオリジナルな良さ、という点においてなんか微妙な感じがして。   秀逸なのは街の人々の生と死を見おろす眼科医の看板の目なのですが、あれは原作から存在しているものなので(ちゃんと宝塚版にも存在してますし)、忠実な映像化以上のモノではない気がしますし。   バズ・ラーマンのチカチカするような賑やかな画、あの紛い物みたいなインチキくさい作りが好きではあるんですが、それが今回は必ずしもいい方向に転んでいるとは思えないんですよね。  今回はむしろちゃんとした時代設定の元で、忠実にアール・ヌーヴォーからアール・デコへ至る美術で飾られた世界が見たかったです。   ガチャガチャと賑やかなせいで、妙に全体がペラペラな印象で、ギャツビーがやたら幼稚な人間に思えてしまいました。  金や地位に群がる連中の空疎なから騒ぎは(過剰なくらいに)描けていても、その間に吹く虚しいすきま風や本心から求めていたものに関する描写は通り一遍な感じが無きにしもあらず。  ギャツビーが手を伸ばし掴もうとしていた緑色の光、あれがもうちょっとだけギャツビーと観客を誘う役割を担っていたら良かったように思います。   それにしても最近のディカプリオはどうもジャック・ニコルソン化してきているような気がして仕方ないです。
[映画館(字幕)] 6点(2014-02-14 21:15:06)
22.  かぐや姫の物語 《ネタバレ》 
 「上映時間が長いのと、絵がちょっとヘタなのが難点だけど、味はあるし、静とダイナミズムとのメリハリがあって、なんか悲劇的な部分のウエイトが大き過ぎる気はするけれど、それでもこの素晴らしい世界ってテーマはいいんじゃないかと思いました。」   という感想で済むんですよ、作品部分のみをきっちりと切り取れば。だけどジブリの看板ぶら下げて、大量の資金を投入して、大量のアニメーターと下請けスタジオがこれを組み上げた、ってのがメジャーメディア作品としてどうしたって耳に目に入っちゃうわけじゃないですか。  となると「で、これなの?」って。   もちろんタッチの縛りそのものは作品世界を決定付けるものとして大切ですが、大勢のウデのある人々がわざとヘタな味を出してるわけじゃないですか。色がちゃんと塗れてないのも線がカクカクしてるのも全部わざと。それはこの作品にとって果たして最良なのか、最高なのか?って。   子供文学のアニメ化作品で言えば『まんがこども文庫』の作品ごとの凄まじいタッチとか、東映が積み重ねたまんが祭りの諸作とか(あ、『ワンピース』とかの近作は別として)、いや高畑作品で言えば『赤毛のアン』第一話の衝撃とか、そこら辺を確かに経た、積み重ねた日本のアニメーションが、その叙情性ではともかく、物量主義によるこのタッチでこれが到達点です、って言われてもねぇ。  『SHORT PEACE』と真逆のベクトルのようで実は同種の「これみよがしのテクニックによるジャポニズム」臭く感じられてしまいましてねぇ。  大体「記号化された悪しき描写」はこれだけやってみせた世界にもしっかりと刻まれてしまっていて、結局はその呪縛から逃れられてないじゃん、って。   大予算&CGでショボい特撮を再現してみせた『マーズ・アタック!』みたいなモンで、お月様からの使者だけに『ムーン・アタック!』とでも形容しましょうかね。
[映画館(邦画)] 6点(2013-12-27 21:41:19)
23.  ガッチャマン 《ネタバレ》 
 ぼくがおたくになったのは『ヤマト』でも『ガンダム』でもなく、『ガッチャマン』のせいです。なのでぼくは『ガッチャマン』にとくべつなおもいいれがあります。『ガッチャマン』はいつもてつじゅうメカとたたかうおはなしでしたが、そのはいけいにはかなしいドラマがたくさんありました。それにすっかりみりょうされました。   そんな『ガッチャマン』がえいがになるというのでたくさんのふあんとちょっぴりのきたいをいだいていました。   今日見たえいがは、なんだかとてもざつでいいかげんなつくりでした。えいぞうやエピソードがとびとびでちっともつながってなくて、いちいちとうとつです。でもしんせつにセリフでぜんぶせつめいしてくれます。だからとてもセリフがいっぱいです。  あと、たいへんなときにラブラブなおはなしをしたり、ピンチのときになぜかてきから目をそらしたり、しんじゃいそうなぎりぎりの時までおはなしすることにむちゅうだったり、やっぱりゆとりせだいというのはちがうんだなぁってかんしんしました。   いろいろなことをつっこみたいえいがでしたが、なんといってもいちばんこまったのは、まったくちっともぜんぜんおもしろくないということでした。つくりてのあいがないというのはかなしいことなんだなあとおもいます。   やっぱりぜったい『ガッチャマン』のほうがおもしろいとおもいます。今日みたえいがはたぶん『ゆとり戦隊アホレンジャー』とかいうえいがだとおもいます。   それで『ガッチャマン』のえいがはどこでやっているのでしょうか?  それともえいがになるってゆめで見たのだったかな?
[映画館(邦画)] 1点(2013-08-24 22:50:50)(笑:6票) (良:3票)
24.  風立ちぬ(2013) 《ネタバレ》 
 このところ、仕事中にぼーっと考えていた(仕事自体はルーチンワークなもので)事を幾つかの作品に分けて文章化しようかと。なのでこの作品については全面改稿します。   『風立ちぬ』にはジブリ作品としては初?、暗喩でなく明確にセックスを描いた初夜のシーンがありますが、思わず苦笑してしまったアレは絵として『風の谷のナウシカ』でテトを守るためにナウシカが胸を開いて中に導くシーンと全く同じなわけで。   つまりあそこはエロティシズムとは無縁の子を守る母の視点、「ここに来てお母ちゃんのおっぱいを吸いなさい」って事で。   宮崎アニメの女性像は明確に2つに分類されます。少女と母。男が守るのは常に少女の方で、その男を内包するのが母の役割。  そして、母ポジションのキャラはいつもおっぱいが大きく描かれてます(モンスリーとかクラリスとかナウシカとかドーラとかオソノさんとかエボシ御前とか。ちなみに悠子とかリサとかの母親失格な母親キャラのおっぱいは小さく描かれてるんです)。もちろん、少女から母へと役割を転じてゆく『ハウルの動く城』のソフィーのように両者の間に存在するキャラもおりますが。  毎度ロリコンとマザコンを明確に打ち出す宮崎アニメの潔さ(笑)   男は外では常に夢を追い、だけど家に帰ったらママの大きな胸に抱かれて眠りたい、今回の映画はそういう願望の集大成ってところでしょうかねぇ。なので、ゼロ戦がどうの、戦争がどうのではなくて、もっとそれ以前の話。普遍的なようでミニマムかな。  それが宮崎アニメの魅力なのかもしれないですし、そしてそれを頂点とする今の日本のアニメの限界。   よくアニメファンは海外アニメを見て「外国人は萌えが判ってない」とか言いますけど、盲目的にソコに停滞しちゃってる童貞臭漂わせた状態が正しいとでもいうのでしょうかねぇ?
[映画館(邦画)] 6点(2013-07-22 15:00:31)
25.  鍵泥棒のメソッド 《ネタバレ》 
メイン3人は性格の違いこそあれ、いずれも「メモを取る事によって計画を立てる人間」だったりします。そのメモは設計図でありシノプシスでありプロットであり台本であり、つまりそれぞれが「そういう人を演じる事」を常に前提として生きている訳です。日頃から演技をして生きている3人が、更に違う人間の演技をするハメになるというのがこの映画のポイントで、そして見どころなんじゃないかな、って。誰だって多かれ少なかれ日常の中で自分を演じている訳で、でも、じゃあ演じる必要のある無しってどう判断すればいいんだろう?自分にとって大切な事はその演技の中と外とどちらに存在するんだろう?と。そんな日常の中の「人間としての演技」を面白おかしく拡大してヒネって見せてくれるこの映画、大変に楽しませてもらいました。記憶を無くした殺し屋、彼が模索する「自分」に対する違和感が生み出す笑いを香川照之が絶妙な演技で醸し出します。脚本上の仕掛けも上手く機能していてスキが無く。ただ、ちょっとヤクザ部分にザラついた感じがしてしまったのは荒川良々という、およそヤクザの親分には見えない人を起用したためでしょうか。逆に妙なリアリティが出てしまって、このお伽話の世界からややハミ出しているようにも思いました。あと、堺雅人は毎回困った笑顔だけで通っちゃう役柄ばかりですね。も少し幅は無いのかな? 何はともあれ見終わって素直にああ面白かったと思えたこの映画、脚本と、そして何と言っても香川照之の勝利ではありました。
[映画館(邦画)] 8点(2012-09-28 23:39:14)(良:1票)
26.  崖っぷちの男 《ネタバレ》 
画面から片時も目が離せないって感じでとっても面白かったです。何も判らない状態から1つ1つ映像を重ねて1つ1つ謎が明らかになっていって。その薄皮を剥いでゆくようなエピソードの積み重ねに惹き付けられます。そして事実が(ほぼ、大体)明らかになってからは上手く行くのかどうかのサスペンスにハラハラして。ツッコミどころは多めですしクライマックスが結局は力技と運による解決っていうフツーな状態になってしまっていたのは残念でしたが(せっかくあそこまで作戦練ったのだから、あくまでその作戦の枠の中でスッキリ終わらせて欲しかったな)、オチの「そう来たか!」ってところまで含めて単純に「ああ、楽しかったわぁ」って。サム・ワーシントンってちっとも顔が覚えられないくらいにジミな感じがしないでもないのですが、こういう題材にはむしろ合ってるかも。一見弱々しい自殺志願者って。個人的には『ショーシャンクの空に』や『ダイ・ハード2』で個性的なカオを見せてたウィリアム・サドラーが今回もまた個性的なカオで印象に残りました。主役が一つ所からほぼ動かないサスペンス映画としては『裏窓』の系譜に分類されるのでしょうか。こちらはずっと窓の外側でしたけどね。
[映画館(字幕)] 8点(2012-07-08 13:07:03)(良:1票)
27.  カウボーイ&エイリアン 《ネタバレ》 
インディ・ジョーンズと、その元ネタとなったジェームズ・ボンドが共演し(初代との共演が『最後の聖戦』ならば、こちらは最新ボンド)、『未知との遭遇』のように空を見上げる人々、空の光、『宇宙戦争』のように巻き上げられる人々、父と子の物語、言葉でのコミュニケーションが上手く取れない人々が意識で連帯してゆく、ついでに女性としての魅力に薄いヒロイン等、この映画はスピルバーグ的エッセンスで溢れています。が、いかんせん映画そのものの出来がとても薄味。物語的に面白い仕掛けがある訳でもなければ、刺激的で斬新なビジュアルがある訳でもなく(西部劇とSFという、ビジュアル的に大きなハッタリをカマせる設定なのに!)、予想の範囲を下回る凡庸な物語が退屈に続いてゆくばかり。大スターを起用したビッグバジェットの映画ではありますが、この脚本ならば低予算のB級映画でも大丈夫なレベルでしょう。クレジットされていた大勢の脚本家達(調べたら8人!)は一体何をしていたのやら。「このカウボーイ、敵か味方か?」って予告編のキャッチフレーズに『エキセントリック少年ボウイ』の「♪敵か味方か、カーボウイ♪『敵かなぁ?味方かなぁ?』」って松ちゃんのキャラを思い出しましたが、そもそも映画の方は敵も味方もへったくれもなくって、人物の背景に興味を持てるだけの物語でもなかったのに萎えました。スピルバーグ諸作リンクな部分だけは楽しめたので、点数はこんな感じで。
[映画館(字幕)] 5点(2011-10-30 16:19:51)(笑:1票)
28.  神様のカルテ 《ネタバレ》 
櫻井クンのおばさんパーマがヘン!っていうのが予告編での印象でしたが、本編見たらキャラごとヘンでした。文学志向の強い浮世離れした医師って設定で通すのが、いくらなんでも無理過ぎ。そのヘンさに付き合う形で妻もヘン、住まいの人々もヘン、って。時代錯誤も甚だしく、幾らなんでも今時あり得ないって!って状態で。よくもまあ、あんな虫酸が走るようなセリフを平然と吐けるモンだって、ツッコミ入れるよりちょっと気持ち悪く感じるレベル。それに呼応するように物語もまた今時こんな古臭い題材のみでよくもまあ物語1つ作れるなぁ、って状態で。医術と情の間で揺れ動く医師、患者への思い入れ、患者死んじゃって悲しい、って、いやいや、それは今の時代に普遍性とかいう言葉でまかり通るようなモノではありませんよ?みたいな。とにかく、キャラにちゃんと魂が入ってない気がするんですよ。映画見ていて、いつまで経ってもキャラに愛着も共感も湧かないの。みんなの生い立ちや生活環境が説明不足過ぎって点も問題があるんですが、そういうつまんないキャラとして設定した上で、でも実は、ってところをちゃんと組み立てる事ができてない感じで。この映画である程度、活き活きと生きたキャラになってるのって看護師ばっかり。池脇千鶴の、ちょっと生々しい存在感なんか良かったです。んで、あとは風景を捉える映像が良かった、って、それだけ。こういうダラダラした映画を作るんでなくてさ、もう少し今の時代に見えてるリアルな医療の現場の問題ってのをしっかり反映させて欲しかったと思います。自分も医療とか病院とか医師とかに悩まされた経験があるワケで、なんかこの映画、とってもヌルく映るのよ。
[映画館(邦画)] 4点(2011-09-01 21:18:33)(良:1票)
29.  カンフー・パンダ2 《ネタバレ》 
前作は擬人化された動物達が、なんだか妙にマジメにカンフー映画してみましたって感じがどうもしっくり来なかったのですが、今回はアクションシーンに高低差やスピード感を駆使した様々なパターンを盛り込んで全く飽きさせません。前作が『酔拳』のアニメ版ならば、今回は『プロジェクトA』のアニメ版みたいな感じで、スケールも大きくなって。ただ、主人公を苛ませる過去の暗い記憶は、映画全体のトーンを重くしてしまっている感じがしますし、そういうドラマを堪能するほどにはキャラクターに魅力があるとは思えないのですよね。それは前作でも感じた事なのですが、今回、前作で既に作られたイメージがあるためか、パンダ以外にキャラクターをもう少し掘り下げてくれるという事は殆どしてくれてなくて。タイガーの過去が思わせぶりに暗示されはしても、それはまた続編で?みたいな状態ですし。元々ジャック・ブラックって人があまり好きではないがゆえに、その人に寄ったキャラクター造形であるって時点で上手く馴染めないのかもしれませんが。一方で映像表現に関してはもはや言う事のないレベルではあります。影絵タッチのオープニングとエンドクレジットの雰囲気もいいですし、本編の描き込まれたCG世界を3Dで駆け抜ける感じも見事。ドリームワークスアニメーションの3Dは効果的な見せ方を判っている感じで常に他より一歩先んじているように思えます。競いあって成長してゆくアメリカのCG業界は凄いなぁ。
[映画館(吹替)] 7点(2011-08-21 14:35:18)(良:1票)
30.  カーズ2 《ネタバレ》 
メーターが大変にウザいキャラなんで、そんなのが主役になっちゃってる状態が見ていてツラく。マックイーン主役でいいじゃん。前作では擬人化されたクルマに人間的なドラマを語らせるほどキャラにちゃんとした魅力が生まれてないって感じがしましたが、今回もまた同じ。擬人化されたクルマが演じるスパイアクションって、別にクルマである必然性がない気がします。キャラが単にクルマなだけで、この作品ならではの独自性のある、魅力ある物語が展開する、って訳ではないので、ワリとダレ気味。会話が空回りする、展開が空回りする、そんな要素ばかりで構成されていたら、そりゃイライラもします。黒幕は誰だ?みたいなミステリー要素はまるで謎として機能しちゃいない、無駄とも言える状態でしたし。上映時間をもっと切りつめてタイトにまとめたらまだ良かったと思うのですが。3Dの立体感は、ピクサーもやっとこさこのレベルまでは来たか、って感じなものの(『カールじいさん』『トイストーリー3』と、3Dの必然が薄かったですからねぇ)、もう少しレースシーンにちゃんと活かして欲しかったです。マックイーンと共に、レースの存在があまりに傍流過ぎちゃってて。日本語吹き替え版で見たので、エンドクレジットで大音響でフルに流れた『ポリリズム』が唯一の感動ポイントでした。
[映画館(吹替)] 5点(2011-08-02 21:07:16)
31.  GANTZ:PERFECT ANSWER 《ネタバレ》 
今回も前作同様、また楽しませて頂きました。原作を知らないがゆえに、何がどうなってそういう事になってるの?っていう興味をずーっと引っ張って行って。もっとも、今回、そのワクワク感があったのは松ケン復活までの前半部分までかなぁ。星人との戦いの描写が少な過ぎではありましたが、地下鉄内での戦闘なんて笑っちゃうくらいの頑張りっぷりで。それが後半の、由里子嬢がターゲットになって、ってあたりから、ワクワクではなくてイライラが生じてきて。それまで星人をターゲットにしていたGANTZが彼女をターゲットに指定する意味が説明されてはいても納得はできなくて。そこで生じる葛藤や仲間割れもドラマになってゆかず、由里子嬢の「すげー生命力だな、おい」って末のドラマもニノがなんとなく流してしまってる感じで「それでいいの?」みたいな。あとね、蛇足ですが同じ週に『婚前特急』を見てしまっていて、清純なフリして猛禽なヒロイン、六股目だよねー、って感じに見えてしまったのがなんともかんとも・・・。で、結局のところ、星人って何? GANTZって何? ついでに山田孝之の存在意義って? っていうのが全然語られないままに終わっちゃったりするんですが、じゃあ、納得できなかったかって言うとそうでもなくて。死人が甦るっていう部分を始めとして結局のところファンタジーなワケで、最後も寓話としてキレイにオチてるんじゃない?と。前後編を通じて今の時代を映すファンタジーとしてイイ感じの作品として成立していると思いました。色々ガチャガチャとした映画ですが、ココロを語ってますもんね。
[映画館(邦画)] 8点(2011-05-09 20:36:59)(良:1票)
32.  ガリバー旅行記(2010) 《ネタバレ》 
散りばめられた映画パロディとか様々な固有名詞の羅列によってアメリカンナイズされてゆく世界とか、笑えはするのだけれども、本当に見たいのはこういうモノとは違うよね・・・って感じで。現代アメリカを基準に翻訳された物語は、視野がアメリカのライフスタイルに限定されるがゆえにあまりに表現の幅が狭く、その上ジャック・ブラックという俺様的個性の強い存在が更にそれを狭めているようで、普遍性などとは無縁の一発芸映画。ここまで矮小化されて一過性の作品として送り出されてしまうと、もう少しちゃんと作ろうよ、って思ってしまいます。ファンタジーですからサイズの違いによる質感の差なんてところまで拘ってケチ付けるつもりはありませんが、CGのレベルがやたらに低い(お姫様を救って掌に乗せるシーンやロボットに吊り下げられるシーンでの不自然な合成っぷりは前世紀レベル)あたりも「ちゃんとしてない映画」って感じを醸してしまって。それに短すぎな上映時間はキャラクター造形もドラマも世界の背景も全てが申し訳程度にしか描かれず、映画全体が目の前をササッと通り過ぎていったようで。ガリバーが触れる驚異の世界を、最新技術できっちりがっつりと見せてくれる「ちゃんとした映画化」が良かったんだけどなぁ。それでも退屈はしなかったのでこの点数で。
[映画館(字幕)] 6点(2011-04-21 20:59:28)
33.  GANTZ 《ネタバレ》 
あんまり期待していなかったのですが、かなり楽しめました。グロな描写は全く好みではありませんけど、原作を読んでいない事もあって、単純に「一体どうなってるんだろう?一体どうなるんだろう?」ってワクワクできたのが良かったのだと思います。そりゃ、不自然と言うかツッコミどころは多々ありました。転送されるタイミングに差があるのが意味不明とか、博物館での戦闘で松ケンが前に出てるニノがジャマ!って言ってたけど、あんだけのサイズの敵に対してジャマもへったくれもなくね?とか。千手観音を動かすのならば、ハリーハウゼンへのリスペクトの1つも入れて欲しいところですしねぇ。手以外、ちっとも動かねーでやんの。CGのレベルは全体的に低めだし。特に転送時に体が上下に動くと途端に不自然になっちゃう。だけど、特異な状況に置かれて否応なく戦いを強いられる人々の物語、その不条理っぷりはドキドキさせられますし、絶対的に不足気味ではあっても、一人一人に与えられたドラマにも興味が湧きますし、そして、最初から最後まで全く退屈しませんでしたし。現代社会での個人の繋がりの希薄さを象徴しているのかな?みたいな感じの寒々しい描写の数々が良い感じでした。もっとも、友人が「ヒロインの事を気に入って作品的にも評価しちゃうんじゃね?」とか言ってましたけど、まあ、その通りさー。ぴったりコスがね、なんとも。お兄ちゃん達のムキムキモードは笑っちゃうケド。
[映画館(邦画)] 8点(2011-02-14 21:36:55)
34.  怪盗グルーの月泥棒 《ネタバレ》 
安定した出来のCGアニメ。悪く言うとそこそこ。スラップスティックが基本なので、もう少しスラップスティックに徹しても良かったんじゃないかと。この映画独自のルールが今ひとつ統一されておらず、受け止める方はちょっと物語を掴みかねてしまうところがあるんですよね。死の恐怖はあっても死は存在しない世界みたいな感じで。グルーと孤児達の物語はベタながら楽しく、ミニオン達は愉快で愛らしく。そして、それ以外の部分に関しては徹底的に弱く。博士や母親の存在はとてもハンパですし、敵も小物過ぎ。話が大ゴトなワリに物語は広がってゆかずに小さくまとまってしまった感がなきにしもあらずです。それに、孤児院が最終的に放ったらかしなのが気になりました。CGのレベルも他よりちょっと劣る気がしましたが、オモチャ箱みたいな世界の描き方はイイ感じでした。そのカラフルで賑やかなデザインが3Dのキワモノっぷりによくマッチしています。それにしても、『くもりときどきミートボール』『ヒックとドラゴン』そしてこの作品と、片親で、親と対話が成立せず、親に認めて貰いたいエンジニア肌の主人公って設定で共通しているのは、アメリカの男達が自信を失ってきているのか、親子関係が希薄になっているのか。
[映画館(吹替)] 6点(2010-10-29 17:47:36)
35.  ガフールの伝説 《ネタバレ》 
自然の世界をアーティスティックに捉えた映像はすっごくキレイでウットリさせられるのですが、フクロウ達の世界とは言っても人間の世界を模しただけの、元はありがちなヒロイックファンタジー、物語には特に刺激されるものがなく。それなりにスケールのある物語をタイトにまとめ過ぎているのでしょうねぇ。兄が悪に染まってゆく過程に説得力が感じられませんし、最初から優等生な主人公では成長物語にもなりません。2つの国の間の距離は最初に遙か離れた世界に思わせながら、その道程はそう長く感じられないばかりか、その後に移動する連中は苦戦していた主人公達も含めてどうもあまりに容易く移動しているように見えてしまって。移動の厳しさを描かないとスケール感がスポイルされてしまうのですよね。それに、ただでさえリアルなフクロウのグラフィックで感情移入しづらいキャラな上(リアルな恐竜がドラマを語る『ダイナソー』を思い出しました)、吹替えがあまり上手でないとなると、かなりキビシく。ちびっちゃい2匹はかわいかったのですが。この監督、どうも毎回ビジュアルが全てですねぇ。それも今回のファミリー向けな題材にはちょっと不向きなセンスだったかな。もっと子供にアピールできるデフォルメされたビジュアルが良かったんじゃないでしょうかねぇ。エンドクレジットの背景はステキでした。
[映画館(吹替)] 6点(2010-10-17 21:28:52)
36.  カラフル(2010) 《ネタバレ》 
あの馬鹿CMのせいで、映画が始まって数分でオチが判るという事態になってしまいましたが、それは映画のせいでなく。誠実な映画とか真摯な姿勢の映画とか言って褒めようと思えば褒められるんでしょうけど、ホンネで言うとタルい映画。ダラダラと説明的な映像を見せるの、まるで退屈な深夜アニメみたい。企画と脚本はいいとして、何故これがアニメで、そして原恵一監督なの? 物語は感心させられるところ、考えさせるところがあちこちにあります。割といい物語です。でも、このカタチで見るのがベストだとは到底思えません。もっといい映画にできる可能性はいっぱいあるのに、何故? 原監督の演出は前作の『河童のクゥと夏休み』同様、愚直で面白味に欠け、そここそを褒める人もいるでしょうが、自分はそんなモン褒めたくないですねぇ。もっと晒け出せよ!って。作品のキャラに求めながら自分じゃ隠してるじゃん! 作画もまた同様で、訪れるかどうかも微妙な一瞬の煌きのために延々耐えるような程度の水準のアニメートじゃ、なんのためのアニメよ? 私の地元に近い、馴染みのある世界を舞台にしていますが、その風景もアニメになる事によって生まれる魅力が感じられません。何故か『クゥ』同様、ラストで肝心なメッセージをキャラがセリフにして説明するし。アニメの殻に閉じこもるなら、それはそれでもう少し相応しい題材があるんじゃないかなぁ。アニメの可能性ってのは、こっち方向にはなくない?
[映画館(邦画)] 5点(2010-08-24 16:03:40)(笑:1票) (良:2票)
37.  借りぐらしのアリエッティ 《ネタバレ》 
小人の暮らしの、その細部にこだわった愛情溢れる描写はさすがのジブリ。たとえば液体の表面張力による粘性にまでこだわった映像表現は『ミクロの決死圏』『インナースペース』『ミクロキッズ』のどれもが成しえなかったワケで。でも、肝心のアリエッティがカットごとに顔変わっちゃってます。かつて『ナウシカ』は原画担当ごとの個性がナウシカの表情に色濃く出ておりましたが、アリエッティの場合はもう少し基本的なところにやや問題があったような気が。美術と共に5.1chを活かした音響設計が見事。最初は、彼女達が奏でる音は人間サイズのそれで、実際はあり得ないと思いましたが、彼女達に届く人間の出す音の方を巨大な、広大な空間に鳴り響く音として表現しているので、対比の方法としてアリだなぁ、と。雰囲気のある音楽と共に、音を楽しめる映画です。そして、映画の中身については・・・うーん。あんまり楽しくないんですよね。善意と悪意と、その両方が小さな一家を追いつめ、追いやってゆく。そこにあるのは、過去の破壊と現在の混沌と小さく閉ざされた未来。あのお手伝いさんは不快なだけの存在で、後半は見るのが辛い状態でした。やけに教訓が目立ってしまいますが、もっと明るい希望を感じさせる、あるいは楽しく弾んだものであっていいと思うんですよね。素材が良いだけに、ちょっと残念。
[映画館(邦画)] 6点(2010-07-17 12:49:27)(良:1票)
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