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鱗歌さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 3885
性別 男性
年齢 53歳

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1.  ガルシアの首
『ガルシアの首』と言うと、なーんとなく『ブラック・レイン』を思い起こしたり思い起こさなかったりする訳ですが(笑)。その一方で、この映画、カミュの『異邦人』を思い出させたりもするのです。この映画の主人公ベニーの行動は、確かに『異邦人』のムルソーのそれよりも、明確な「動機付け」がなされています。つまり、「金銭」であったり、「愛」であったり、「復讐心」であったり。その点では両者は異なる存在であり、「映画らしい処理」が施されていると言えます。しかし、本作のベニーもまた、この世界の秩序や制度から外れた「異邦人」には違いないわけで、実際、映画は「彼がどのような由来の人間か」という彼の「属性」については何も語りません。また、彼の行動は決して計画的とも言えず、ただ、一連の事件の流れのなかで、刹那的に、彼は漂いつづけるのみ。「ガルシアの首」を手に入れるまでの前半、「首」を手に入れてからの後半、という「折り返し」の映画構成、その終着点には激烈なカタストロフ。それは、燃え尽きる瞬間の生の輝きであり、「生きる」ということについての、逆説的で象徴的な提示であります。なぜ、この映画のストーリーはこのような顛末を辿らねばならなかったのか?と言えば、それが単に「異邦人」としての生の燃焼のひとつであったから、であり、そこには本質的な意味は無いわけで、例えば「太陽のせいだ」とでも答えるしかないのかもしれない・・・。
[DVD(字幕)] 10点(2006-02-27 22:22:51)(良:1票)
2.  カプリコン・1
先の読めないストーリー展開のオモシロさは無類で、ハイアムズ映画とは思えない(他がヒドすぎる。勿論嫌いじゃないけどね)。ハイアムズ恒例の「クルマ目線」のカーアクションも見事にキマって、大興奮。ゴールドスミス御大の音楽がたまらなくカッコよくて、『猿の惑星』と双璧をなすカッコよさ。御大、いい仕事してる!  【2009年1月4日追記】今日で冬休みオシマイ、明日から出社で気が滅入るもんで、景気づけに、1月4日にちなんだこの映画を鑑賞(ロケット発射日が1月4日なのです)。いやあ久し振りに観たけどやっぱり最高、そこそこ元気が出ましたです、ハイ。10点つけといたのはマチガイなかった。いや12点くらいに修正したいね。手に汗握るアクションとカッチョ良過ぎる音楽、それに対してエリオット・グールド演じるコールフィールド記者のノラリクラリぶりのギャップがオモシロい。大体、火星ロケットからの映像において、無重力の宇宙にいるハズのブルベイカー飛行士の目から涙が流れ「落ちて」いる事こそを指摘すべきですよね~。気付かない、それがコールフィールド記者の、良いところ(笑)。
[CS・衛星(字幕)] 10点(2003-07-06 16:28:13)
3.  カサンドラ・クロス
これは「タワーリング・インフェルノ」と並ぶ私の昔からのフェイバリット。子供の頃の私に映画の面白さを叩き込んでくれた作品です。救急車のサイレンから始まるアッと驚く冒頭、先の読めない意外な展開、そしてクライマックスへ怒涛の一点収束!あー書いてるだけで興奮してきたぞ。後のコスマトス作品を全く感じさせないこの演出のすごさ。ここぞというシーンで目のドアップのカットが入るのがとてつもない効果。恐い!あと、音楽も最高。後にゴールドスミス御大の名を知るようになってから、「あのカサンドラ・クロスのスコアが書けるのは御大以外にあり得ん!」と思って調べたら、案の定そうだった、というのもちょっとうれしかった思い出。
10点(2003-05-25 00:42:48)(良:1票)
4.  戒厳令(1972) 《ネタバレ》 
ロメロ監督の某ゾンビ映画を観た直後に本作を観ると、戒厳令下の冒頭シーンが何だかゾンビ映画にソックリだなあと。むしろロメロ映画が政治映画にソックリというべきなんですかね。それにしてもこれまた力作のこの映画。南米の某国にて、あるアメリカ人が殺害される。そこから映画は過去に遡り、彼が反政府組織に誘拐されてからの一週間が描かれる訳ですが。ただ、その描かれ方が、単純に「物語」として、事件の顛末や登場人物の感情を追いかけるものではなくて、ドキュメンタリ調の断片的なシーンがパッチワークのように錯綜的に積み重ねられていき、その中では、拷問シーンも会議のシーンも同レベルの扱い。そしてその描き方は、まるでキュビズムのように各部をデフォルメして強調し、状況のグロテスクさをえぐり出していきます。最後はまた主人公の葬儀のシーンとなり、流されるオルガン曲(バッハの幻想曲とフーガ)が感傷的な気分を醸し出すけれど、それは突然に断ち切られ、事態は何も変わっていないこと、また同じことが繰り返されるであろうことが仄めかされて映画が終わります。「これは感情の問題ではない、政治の問題である」と言わんばかりに。
[CS・衛星(字幕)] 9点(2011-01-23 08:51:28)
5.  カンバセーション・・・盗聴・・・
どこか無気味な不条理感の漂うサスペンス。このキモチワルサはどこからくるのかと言うと、おそらく、“盗聴”という題材からくる、「“音”に対する過剰な意識」と、それに伴う「“音”と“映像”の乖離」と言えるだろうか。いやとにかくキモチワルイ。「盗聴」という、現実から音を切り取る行為。“音”が現実から切り離され、ひとつの存在であることを主張し始める。一方、音を切り取るための盗聴装置の映像描写、その装置の精巧さがもたらす現実感。“現実”と、“現実”を脅かし始める“音”。しかし映像と音の乖離は、盗聴という行為そのものだけではない。カメラが固定のまま、登場人物が画面内から立ち去っても、声だけが続くシーン、そこにも象徴されている。その不安定さによる落ち着かない雰囲気が、映画全体を支配しつつ、最後に到って一気に焦点を結ぶときの衝撃。「意外なラスト」を売りにするような映画とは明らかに異なるこの衝撃は、それまでの漠然とした不安感を根こそぎひっくり返し、観る者をさらに強烈で明確な不安感へと叩き落とす、価値観の転倒の恐怖ともいうべきもの。忘れがたい映画である。それにしても、観るたびに思うのだけど、ハリソン・フォードはこの役が一世一代のハマリ役ではなかろうか(→って、それじゃあ彼の出演作は基本的に殆どミスキャストっちゅうことになるやんか)。
[CS・衛星(字幕)] 9点(2008-02-08 17:45:55)
6.  片腕カンフー対空とぶギロチン(93分版)
怪人奇人たちの奇想天外なる死闘を、カッチョよいカメラワークで描ききった伝説の名作。いくら誉めても誉めきれぬ、かといっていくらケナしてもケナしきれぬ。無駄が無いというか、無駄しか無いというか、とにかくすごいです。例えばジミー師匠が弟子に練習をつける場面が長廻しカメラで描かれる、その颯爽とした姿。例えば武術大会における死闘がロングショットで描かれ、手前には冷たく剣が林立している、その寒々とした構図。その他、視線による間接的な動きの表現、移動カメラ、ズームアップの数々。効果的かどうかは別にして(笑)、とにかくカッチョいいんだから仕方が無い。そして、映画の中身もまた、ドアホなキャラ満載の、ユメのような異種格闘技戦で、実にタマリマセン。そう、これはまさに、映画そのものが究極の異種格闘技戦と申せましょう。
[地上波(字幕)] 9点(2007-12-31 17:41:47)(良:1票)
7.  関東テキヤ一家 喧嘩火祭り 《ネタバレ》 
今回は「ごろめんひまつり」と読むんだそうです。 例によって多彩な登場人物。冷静に考えるとお馴染みのメンツが殆どのような気もするけれど、梅宮辰夫やら渡瀬恒彦やらが惜しげも無く投入されて物語は膨らむ一方。しまいにゃ、どう考えてもエキストラに毛が生えたような花屋のお姉さんまで、菅原文太の顔を見るや、「死んだ兄にソックリ」などと言って強引にストーリーに絡んできて、もう、定員オーバーです。 しかしそういう複雑怪奇な(というか、行き当たりばったり出たとこ任せの)人間関係を、物語の進行とともに見事に捌き切っている、これはまさに名人芸としか言いようがありません。 鈴木則文、おそるべし。 とは言え、渡瀬恒彦の起用は、少し勿体なかったですかね。あと、岡八郎。は、どうでもいいか。 地方の祭りの光景が映画に織り込まれていて、ちょっとトラック野郎みたいですが(実際、トラックも出てくる)、祭りの光景とリンチ・暴行が並行して描かれる凄まじさ。その勢いでクライマックスの殴り込みに突入し、銃を振り回す梅宮辰夫の姿は、前半の射的のシーンからの一種の変奏でもあるけれど、ちょっと、不良番長魂が降臨したかのような。 いやはや、盛りだくさん、でした。
[インターネット(邦画)] 8点(2022-07-05 22:23:03)
8.  関東テキヤ一家 天王寺の決斗 《ネタバレ》 
持ちギャグそのまんまでは無いですけれど、一応、冒頭から岡八郎の「えげつなー」と由利徹の「オシャマンベ」が続けて聞ける、これは貴重かも。 と、ユーモアが散りばめられてはいるものの、バイオレンス巨篇です、ハイ。「関東テキヤ一家」の菅原文太が、ひょんな事から一人、大阪は天王寺界隈にやって来て、悪徳業者の地上げ騒動に巻き込まれる。 天王寺の喧噪を高所から俯瞰したカメラは、今ならハルカスから撮影するところなんでしょうけれど、当然まだ建ってない。ハテ、当時どこから撮ったんだろうか。いずれにしても、今の天王寺とは一味違ったごった煮感が溢れてます。 それにしても、清川虹子のド迫力。ちょっと、夢に出てきそうな(笑)。 二組の「兄と妹」のストーリーへの絡め方も上手く、動きのある物語展開に、目が離せません。悪役の遠藤辰雄の如何にもワルそうな感じ、さらに小池朝雄は丸刈りで不気味さすら感じさせます。 リンチシーンあり、ブルドーザーでのバラック街破壊シーンあり、そしてラストの殴り込みシーンの凄まじさ。まさに見せ場の連続です。 一方、途中でなぜか一瞬だけ、殆ど脈絡なく舞台が高山市に移るのですが、ここでも祭りあり、雪を被った遠景の山々あり。脈絡なくてもやっぱり、いいシーンなんです。
[インターネット(邦画)] 8点(2022-03-02 22:54:44)
9.  関東テキヤ一家 喧嘩仁義
「喧嘩仁義」と書いて、「ごろめんつう」と読むんだそうです。いやあ、難読漢字ですなあ。 例によってユーモアが見られるとは言え、なかなか硬派な作品になってます。そして巧みなストーリー構成。菅原文太演じる主人公と兄弟分の関係、そしてその兄弟分には、ちょっと困った実の弟がいて。 はたまた、主人公の元カノ、と言ってよいのかどうか、演じるは桜町弘子さん。イイねえ。 主人公が岡山で世話になる親分、長門勇の飄々とした感じも忘れがたいし。さらには岡山・西大寺の奇祭、ハダカ祭りの模様もしっかり映画に取り入れられて。ちなみに大茶盛りで有名なのは奈良の西大寺。 これだけ多彩な登場人物とエピソードが盛り込まれると、最早、梅宮辰夫の出番なんて無くなってしまいそうなのですが、少ない出番ながらインパクトをしっかり残すのが、辰兄のスゴいところなのか、それとも脚本がスゴいだけなのか。 文太さんと辰兄が繰り広げる、クライマックスの殴り込みは、若干、トラック野郎魂が注入されつつ(まだ製作されてませんが)、続く殺陣の、凄まじいまでの躍動感。必見です。圧巻です。シビれました。
[インターネット(邦画)] 8点(2021-11-29 23:04:15)
10.  カットスロート・ナイン
一説には『ヘイトフル・エイト』の元ネタとも言われている、いやどう見てもそうに決まってるだろ、という作品ですね。この時点で、曰く付き、要注意のキケンな香りが。実際、これ、ツキヌケまくってる作品です。 雪山を往く幌馬車には、護送される七人の凶悪犯。そして彼らを護送する軍曹と、その娘。とあるトラブルから彼ら九人は馬車を失い、雪山行脚へ。もう一触即発、この先何が起こるか判らない。 くだんの軍曹は妻を殺された身、従って彼の復讐譚かと思いきや、物語は思わぬ方向へ、多分そっちに転がっちゃいけないんじゃないかという方向へ、どんどん転がっていく。もちろんそんな我々の不安が追い付くよりも先に物語は転がっていくので、もう誰にも止められません。 雪山を舞台にしているのがいかにもヘイトフルエイトな感じですが(当然こちらが先)、雪山といえば幻覚がつきもの、ちゃんとそういうシーンもあって雪山感もバッチリです。 そして、やたらムダに残酷な、残酷描写。いや残酷描写なんだから間違っちゃあいないんですけどね。やることもエゲツなければ、その描写もエゲツない。 という訳で、先の読めない、読むことを諦めざるを得ない物語は一体、どこへ辿り着くのか。途中、スプラッターな描写も色々とありましたが、考えようによってはホラー映画以上にホラーなラストが、あなたを待ってます。 やっぱりコレ、ツキヌケてるわー。
[インターネット(字幕)] 8点(2021-11-14 13:07:33)
11.  ガンマン大連合
一体どこが大連合なのやら、というのはさておいて、これは出色のマカロニウェスタン、シビれます。フランコ・ネロ演じる主人公ヨドは武器商人、彼がメキシコ革命軍のモンゴ将軍から受けた依頼は、トーマス・ミリアン演じるヴァスコとともに、サントス教授なる人物を連れ帰ってくること。このサントス教授という人、非暴力主義を唱えつつも、メキシコ革命において勢力の一角をなす人物で、シンパがいたりする。という訳で、ヨドとヴァスコのつかず離れずの関係に、さらに教授シンパのオネーチャンが絡み、そしてさらには、彼らを付け狙うジャック・パランスの、これでもかというくらいワルそうな顔。さまざまな人物が見事に個性と存在感を発揮し、いろいろなエピソードで映画を盛りあげてくれます。いやホント、みんな、いい顔してるんです。だから盛り上がる。なぜヨドがコインを自分にくれたのかヴァスコがこだわるのも、いくつかの伏線にもなってて(あるいは、大した意味は無いともいえる)、面白いところです。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2015-07-23 22:39:18)
12.  華麗なる一族
「心臓に毛が生えている」とはどういうことかが、よーくわかる3時間半。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2011-08-07 14:13:13)
13.  カスパー・ハウザーの謎
実在した人物カスパー・ハウザーを描いた映画。文明批判からさらには人間存在の不安をつくようなシブいテーマで、あまり救いの無い話ですが、途中「一休とんちばなし」風のユーモラスな趣向もあって、バランスが保たれています。映像で惹き付けて中身で楽しませて最後は考えさせる、よく出来た映画ではないでしょうか。
8点(2003-07-05 10:51:13)
14.  がんばれ!!タブチくん!!
昨今のテレビ番組とかで、いろいろと規律のユルかった昭和の時代を「あの時代は良かった」的に振り返ってるのも、正直どうかと思いつつ(これは私ら昭和世代が悪いんですが)、しかししかし、この『がんばれ!!タブチくん!!』なる作品が許され、メチャクチャな形で描かれている本人を含めて、皆が笑って受け入れ、素直に楽しんでた、ということを思えば、やっぱり昭和は良かったんじゃないかと(笑)。これぞ昭和を代表する作品!と言っちゃってもよろしいのでは。 一話10分くらいの寄せ集めというテレビアニメのノリなもんで、纏まりも無いし、絵の方もいたってシンプルでこれもテレビアニメ風。手抜きのようにすら思えますが、しかしそれを逆手にとったような、デフォルメされた世界観、これがやたら楽しかったりします。現実の野球選手をネタにして、現実にはあり得ないようなギャグをかましまくっているもんで、絵の方も非現実、というか超現実。シュールレアリスムですね。 絵が手抜きったって、一部のシーンではちゃんと人物の影を描きこんでいたりして、いや、手抜きなんかしてないんですよ、きっと。 西武ライオンズの対戦相手はなぜかいつも(?)阪急ブレーブスで、ピッチャーはなぜかいつもヤマダさん。アンダースローで器用に投げるシーンが器用に描かれ、実在の山田久志さんの方がよほど動きがメカニックでギクシャクしてたんじゃないか? とも思えてくる。 その他、懐かしい選手や監督が出てきますが、西武ライオンズ時代のノムさん、ってのは、ちょっと貴重なんじゃないでしょうか。 西田敏行さんによるタブチくんのアテレコは、西川のりおさんのテツの声と並んで、本職の声優ではない人が演じる名アテレコだと思います。代わりに務まりそうな人は全く思いつかない・・・ あと、ミヨコ夫人のチャーミングさってのは、アニメ界でもトップクラスだと思うんですが、どうでしょうか。
[インターネット(邦画)] 7点(2024-06-15 07:22:20)
15.  カリフォルニア~ジェンマの復讐の用心棒
『シルバー・サドル 新・復讐の用心棒』と相前後して、どうもジェンマに愛想がない。本作なんかも寡黙な役どころで、どっちかというとフランコ・ネロとかに演って欲しいタイプの主人公です。まあ、ジェンマのマカロニ・キャリアも終盤に入って、年相応の役、ではありますが。 その代わり、彼の相棒となる若造がなかなかの美青年で、コチラの方が女性受けはよろしいのではないか、と勝手に想像しつつ。 舞台は南北戦争後のアメリカ。北軍とつるんだ悪徳賞金稼ぎが、南軍兵士にかけられたでっち上げの懸賞金を目当てに、彼らをつけ狙う。という訳で、ついにジェンマの怒りが爆発する復讐劇、ではあるのですが、イロイロと事件が起きるもんで、これはいったい誰の復讐を誰に対して行う物語なんだろう、と、やや焦点がボケ気味の印象も。いや、いいじゃないですか、怒りの要素は多ければ多い程、いいのです。 ところどころのシーンでカメラに逆光を取り入れたりするのが、なんだか小賢しく感じられ、無理にそんな気取らなくてもいいのに、とか思っちゃうけれど、映画自体は面白くって、だんだんそんな事、気にならなくなってくる。という時点で、技法としては失敗、ということにもなりますが。ま、これも、いいじゃないですか。 終盤の敵との駆け引きも、本作のユニークなところ。 はい、正直、オモシロかったです。
[CS・衛星(吹替)] 7点(2020-12-31 07:34:15)
16.  カンニング・モンキー/天中拳
とてつもなくバカバカしい内容、ってのは座頭市やポパイのパロディを見てもわかる通りですが、とにかくジャッキーが弱い。フザケてばかりで、ひたすら弱い。なのにラストでは、奥義書をナナメ読みしながら戦い、強くなっちゃう。何だか、空手を「通信教育」でやってた、という岡八郎の往年のギャグを思い出しますが。 そんでもって、オハナシはとにかくデタラメで、もう何がいいたいのやら何を描きたいのかサッパリ、なんですが、中盤、とっ散らかすように登場させまくったキャラたちが、クライマックスでは何故だかちゃんとそろい踏みしていて、何故だかちゃんとスピーディなアクションを繰り広げてみせてくれる。なんと強引な。でもこういう「一見存在しないかと思われた起承転結が、実はちゃんと存在している」ってのは、いいもんです。 それにしても、実にデタラメですが。
[地上波(吹替)] 7点(2017-11-07 22:45:03)
17.  外人部隊フォスター少佐の栄光
今やすっかり売れっ子プロデューサーのジェリー・ブラッカイマー。その彼の初期のキャリアにおいて、このディック・リチャーズという監督さんとの仕事が続いていたのが目を引きます。本作もその一本、ってか、その最後。結構、シブい仕事やってたんですね。 ジーン・ハックマン演じるフォスター少佐の率いる外人部隊。今回の任務は、発掘隊に同行し、彼らを護ること。外人部隊ってのはやはり、「消耗品」のイメージですね。フォスターが今の地位にあるのも、たまたま生き残ってしまったから、という側面がある。そして今回また新たに集められたのも、生え抜きの軍人ではない、「寄せ集め」の兵士たち。発掘隊の警護という任務は、現地の部族から襲撃される恐れもあれば、砂漠の過酷な行軍もあり、確かにそれは命がけの大変なものではあるけれど、でもやはり、「戦場に向かわない軍隊」ってのは、どこか矛盾をはらんだような、奇妙な存在でもあるんですね。もともと、外人部隊という、「祖国のために戦う」という形式的な名目すらも持たない彼ら。今回の任務は、フランスの立場から見れば考古学の発展のためかも知れないけれど、現地の部族から見れば、単なる侵略と略奪に他ならない。という矛盾に満ちた任務のために、過酷な訓練と行軍を続ける彼らのその傍らには、発掘隊という民間人が、日常を引きずりながら存在してる、というその光景は、何だかシュールでもあります。まるでその彼ら一行が、ひとつの閉じた世界、小宇宙でもあるような。そういう矛盾と緊張感をはらみながら、壮絶なクライマックスへ。 正直、せっかくなんだからもうあと一人か二人、外人部隊の中に特徴的なキャラクターを入れて、物語を膨らませてもよかったのかな、とも思うし、奇をてらった演出は今となってはむしろ時代を感じさせたりもするけれど、それでも描かれるこの独特の世界が、強い印象を残す作品であることは、間違いないでしょう。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2017-02-26 08:52:25)
18.  風とライオン
クライマックスは、ウェスタンと戦争映画を足したような感じで、実に盛り上がるのですが、結局コレがやりたかっただけなんじゃないの、という気もします。北アフリカの砂漠とアメリカとを行き来する構成ですが、ベルベル人の長とルーズベルトとの対立軸が、必ずしも鮮明に描けているようには思えません。そもそも、「風」と「ライオン」という比喩自体、正直あまりピンと来ないんですけどね~。最後にドイツを悪者にでっちあげてアメリカをヒーローにしてしまったのも、対立軸をボカしてしまった一因。しかしここでは、タカ派と呼ばれるジョン・ミリアスが、力や強さにあこがれつつも、アメリカのそれに重ね合わせるのではなく、むしろアメリカ風の理知的なイマドキの「強さ」に対して、あくまで野性的で原始的な生命力としての「力」を、滅びつつあるものへの郷愁をこめて描いております。ましてやその題材としてイスラムを選択できたこの映画の時代背景に、ちょっと皮肉まじりの郷愁を感じてしまったりもするのですが、それは映画そのものとは別の話。いずれにせよ、このライズリなる文明批判者の魅力こそが、この作品の大きな魅力のひとつ。そして、ショーン・コネリーには、こういう頑固一徹さがよく似合います。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2013-05-06 17:24:34)
19.  ガントレット
いやはや豪快な映画。銃弾で家壊すのもすごいけど、ヘリが高圧線に引っかかるシーンは、マジで興奮したね。で、クライマックスは、他の映画では見られない異様な銃撃シーン。あ~すごかった。って言っても、それらを除いたら本当に何も残らないなあ。たまにはこういうのもヨイですね。
7点(2003-09-15 01:34:47)
20.  華麗なるヒコーキ野郎
おい石原裕次郎はどこに出てるんだ!ってキミそれは違う映画だよ。紛らわしい邦題だねえ。空への憧れをとことん追求した、飛行機バカ一代という感じの映画。クライマックスの撃墜王との対決シーンは、よくぞこんなシチュエーションを準備してくれた、と喝采をおくりたくなるワクワクもの。
7点(2003-08-17 14:43:13)
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