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1.  ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス 《ネタバレ》 
前作よりはだいぶこの世界を受け入れるハードルが下がって見やすくなった。・・・ってそれは前作を観たからではないのか?と自分でも思うがそれは置いといて素直な感想を述べる。  相変わらず僕にはアライグマと樹はあれのどこが面白いのかわからないんだが、それ以外のキャラクターには魅力を感じた。特に主人公ね。適度なイケメン具合(他が異形なんでそりゃイケメンに見えるわな)とバカさ加減。ただ生みと育ての父親がどっちもあの調子なのに陰がなさすぎるという気はする。  この映画は音楽の使い方が肝なんだが、今回はより歌詞を重視しているようで、それはつまり他人様の言葉に頼っているということ。このヒットポップスとありきたりないかにもな「映画音楽」との食い合わせが悪い。いやどっちも良くて絶妙!と言う人はいるだろうが、僕には違和感がある。やはりここに断絶があるな。  なんだかんだ言ってもこの世界が好きになってきた。でもこれMCUなんだよね?もうこれはこれで別の世界でいいじゃない。無理して同じ土俵にしなくてもさぁー
[インターネット(字幕)] 7点(2021-05-17 20:48:00)
2.  カンフー・パンダ3 《ネタバレ》 
話でかくなりましたねー(笑)。出だしからいきなり異次元の世界(いやそもそもこの世界の「チャイナ」って)。ウーグウェイ導師の年寄り感、爬虫類感、そして達人感を合わせて十分に醸し出すキャラ造形は相変わらずお見事。にしてもこの人だけは終始慌てないな。たぶん神なんだろう。  それにしてもあれだけもったいつけてきた出生の秘密、仲間パンダの存在等が冒頭であっさり登場。そして話はどんどん広がっていく。ただでも何でもありなのにもうとめどない。このいったん転がりだしたら転がるに任せるというのは正しい。大体どの映画でも途中で作為的な操作を感じられた時に醒めるものだが、この映画は冷まさず強引に最後まで転がしていく。  今回不満な点は音楽。もうちょっとかっこよくできたんじゃないの?そして笑いも感動もてんこ盛りではあるんだが、ちょっと味が薄い気がする。バカ親父とパンダ族の異常性の描写に力を割きすぎたのでは?そしてパワーとギャグ勝負ばかりで肝心の「カンフー」がちょっと少ない。  強くて優しくて真面目で賢いタイグレス、今回もいい感じで絡んでくるがあまり進展せず。前回ハグされて固まってたが今回は自分から真っ先に抱きついたね。もうお前ら結婚せい。(この世界に異種婚はありなように見えるが出てこないな)  二匹のバカ親父ズが息子に全肯定されるのはあっちの父子関係の夢を描いたファンタジーなのかもしれない。子供向け作品は親も落とさないといけないからな。と考えてるとちょっと辛くなってきた(笑)。
[インターネット(字幕)] 7点(2021-05-04 22:36:10)(良:1票)
3.  ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー 《ネタバレ》 
この映画の点数ですか?もちろん満点ですよ。文句なしですよ。非の打ち所ありませんよ。じゃあなぜここで「5点」なんか付けてるかって?  まず冒頭からすごく良く出来てる。子供の不器用な振る舞い、爺さんも良い人だ。話が進んで、まずアクションが良い。そして良いのが最初まったく理解できない者同士が仲間になる過程、知的で痴的なジョーク、悪役含め全員にそいつなりの依って立つ根拠が感じられる魅力的なキャラ造形、音楽・・・。  ・・・たぶんここなんだよ。サントラ曲を知ってるかどうか、70年代のポップス/ロックが好きかは関係ない。良い曲と思うかどうかも多分関係ない。あれらの曲に対する「受容体」を持っているかどうか。僕は持っていないので、あのよく出来た映像とストーリーが目の前を「ツー」と滑っていく。そして「ル」と止まらずそのまま視界から消えていく。  映画というのは広く一般に公開されるものだが、その映画を観て感じるという行為は改めてパーソナルなものなのだということを思い知った。自分が信頼する批評家やライターがみんな大絶賛、自分もその「良さ」は理解できる。しかし感じることが出来ない・・・。この映画は「サントラ曲」が劇中でも鳴っていてストーリーにも関わるというメタ構造になっている。だからそこに引っかかるフックがあるかどうかで感想が大きく変わってくるのだろう。  まあガモーラよりネビュラの方が可愛いよな。たぶんここなんだよ。(なのか?)
[インターネット(字幕)] 5点(2021-03-22 21:54:57)
4.  カンフー・パンダ2 《ネタバレ》 
とんでもなく自由でデタラメだった前作に比べると今作はぐっとシリアスに。まあパンダもそれなりに偉くなってるのでふざけっぱなしというわけにはいかないのだろう。そして前作で誰もが疑問に思う主役の出生の秘密が話の核になる。  今回の悪役はテクノロジーを駆使する権力者。とにかく「悪いこと」をしたがるという役割的な悪役ではあるが、なんせ声がゲイリー・オールドマンなので心の闇に説得力がある。何もかも否定するしか心の行き場がない哀れな奴。(ところでこのシリーズは役名が安直なのが面白いのだが「シェン」て何だ?「神」か?)  エンドロールでジャン=クロード・ヴァン・ダムの名前を見て驚いたがワニだったのか。ワニとウシの活躍はもうちょっと見たかったな。  名優の声の演技に負けないCGの表情演技、荒唐無稽ながらちゃんと質量感を伴ったアクションは前作からさらに進化している。そして今回は特に音楽が良かった。中国民俗音楽の要素を上手く取り入れて消化していて重くも軽くもなりすぎないのが絶妙。  オープニングとエンドロールのアニメーションも前作からさらにアート感が進歩している。あれだけで一つの作品になりそうじゃない?
[インターネット(字幕)] 9点(2020-06-01 23:00:45)
5.  カンフー・パンダ 《ネタバレ》 
まずオープニングのアーティスティックな紙芝居(?)アニメが素晴らしい。話が始まるとあ、普通の3D-CGアニメなのね、となるが、その世界がデタラメ。その中でも主人公のパンダが一番デタラメ。  個人的に気に入ったのは安直なネーミング。マスター・ファイブの虎が「タイガー」で猿が「モンキー」etc。極め付きに老師がシーフー(師傅=中国語で「先生」)って適当すぎ!。亀のウーグウェイ老師も後で調べてみるとまさに中国語で亀「乌龟(wūguī)」のことらしい。  リアリティラインが自由すぎる世界で展開もやっぱりデタラメなのだが、筋道だけはしっかりとしている。シーフー老師が「パンダ!」と呼んでいたのを名前の「ポ―」と呼ぶ瞬間、最初冷たい(当たり前だ)マスター・ファイブのうち最初にポーの頑張りを認める優しい2人。そしていかにもネコ科の子供らしい、タイ・ランの幼少時代の愛らしさ。あれを溺愛してしまう老師の気持ちがよくわかる。  各動物は極端にデフォルメされているのに質感がリアルで動きもよく研究されている。そしてアクションもドラゴンボールばりにデフォルメされているにもかかわらず、カンフーの動作がきっちり再現されていて確かな重量感を感じる。  一番気に入ったのは親父が主人公に「秘密」を明かすところ。なんでガチョウが父親で息子がパンダなんだ、ずっと感じていた疑問に全然関係ない答えが帰ってくる。そしてそれがまさに全体の鍵となる。  この映画を予備知識なしで観たのでエンドロールでキャストの豪華さに驚いた。話は単純なので、子供に見せるんじゃなかったらぜひ字幕で名優たちの声の演技を堪能しよう。そしてこの映画はADHDの子やその傾向を抱えた人に見てほしいと思う。やらされるとてんで駄目だけど好きなことなら頑張れる、そこに勇気をもらえるかもしれない。
[DVD(字幕)] 9点(2019-08-07 22:47:05)(良:1票)
6.  神様メール 《ネタバレ》 
序盤からこれは斜に構えた無神論的世界観のコメディなのか、と思っていたらしっかりキリスト教、それもカトリックの世界でした。  とにかく欧米の奴らにとってキリスト教世界観は抜き難いものなのだな、ジーザス・クライスト(JC)は大好きだがユダヤ教の父なる神は大嫌いなのだな、そして現代の世界にモディファイした新たなメシアを求めているのだな、ということはよく分かった。その新たな救世主、エアを演じたピリ・グロワーヌがとても良い。そうだね、「無垢な賢い少女」が世界を救うことに文句のある奴はいないよね。  とにかくどのシーンもキャラクターも魅力的で次の展開が余命無い、もとい読めない。もうこの先どうなってもいいや、と思っていたらオチがあれでいいのかという(笑)。しかし最後は男女の性愛でハッピーを表現するあたり、やはりカトリシズムなのだな。  人はどうしても世界が「あるべき形」になってほしいという願望がある。自分の余命がはっきり分かったらどうする?やっぱりやりたいことやるよね。劇中「悪用」する奴は一人だけだが、そいつは単なる自業自得で終わる。この映画は徹頭徹尾「宗教映画」なのだが、それを現代性と完全にマッチさせて爽やかなエロと共にまとめ上げたことに拍手。
[インターネット(字幕)] 9点(2018-09-23 19:57:56)
7.  帰ってきたヒトラー 《ネタバレ》 
この映画を一言でまとめると「ブラック・コメディ」ということになるんだろうが、政治風刺とドキュメンタリーをコメディ映画に仕立て上げる、それもドイツで、ヒトラーをネタにして、というところが凄い。この現代版ヒトラーは言うことと語り方がヒトラーと全く同じ。それが現代の知識を前提に語り始めるとどういう反応が起こるか。  主人公格であるファビアンは妙にキャラが薄いが、他のキャラクター、ヒトラーはもとよりゴスロリの女の子、マリーヌ・ルペン似の女性局長、器小さい系新局長と、とにかく各キャラクターに魅力がある。やはりポイントはヒトラー役のオリバー・マスッチがヒトラーに顔も体格も全く似ていないところだろうな。ここのバランス感覚がないとドキュメンタリーもコメディも成立しない。  このマスッチヒトラー、現実のヒトラーの「表側」を完璧になぞっているが、現実のヒトラーの「裏側」、小心さや生真面目さ、狂気はばっさり切り捨てている。そのかわりマスッチの雄大な体躯、柔軟な理性からくる詭弁、子供のような迷惑な悪戯心、目的不明の不気味さがそれを補っている。要は山の登り方は一つじゃない。ヒトラーひとりに気を付ければいいんじゃないという事をヒトラー役を使って警鐘を鳴らしている。  ただこの映画は後味が悪い。ラスト付近までは本当に政治風刺エンターティメント映画として最高傑作クラスだったのだが、制作している間に時代が追いついてきてしまったのか、EUの現状や映画の反ナチスメッセージを生のまま入れざるを得なかった。つまり現実に負けた。映画は芸術だが、芸術は元々実は造形美だけで存在しているわけではなく現実の社会と無縁ではいられないのだ。
[DVD(字幕)] 8点(2017-05-07 23:02:23)
8.  カプリコン・1 《ネタバレ》 
この映画評価高いんですね。自分はこういうサスペンスは設定とストーリーの練り込みが大事だと思うので、そこの粗さでどうも乗れませんでした。  車で橋から猛スピードで川に墜落して無事?無人の西部劇の街で狙撃手が1発外しただけで逃走?FBIが不正捜査までして逮捕したのに保釈金であっさり釈放?極秘の撮影所が無警備?なんでピンポイントでメダルを見付けられる?飛行士を殺す予定で監禁しといてザル警備?3人バラバラに逃げる理由は?銃を落とす伏線はなんだった?鉢巻にするために破ったズボンがもとに戻ってる?2人目の飛行士は一番高い崖を登ってないか?そもそも登る必要あったか?あそこにヘリがいたら登る最中に気付くんじゃ?大統領がスピーチしている場に走って来る不審者をSPが止めないのか?  という感じで、全体的に観客をハラハラさせようとしているだけで破綻しているシーンが多い。常に斜めな受け答えをする2人目の飛行士と野卑そのものな飛行機屋の親父は面白いが、どちらもキャラの面白さと本筋は直接関係がない。映画にもよるが、何のためのキャラ付けか分からないような人物が濃いとかえって邪魔なんだよな。  ラストシーンをサッと終わらせているのは良かった。最近はとにかくラストがダラダラ続く映画が多すぎる。あと文句なしに良かったのは音楽。これまた最近流行の「♪ドンドコドコドコバォ~ン」な雑なBGMとは一線を画す、緊迫感とオリジナリティにあふれた短いが素晴らしいテーマ音楽。後でジェリー・ゴールドスミスによる曲と確認して納得。
[DVD(字幕)] 5点(2016-10-31 00:22:29)
9.  怪物の花嫁 《ネタバレ》 
「プラン9」を観た後ではこれがかなりちゃんとした映画に見える。ちゃんとしてる理由はもちろんベラ・ルゴシの演技。だからルゴシが登場しない警察署内のシーンとかはかなりつまらない。巨大モンスターのごまかし方なんかは昭和の特撮で育った人間には想定の範囲内だが、その上を行ってしまったのが「教授」が押し込まれる「文字通りのタコ部屋」に鎮座する中途半端な大きさの大ダコ像。ああこんなシーンを撮るくらいなら扉の向こうでわーぎゃー言ってるだけの方が良かったのに。このへんのディテールに対する感覚の粗っぽさがエド・ウッドなんだろうな。その他は大した破綻はないのでゲテモノ映画を観ようとすると肩透かしを食うかも。ルゴシが出てこないと一向に面白くないのも辛いところ。
[インターネット(字幕)] 6点(2011-09-13 08:20:03)(良:1票)
10.  風の惑星/スリップストリーム
すいません。とても好きな作品なので10付けました。あまりいい評判は聞きませんが。パッケージには「超巨篇!」とか書いてあってお金がかかってるのかもしれないがそうは見えない地味な作品。マーク・ハミルは高慢で嫌味なしゃべり方が見事にこの悪役(?)にハマってます。設定に無理がある?いやいや、だからいいんですよ。
10点(2003-11-23 19:08:28)
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