1. ギルバート・グレイプ
生なましく、たくさんの辛いことを剥き出しに描いている。「家族」に縛られること。親のくせに、子供によりかかってしまうこと。誰かに酷い言葉を投げ付けて、暗い気持ちになること。自分もどこかでふと感じたことがある気持ちのひとつひとつにいちいち込み上げてくるものがあって、映画の世界に完全移入してしまった。ベッキーが去っていってしまった時は胸が痛くて、家が燃えた時は茫然として、最期ベッキーが再び現れ、後部座席でギルバートの腕に飛び来んだ時には、自分のことのように涙があふれた。また映像の美しさ。保険やの男や、ギルバートの友人といった、脇役までも丁寧に、どこかに愛が感じられるキャラクターづくり、まさに適材適所の配役といったエッセンスも加わり、調和のとれたクオリティーの高い映画に仕上がっている。どちらかといえば地味だが、長く心に留まるだろう。このストーリーをふまえた上での、ギルバートの「いい人間になりたい」という台詞が、胸に滲みた。監督キャストスタッフの全員に、「素晴らしい映画を見せてくれてありがとう」と言いたい。 10点(2003-04-21 12:39:20)(良:1票) |
2. 奇跡の海
私は基本的にエンターテイメントが好きな人間なのですが、この監督の作品は、肌が合うというか、ストーリーどうこうではなく、感覚的に好きです。世の中にどうにもならない事が多々ある中、真に人間らしく生きるとはどういう事か、訴えているように思えます。それが周囲からは馬鹿と思われても、本当に大切なものは、自分の中で納得して完結出来ることが大事。リチャードソン医師のように、一見善であり、まっとうに生きているかのように見える人間の残酷さが、胸苦しかった。確かに最後の鐘のチープさはどうかと思いますが・・・ 途中のロックは。おかしくなりそうな頭を一瞬正常に引き戻してくれる、カレーのレーズンみたいな物かな。エミリー・ワトソンの醸し出す微妙なニュアンスがとても良かった。少女のようでいて、老女のようでもある不思議な女優さん。 9点(2003-05-29 15:11:11)(良:1票) |
3. 9か月
面白かった! 自分にも出産経験があるので、レベッカの気持ちがよくわかる! ヒューはモーリスの頃の謎めいた美貌はどこへやら、すっかりコミカルな俳優になりましたね。でもそれはそれで魅力的。余談ですが、欧米で9か月という言葉は、母と胎児の愛に満ちた日々を讃えて、妊娠中の女性全般を指す慣用句として使われるらしいです(産婦人科の雑誌で見ました)。ロビン・ウィリアムズもすごかったけど、私的にはジョーン・キューザックの肝っ玉母ちゃんぶりがすごく良かった。ほのぼの出来る良作。 8点(2003-05-26 18:05:10) |
4. キンダガートン・コップ
シュワがコメディってだけで笑える。内容的には普通だけど、安心して見れるし、ちょっぴりほろりとも出来る。子供モノに弱い私。 7点(2003-05-04 20:07:07) |
5. 菊次郎の夏
いまいちだなぁ~ いかにも日本らしい自然とか、久石音楽とか、良い所もたくさんあるんだけど、だらだらと起承転結がなくて散漫。たけし的新しい試みなのかもしれないけど、駄目だこりゃ~ それと、たけし映画にたけし主演はやめた方がいいと思うのは私だけ? もっと演技力がある人を使えばいいのに~ 5点(2003-05-13 13:49:33) |
6. 救命士
芸術性とかメッセージ性とかあるのかもしれませんが(私にはさっぱり判らなかった)、実際救命士として働くかたがたは、ああいった現実に直面しているのかもしれませんが・・・ やはり夢が何もない、エンターテイメント性が何も無い映画は、「金返せ~」と言いたくなってしまうのです。ニコラスとパトリシアの夫婦共演がキモイです・・・ 4点(2003-04-16 21:14:22) |