21. キサラギ
そりゃ確かに、ごく限定された空間内で次々に謎を裏返して興味を引っ張るテクニックはかなりのものですが・・・何よりも、舞台用の脚本をほとんど映画用に書き直してないんじゃないかと思えるくらい、台詞が説明的でくどすぎ。また、役者の演技もステージコントみたいで、やたら騒がしいです。面白い内容ではありましたが、元の脚本が優れているだけという気もします。ただし、作品の根底を流れるオタク讃美の魂は称賛されるべきであり、むしろ真相がどうのこうのよりもそっちの方がこの作品の核として成立していると思うので、そこに+2点。 [DVD(邦画)] 7点(2008-08-21 00:10:50) |
22. キャットウーマン
《ネタバレ》 最大の致命傷は、肝心のキャットウーマンのアクションがちっとも格好良くないという点。猫の動きを取り入れたアクションと、猫の真似そのまんまというのとでは全然違うよ。その他の部分も工夫なさすぎで、例えば、この種の主人公が警察に疑われて逮捕されて留置場行きというごくごく一般人的なピンチを迎えるなんて、センスがありません。 [ブルーレイ(字幕)] 3点(2008-02-19 02:36:50)(良:1票) |
23. キッド(2000)
《ネタバレ》 子役が可愛くなさすぎな時点ですでに失敗です。それに、主人公の元の人生も別に悪くない感じだし、あえてやり直さないといけない必要性は感じませんけど。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2007-01-04 00:11:42) |
24. 北の零年
日本の映画界がいかに吉永小百合を都合良く使い倒し、そして彼女に依存し、しかも本人もその甘えを許してしまったかということの象徴的な作品。吉永小百合は当時59歳です。本当はもっと役者としての「老け方」を考えるべき立場だったはずなのですが、周囲がそれを許さなかったのでしょう。渡辺謙とはもちろん夫婦には見えませんし、まして大後寿々花とは、祖母と孫にしか見えません。●音楽がセンスゼロなのも皆様が書かれているとおりですが、それ以前にこのテーマ曲自体が、ルパン三世のテーマに聞こえるのが気になって仕方ありませんでした。 [DVD(邦画)] 2点(2006-12-26 00:50:36) |
25. 菊花の香り ~世界でいちばん愛されたひと~
《ネタバレ》 「大学のサークルの先輩女性に憧れてその後も追い続ける」というありそうで意外とない前半はなかなかだったが、いざうまく結婚にたどり着いてからの後半は、妊娠というファクターを除けば、ほとんど「ラ○○・プ○○○ト」そのまんまやんけ!まあ、割と好きなタイプの話だからいいんだけどね。しかし、登場人物の造形の突っ込みは浅く、映画というよりまるでテレビドラマみたいだし、主演の2人よりもヒロインの親友の女医の方が美人で、しかもいい芝居をしているというのも気になった。一番いい場面が、主人公2人のやりとりの部分ではなく、ジョンナンがヒジェに対してイナへの想いを告白するシーンである、というのはやはり問題ではないか? [DVD(字幕)] 7点(2005-09-25 02:19:16)(笑:1票) |
26. キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン
もっと軽快な突っ走りコメディを想像していたので、やたらとズルズルした場面が多いのにがっかり。両親との絡みの部分など、はっきり言ってほとんど不要だったと思う。肝心の詐欺の手段にしても、唸らされたのはホテルの部屋でのご対面を切り抜けた場面のみで、それ以外はすべて、金をかけて手段を講じているだけ。つまり、この種の話に必要不可欠な、相互の知能戦のやりとりという部分がまったく欠けているのである。レオとハンクスの個人技でそこそこのレベルには達しているので一応ぎりぎりこの点数だが、本来はもっと面白くなったはず。 [DVD(字幕)] 6点(2005-07-05 03:24:09) |
27. ギャング・オブ・ニューヨーク
《ネタバレ》 数回見てやっと名作だと分かりました。レオは父の敵を討つはずでありながら、手間取ったり逡巡したりしてなかなか前に進まない。スーパースター的な活躍を全然しない。凄くリアリティがあります。デイ=ルイスは、単なる敵役のボスではなく、レオを父の代わりのような暖かさで包んでいる気配がある。キャメロンも、この作品では珍しく立ち位置を把握した的確な演技を行っている。登場人物の造形に一筋縄ではいかない味わいがあります。そして、脇役も含めて、それらの人物の行動が、これまで意外にふれられることのなかったNYという街の生まれていく経過を一体となって表現しています。最初は単なるヤンキーの喧嘩(文字通りだ)だったのが、利権と結びついてマフィアの原型のようになり、それが最終的に国家権力によって制圧される、その構造が徐々に浮かび上がってくるのです。米版キャッチの"America Was Born In The Streets."が見事にこの映画の本質を表しています。それを具現化したのが、当時の街の全体風景を執念で再現してしまった美術陣であり、この頑張りも称賛されるべきでしょう。2時間40分があっという間。 [DVD(字幕)] 8点(2005-03-27 00:46:17) |
28. きみに読む物語
《ネタバレ》 冒頭、いきなり主人公が物語を読み始めたので、「あ、これはまずいな・・・」と思っていたら、その悪い予感は当たってしまった。この2人の人生の経過を想起するならば、アルツハイマーによって失われる妻の記憶、それに対する夫の葛藤と焦り、そして物語を読もうと決意するに至るまでの夫の心情の推移といったものが、まず何をおいても重要なのではないだろうか。この映画では、その部分が、すべて綺麗さっぱりと落とされているのだ。つまり、まず、物語を読み聞かせるという設定先にありきの世界になっていて、それに至るまでの必然性が何も説明されていないのである。また、要の役のジーナ・ローランズは、血色も恰幅も(・・・)やたら良い上に、目もしっかり輝いていれば会話も普通に可能であり、少しもアルツハイマーに見えず、明らかなキャスティングミス。ジョアン・アレンの気品ある的確な演技が救いだった。 [映画館(字幕)] 4点(2005-02-06 21:20:12) |
29. 記憶の旅人
なかなか魅力的な設定なのに、みんな無表情にボソボソ喋っているだけなので、せっかくの筋立てが完全に死んでいます。記憶がないならないなりの葛藤や表現があると思うが。 [DVD(字幕)] 4点(2004-12-01 00:24:17) |