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アンドレ・タカシさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2127
性別 男性
自己紹介 2022/3/26に以下のような自己紹介文をアップしました。
ロシアのウクライナ侵攻が始まってひと月経過。
映画は観ていますが、侵略戦争のせいでレビューする気になれません。
私の映画レビューと戦争は直接関係しませんが、
楽しく文章を考える気分じゃない、ってことですね。
ロシアが撤退するか、プーチンがいなくなったら再開します。


そして、
侵略戦争が膠着状態に入り、
いつ終わるか識者にも判断できない状況になりました。
まぁ正直、痺れを切らしたので、レビューを再開します。
ウクライナ、頑張れ!

2024年3月17日更新

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21.  キャリー(2013) 《ネタバレ》 
本作への興味はオリジナルとの比較と、キャリー役のクロエ・モレッツへの興味に集約されていました。結論から言うと、オリジナルとほとんど同じで、クロエちゃんに存在感がある分だけ、キャリーの不遇が薄まった印象でした。技を覚えた黒子テツヤが透明ではいられなくなったような感じです。キャリーの影が薄くないと、イジメに遭う説得力が不足します。クロエちゃんを目的に観に行ってるので、ミスキャストとは言いたくありませんけど。 スーの描写を増やし、キャリーの爆発から先生を生き残らせるアレンジは常識的な変更だったと思いますが、作品のエッジが無くなりました。先日見直したオリジナルは、登場人物たちの未成熟な青臭さがパワーの源のように感じられたんだけど、本作はお行儀良く作り直した感じ。いじめっ子のクリスがたいして憎らしく見えないことは大きな減点ポイントかな。 総じて、丸くなった「キャリー」は、悪くは無いけど特に面白い作品でもありませんでした。
[映画館(字幕)] 4点(2013-11-23 20:44:15)
22.  キャリー(1976) 《ネタバレ》 
リメイクを観に行く前に予習しました。その昔、劇場で観た時の自分はローティーン。当時は話題の超能力映画を観た、という以上の感想は無かったです。友人たちはラストの墓場シーンに心臓が止まりそうになった、とか言ってましたね。 再見の印象をひと言で言うと「青臭い映画」でした。映画が稚拙と云うことではなく、未成熟を描いた映画と云う意味です。 冒頭のシャワールーム。若い女性のハダカがたくさん映っているにも関わらず、ウハウハした気分が皆無で、ムチムチに乳臭い煩わしさを覚えました。ナマ肌が露出している分だけ、イジメも生々しく感じられます。振り返ると、この映画は終始そんな未成熟に支配されていたと思えます。 イジメを受けるキャリーに同情するかと云うと、むしろ逆。なんか見ていてイライラします。キャリーの主体性が未成熟なのです。男に捨てられた過去を極端な教訓として刻んでいるキャリーの母親は成長がストップしていて、特殊なタイプの未成熟でした。 そんな人達の感情が行き過ぎた結果がこの映画の結末です。未成熟ゆえに歯止めが効かない。キャリーをイジメるバカップルの計画は明らかにやり過ぎ。プロム参加を認めない母親は異常だけど、その母親を磔にするキャリーも充分に異常。そして、キャリーの暴走は「逆上」以外の何物でもありません。先生まで殺す描写には驚きましたが、爆発したキャリーの視界には、全員が彼女を笑っているように映ったのでしょう。全員のネガな感情が行動を肥大させて行く訳ですが、超常的な能力が見栄えに拍車を掛けます。 誰かの台詞を借りると、若さゆえの過ち、くらいしか言っていないと思うのですが、その一点に限り充分な見応えを持つ秀作という意見です。 ちなみに、本作でイチバン感心したのはトラボルタとナンシー・アレンのバカップルぶりです。見事なキャスティング。特に悪意を剥き出しにするナンシー・アレンの憎ったらしさは尋常じゃありません。クルマが横転炎上するシーンに思わず快哉を叫びたくなります。
[映画館(字幕)] 6点(2013-11-23 02:06:11)
23.  清須会議 《ネタバレ》 
三谷的言葉遊びコメディは抑え目で、真っ当な歴史作品だったと思います。歴史には詳しくないけど、信長亡き後、柴田勝家と羽柴秀吉が対立したことくらいは知っています。その認識を肉付けしてもらった感じです。 秀吉の人物像は至るところで表現されているので特に新しい部分は無かったけど、秀吉と対照的に描かれる柴田勝家が面白かったです。歴史的には典型的な戦国武将で、戦場でこそ器量が生きる人。だから、本作のような会議工作は大の苦手。でも、周囲から「おやじ様」と慕われる人柄が表現されています。秀吉が主人公の物語では、織田家の古参として成り上がりの秀吉を目の仇にする設定が多いけど、嫌いになれない人物像が新鮮でした。池田恒興を新潟の米やカニで買収しようとする朴訥さに脚本的な創意が見られます。 その勝家をフォローする丹羽長秀も秀吉とは違うタイプの事務屋として描かれていて、ここでも勝家との対照が描かれます。生真面目な長秀と鷹揚な勝家の落差のある遣り取りがとても可笑しい。役所広司と小日向文世のキャストがピタッと嵌っていましたね。個人的には、秀吉や長秀との絡みを通して勝家を楽しむ作品でした。
[映画館(邦画)] 6点(2013-11-12 01:58:04)(良:1票)
24.  銀河鉄道999 エターナル・ファンタジー 《ネタバレ》 
最近までこんな作品があったことを知りませんでした。鑑賞後に検索して知ったことですが、2本あった劇場版の続編ではなく、原作の後日談として連載されていたようです。永遠の命に関わるテーマとは違う命題を持たせたかったようです。本作を導入にして、次作で完結させる予定だったようです。 ここからは批判です。いい加減な映画を作って、興行収入が芳しくないから続編はナシ。それでは劇場へ足を運んだ人はどうなるのですか? CSで観た私が言うことでもないんですが…。 「続編」や「三部作」が幅を利かせているのが昨今の映画興行界。たとえ1作目が不評でも、2作目で挽回するくらいの責任感は持って欲しいものです。少なくとも、1作目だけである程度は納得出来るまとめ方をしておくべきです。 これを書いていて、誰に対して言っているのかよく分かっていません。たぶん、責任の所在が曖昧だから、こんなモノが出来たのでしょう。風呂敷を広げるだけ広げ、たたみ方を忘れた作品が多すぎる原作者にも責任の一端はあると思います。
[CS・衛星(邦画)] 1点(2013-10-17 02:12:30)
25.  キング・ソロモンの秘宝2/幻の黄金都市を求めて 《ネタバレ》 
ストーリーが進むに連れ、アホらしさが雪だるま式に肥大して行く。かなりの破壊力を持ったおバカ映画。1作目も褒められた内容じゃなかったが、コレに較べるとマトモな部類だったと思われる。たまにはこんな映画もいいものだ。
[CS・衛星(字幕)] 1点(2013-10-15 01:28:12)
26.  キャプテンハーロック -SPACE PIRATE CAPTAIN HARLOCK- 《ネタバレ》 
CGの精度は良かったと思う。小栗旬の年齢不相応な渋い声に感心。 でも、それ以外は褒めるところが無い。種として弱体化した5000億人(だっけ?)の宇宙生活者が地球を取り合い戦争をやったらしい。ホームシックでの殺し合いに違和感を覚えつつ、ハーロックのバイタリティと対照させる為の設定だと思っていた。ところが、ハーロックが準備を進めていた計画は総人類の抹殺ですよ。自分の悲嘆に酔いしれた革命家みたいで、激しくガッカリしました。さらに、ダークマターなんて良く分からんモノを持ち出して、多くの場面で様々な機能を発揮させるものだから、何でもアリ感が蔓延して高揚が湧いて来ない。消滅したミーメが再生したり、死んだように見えた乗組員がゾンビのように蘇ったり。あれも、ダークマターのおかげなんだろうか? 最後まで設定、キャラ、ストーリーがシンクロしないチグハグ感を抱えながらの鑑賞だった。 先述の心神喪失気味なハーロックを除くと、物語を構成するモチーフが総じて古臭い。壮大なはずのお話に、既視感があるような兄弟の痴話喧嘩が同レベルで混ざる。保守的な元凶や地球を愛する敵指揮官は、考えてみれば懐かしのTVシリーズと同じ。踏襲したとは思わないが、それも全体を古く見せている気がした。 元々、ハーロックは松本センセの憧れの集大成みたいな人らしいけど、観念的な描写が多くて確固とした実体を伴わないキャラだった。それはそれで、個人的には嫌いじゃなかったのだけど、本作では旗印だった「自由」と「信念」に合致するような行動が見当たらない。寿命まで延びて、さらに不明のキャラになりました。
[映画館(邦画)] 3点(2013-09-21 13:12:16)
27.  恐怖のメロディ 《ネタバレ》 
怖いです、あの女。バーでの登場シーンでは魅力的に見える。その下心が火種になります。あの女を魅力的と思わせることで、観る側も主人公と一緒に後悔し、恐怖を味わうことになります。まだ「ストーカー」という言葉も存在しない時代、「危険な情事」や「ミザリー」から20年近く遡る作品としては、かなりイイ線行ってます。イーストウッドの初監督作。シンプルなストーリーだけど、怖さはしっかり演出できています。
[地上波(吹替)] 6点(2013-08-14 18:52:39)
28.  逆転裁判 《ネタバレ》 
「ジョシン裁判」って設定は面白いと思いましたよ。一度でも言い負けた瞬間に結審する。バラエティのクイズ番組みたい。ゲームの方は未経験ですが、まさにゲーム感覚の裁判です。でも、法廷ものということでは、あまり面白くも無かったです。事件を追いかけるのが大変でした。世代を跨いでいくつかの事件が共存し、検事と弁護士の役割がコロコロと入れ替るような内容ですから。変な名前や変なヘアスタイルはゲームに沿っているのでしょうが、ゲームを知らない者には違和感が先行します。最後まで慣れなかったです。
[CS・衛星(邦画)] 4点(2013-08-06 11:11:25)
29.  Kids Return キッズ・リターン 《ネタバレ》 
北野監督が初めて撮った青春映画らしいのですが、今更ながらに既視感の無い青春映画でした。極端な成功や失敗が描かれていません。達成感とか願いが叶うとか、あるいは絶望するとか、そういう映画的なストーリーから離れたところに本作の見応えを覚えました。 作品の中で、人が成長している印象がありません。シンジ君が良い例です。ボクシングは上手くなっても対人的にオドオドした態度は変わらず、他人の言葉に流されて生きている。曲折はあっても、生き方のベクトル自体は簡単には変えられないものです。 でも、作品を締める言葉は「まだ始まっちゃいない」です。流した汗や努力の量に必ずしも比例しないのが人生ならば、挫折を繰り返しても諦め切れないのが人生なのです。エンディングで高校時代と同様にチャリに跨る二人の、決して順調とは言えない現状と台詞のギャップこそが、人生そのものだと思いました。 それは別に「青春」だけの話では無く、すべての年代に普遍する真理だと思います。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2013-06-09 13:15:51)(良:1票)
30.  キラー・インサイド・ミー 《ネタバレ》 
主人公は障害があれば殺人で解決します。腕に止った蚊を叩く行為と大差無い。そのハードルがとても低いから、殺すことが最良の選択になるようです。頭が良いから隠蔽も周到だけど、罪悪感が希薄だから必死に隠すという訳でも無い。中学生がベッドの下にエロ本を隠している程度のヒミツです。 彼の性向が最も特徴的に見えたのはジェシカ・アルバに対する態度でした。彼女を殺しておきながら、それを後悔する。でも正確に言うと「後悔」では無く、彼女を懐かしんでいるようでした。惜しいことをした。あれは大好きだったおもちゃを失くした感覚だと思う。単純な形容になりますが、自分勝手ってことですね。 この種の「変人もの」はその変人具合をユーモアとして楽しむ映画が多いのですが、大好きなジェシカ・アルバをタコ殴りにした時点でそんな気分は無くなりました。サスペンスとしては見応えがありますが、変人指数は低めだと思います。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2013-02-19 17:55:56)(良:1票)
31.  96時間 リベンジ 《ネタバレ》 
タイトルから、前作でコテンパンにやられた誘拐犯たちの復讐劇であり、それを返り討ちにする話であることは予想が付きました。その設定から懸念されたのは、前作のような怒涛の攻めが無くなること。「守り」に入っては、あの味は出せないはずです。かくして私の懸念は的中し、普通のアクション映画になってしまいました。 前作で誘拐された娘は売り飛ばす需要があったから大事に生かされていた訳で、「96時間」という邦題が示すように追走劇にも根拠がありました。本作では敵側が離婚した元妻を人質にしますが、彼女を生かしておくことに意味は無かったと思います。チャンスがあればその場で殺す、くらいの構えが妥当だったはず。わざわざ主人公に活躍の場を与えているようなご都合が目に付きました。 また、何をやっても許せる気分になった前作に比べ、本作の皆殺しには眉根が寄りました。敵側の目的が営利ではないからだと思います。主人公の行動を否定はしませんが、前作のように道徳や倫理を飛び越えて共感するには至らず、最も特徴的だった部分が無くなってしまった印象です。前作で激しく興奮した自分には、正直、残念な出来映えでした。
[映画館(字幕)] 4点(2013-01-13 10:52:11)(良:1票)
32.  桐島、部活やめるってよ 《ネタバレ》 
この夏の公開でしたが、やっと地元で観る機会を得ました。評判ほどでも無かったというのが個人的評価です。校内に漠然とした上下関係が存在するのは理解できても、特定の個人の動向に影響されることに実感が持てないからです。 時事ネタで形容すると「ノダ、シューインやめちゃったよ」って感じでしょうか。一部の腰巾着生徒が突然の解散の政治責任を追及するように桐島クンの退部を糾弾する姿勢ですが、政権にすがるような高校生って私の周囲(というか、時代?)にはいなかったタイプです。彼らの依存性に違和感を覚えました。特にバレー部のゴリラ系熱血部員や桐島クンの彼女がわからん。苛立つ前に心配するのが普通だろ、というのが私の感覚でした。 そこを除くと、生徒の個性が細やかに表現されていて、最後まで退屈はしませんでした。オタク映画部員と幽霊野球部員のラストの会話はもうひとつのテーマだと思います。限界を自覚しても執着を止めないオタクの強さと自分を比べて流れる涙。その感受性にこそ、意義のある高校時代がイメージされました。 桐島クンは物語を転がす動機的存在ですが、彼の退部理由は聞いてみたかったです。面も拝みたかった。中盤で「実は死んでました」ってオチを想像しておりました(笑)。
[映画館(邦画)] 5点(2012-12-27 12:25:17)(良:1票)
33.  巨神兵東京に現わる 劇場版 《ネタバレ》 
「Q」の上映前にいきなり始まった思わせぶりなモノローグと映像。最初は予告編かと思っていたけど、庵野氏が展示映像として「ミニチュアの特撮」に取り組んだという記事をどこかで読んだことを程なく思い出しました。巨神兵が実体化してからエンディングまでは、東宝特撮怪獣映画を軽く凌ぐ重量感と繊細さ。「ナウシカ」の中で王蟲を軽々と吹っ飛ばしたビームが街に向けて放たれたらどんなことが起こるのか。その描写には説得力がありました。また、鳥居越しに巨神兵を写すアングルなどは「地球最大の決戦」のキングギドラのオマージュで、古めの特撮ファンへのサービスだと思いました。 何を感じたかと云うと、突然やって来る災厄です。モノローグがそれらしいことを語っていたからではない。東日本大震災をビルの高層で体験した時に覚えた命のか細さ。あの非日常的な感覚が東京の破壊映像で蘇りました。 後に「Q」との符合を考えると、劇中で描写されなかった「サード・インパクト」って「火の七日間」のことではないかとも思いました。「セカンド・インパクト」は大質量隕石の落下に類似する気候の変化だったけど、「サード・インパクト」は巨神兵=エヴァのコピーが大量発生して地上を焼き尽くしたのではないかと…。 その真偽は別にして、「インパクト」という言葉で片付けている未曾有の大量突然死を感覚的に「補完」する意図があったのではないかと思った次第です。 ともあれ、「Q」を観に行って中味の濃いオマケを貰い、得した気分です。
[映画館(邦画)] 7点(2012-12-09 21:14:10)
34.  キャタピラー 《ネタバレ》 
若松監督の追悼放送で鑑賞しました。映画メディアには色々な側面がありますが、この方の作品は常にエンターテイメントとは対極の場所にあります。何かを訴えるというレベルでは無く、暴いて抉るって感じです。その追い込み方は恐れ入ります。 本作ですが、監督本人の意図は別にして、反戦映画という範疇には入らない気がします。ラストにヒロシマや長崎の映像や戦死者の数がテロップで表示されますが、本編と繋がっていないような違和感を覚えました。 私にとってのキーワードは「御国のために」です。「御国のために」送り出した亭主が形容も難しい姿で帰還し、妻は「御国のため」に食欲と性欲と排泄の世話をする。「亭主のために」という言葉は聞こえてきません。その亭主が「御国のために」やっていたことは中国の婦女子を凌辱することで、軍神と祭り上げられても呵責に苛まれる状態。 世間からは軍神と帝国婦人の鑑だったりする訳ですが、内実は「御国のために」蝕まれて行く夫婦です。「御国のために」やっていたことを現代に映画化して、その内実を伝えること自体は、直接的には意義を感じません。今、日本が戦争状態になっても、同じ状況が現れるとは思わないから。でも、日本人の悪しき体質である、本音と建て前の使い分けが最も悪いカタチで現れた例が「御国のために」だったと思います、カタチこそ違え、その体質は現代の日本を相変わらず不自由な国にしているような気がしてならない。それを教訓としたい映画だと思いました。 タイトルのキャタピラーは「芋虫」って意味なんですね。乱歩の同名短編をモチーフにしているらしいのですが、そのまま「芋虫」ってタイトルでも良かったと思います。その昔に「ジョニーは戦場へ行った」という映画がありました。四肢を失くした兵士という共通項があります。名作と言える作品だと思うし、真っ当な反戦映画ですが、本作を観た後では随分とキレイな作品だったなぁと思いました。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2012-11-07 19:13:04)(良:1票)
35.  キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー 《ネタバレ》 
あけすけなニックネームで星条旗の盾を持った、まるでアメリカの広告塔のような恥ずかしい奴と思っていたら、本当に広告塔でした。開き直ったかのようにそこをスタート地点にして、兵士としての実績を積み上げてもスタイルは変えない。本人に「癖になる」と言わせるあたりが上手いと思いました。単身で敵地に乗り込み捕虜を救出するくだりはハリウッド映画らしいヒロイック表現で、出来過ぎの活躍にも血圧があがりました。数あるマーベルヒーローの中で、ロジャースの能力は凡庸な部類に入ります。身体機能がオリンピック選手より優れているという程度で、大地を割る怪力も無ければ空も飛べない。彼の武器は正義感。ヒトラーというよりも「悪いもの」を阻止したいという動機の純粋さが最大の個性でした。でも、それはヒーローに不可欠な資質で、本作のストーリーはそこにポイントを置いていました。クラシックなヒーロー観だけど、「アベンジャーズ」の面々を集める前に基本を確認しているような風情でした。本編後の「アベンジャーズ」の予告編で、アイアンマンがマイティ・ソーの肩を叩いて「いい体してんじゃねえか」って、この取り合わせの魅力を数秒で語り尽くしてました。その面子にキャプテン・ロジャースが「ファースト」として加入する。戦闘力という意味では遥かに上を行く怪物たちと共に、ロジャースがどのような存在感を示すかに興味が募ります。
[試写会(字幕)] 6点(2012-10-05 00:52:25)(良:2票)
36.  奇跡(2011) 《ネタバレ》 
「かわいい子には旅をさせろ」という諺がありますが、あれは子供の成長を促すというより、親に対しての戒めの色合いが強い。「過保護になるな」という意味で。子供たちが自らの意志で積極的に「旅」をしたらどんなことが起こるのだろう。本作はそんな映画だったと思います。九州を縦断する新幹線が初めてすれ違う瞬間を見る。その他愛無い目的も、遠く距離を隔てた場所で起こるので、小学生たちにとってはただ事ではありません。計画から準備、資金繰り、親や周囲の大人たちとの調整など、途上の苦労や工夫は、思い込みが激しい分だけ力強い経験値となって蓄積されます。幼児が「初めてのお遣い」で世界を拡げるように、彼らも「初めての旅」で世界を拡げました。「お遣い」との違いは、自分たちが受けている外界からの恩恵を実感したことではないかと思います。その自覚は彼らの内面をひと回り太くし、大人への第一歩を刻ませました。家族4人が一緒に暮らす「奇跡」をスケープゴートにしながら、自然とその過程がテーマになっている構成がとても良かったです。新幹線がやって来る直前、この「奇跡」を目指したアクションの記憶をフラッシュバックさせる演出に感心しました。複雑な想いや状況をひとつの方向性へと昇華させる刹那の心情を見事に表現していると思います。子供たちの成長のために、本当に大切なことは何なのか。教育機関などにクレームを付けることを生き甲斐にしているモンスターペアレンツさんたちに見て欲しい映画です。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2012-06-13 23:20:53)(良:1票)
37.  キングコングの逆襲 《ネタバレ》 
面白い。初見は子供の頃のテレビ放送だったけど、再見で見どころが増えた印象です。私のイチバンは天本英世さん。「世界的な指名手配犯、ドクター・フー(who?)」なる変な人を演じています。突拍子もない事件は自分のせいにされる、とほくそ笑む。突拍子もない事件とは、例えばキングコングの誘拐とか。彼と一緒に悪だくみを凝らすのが某国の工作員に扮する浜美枝さん(役名がマダム・ピラニア!)。秘密基地の自室をサロンにして人質を招いてお酒を勧める趣味がある。その時のファッションがキャバ嬢のように蠱惑的。浜美枝は途中で改心してしまう。ここが少しツマラナイ。コングを手なずけるアメリカ人の女医さんが、ハリウッド女優らしからぬトランジスタ・グラマーな体型で萌える。1967年の作品でも狙ってやってますよ。なんで「逆襲」かって言うと、たぶんゴジラと闘った後だから。でもゴジラに恨みを晴らす訳じゃない。そのコングは相変わらずブサイクで、それがチャーミングと言えなくもない。お前「ウルトラQ」のゴローだよな。出色のデザインはメカニコング。後にメカゴジラやメカキングギドラを映像にする東宝が、最初にメカ化したのがこのメカニコングだろう。クライマックス、東京タワーに登りながらのどつき合いは高層表現も含めて良く撮れています。やっぱり、コングは高いところへ登らないとね。今、同じことをやったら馬鹿にされる映画になるけど、ピンポイントの見せ場がたくさんあって和みます。
[地上波(邦画)] 6点(2012-05-30 23:29:04)(笑:1票) (良:2票)
38.  麒麟の翼~劇場版・新参者~ 《ネタバレ》 
「新参者」は未読でTVシリーズも観ていないが、加賀恭一郎のシリーズは何冊か読んでいる。主人公の輪郭は把握しているから大丈夫だろうと劇場へ。本庁と所轄の関係はステレオタイプなので容易に追いつける。剣道で培った熱を内側に封じながら冷静に捜査を進める主人公像を阿部寛が演じることで脂っ濃くなった印象。でも、太い感じは出ていて悪くない。ストーリーは様々な人間関係が交錯し複雑に進む。それぞれの関係性に特筆するものは無いが、組み合わせ方が巧みで展開に引き込まれる。最後のオチにはご都合を感じる。あの状況でナイフで刺すか? そこに被害者の会社を解雇され、同棲相手の妊娠でお金に困っている男がたまたま出くわすか? 腹を刺された段ですぐに助けを求めれば助かった可能性はないのか? 何より、いきなり残された時間が無いことを自覚したら、話しておきたい相手の携帯を鳴らすのではないか…。私が興味を引かれるのは、裏テーマ的に描かれる加賀恭一郎とその父親の関係。あれほど、被害者・被疑者・関係者の心情を斟酌しながら捜査を進める加賀恭一郎が、しかし自分と父親のこととなると客観性が無くなり意固地が先行する。良く分かります、その感覚。肉親との関係には親愛や甘えや意地が同居する。ボタンを掛け違えると、素直になりにくい関係性。中井貴一が演じる父親像に加賀恭一郎は何を思ったのか、という作品だったと思います。その中井貴一が素晴らしかった。このところ、ますます演技に幅が出てきたなぁと感心しています。
[映画館(邦画)] 6点(2012-02-02 21:13:16)(良:1票)
39.  機動戦士ガンダム00 -A wakening of the Trailblazer- 《ネタバレ》 
これは珍しくシリーズを全て観ていたんですが、この劇場版は面白くなかったです。シリーズに出ていたキャラたちに無理矢理に見せ場を作るためなのか、ずっと戦闘をやっていて、それが全部同じシーンに見える。今の流行なんでしょうが、パイロットが何かを叫ぶとモビルスーツの機体性能がアップしてハデに爆発が起こる。そんなシステムがあるのは別に良いんですが、速さでごまかしているような印象で、ファーストの頃にはあった絵作りの「色気」を本作には感じませんね。ストーリーの方もSFの大テーマであるファースト・コンタクトを持ち込んだが、あくまで「設定」でしか機能しておらず消化できていない。ワンダーを覚えません。さらに、キャラの感情の昂ぶりや想いで物事を解決するのは、大作ぶった実写邦画の悪い体質と同じです。ばーさんになった王女さまも見たくなかったな。古いアニメファンの意見でした。
[CS・衛星(邦画)] 2点(2011-12-30 01:56:29)
40.  岸和田少年愚連隊
面白かったです。それは文字通り、笑えるからでしょう。仮に同じストーリーをペシミスティックに描けばとことん陰惨な映画になったはず。両親の不仲とか家庭裁判所のシーンなどは平静に観られたものじゃなかったかも。でも、それが分かっているから、笑いのオブラートに包まれた展開でもパワーを感じるのだと思います。自身が置かれた様々な状況を振り切るように喧嘩に明け暮れる馬鹿どものバイタリティだけを描いた作品ですが、私は清々しさを覚えました。彼らの馬鹿騒ぎが終焉に近づいたときに感じた淋しさは、その馬鹿騒ぎも立派な青春だったことの証しでしょう。私も大阪の出身ですが岸和田の方面には降参です。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2011-12-03 10:21:42)(良:1票)
0170.80%
1462.16%
21316.16%
32069.69%
432315.19%
548322.71%
636917.35%
728213.26%
81758.23%
9733.43%
10221.03%

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