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かっぱ堰さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1246
性別 男性
自己紹介 【名前】「くるきまき」(Kurkimäki)を10年近く使いましたが変な名前だったので捨てました。
【文章】感想文を書いています。できる限り作り手の意図をくみ取ろうとしています。また、わざわざ見るからにはなるべく面白がろうとしています。
【点数】基本的に個人的な好き嫌いで付けています。
5点が標準点で、悪くないが特にいいとも思わない、または可も不可もあって相殺しているもの、素人目にも出来がよくないがいいところのある映画の最高点、嫌悪する映画の最高点と、感情問題としては0だが外見的に角が立たないよう標準点にしたものです。6点以上は好意的、4点以下は否定的です。
また0点は、特に事情があって採点放棄したもの、あるいは憎しみや怒りなどで効用が0以下になっているものです。

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41.  巨人獣 《ネタバレ》 
特撮ファンには昔から知られていた映画のはずだが、最近になってやっとDVDが出たので長年の希望が果たされた。 ただし中身は淡々としたもので、真面目なお話ではあるが正直面白くはない。劇中で最も信頼すべき人物までがケダモノ扱いしているのに、実の妹だけが懸命に昔の思い出を語りかけるのが切ないのと、最後に一言、妹の名を呼ぶのが唯一の台詞であって、人間の心を取り戻した代わりに生きていられなくなったという展開が悲しいとはいえる。 またこの妹が美形なのは見ていて少し救われる。怪物の身内というつらい立場ながら兄への献身姿勢を変えない筋の通った人物であり、せめて悲劇の後には相手役の少佐と幸せになってほしいと願うところだが、そういう兆しをみせることもせず例によって無造作に映画が終わってしまうのは残念なことである。この妹役のサリー・フレイザーという人は金星ガニの映画にも重要人物で出ているので、そういった方面に関心がある者としては記憶にとどめておかなければならない。
[DVD(字幕)] 4点(2014-05-03 18:56:23)
42.  ギャルバサラ -戦国時代は圏外です- 《ネタバレ》 
一応説明しておくと、名古屋テレビの開局50周年記念映画とのことでSKE48のメンバーが合計14人も出演しており、またAKB48関係者も2人が出ている。監督は「マジすか学園」の人だそうだが、当然ながら自分はそういう番組を見たことはない。  内容に関しては、要は女子高生が携帯持って戦国時代へ行く話で(男子もいる)、圏外といいながらも結構多用している。歴史上の著名人と女子高生とのやり取りは少し笑えるが、このままもう少し見ていたいと思っているところで着信音が流れを中断するのはケータイ時代のリアリティということか。ほか「三方ヶ原」という地名に対するバカ男子の反応には失笑した。 また一応まともな映画らしくドラマ性も重視されているが、しかし重要な台詞が変に小難しいのは困ったことである。例えば「未来」というのはもともと現在を基準として未だ到来しない時点の集合だろうが、その基準点をずらして相対的な概念として捉えるまではいいとして、個人が実現すべき将来像という意味も持たせてわざとわかりにくくしているようなのが面倒くさい。また「天下を取る」の意味が「日本一」というならまだ自然としても、これが拡張可能なのは「立身出世」という程度までが限界で、それ以上に一般化しようとしても意味不明でしかなく、これで最後に関係者が納得していたことの方が変である。さらに終盤では説明台詞が続く上、全く別のこと(生命の連続性?)を語る人物も混じっていたりするので、もっとすっきりさせてくれと言いたくなる。 そのため、そういう面倒くさいことはいちいち考えずに、とりあえず劇中の誰々は可愛い、とか言っておしまいにするのが正しい鑑賞方法だろうという気がして来る。個人的感覚としては主人公も可愛いとは思ったが、普通に正統派美少女のため見たあと顔を忘れてしまった。かえって態度の悪い親友の方は、ふてくされた顔のようでもにっこり笑うとかわいいのが印象に残った。そのほかSKE48の主要人物2人(木崎・小木曽)はさすがに個性的で存在感があった。  ところで劇中の女性教員は「日本史の教師」とのことだったが、この年でまだ独身だったようで、それがかつての歴女の末路だとすれば寂しいものがある。もっと歴女が愛される世の中になった方がいいと思うが、とりあえず劇中の歴女は可愛いので、自分がもっと若かったら嫁さんにしたい。話も合うと思う。
[DVD(邦画)] 4点(2014-01-13 18:27:57)
43.  君のままで 《ネタバレ》 
一応説明しておくと、主題歌を歌う”DEEN”のライブツアーに合わせて制作されたショートムービーとのことで、メンバーも出演しているようである(顔を知らないが)。また長野県上田市(別所温泉)のご当地映画的な性格もあるようだが、そういったことに関心のない人間にとっては、要は坂井真紀の主演映画として捉えておくのが妥当と思われる。  内容としては、ヒロインが東京で不倫相手に捨てられて帰郷し、昔の彼とよりを戻したいと手前勝手に妄想していたが、その婚約者に東京へ帰れと言われてしまい、どうすればいいかわからなくなって酔っぱらってしまった、という痛い感じのストーリーである。しかしラストは少し意外性があり、人によっては(主に同年輩の女性)著しく都合のいい話とわかっていてもなお泣ける、ということも考えられるので、そういう意味では価値のない映画ともいえない。季節感としては夏が終わって最後の花火といった感じで、短い時間にコンパクトにまとめた見やすいお話になっている。  なお全くどうでもいいことだが、劇中では市役所が著名なイラストレーターに依頼して地元の風景をバックにした少女の絵を描いてもらい、これを市のPR用ポスターにするという話をしていたが、今なら「サマーウォーズ」(2009)のポスターでも間に合うだろうと思われる。
[DVD(邦画)] 4点(2014-01-13 18:27:44)
44.  金星人地球を征服 《ネタバレ》 
 一つ前のレビューに微妙に心打たれてしまったので、おれもこういう見方ができないだろうか、と思って見直してみたが、初回の印象と同じだった。やはり自分は自分と思うしかない。 それで中身については、要は金星ガニの映画なわけだが、見てまず驚いたのは真面目な映画だったということである。劇中人物が夫婦愛について真剣に語るのは感心してしまったが、しかし主役と軍隊以外が全員死亡というのは何とも殺伐として救いがない。わが国では宇宙人が倒されると、操られていた人々が一斉に元に戻ってよかったね、というのが普通なのに、この映画では洗脳された人間はもう殺すしかないらしく、これには昭和特撮の優しさをあらためて感じた…というか日本の特撮は子ども向けだからだろうが。 ところで、この映画では洗脳で人間の感情を失わせることを問題視していたが、本当に問題なのは教育や宣伝で人間の感情を一方向に誘導することの方だろう。そもそも民主主義にとっては、感情というより自立した理性と意志の方が重要ではないのか(建前だが)。そういうことを考えているようにも見えず、何か平気で教宣活動をやっているようなのは天然なのか特に理由があるのかわからないが、とにかく力んだような外見の割には少しずれた感じのする映画だった。 しかし、そういう変な社会性とは無関係に、羽目を外さない程度の笑いが映画の印象を和らげており、特に洗脳されたはずの将軍が脱力系のジョークを言っていたのは笑った。これのどこが感情を失った人間なのか。また牛はダメだがニワトリは黙認というのもわけがわからず失笑してしまう。そのほか、最初のロケット打上げの映像が大昔の映画にしては斬新で、これは率直にほめていいと思う。
[DVD(字幕)] 4点(2012-10-15 19:09:40)(良:1票)
45.  奇談 キダン 《ネタバレ》 
原作は「新世紀エヴァンゲリオン」に元ネタの一つを提供したマンガだが、映画もそのストーリーを基本的に尊重しているのは評価する。期待していた「三じゅわんさま」もちゃんと出てきたので嬉しかった。ただこの場面の神父の発言には、原作にあった微妙な可笑しさが感じられなかったのが残念である。 また原作の短編を長編映画にするためか、もとの話と直接関係のない要素がかなり加えられており(同じ作者の「天神さま」から取ったか)、「7歳」で無理につなごうとしたようだが、どうも本筋との統一感がないので困る。 それでもヒロインが年齢のわりには(昔の女性らしく?)清純そうで可愛いのは高評価で、これは原作よりずっといいかも知れない。稗田センセイも、あくまで堅物というか紳士なので安心して見ていられた。マンガのとおり尊敬できるお方である。 なお、自分としては特に原作者のファンとは思っていないのだが、DVD特典で初めてご尊顔を拝することができたのは感激だった。
[DVD(邦画)] 4点(2012-05-14 22:36:17)
46.  忌怪島/きかいじま 《ネタバレ》 
ホラー映画として怖いところはない。話の前提として、科学技術と心霊は「真逆にある世界」ではないということらしいがだから何だという感じである。いろいろ理解困難なところが多いが、要は島一つをまるごとデータ化して作ったVR世界が「あの世とこの世」の出入口になってしまったということか。鳥居はどっち側のものかとか、この人物はこの時点でどっちにいるのかといった謎解きの仕掛けがあるかも知れないが、どうせわからないので考えるのは放棄した。 ただ少なくとも島の名前が「境島」なのは2つの世界の境界という意味と思われる。最後に2人(+1人)がフェリーで出て行ったのは、国内他地域の言い方だと補陀落渡海のようなものだろうが、撮影地の言葉でいえばネリヤカナヤに向かっていたのであって、それは死後の世界または理想郷(死んだ父親のいる場所/主人公の望むべき世界)なのかとは思った。 その上でさらにホラー要素として撮影地で実際に伝わる呪いの伝承をからめた形だが、複数要素の接合によってまとまりのない印象になっているのは前作などと同様だった。当然ながら物語として共感できるものもない。  その他個人的な感覚として、何とはいわないが非常に嫌な感じの成分が全編にわたって含まれている気がしたが、あくまで個人的な感覚なので他の人々が何とも思わなければどうせ意味はない。 登場人物に関しては、最初に伊藤歩さんが重要人物っぽく出たので期待したがすぐ顔が見えなくなってしまった。村シリーズのレギュラーだった「秋奈」は突撃YouTuberを卒業してしまったらしい。個人的には見どころが多くなかった。
[インターネット(邦画)] 3点(2024-01-06 10:14:49)
47.  恐怖新聞(2011) 《ネタバレ》 
原作は懐かしい。この映画はあまり原作を思わせるところはないが、頼んでもいない新聞が来て生命が縮むというのは最低限のところを押さえたようには見える。ただし見出しは読んでも支障ないという設定が勝手すぎるのと、メリーさんの登場が原作のイメージからは若干ずれている。そのメリーさんもまめに電話をよこすわけでもなく、注意事項を1回だけというのは本来のあり方ではない。  ストーリー的にはそれなりに作ってあったようではあるが、配達員とか発行元はいいとして、主人公の友人の意味付けが微妙だった気がする(よく考えていないがすっきり説明がつくのかどうか)。 また自分としては、特に主人公とヒロインとの関係性をもっとしっかり描写してもらいたかった。昔の悔いを晴らす意味もあったにせよ、今回はこの相手が本気で大事と思ったからこそ助けたというのが本筋だろうと思うが、それを象徴するものが手作りストラップ(餃子)というだけでは弱い。また主人公にはこの先2週間程度しか残されていないはずだが、それでも最後は達成感があったのか、それより悲壮感とか空しさがあったのか(どうせ死ねば速やかに忘れられる)というようなことがよく見えない。ラストでは背景事情の説明の方が前面に出てしまい、主人公の心情は曖昧なまま終わってしまった気がする。 なお個人的には、ヒロインの体調が悪かったときに「だからほら、そのマスクしてくださいよ」と不機嫌な口調で言ったあたりがその辺の普通の女子のようで親近感を覚えたが、その後に刃物を構えた場面の凶悪そうな様子がいかにもありきたりで、ここで見る側としての好意が失われてしまったのは残念だった。  ほかどうでもいい感想として、2日分の新聞を並べて見る場面があったので、過去の新聞が消えるわけでもなく残るのなら、そのうち古紙回収に出さなければならないくらい溜まるのではないかと思ったが、あと2週間程度ならまあいいかも知れない。 また登場人物として、サークルの眼鏡女子は嫌いでない。この人と仲よくなって、物理現象を起こす霊は必ず物質でなければならない、などという話を聞かせてもらいたい。
[DVD(邦画)] 3点(2019-10-23 23:20:42)
48.  きらきら眼鏡 《ネタバレ》 
原作は読んでいない。千葉県船橋市の映画だが、ふなっしーは出ない(舞台挨拶には来たらしい)。監督は犬童一利という人物で、著名な犬童一心監督との関係はわからないが、池脇千鶴が主演していることからも関係ないでは済まない気がする。  物語的には何が言いたいのかわからなかったが、若い男に関していえば、最初は“恋人に死なれた立場”で心を閉ざした状態だったのが、それ以外に“友人に死なれた立場”もあることに気づき、さらには“恋人を残して死ななければならない立場”もあることを知って心が一回り大きくなったというようなことか。題名の「きらきら眼鏡」に関しては、「心にシャッター降ろす」のに使うと嘘になるのでよくないが、全てを受け入れた上でなお世界を輝かせようとするのは悪くないという意味かも知れない。 しかし地元の皆さんには大変申し訳ないが、自分としては誰にもどこにも全く共感できない映画だった。年上の女は訳あり風の妙な言動が人物の魅力につながらず、個人的に見た範囲では「潔く柔く」(2013)パターンで目新しくもない。また若い男は、何を考えているかわからない顔がバカに見えて苛立たしいだけである。さらに腹立たしいのが年上の男の「何でおれなんだよ…」という言い方で、誰が何歳で死んでも不思議でないだろうに、自分だけが特別な人間と思ってきたいわゆるリア充だとこういう発想になるということか。登場人物それぞれの人生はあるにせよ、とりあえずおれには関係ないという気分のままで終わった。 唯一面白かったのは、若い男が職場で突然脈絡ない話をしたときの女性駅員の反応だった。この場面は最近お疲れだろうから休めというところにしかつながっていないように見えたが、ほかに何か深い意味があったのか。  出演者に関しては、古畑星夏さんが非常に魅力的に見える場面があったが(きれいで可愛い)、気色悪い男に乱暴なことをされる場面が入れてあるのが気に食わない。また大変失礼だが、池脇千鶴がおばさん体型に見えたのはまずくないか(わざとなのか)。おばさん役なら仕方ないが、一応ラブストーリーのはずなので困ってしまった。 そういうことで個人的には残念な映画だったが、世間の評判はそれほど悪くないようなので、どうかそっちの方を信用していただきたい。
[インターネット(邦画)] 3点(2019-08-24 15:07:34)
49.  吸血鬼ゴケミドロ 《ネタバレ》 
90年代にVHSのレンタルで見たのが初見だが、その時点では二度と見る気がしない映画だった。その理由は何だったかと考えると、基本は延々とバッドテイストの内容が続いた上にバッドエンドになって嫌悪感だけが残るということだが、そのことよりも、こういう人の神経を逆撫でするものを気の利いた風に作って得意になっている製作側に怒りを感じたという方が正しい。 そのときの印象のままで0点とか付けるのも失礼かと思って二度目を見たところ、20年の間に神経が図太くなったらしく今回はそれほど気に障るところもなかったが、それにしても登場人物の行動が紋切型で人間性に深みが感じられず、また社会的メッセージのようなものも通り一遍で薬味程度にしかなっていない。逆にベトナムで戦争が続いていた時期にこういう悪趣味な娯楽映画を作っていた日本は呑気なものだと感じる。 登場人物のうち共感できる人間は誰もいなかったが(副操縦士はバカ)、金子信雄氏の悪役ぶりにはほれぼれした。 なおDVD特典の鷺巣富雄氏インタビューで、題名の由来が京都の「苔寺」と「深泥池」(:伝統的な心霊スポット)と知って少し感動した。安直なネーミングだが。
[DVD(邦画)] 3点(2016-05-21 09:27:20)(良:1票)
50.  狂々スタント狂想曲<OV> 《ネタバレ》 
こんなものを映画として扱っていいのかと思ったが、主要映画サイトに名前が載っており(レビューがついているかは別)、また福岡インディペンデント映画祭2011でグランプリ受賞(60分ムービー部門)などということが誇らしげに書いてあるので、世間的に映画扱いされているのは間違いないらしい。ただし決して真面目に見るものではないと一応書いておく。  外部情報によると、アクション関係の芸能プロダクションである「株式会社ワーサル」の自主制作とのことで、DVD特典に同社の「交通安全スタント」のイベント映像が入っているのは営業活動の一環と思われる。 監督や出演者も実際にアクション・スタント関係者らしいが、しかし「スタントウーマン」として出演する藤澤志帆という人は普通に女優であってスタントはやっていないと思われる。劇中でアクション演技をこなす場面はあったが、本人は「アクションもこんなにやったことがなかった」と言っていたのでこれ専門ということは全くない。ただし所属事務所のプロフィールを見ると、特技に「アクション、バク転」とは一応書いてある(2004年のTVドラマ「天国への応援歌 チアーズ ~チアリーディングに懸けた青春~」でも本人がバク転をしていたようだった)。 内容に関しては「4人のスタントマンを追った映像記録」と言っていたが要はフェイクドキュメンタリーで、見ているうちにこれはさすがにウソだろうという展開になり、最後に適当な理由で全員集めて、他の出演者も入れた5分程度のアクション(乱闘)場面を作って終わりになる。なおスタントの話として始まっていながら最後はアクション映画だったというのは話がずれている。  以上のどこが面白いのか自分としては説明できない(面白くないので)。見てよかったと思ったのは藤澤志帆さんが可愛い人で和まされることだけだったので、そこにだけ点数を入れておく。個人的には完全にこの人のPVだった。ちなみに前記イベントではMCをしていたらしい。
[DVD(邦画)] 2点(2019-01-22 20:59:47)
51.  極限水域 ファースト・アフター・ゴッド 《ネタバレ》 
第二次世界大戦中のソビエト海軍の潜水艦長の話である。原題の“Первый после Бога”は英題と同じ意味で、邦題だけが誇大広告気味になっている。 劇中の潜水艦基地はフィンランドにあるとのことで、あえて特定するとすれば1944/9/19の休戦協定により海軍基地として租借されたポルッカラ半島のことかと思われる。劇中ではフィンランド語を話すフィンランド人やスウェーデン語を話すフィンランド人?が出ており、”HOTELLI”の看板とか製材所の喫煙禁止表示もフィンランド語のようだった。ちなみにフィンランド語/フランス語/スウェーデン語?の台詞の直後に音声でロシア語訳を被せていたのは非常に聞きづらい。 戦争映画としては、艦船の映像はそれなりに見えるがほとんど架空の戦記のようで、最後のドイツの大型艦など名前が変で排水量も半端な数字である(後述の客船に合わせたのかも知れないがあまり意味はない)。また最初の攻撃で輸送船を撃沈した意図はわかるとして、その後はどういう理由で潜水艦が出撃していたのか不明瞭だったが、それは邦訳がまずいせいもあるかと思われる。どうも基本的な軍事用語がわかっていないらしい。  ところで外部情報によると、主人公にはモデルになった実在の英雄がいたようで(cf.「ヴィルヘルム・グストロフ (客船)」)、要はこの人物を顕彰するのが目的の映画と取れる。しかしこの人物が英雄だと観客が自然に納得するよう作られているわけでもなく、初めから英雄扱いなのをそのまま受け入れろと要求されるだけである。 また片思いの少女も浮いた感じの人物で、出番が少ない割に全部見ていたかのようにナレーションまで担当していたが、実際主人公のことなど何もわかっていないのにFIRST AFTER GODなどという勝手な思い込みが痛々しい。まあそれは仕方ないとしても(まだほんの子どもらしいので)そんなことが主人公の顕彰につながるわけでもない。 どうも半端で独りよがりな映画のようで突っ込みどころが多いのは困る。そもそも難民船でも引揚船でも平気で撃沈して恥じることのないソ連潜水艦など称揚するわけにはいかない(cf.「三船殉難事件」)。  なお若干面白かったのは艦内に「ケマルチュク」というのが住んでいるという話で、要は単なるホラ話だろうが、この後もこの潜水艦が生き延びていくとすれば都市伝説的に語り継がれていくのかも知れない。ちなみに劇中潜水艦(S-113)のモデルになったと思われるS-13は1954年に退役している。   [2022-05-14追記] 難民船を撃沈して悪名の高い潜水艦長を、忘れた頃になって引っ張り出して英雄扱いしようとする魂胆が気に食わない。最初は穏便にと思って4点を付けていたが今回改めて点数を落としておく。日本人も「三船殉難事件」や樺太(「氷雪の門」1974)や満州やシベリア抑留などのことを忘れてはいない。残った点数はケマルチュクの分だ。 なおそのケマルチュクКемарчукとはこの潜水艦だけにいるのでなく、“目に見えない乗員”として船乗りの間で共通認識になっているのかも知れないと思ったが、今回改めて調べてもネット上に情報が少なくわからないのは残念也。この映画で見た限りでは、勤務中に寝てしまった奴がいた場合のおとぼけや揶揄に使うもののようでもある。
[DVD(字幕)] 2点(2018-06-04 21:25:53)
52.  キル・鬼ごっこ<OV> 《ネタバレ》 
孤島に集められた連中が殺し合いをする映画で、宣伝では「バトル・ロワイアル」(2000)の流れをくむものとされている。今になればもうこの手のものなど見なくていい気もするが当時はまだしも新鮮味が残っていたものか。題名は「キル・ビル」(2003)と「リアル鬼ごっこ」(2001年発行)から借りたのかも知れないが、鬼ごっこにはなっていないので看板に偽りがある。殺戮の残虐度が低い上に緊迫感もなく、人間を盛大にぶち殺したい観客の意向には全く応えられないと思われる。 テーマについては監督本人がいろいろ語っており、作り手が何も考えていなかったわけではないことはわかる。一応紹介しておくと、17歳くらいの少年少女に生死の問題を意識してもらうこと、また欠点との向き合い方を考えてもらうことが重要だということで、要は17歳前後の観客が見る映画ということである。また出演者の言葉として、これを見る時は部屋を暗くして仲間と騒ぎながら見てもらいたいと言っていたのは本質をついている面もあるとは思うが、そういう場面で本当に有用なのかも若干疑問がある。 個人的感想としては登場人物の反応がいちいち鈍いのが非常に苛立たしく見えたが、映像的には絵として見映えのする場面も多いように思った。撮影場所は島ではなく静岡県とのことである。  登場人物に関しては、誰ひとりとして17歳には見えないがそれを言っても仕方ない。ヒロインはかろうじて18歳くらいだと思うが大人びているのでセーラー服が似合わない。また近年もあることだがダンスグループのメンバーが大挙出演しており、そのせいか劇中に特に必然性のないラップとかダンスの場面が入っていたりして、噂に聞くインド映画とはこういうものかと思わせる。その程度はまだいいとして、突然の剣劇などは若者向けの趣向とも思われず、こういうストーリーと無関係な演芸を披露するのはさすがに不可解だった。 またエンディング後の追加場面は、製作上の要請でやったとのことだが明らかに不要である。ただ明らかに不要な印象を受けることからすれば、逆にこれは無視して構わないという意思表示だったとも取れる。
[DVD(邦画)] 2点(2018-05-30 21:51:14)
53.  恐竜を掘ろう 《ネタバレ》 
監督の出身地である福井県のご当地映画になっている。 クレジットによれば「特別協力」が福井県のほか敦賀市と勝山市で、うち敦賀市では気比松原・氣比神宮・中池見湿地ほか街の風景(松島町とか)、勝山市では福井県立恐竜博物館のほか、えちぜん鉄道(勝山駅)と本町通りの街並みを映している。また「協力」が福井市・越前市・池田町・越前町だったのも、それぞれ劇中のロケ地に対応していたらしい(骨董品店と夜の街・越前和紙の里・能面美術館・福井県陶芸館)。そのほか東尋坊・丸岡城・芦原温泉・永平寺・一乗谷・越前大野といったところや旧若狭国の区域は、今回はPR対象外だったようである。原子力発電所も出ないが、「協賛」として日本原電(日本原子力発電株式会社)の関連団体の名前は出ていた。 監督の出身地である敦賀市と、恐竜博物館のある勝山市が特に重視されたためか、登場人物の移動が長距離にわたる場面が目立ち、敦賀市在住の姉弟の通勤がほとんど県を縦断する距離だったのは毎日ご苦労様である。また勝山市の発掘現場の近くに恐竜の卵があるというので歩いて行った先が、海岸の崖際だったと後に判明したのはかなり面食らった。  内容に関しては、まず監督としての手腕がどうか素人としては何ともいえない。またストーリーは「卵」(の殻)や「化石」をキーワードにして人生を語る話だったらしいがこれも何ともいえない。ついでに発掘場所のロケ地選定や作業従事者の服装(中学校の制服のまま?)、道具(スノーダンプ?)に関しても何もいわないことにしておく。全国的に著名な俳優が関わったとはいえ、地元各界の期待を託すには少し心許ない企画だったように思われるが、まああまりシビアに成果が問われるものではなかったのかも知れない。 ほかキャストに関しては、中学生役の小野花梨さんは可愛らしくていいのだが、はしゃいだ感じを表現するための歩き方がいろいろでお疲れ様でした。またミラーマン(1971~1972放映)と帰ってきたウルトラマン(1971~1972放映)を一緒に出していたのは意味不明で、こういうのはリアルタイム世代としても別に嬉しいとは思わない。
[DVD(邦画)] 2点(2016-08-18 22:19:15)
54.  極底探険船ポーラーボーラ 《ネタバレ》 
東宝特撮としてはそれなりの出来である。Polar Borerというネーミングはいいと思うが、それ以外はほめるところがない。 基本設定については多分、大昔にあった地球空洞説というものから着想を得たのではないかと思うが、劇中の図を見る限りは同じでもない。地底の空間で昼夜があるのはなぜかという説明があるわけでもなく、サイエンス・フィクションというより荒唐無稽ファンタジーになっている。 また最大の問題は主役が汚い顔のジジイなことで、この時60歳くらいの役者を引っ張り出しておいて「アダムとイブ」とは何たることか。そもそもこの主人公が自力で成り上がったわけでもないのに粗暴で傲慢でスケベであって、これまで金も権力も何にも不自由せず勝手放題やって来ておいて年取ったからといって悲哀を語られても共感できるものではない。孤独なハンターとか孤高の英雄のようなものを称揚する文化が向こうにはあるのかも知れないが、個人的にはキ○○○じみたこだわりとしか見えず、アメリカ人とは人種が違うことを思い知らされる映画だった。  ところで原地住民役で出ている日本人女優に関して、自分としては昔のTVドラマ「特捜最前線」の高杉婦警役が好きだったのだが、この映画に出ている顔(眉毛がつながっている)を見ても全く得にはならない。ただ体形が意外にふくよかで、こういう感じの人だったのかと認識を新たにした。またDVD特典で、ご本人が映像付きでコメントを寄せられているのも嬉しかったりする(コメンタリーも務められている)。この関谷ますみさんを人質に取られた形になっているために、映画そのものを全否定できないのは困ったことである。
[DVD(邦画)] 2点(2016-05-14 20:08:39)
55.  岸和田少年愚連隊 望郷 《ネタバレ》 
シリーズ中でこれだけ見ても、だから何だ、としか思えないが、アポロ11号や大阪万博といった高度成長期の山場ともいえるイベントが扱われており、場所と年齢は違うが自分も一応この時代を生きていたという共感を覚える。飛翔場面でワイヤが見えても指摘したりしないのは昭和特撮世代の伝統である。 それで、この映画であえて重要メッセージを探すとすれば、何といっても「アホに何言うてもわからへん」だろう。これはまさにその通りで、こういうことを絶対わかろうとしない人もいるので困るのだが、劇中の女先生は理解が早い。ただこの家で本当に無茶苦茶なのは実はオトンだけであり、先生と呼ばれる人を丁重に扱う母と祖父は、古き良き日本の庶民だと思う。 ところで、あの穴は結局何だったのか。大和朝廷に滅ぼされた古代文明とか祖父が言っていたが、奈良県から岸和田に攻めて来るというご近所的スケール感が脱力を誘うジョークである。この祖父はけっこう教養人かも知れない。
[DVD(邦画)] 2点(2012-08-05 20:10:01)
56.  近キョリ恋愛(2014) 《ネタバレ》 
原作は読んでいないので映画限りの感想である。 まずオープニング部分の「本気にすんなよ」の辺は普通に可笑しい。これに続けて基本的にはラブコメだろうと思って見ていると実際はあまり笑えないわけだが、お約束の胸キュン場面がわざとらしくちりばめてあるのでまだしもおおらかな気分で見ていられる。 しかし後半に入ると変に真面目なラブストーリーになってしまい、前半では雰囲気で見過ごしにしていたものが常識人として許せなくなる。受験前という大事な時期に、これまでヒロインが頑なに守っていた精神的安定をぶち壊して大混乱に陥れ、将来の夢さえ奪う形で自分のものにしようというのでは人間としての最低条件を満たしていない。ストーリー的にはやむを得ずこうなった経過を作り込んだようではあるが、そもそも大人の男として、また教員として当然に予見すべきことをしないでこうなったのだから言い訳にはならないだろう。さらに最後まで結婚にこだわっていたのはもう頭が変としか思えないが、ただしこれは「耳をすませば」(1995)の聖司君と同じ心境と思えば納得もいく。まるで中学生の役を30前の役者が演じているような映画だったということである。  一方で個別の登場人物に関していえば、主役の男には当然ながら全く関心がない。それはいいとして、ヒロイン役は注目されている女優というのはわかるが、この映画ではあまりに無表情なのが不気味に見えて、キャスティングとして本当にこれでよかったのか怪しい。劇中人物としても、いちいち細かい仕草で心理を表現するのが煩わしく、また妙な理屈をこねてコミュニケーションを拒絶し自分を守ろうとする態度は病的で痛々しいとさえ感じられた。ヒロイン/主演女優の魅力の面でも評価できなかったことは、個人的にはこの映画の致命的欠陥である。 劇中の女子で最も好印象だったのは、キャーキャー騒いでいた3人組(邪悪な勢力でない方)だった。陽気で後腐れのない感じのこの連中なら、その後に歳を取ってから再会した時などに普通に懐かしがってくれそうな気がする。
[DVD(邦画)] 1点(2015-05-06 01:28:40)(良:1票)
57.  潔く柔く きよくやわく 《ネタバレ》 
申し訳ないが正直に書くと、意味はわかるが共感させるものがなく、2時間強の長さが非常に苦痛である。普通に考えて出来の悪い原作が映画化されるはずはないので、これは映画の方の問題だろうと想像する。主演女優は別に嫌いではないが、この映画を見て特に好きになれたわけでもなかった。点数はほとんど柿之内の姉ちゃんへ。
[DVD(邦画)] 1点(2014-08-12 19:25:01)
58.  北の零年 《ネタバレ》 
DVDの時間表示で02:48:58にも及ぶ長大な映画であり、物理的な大作感は十分である。欠点と思われることはここまでの間にほとんど書かれているが、特に自分としてはわざとらしく芝居がかった感じの人の動きや事件や展開が気に障る。序盤はまだしも後になるほど違和感が拡大して、終盤に至るともう嫌悪すら覚える。また、最初はさんざん嫌な奴に見せておきながら実はそれぞれ事情があり真心もあり愛もあって、最後は全員が都合よく”本当はいい人”の範疇に取り込まれていくような展開は、全ての人に暖かく優しい目を向けています、というようなことかも知れないが、個人的には安っぽく幼稚に感じられる。   一方、この映画で感動的だったのは何といっても中盤の「夢を見ているようだ」であり、これは具体的にそういう経験がないにもかかわらず激しく共感する。堰を切ったように号泣するなどというのでなく、娘を膝に抱いて微笑みかけようとしながらも感情があふれ出てしまうのが奥ゆかしい。「どうして泣いているの」と尋ねるこの子がかわいいから泣くのである。 しかし、そういったプラス評価を完全に覆してしまうのが終盤の展開である。この映画は男が生命を棄てて正義を回復し、妻子のために殉じようとするのを無益なものとして否定するのか。それだけの決意をした男を「死なないで」で泣き落とそうと思う発想が気に食わず、また「生きてください」という発言も“とにかく人は死んではなりませぬ”という程度の観念的かつ無責任な綺麗事のようにしか聞こえない。“下郎”の妻のように生物学的に生きて繁殖するのが第一義というなら随意にすればいいだろうが、個人のプライドなど全く頓着なく自分のペースに巻き込まなければ気が済まないというのはどれだけ能天気で傲慢であることか。  そういうわけで激しい憤りを覚えたので、当然ながら零点である。  なお知り合いの淡路島関係者が、劇中の稲田家当主の扱いが変だといって怒っていたのでついでに書いておく。それからどうでもいいことだが、見ているとまず戸を閉めろと言いたくなる場面が目立つ。北海道は冬でも温暖なのか。
[DVD(邦画)] 0点(2013-11-18 19:54:46)(良:3票)
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