1. クレヨンしんちゃん ガチンコ!逆襲のロボとーちゃん
私が好きだったシーンは、映画中盤の「拷問」シーン。このシーンにはハッとさせられました。「これで拷問してやる!」という感じで「ある拷問道具」がスクリーンに大写しになるんですが、それは「えっ、これが?」と拍子抜けしちゃうようなもの。最初はギャグシーンだと思っていました。クレしん映画では「拷問ギャグシーン」がよくあるので、この場面もその一つだろうと思っていたわけです。 しかし、実際に拷問がスタートすると、その考えは180度変わってしまいました。他の者からすれば大したことのない物でも、当人のしんちゃんからすれば、もっとも残酷な拷問だったわけです。しかも親から見れば「子供のためを思ってついついやってしまう行為」。 これは意外とショッキングなシーンです。映画に暴力シーンは数あれど、殴ったり流血を見せたりせずにここまでの暴力描写ができるのか・・・と驚き。しかも「クレヨンしんちゃん」で!このシーンは親視点で見ても子供視点でみても凄いシーンなのではないでしょうか。その後の拷問克服シーンも、感動必至。オススメです! [映画館(邦画)] 8点(2014-05-09 22:49:23)(良:2票) |
2. 黒執事
《ネタバレ》 よくも悪くも、見てくれだけをこだわった映画だと感じました。ただ何となく「◯◯っぽい映画にしたい」という気分だけで作られてると思います。冒頭の未来都市の全景や齋藤智裕のアクションはオオッと思いましたが、それ以降の描写は中途半端なものばかり。「ダークナイトっぽい」「ミステリーっぽい」「潜入捜査モノっぽい」「アクションが凄いだけじゃなく中身も深いっぽい」というような、作り手のぼんやりした願望だけがスクリーンに映っていました。具体的なディティールを疎かにし過ぎです。「ガッチャマン」よりはマシですが、作り手のスピリッツは似たようなものだろうと邪推してます。「性差や出生の違いによる抑圧」、「自分を犠牲にしても見ず知らずの他人を助けることができるか?」という題材、「敵もまた自分と同じように復讐が目的だった」という真相など、テーマ的には面白いと思えたので、ディティールにこだわる演出家が作っていたらもっと面白かっただろうな、と思います。うーむ惜しい。もはや話の繋がりもグダグダになってしまったクライマックス。なんとなく工場に入り込んでバトルになる展開は笑っちゃいました。それ、シュワちゃんとかスタローンの映画で散々やってきたことじゃ~ん。プロデューサーはインタビューで「ダークナイトを目指した」と言ってたけど、そこを真似するならラストバトルは「主要登場人物たちにとっての因縁の場所」で良かったんじゃないでしょうか。少なくともどこにあるのかよくわからん工場よりは・・・。「ダークナイト」を目指したはずが、 結果的に「エクスペンダブルズ」に近づいてるのは「んも~お茶目~」とか思っちゃいました。 [映画館(邦画)] 4点(2014-01-27 11:42:48) |
3. グランド・イリュージョン
そもそもマジックのタネなんて、バラされてしまえば「な~んだ、そんなもんか」というもが大半なので別にいいんですが、肝心のマジック自体がそれほど凄く見えないのが物足りなかったです。最初のショーなどは、会場で見てる観客からすれば、男を一人消して金が上から降ってくるだけですし。どちらかと言えば、最初のキャラ紹介シーンのほうが「おお、すげえ」と思っちゃいました。個人的にはそこがピークです。その後ストーリーは二転三転していきますが、誰にも感情移入できないまま終わってしまいました。今流行っているプロジェクションマッピングの使い方も、なんだかおかしい。その場にいるヤジ馬ではなく、映画を見てる観客(空撮カメラ)から見たときに丁度よく見えるマッピングの仕方をしてます。小道具の使い方としてもったいない。20年以上前に作られた「インディ・ジョーンズ・最後の聖戦」に出てくる橋のほうが、プロジェクションマッピングの面白さを活かした演出をしてましたよ(あちらは超アナログな方法でしたけど、原理は同じですよね)。マジックのネタばらしは「な~んだ」でも構いませんが、物語のネタばらしまで「な~んだ」じゃマズイと思います。観客をあっちこっちに振り回したかったのかもしれないけど、作り手もこの物語に振り回されてないかい? [映画館(字幕)] 5点(2013-10-27 22:49:07) |
4. クロニクル
最初は「またこの手のPOV映画かあ」などとナメていましたが、実際に見てみたらとてもフレッシュな作品でした。最初は超能力で無邪気に遊ぶ姿が続いて、「羨ましい!自分もあんな風に遊んでみたい」と呑気に思っていたのに、次第にエスカレートしていく様は凄くゾワゾワさせられました。銃乱射事件や通り魔殺人事件などを起こしてしまう青年たちの感情を追体験する感じかもしれません。役者の演技も見事で、1カット内で喜怒哀楽の感情変化を見事に演じきっていました。CGを使いまくった作品だけど、役者にとってもやりがいのある作品だったでしょうね。演出による感情表現も面白いです。よくある演出だと「悲しいシーンは雨を降らせる」のが定番です。対して本作では、不良にブッカケられたビールがレンズにビチャ~と付いたりします。このシーンは主人公の惨めさ倍増。足下の水たまりがズズズと移動していくシーンも良かったです。「よくある演出」をこの作品に合った形で駆使しているのがフレッシュさの由縁でしょうか。展開に合わせてカメラワークの視線が変化していくのも印象的。とくに、ベッドに寝ている主人公が、超能力でカメラをフワ~ッと持ち上げていくシーン。技術的には凄くもなんともないんですが、今までに観たことも感じたこともない感覚がするシーンです。こんな映像は初めて観ました。まだまだ発見されていない映像や演出があるんですね~。 [映画館(字幕)] 7点(2013-10-01 00:39:05)(良:1票) |
5. グランド・マスター
「初恋のきた道」で、水餃子の入った鍋をブンブン振りながら健気に走っていたチャンツィーが、今ではもうカンフーの達人とは!("もう"ってなんだよ) 期待しつつ見に行きましたが、個人的には冒頭部分でもうガッカリしてしまいました。マトリックス・レボリューションのような雨がビシャビシャ降り注ぎ、スローと早回しの波状攻撃で、悪い意味でハリウッド的。カンフーの動きが持つ美しさではなく、あくまで映像テクニックの格好良さでしかないのが物足りなかったです。キャストたちの猛特訓したアクションが、誤摩化しの編集で台無しにされているのでは?あと、映画全編クローズアップばかりで異常に見づらいのも気になりました。見てくれの指摘ばかりになってしまいましたが、これで「カンフーの心」は描けていたんでしょうか・・・。 [映画館(字幕)] 5点(2013-06-02 04:34:27) |
6. クロユリ団地
前半は結講ハラハラドキドキして楽しめたけれど、後半にいくにつれて失笑ポイントが増えて行きビミョーな感じになってしまいました。「いま団地が流行ってるしこれでホラーやればいけるんじゃね?」的な安直さも同時に感じてイヤーな気分になってしまいました。秋元康企画のホラーってそういうの多いような気がする。後半は2ちゃんの「死ぬ程洒落にならない怖い話」でよくあるパターンで、ガッカリは頂点に。やはり寺生まれのTさんがいないとダメだな。改めてそう思った。 [映画館(字幕)] 3点(2013-05-21 00:29:13) |