1. グリーンブック
ドクは、黒人っていうだけでなく、ゲイでもあったわけなんですね。 でもトニーは黒人であることもゲイであることも、気に留めない。 イタリア系移民っていうことで、すでに差別されているせいか、弱いものの気持ちが分かってるのかなと。 トニーにだんだん下品にされていく(フライドチキンとか、聞く音楽とか)ドクと ドクにだんだん上品にされていく(手紙のセンス磨きとか)トニー。 普通に心地よい作品だった。 アカデミー賞の授賞式は見ましたが、オクタヴィア・スぺンサーが作品賞受賞のときに舞台に上がっていて 「え?彼女出てたっけ?」と思ったら、エグゼクティブ・プロデューサーだったんですね。 貫禄ついてきましたねぇオクタヴィア。 [インターネット(字幕)] 8点(2021-06-07 11:31:47)(良:1票) |
2. グロリア(1980)
《ネタバレ》 いやぁもう、子役が不細工すぎ、セリフ棒読みすぎ、演技へたくそすぎ。 モジャモジャの天パ、でかい鼻の穴… 「あんたはママじゃない!ボクのママは美人だ!」などと可愛くないことをほざくわけですから、カワイイ顔なら許せてもこの顔なら 私がグロリアなら「そういうおめぇはママに似なくて、とんでもないブサイクだな!」と怒鳴り散らかして溝に捨てて放置してる。 途中でモジャモジャと一緒に走っていた黄色いタンクトップの男の子のほうがよっぽどカワイイ。そっちを使えばよかったのに。 グロリアにしがみつく演技もへたくそで、子供の学芸会レベルで見てられない。 そもそもあの手帳が相当やばいものと知りながら、なんでモジャモジャにずっと持たせているかも謎。 鞄にしまっておきましょうよ。 ジーナの演技は素晴らしかったけど、子役のせいで映画の作品としての価値が低くなってしまっている。 それより、グロリアのところにいたあのペットどうなった!? [インターネット(字幕)] 2点(2020-10-03 17:03:21) |
3. グレイテスト・ショーマン
《ネタバレ》 映画の主人公が、すべて善人とは限らない。バーナムとてしかりで、最初からバーナムを ”見世物小屋をサーカスにしただけの、結局はフリークスを利用して金儲けをした男” つまり、クズ野郎として鑑賞すれば 「よーし、クズ野郎の顛末を見てやろうじゃねえか!」 と、潔ぎよい気持ちで見ることができるだろう。 英国でバーナムが女王に謁見した際のパーティーに、一緒に参加したがっていたフリークスたちを追い出してドアをバタンと閉じて締め出した場面など 「おお!これぞまさにクズ男の真骨頂!」 と拍手すらしたくなるはずだ。 ところで、心に刺さる映画に必ずあるものの一つに主人公の”心の葛藤”があるが、主人公はそのクズっぷりにふさわしく、今作ではこの”心の葛藤”が見事なまでにズボっと抜け落ちている。 たとえば同じくフリークスを扱った映画「エレファント・マン」では、ジョン・メリックを見世物小屋から病院に引き取った医師は、彼のためを思って上流社会の人たちとの交流を彼に薦め、実際ジョンもつかの間の幸せの時を味わっていたが ある日医師は、暗い部屋で妻に「僕は、ジョンを利用していただけかもしれない。偽善なのか。僕は最低な男なんじゃないか」と、心の葛藤を打ち明ける。 この場面がもし「エレファントマン」になかったら?心に刺さる映画にはなりえなかっただろう。 もう一例挙げるなら「シンドラーのリスト」。この映画では、単に金儲けのために安いユダヤ人を雇っただけなのに、結果的にユダヤ人をホロコースト送りから救い出すことになった事に、主人公が気づかされるにつれ、心の葛藤を抱く描写画面が何度も出てくる。 どちらも「私がしていることは善か?偽善か?」と、心の葛藤で悩む姿があってこそ作品として心を揺さぶるのだ。 しかしバーナムは、フリークスを雇っている事についての心の葛藤は一切ない。 お悩みは 「上流階級に認められてぇえ~~!」 であり 「妻子を幸せにしてやれる世帯主になりてえぇえ~~!!」 だけなのである。 フリークスも、美人 オペラ歌手も、彼にとってはそうしたお悩み解決のためのツールでしかない。 サーカスのテントが火事で焼失した後、フリークス達が「ここが私達の家なんだ!再建してくれ!」とバーナムに懇願したが、その時点でもバーナムの頭の中心にあるのは 「妻子を幸せにするカッコいい世帯主になりてえぇ~~!!」 だ。 再建はフリークスのためではなく、フリークスに対する義理を果たして、さっさと家族関係を再建したいだけなのである。 テントを再建したら即フィリップに全部まる投げし、ゾウさんに乗ってド派手な演出で家族の元にゴー!とか、クズ男は、実に、最後の最後までクズなのである。なんとも痛快なクズ物語! そして、そんなクズなストーリーを華やかに彩るのが、素晴らしい音楽とダンス!! 何を隠そう、ザック・エフロンが大好きな私である。 「ハイスクールミュージカル」シリーズや「ヘアスプレー」では、ピッチピチの彼の歌と踊りに心沸き立ち「将来このまま、もっとのびる!」と期待していたのに、その後のびるどころか全く話題作に恵まれず、すっかり落ち込んでいた矢先に、久々にミュージカル映画で登壇! やはりザックは歌い踊ってこそ輝く俳優だと改めて思った。 バーでの「The Other Side」といい、ゼンデイヤとの「Rewrite The Stars」といい、期待以上の素晴らしさ。20代の頃より、声もずっと太く、ついでに顔と体も太くなっていたが、やはりオーラは健在だ。 そしてゼンデイヤといえば、娘が昔見ていたディズニーチャンネルのティーン向けドラマ「シェキラ!」に出ていたこともあり、彼女にも親近感も持ちながら楽しむこともできた。 ぶっちゃけ、ストーリーはクズいし、予告でサーカスシーンがてんこ盛りだからシルクドュソレイユみたいなエンタメが楽しめるかと期待したのに、迫力あるサーカス場面の割合はめちゃくちゃ少ない(予告編の場面がほぼすべてw)しで、評価できる部分が少なくて0点を付けたいところだけど、ザックの復活を祝して3点献上。 あと、アカデミー賞にノミネートされ舞台でのパフォーマンスの場まで作ってもらっていたのにオスカーを逃したキアラ・セトルの「This is Me」も、私にはそこまでグサっとは刺さらなかった。 たぶん、彼女が歌っている最中ずーっと心の中で 「そんなにヒゲがイヤなら、剃っちゃえばいいじゃん・・・」 って思って気が散っていたせい。 [映画館(字幕)] 3点(2018-03-08 11:01:38)(笑:1票) (良:2票) |
4. グリーンマイル
《ネタバレ》 スティーブンキングというと、ホラーか、あるいは「ショーシャンクの空」のような非ホラーのどっちかというイメージでもたれているのか、この映画を”ファンタジー”とか”おとぎ話”としてくくっている人達もいるようだ。 でもキングの作品は”超常現象”をけっこう多用しているところがあって、この映画のように、人知を超えた出来事を現実社会で普通に起こってます的な描き方がいかにもキングっぽさが出ていたと感じた。 この彼らしい世界観に素直に入っていけるかどうかが、この映画を楽しめるかどうかの分かれ道だと思う。 私は普通に入っていけたが、号泣したかといえばそれほどでもなく、少女殺しの真犯人でありジョンコーフィーを冤罪で死刑にさせた諸悪の根源ビリーザキッドが電気椅子で恐怖にまみえながら公開処刑されることなく、銃で瞬殺されちゃったあたりは「いや、ビリーこそデル並みの殺され方しないと!」と、すっきりしないところがあったりした。 (それはそれとしてビリーを演じたサム・ロックウェルのゲイリーオールドマンっぽいラリ顔はとてもワンダフル。) ただ、痛烈に印象的だったのが、ジョンコーフィーが電気椅子に座らされて恐怖を抑えるように「I'm in heaven...I'm in heaven...」と何度も口づさむ場面。 字幕には「ここは天国だ・・・天国・・・天国・・・」と書かれていたのだけれど、これは彼が死刑前に望むことはと聞かれて「活動写真を見たことないから見てみたい」という願いにこたえて、看守達のはからいで深夜に彼に見せてあげた映画の一場面の歌。 恐怖を、あの朗らかで明るい映画の一場面を思い出すことで、払拭しようとしていたのであろう。 この歌は、冒頭でポールが老人ホームでたまたまTVにその場面が出てきて思わずジョンコーフィーを思い出し、いたたまれずに席を立ったという場面でも印象を強く残している。 フレッドアステアの有名な「トップハット」に出てくる「チーク・トゥ・チーク」という楽曲だが、「グリーンマイル」を見たあとは、このトップハットの場面が出てきたらついジョンを私も思い出してしまいそうだ。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2017-06-14 10:17:19) |
5. クライムダウン
《ネタバレ》 メリッサ・ジョージ、「トライアングル」って映画が、内容も彼女の演技もすごく気にいっていたので、期待値がガガガーーーっと上がった状態で見ました。 実際、山から下りてからの市街地での三つ巴のシークエンス(犯人チーム、誘拐された親が手配したチーム、事情を知らぬまま少女を助けている主人公たち)あたりは、少女が犯人の手元にないってバレたあたりからけっこう心臓バクバクするほど、盛り上がりました。 こういう映画でバクバクするのってなかなかいので、そのあたりすごく良かったってことかな。 誘拐と無関係の市民をムダ撃ちするブタお面の犯人の行動も、銃撃で気分がハイになっていたからと思って受容の範囲内。 山から街に舞台が移るのがNGという意見も多いけど、私の感覚では、テリヤキチキンの和風ソースと、モッツアレラチーズのトマトソースの2種類が1枚のピザで楽しめるハーフ&ハーフのピザだと似ているなと思う程度で気にはしない。 ただ、逃げ込んだ家が犯人によって火事を起こされ、2階から少女を脱出させるようとしたメリッサが、少女を窓の外に両手をもった状態で出してぶらんぶらんと左右に揺らしてトリャって放りだして1階の庭のクッションのききそうな植え込みの上に落として助ける・・・ってところで、えええええええってなりました。 だって、冒頭で断崖絶壁を命綱1本で登る場面を描いていたんですよ。 だって、少女を市街地に連れていってあげるため、近道である断崖絶壁を少女を連れて降りていく場面を描いていたんですよ。 そもそもこのDVDの表紙も断崖絶壁なんですよ。 もう、断崖絶壁がこの映画のテーマなんですよ。 だったら窓の外の2階から1階という”断崖絶壁”というシチュエーションなら、両手もって放り出すじゃなくて、カーテンひきちぢって綱つくってそれで彼女を片手で抱いて、もう片手でカーテンロープを握りしめ「うりゃーうりゃー!」と、数回壁をけりながら、1階の庭まで降りるとか、断崖絶壁降りのワザを見せて伏線回収しないでどーするの! ・・・って、私は思ったわけです。 身代金受け渡しのシークエンスでせっかくドキドキしたのに残念です。 彼女を抱いてカーテンロープで降りていたらもっと高評価だったのにw そうやって残念な気持ちを抱きつつ思い返してみると、犯人は地中に掘った穴に少女を箱に入れた状態で埋めて、空気を通すパイプを地上に出した状態で隠すとか、それはアホじゃないのかと、気づいてしまいました。 こうやって密猟者とかクライマーがやってくるような場所に「たすけて~」って声出そうとおもえば出せるパイプを地上に出させた状態で、なんだかもう、既にそこでアウトじゃないですか。 それに少女の親がけっこうワルっぽい金持ちみたいで、警察を頼らず独自に救出チーム作ってたわけだから、メリッサ一行も、少女を見つけたあとにまた少女を穴に戻して何事もなかったようにしとけば、メリッサ以外の全滅死亡にならず、ほっとけばちゃんと親の作った救出チームが少女と金の交換に成功してじゃんとか思っちゃったりもするじゃないですか。 個人的には、誘拐じゃなくてもっとクレイジーな精神異常者が、山にくる人間を無差別に殺すようなナワバリエリアに脚ふみこんだメリッサ一行を抹殺しようとしてたときに、少女が飛び入り参加してさぁ大変みたいなサバイバルものでも良かった気がする。 それでも6つ☆なのはメリッサのせい。 [DVD(字幕)] 6点(2016-01-29 19:36:49)(笑:1票) |