1. 刑事ジョン・ブック/目撃者
《ネタバレ》 穏やかな農村を映す画はいつも水色に煙っていて、刑事物ということをつい忘れてしまう。仲間を殺して隠蔽する現代警察に、不文律で繋がったアーミッシュが立ち向かうシーンは感じ入るものがあった。レイチェルとジョンが戸惑いの視線を交わす姿が切なくてセクシーで、特にハリソン・フォードが猛烈に魅力的に見えるのは、自分が四十近くなったからだろうか。 [DVD(字幕)] 7点(2010-08-22 02:16:28) |
2. 幻影師アイゼンハイム
《ネタバレ》 秋色に霞むヨーロッパの景色が綺麗でしたね。元々手品は大好きなのでイリュージョンは充分楽しめましたが、ストーリー進行は「イリュージョン映画ですが何か?!」ってな感じで雑なところが見え隠れ。あんなにうまく行くのかしら…。身分違いの恋愛とかペンダントとかメロドラマの趣が強くて、女性監督かと思い込んでいました。案外男性の方がロマンティストなのかも。 [映画館(字幕)] 6点(2008-08-09 21:22:23) |
3. ゲロッパ!
惜しい。笑いのツボがちょっとずれたかなあ。「ちょっとやりすぎ」と「ちょっと足らない」の波が繰り返し起こり、ラストに向かって「ちょっとやりすぎ」が増え、最後のあたりは「やりすぎ!!」の連続になってしまった感あり。しかし役者さん達の演技はみんな良かったです。普段あまり好きではない常盤貴子も好感が持てました。これだけチョイ役に至るまで良い俳優を使ったんだから、ベタベタな物語の細部に凝った笑いを織り込んでもらえたら、もっと好みだったかな、と思います。最も目を惹いたのは藤山直美。あのダンス、特訓の成果なのか芸人の才能なのか…今後も注目せざるを得ません。あとは子役の女の子の生意気で可愛いところに思わず微笑みました。 5点(2004-05-03 21:31:47) |
4. 夏至
「青いパパイヤの香り」と同じ監督さんの作品。こちらも、重大な事件によってドラマティックな展開が起こるような話ではなくて、ゆったりと流れる日常の中の機微を映し出すような映画でした。映像は本当にきれいです。ベトナムに憧れてしまいそうなほどです。でも実際のベトナムは違うんじゃないのかなあ、ちょっと整然としすぎ…。天真爛漫な末の妹のキャラクターが、だるくなりがちな物語を支えていました。 6点(2004-02-28 19:19:17) |
5. KT
私の記憶の一番下のほうに、「金大中誘拐事件」があります。きんだいちゅーって、外国人?でも日本人でしょ?アナウンサーって何する人?と親を質問攻めにして五月蝿がられました。ニュースで伝えていたことはさっぱりわからず、「何か大変なことが起こったのだねい。」と大人と一緒にテレビを眺めていた赤ん坊の私。あれから30年経ち、当時タブーとされていた事の真相が映画化されたため、これは…と早速見てみましたが、やはり難しい。事件について噛み砕いた表現はないため、当時の時代背景がよくわからない私は話の進行を追うのにただ必死でした。そして、ストーリーを作っていくのがすべて男。韓国人も日本人も軍人然とした人ばかりで、気を抜けるところが全然無かったため疲れました。上手いんだけど相変わらずといった印象の香川照之、意味のある役に見えなかった筒井道隆が惜しい。そしてこの事件にちょっと想い入れがあったのに、勉強不足だった自分が惜しい。 6点(2004-02-16 09:15:47) |