1. 告白(2010)
《ネタバレ》 個人的には2010年上半期№1の衝撃作。原作は未読。エンドロールが終わっても、しばらくの間だれも席を立つ客はいなかった。教育、家族、恋愛、友情、命といった、これまで世間で「是なるもの」として築き上げられてきた価値観が完全に崩れ去っている中学校。表層の一体感に終始し、人間関係はすでにその根幹を失っている。自分一人で世界観を築き上げる危険性や、集団になった途端に一種の思考が停止する脆弱性の中で、各人が有する愛情はその対外的なバランスを失い、対象を(ときに偏執的なまでに)特化していく。主人公の森口をとってもそれは例外ではない。彼女は教師でありながらその愛情は娘に集中的に注がれ、娘を殺した生徒に徹底的なまでの復讐を仕掛けていく。(個人的にはラストの「な~んてね。」も狂言とは思えなかった。彼女に少しでも教育者としての自覚が残っているのならば、辞職までして復讐に集中する事は無いように思える。)ただ一人、自らの二面性に気づき、悩み、また恋愛し、人間の「善」なる部分を信じようとした美月が無残に殺されるストーリーが何とも救いがない。現代社会が抱える問題を潜在的に映し出す物語にradioheadの音楽が絶妙に重なり、作品としての力をいっそう増しているように感じられた。 [映画館(邦画)] 9点(2010-07-09 18:49:08)(良:1票) |
2. コーヒー&シガレッツ
映画に何かを求めて見てしまうと、こういった作品は楽しめないのだろう(一見同じテイストに見える『スモーク』には、心の奥に染み渡る「何か」が間違いなくあった)。見る人の環境やスタンスによって評価が分かれる一本だと思う。 [DVD(字幕)] 4点(2008-02-16 16:46:09) |
3. 50回目のファースト・キス(2004)
はっきり言って馬鹿な話です(特に前半)が、面白い。「寝たら記憶が消える」という発想一つで作られた作品に思えるが、バックのハワイの風景も相まって、重すぎない佳作に仕上がっている。何気なく借りて観てみると得した気分になれる一本。 [DVD(字幕)] 6点(2007-07-16 10:25:46) |
4. ごめん
微笑ましい作品。原作は読んだこと無いですが、あの年代の子供の描き方が凄く上手い。演じた久野君も上手。皆さんと同じように、昔を重ね合わせて観ている自分がいました。あの頃は、色んなものに(もちろん異性に対してもそう)情熱を傾け、愚直に突き進んでいたなぁと。当り障り無く生きる大人の生活の中で、忘れかけていた「熱さ」を思い出させてくれる、観てよかったと素直に思える一本でした。 8点(2004-06-12 07:05:19) |
5. コリーナ、コリーナ
ウーピー・ゴールドバーグの優しさが作品のいたるところに滲み出ている感じ。大袈裟な「泣かせ」が無いし、くどくなくて綺麗なラストも好印象でした。 7点(2003-08-09 16:47:46) |
6. ゴーストワールド
世間の中に埋没して生きる事を拒絶しようと必死になりながらも、結果的に少しずつ大きな波の呑まれていくという悲しさ、、、こういう時期って誰しもが経験するんだろうけど、人生の回り道に思えても、二度と経験できない貴重で大事な時期だと思います。一生に一度しかない時期を上手く、独特の雰囲気を保ちつつ描いた監督と見事に演じ切ったソーラ・バーチに、計8点で。 8点(2003-07-19 15:27:27) |
7. ゴスフォード・パーク
殺人事件が主題ではない点がこの作品の面白いところですね。映像の美しさやカメラワークは言及するまでも無く素晴らしいが、役者一人一人がきっちりと役を作り上げている点、その上で複雑な人間関係を(物凄く)緻密に描いている点に脱帽してしまう。台詞の一言一言もすごく的確に人間性を表し、ストーリーの世界に観客を引っ張っていく。各賞を総なめにしたのも納得できる一本です。 8点(2003-07-14 11:02:16) |
8. コーリャ 愛のプラハ
↓邦題は確かに変ですね(笑) 当時のチェコの雰囲気が全編に漂っていていいです。エピソードを重ねていく手法で多少強引な部分もありましたが、少年と男性の心の交流の過程はしっかりと描かれていて、良作に仕上がっていると思います。 7点(2003-06-15 18:49:07) |
9. ゴースト・オブ・ミシシッピー
とにかく「見ごたえのある」一本。A・ボールドウィンの熱演、J・ウッズの怪演、そしてウーピー・ゴールドバーグの貫禄の演技(ラストの会見時の無言の演技は特に見事)が、実話の重みを十分に伝える脚本・演出によって見ている私たちの心に「これでもか」といわんばかりに響いてくる。 実際に事件の事は知らなくても結末は途中で想像がつくが、「ラストの一発逆転が命」という最近流行のパターンではなく過程をじっくり描く手法をとったことで、かえって見終わった後に問題の根深さや事件の背景について考えさせられる作品となっていると思う。 8点(2003-05-28 22:30:39) |
10. 恋人までの距離(ディスタンス)
いいっすね。現実味があって、この二人が過ごした十数時間の中からいくつか印象的なシーンを選び出してる感じだけど、どれも印象的で知的。 全く非現実的で舞台を変えただけのような恋愛映画が多い中、一本筋の通った良作だと思う。 8点(2003-03-07 15:46:42) |
11. GO NOW
多発性硬化症という、まだ治療法が発見されていない難病にかかった青年の話だが、決して重苦しくなくむしろ飄々とストーリーが展開されている。しかしリアルに闘病生活を描く事は決して忘れられておらず、ロバート・カーライルの演技もしっかりと胸を捉える。個人的には「そこそこかな」という感じだったけど、試合のシーンをほぼ一人芝居で巧みに演じたサッカーチームの監督に+1点で7点で。 7点(2003-02-26 13:22:47) |
12. 交渉人(1998)
「IQ180」云々の宣伝文句を除外して作品のみに注目すると、かなり楽しめる作品ではないかと思います。サミュエルの交渉法の指導やスペイシーの電話切るシーンなど、緊張感を与えたままの疲れる作品ではなく娯楽作として見せる演出も巧みでした。 8点(2003-02-03 15:19:25) |
13. 心の旅
それほど感動できず;; 父親になって見たりすると、この作品に対してまた違った見方や発見があるのかもしれないです; ハリソン・フォードの演技の上手さに5点。 5点(2002-12-14 20:27:59) |
14. コヨーテ・アグリー
馴染みの無い役者のほうが現実味が出るってJ・ブラッカイマーが言ってたが、それなら何故ジョン・グッドマンを出したのだろう? 存在が(体も;)大きすぎて無名の役者さんの中ではちょっと逆効果だった気が。ちょっと見て損した感があったけど、さすがに驚いたジョンさんのカウンターの上でのダンスと、こちらもびっくりのデフ・レパードの曲を考えて、5点で。 5点(2002-09-22 22:41:02) |
15. 御法度
原作をほぼそのまま映画化してくれたのは、司馬遼太郎のファンとしては嬉しかった。ただ、豪華なキャストなのに使いきれてなかったような気がするし(途中、トミーズ雅で30分ぐらい引っぱってたし・・)、ラストの映像のギャップで少しひいてしまいました。 5点(2002-03-21 11:07:45) |
16. 告発
ケビンが涙を流すたびに、彼が「人間」を取り戻していく様が、なんとも切なかった。書いてる方がいましたが、僕も『レナードの朝』のデ・ニーロ以来の名演を見た気がします。 8点(2001-11-17 10:56:07) |
17. ゴッドファーザー PART Ⅱ
ここまで素晴らしい続編は、観たこと無かった! 1作目のボスよりは少し迫力不足かと思うけど(苦悩を描いてるから当然か)、アル・パチーノよかったです。 でも、それ以上にデ・ニーロ!! あの若さで迫力十分です。声も前作のボスを真似てて、凄く上手い。 この頃からマフィアのボスを演るだけの技量があったのかと思うと、感服です。 9点(2001-08-09 11:34:13) |
18. ゴッドファーザー
凄かった。とにかく役者さん達が上手いです。あのアル・パチーノが、いちばん「演技くさかった」と思えてしまうほど。 特に、あのボスには圧巻でした。 マフィアのボスで、デ・ニーロ以上のハマリ役を観たのは初めてでした。 男として、この映画を見れてよかった! 9点(2001-07-26 15:46:59) |
19. コン・エアー
ブシェーミって、どの映画でも存在感がすごいっすねー。映画自体は・・・楽しめたからヨシ!! 8点(2001-06-20 22:56:54) |
20. コレクター(1997)
モーガン・フリーマンは作品選びがすごく上手いと思ってたのになぁー。 ちょっとがっくり。 5点(2001-06-20 22:51:38) |