1. イット・フォローズ
《ネタバレ》 外見は人間だが、この世の者ではない「何か」が自分に向かって一直線に歩いてきて、捕まると殺されるというホラー。まあ一種の「呪い」系ホラーだけど、肝心の「どうしたら助かるのか」と試行錯誤する謎解き要素がほとんど無い。自分に「呪い」を押し付けた相手を辿っても意味が無いので、その辺をもう少し考えて欲しかった。例えば追ってくる霊(?)の姿がヒントになっていて、そこから呪いを生み出した原初の存在を辿って行くという謎解きがあれば面白かったのにと思う。 恐怖演出も中途半端で、霊なのか何なのかもはっきりせず、視覚的には見えなくても殴ったりすることは出来るという中途半端さ(笑)。人間を何メートルも吹っ飛ばす力がありながら木の扉は破れないというのも何だかなあ~。唯一、扉を開けた友人の後ろから巨人がのっそり現れるシーンがちょっと怖かったくらい。まあ神出鬼没で家の中にも簡単に入って来られたらどうしようもないのは分かるけど、その辺の「設定」はもう少し考えて欲しかった。 そして最大の見せ場であるはずのプールのシーンが意味不明。わざわざ何個も用意した電化製品は何のため?敵を感電させようとしたのだろうけど、効くかどうかも不明なのに、その結論に至った理由が分からない。結局、最後までトラップは使わずじまいで、主人公はプールで溺れてただけ(笑)。ラストも何一つ解決していない終わり方で、解釈は視聴者に丸投げパターン。肉体関係を持った人間の周囲のみの出来事なので、呪いが世界中に伝染していくような恐怖感も薄い。ホラーとしてまだ色々と工夫や推敲の余地があったはずなのに、面倒なのでやりませんでした、みたいな手抜きを感じる。 [インターネット(字幕)] 4点(2017-12-30 01:07:29) |
2. イーオン・フラックス(2005)
《ネタバレ》 「人類が滅亡しそうな近未来」、「閉鎖空間での管理社会」、「クローン再生」、「レジスタンス」と超ありがちな設定が目白押し。そのせいで見始めの前半は、こりゃどうしようもないと思ったけど、CGや小道具を始め、全体的に丁寧な作りが功を奏してか、小粒なB級作品ながら、それなりに見れるものにはなっている。 思考停止していた仲間が最後に自分の意思で行動するとか、一度きりの命だから人生には意味があるといったオチなど、ストーリー展開的に「こうあって欲しい」と思うような、守るべきお約束も踏襲されているので安心して見ていられる。 ただ、アクションが地味で、敵味方含めて登場人物に魅力が乏しく、近未来らしい武器もほとんど出てこない。肝心のモニカンという反政府組織(?)の実態や、精神世界にいたオバはんも何者なのかはっきりしないまま終わってしまった。 序盤、ハエを睫毛で捕らえたり、口から出した花粉で情報伝達したり、足が手になってる人が出てきたりと、違う意味で個性的な演出は目立つが、そんな変な所にB級らしさを出さずに、もっとアクション面で奇抜な演出を見せて欲しかった。 またそもそもクローン再生による永遠の命に拘った弟が、人類の不妊治癒の研究を阻止しなければならない理由がイマイチ分からない。クローン再生の技術は技術として有効なんだから、何が問題なのか?人類が自然懐妊するようになったからと言って、人間のクローン再生が出来なくなる訳ではないんだし。 あ、それと肝心な突っ込みとして、完全なクローン再生が出来たとしても、後天的な「記憶」までは受け継がれないのは常識。テーマとして感動させるポイントだったのに、なんとなく言葉の雰囲気に流されてるだけで、この辺の設定が甘いのが残念。 駄作とまでは言わないけど、やはり点数的には4~5点辺りが限界かな~。 [DVD(字幕)] 4点(2007-02-18 23:03:16) |
3. インサイド・マン
《ネタバレ》 ストーリー自体は単純なのに、説明不足な部分が多いので、無駄に分かりにくくなっている。 そもそも、あの銀行強盗は何故オーナーの過去の秘密を知っていたのか?またその秘密が貸し金庫の392番に入っているのをどうやって知ったのか?仮に銀行内部に内通者がいたとしても「何故他人が知るはずのない過去の秘密をそいつが知っていたのか」という疑問は残る。そして何故オーナーはナチスとの取引の書類(?)をいつまでも持っていたのか?そんな致命的な証拠ならさっさと燃やしとけよ! また「ダイヤを追え」と言われても、戦争の混乱期にナチスが没収したダイヤの持ち主の氏素性を半世紀以上たった現在から調べられるのか(まさか「没収者リスト」なんかが残っている訳がないだろうし)?調べられたとしても、それでオーナーとの関係が分かるのだろうか?またダイヤも何故現金に換金するなどしておかなかったのか?銀行のオーナーなら怪しまれず換金する事くらい出来たはず。 また刑事はオーナーや彼女に対して「犯罪を暴いてやる」的な挑戦的な態度だったけど、結局、ジョディ・フォスター演じる女弁護士と取引したの?してないの?彼女の存在理由もよく分からない。いてもいなくても関係ないのでは?「私は正義より金や権力につく女なのよ」という悪女の役回りだとしても中途半端なキャラ。 強盗連中もまったく素性が語られないから、義賊でなければならない理由や必然性に欠けるなど、ストーリーの根幹に絡む人物の背景が説明不足すぎ。 備品室で穴を掘ったりしているのに、警官の突入時にどこにも異常が無いという報告でオチも分かっちゃうし…。 テンポこそ悪くはないが、登場人物の背景描写や動機、強盗のアイデア、どんでん返しなど、どれをとっても中途半端。駄作とまでは言わないが、説明不足な事と想像で補わせる事を間違えてる感じ。 [DVD(吹替)] 5点(2007-01-29 02:46:11)(良:2票) |
4. イレイザー(1996)
なるほど、もはやシュワちゃんの存在は水戸黄門と同じで、たとえワンパターンでも何も考えずに見ていられる安心感が人気の秘密なんですな。彼にだけは銃弾が当たらないというご都合主義も、水戸黄門の印籠に対して文句を言うのと同じこと。 まあ、はっきり言って先の展開が読める大味なアクション映画でしかないけど、導入のインパクトはあるし、その後の展開もテンポが良く、最後まで飽きずに見ていられるので、普通の娯楽作品として及第点はあるかなと。 [地上波(吹替)] 5点(2006-07-04 20:46:22) |
5. インストール
<原作未読・映画版のみの評価> やはり女子高生という主人公である分、「あずみ」などより、上戸彩の等身大の魅力が出ている。そういう意味では正しい人選だが、それ以上に上戸彩のプロモーションビデオ的な意味合いの方が強いw。 物語のテーマ自体は、思春期に限らず、普遍的な「個」の揺らぎと不安から逃げ出した非日常の中で、現実を生きる意味を見出したり、自己の内面に向き合うと言う、よくあるもの。またその非日常の象徴として「ネット社会」を引き合いに出すという発想が、原作が書かれた時期を考慮してもすでに時代遅れ。 はっきり言って、この手の「自分探し」的なテーマは、もうこんな文学を気取った作品などより、既に日本の漫画やアニメの方が色々なアプローチで散々やり尽くしていて、今や作中で扱うごく基本的なテーマのひとつに過ぎなくなっている。 途中経過にもコレといった展開は無く、終始淡々としていて、内容らしい内容が無い。上戸彩ファンに媚びたような中途半端なエロティシズムなどウザったいだけ。ラスト付近の友人の自殺もそれまでのストーリーと何ら関わりが無く、取って付けたような印象は拭えない。唐突に重苦しいイベントを差し挟む事で、物語全体を締めようという計算が見える。 主人公と同じ悩みを持った思春期世代の中高生が見れば共感しやすい作品ではあるが、結果的に取り立てて結論らしい答えを出す事も無く、「見ているものが答えを出しなさい」という落とし方は手抜き一歩手前であり、それでいて中途半端な大人視点の説教臭さがつきまとう。 そこまでは多少ものを考えている人間なら、老若男女、誰でも辿り着く結論であり、問題はその「平凡である事の先」に、「生きていく上での活力」として、どういう哲学を導き出すのかが重要。それこそが作品の意義であり、主張すべき主体というもの。そこに言及しなければ、こんな作品をいくら作っても何も言っていないのと同じこと。 [DVD(字幕)] 1点(2006-01-13 19:17:44)(良:1票) |
6. 陰謀のセオリー
《ネタバレ》 駄作だと思った「ペリカン文書」よりもさらにリアリティが無い。センスが良いのはオープニングのみ。大仰なだけでリアリティの無いストーリー展開と、アクション映画によくあるご都合主義、序盤から顔を出しまくる意外性ゼロの黒幕、はっきりしないままの陰謀の全貌と、とにかく見ているのが苦痛だった。無駄に時間が長いのもそれに拍車を掛けてくれる。 何度も捕まっては簡単に脱出したり、主人公ひとり捕まえるのに大げさに武装した集団を送り込んだあげく、たった一人の素人もまともに捕獲も出来ない無能っぷりとか、さらに危ないところで「悪の組織」を追う国家機関の手助けがあったりと、とにかく全編通してあまりにも突っ込みどころやご都合主義が多過ぎる。 パラノイアな主人公についても洗脳されていた事実があるとは言え、その突飛なキャラに感情移入はしにくい。そのくせ、そんな主人公の言う事を一方的に信じる、やたら理解があるヒロインがいたりするのも不自然。 特に終盤、逃げるヒロインがレーザーサイトで狙われるシーンで、急に間に入り込んできた仲間(?)を撃ってしまい、ヒロインに逃げられるというシーンにはもう笑ってしまった。いくら映画にはご都合主義が付きものとは言え、もう少し何とかならんかね。 結局ラストは典型的な勧善懲悪みたいな安っぽいオチになっちゃってるし。 その他、説明不足のまま終わっている部分も多く、単に「説明すべき情報」を小出しにしている事で生じているだけの複雑さであり、脚本構成はお粗末。見ている間、サスペンスとしての訴求力を感じなかったのも当然。 とにかく、この手の「国家レベルの陰謀に個人が巻き込まる系サスペンス」って、どれも面白くない。「ご都合主義の連続宙返り」を持ってこないと、ただの一個人が組織の陰謀に対抗するような展開が成立しないからだろうけど、この作品が典型のように、ここまでリアリティを犠牲にしなくては話が成立しないなら、始めからやらないで欲しい。突っ込みどころが気になって素直に楽しめないから。 [ビデオ(字幕)] 1点(2005-06-28 00:05:55) |
7. いかレスラー
《ネタバレ》 始めから期待はしてなかったけど、まさに思った通りの駄作。コメディとしても、スポ根としても、恋愛ドラマとしても、全てが中途半端。 ふざけているからダメと言うのではない。 単に「イカのレスラーがプロレスをやる」という発想の段階で止まっていて、この突飛なキャラ設定をまるで活かせていない徹底感の無さが問題なのだ。笑いにしても、アクション演出にしても、すべてにおいて底が浅い。 せっかくイカやタコに変身しているのに、どうしてその特長を活かした戦い方を演出しないのか(タコの八本の手での百烈拳みたいな必殺技をイカは十本の手で防ぐとか、イカスミとタコスミのかけ合いとか、保護色を使って身を隠すとかさあ…)。 そういう「イカならでは」の戦いを期待していたのに、やっている事はと言えば、ただ稚拙な作りの着ぐるみが迫力の無い「プロレスごっこ」をやっているだけ。着ぐるみゆえに、きちんとしたプロレスにすらなっていないという有様。 また、出てくる「海産物」も三種類だけだから、キャラの個性にもストーリー展開にも意外性やインパクトが無い。もっとショッカーの改造人間ばりに、他の動物(犬とか熊とか虎とか)に変身した敵キャラとのトーナメント戦とか、その動物にしか出来ない「必殺技」とか(「熊レスラーのベアハッグ」とか、「犬レスラーの噛み付き攻撃」とか、「蛇レスラーの締め付け攻撃」とか)、色々とやるべき「お約束」ってものがあるだろ!そうじゃなければ、なんのためにこんなキャラを持ってくるわけ? この監督さんは、「キン肉マン」とか「タイガーマスク」くらい読んだ事ないのかね?よっぽど、こんな映画よりも奇抜で面白い怪人レスラーが出てくるぞ。 これだけ荒唐無稽なキャラ設定を持ってくる度胸がありながら、どうしてもっと娯楽アクションとして徹底できないのだろうか? 松本人志も「シネマ坊主」の中でこの映画に対して、「バカバカしいことをやるにしても、もっと真面目にやらないとダメ」と書いていたが、まさにその通り。 監督さんもシュールなコメディをやりたいなら、少しはお笑いを勉強してから出直して来い! [DVD(字幕)] 0点(2005-06-22 20:42:10) |
8. いとこのビニー
《ネタバレ》 コメディと言うよりは、意外と真面目な法廷劇。最後まで飽きずに楽しめるものの、個人的には傑作とまでは思えなかった。コメディとしても法廷劇としても、全体的に中途半端で、どっちつかずな内容になってしまっているのが残念。 登場人物には個性があり、魅力的ではあるものの、その反面、いかにも「この映画のために用意されたキャラクター」と言った印象が強い。主人公がなぜ弁護士になったのかという背景も語られずじまいなので、人間的に掴み所が無く、余計にそう感じる。 肝心の容疑に対する反証も平凡なもので、この手の映画にあるべき意外性や工夫に欠けている(最後のタイヤ痕以外は素人でも思いつく程度の反論しかしていない)。 結局、最終的に婚約者の「豊富な車の知識」のおかげで勝てるというのも、えらくご都合主義的。主役のその半人前なキャラが憎めないけど、やはり法廷劇として見ると物足りない内容と言わざるを得ない。 また、コメディ要素も微妙で、笑わせられるようなシーンも少なく、中盤までのテンポが悪い事も大きなマイナス。もっと証拠の蒐集や分析、証人の確保など、コメディとして笑わせるためにこそ、リアルな弁護内容が見たかった。 [ビデオ(字幕)] 6点(2005-03-23 20:43:55) |
9. イン・ザ・カット
《ネタバレ》 まず、この手の「エロ」を売りにする志の低い作品にありがちだが、ストーリーとエロがまるで無関係。単に男客に対する集客効果と時間稼ぎが目的のオカズにもならないショボいベッドシーンがダラダラと続くのはウザ過ぎる。こういう無駄なエロシーンこそCutしてもらいたい。 各登場人物の人間描写もいい加減で、それぞれの人間性や事件の背景がさっぱり掴めない。それゆえ主人公の女が、あんな怪しげでホモくさい刑事を好きになる理由が分からないし、ストーカーみたいな元彼や腹違いの妹、生徒の黒人なども、まるっきり存在理由が分からない。単なる「観客に対しての犯人候補」という程度の存在に過ぎない。 「婚約者を裏切った」という父親の過去のエピソードもストーリーの根幹に何も関わっていないようだし、大事な伏線のように演出されたやたら意味ありげなオープニングもまったく無関係。 そして何より、まったく必然性も意外性も無い真犯人。何であの刑事の相方が犯人である必要があるのか?殺人鬼としての動機もポリシーも不明だし、それまでのストーリーにすらほとんど絡んでいない。そもそも犯人と疑う根拠が「手首のタトゥー」だけというのもお粗末な限り。なんで刑事が二人揃って同じタトゥー彫ってるのかも不明のまま。あげくあっさり素人に射殺されてりゃ世話無い。 地下鉄の広告に書いてある、いちいち意味ありげな文句も意味不明。それっぽい雰囲気を出そうとしているだけの薄っぺらい演出。 「サスペンスやミステリーなんて、ちょっとオチで予想を外せばいいんだろ」とでも思い込んでいる、監督や脚本家の安易な製作姿勢に苛立ちを覚える。 2003年にもなって、こんな完成度の低い作品を平然と作っている監督の志の低さに呆れる。こんな作品には容赦なく最低点を付けさせて頂く。 [ビデオ(字幕)] 0点(2005-02-28 17:45:09) |
10. イノセンス
《ネタバレ》 押井守著「哲学入門」。「自己存在とは」とか、「意識とは」という、現代科学未解決の大問題に対して、ただ自己陶酔しているだけの独り言を聞かされているような居心地の悪さを感じる。作品の見た目とは違い、意識に対する科学的・生物学的なアプローチはほとんどなく、古今東西の文献からの引用や、衒学的かつ抽象的な単語を並べ立てて、何となく思わせぶりな雰囲気の中でキャラにしゃべらせているだけで、内容的には何の結論も出さず終い。非常に薄っぺらい。そんな言葉それ自体には、何も喚起させるものはないし、心に響かない。もっと態度や行動で示してくれないと、人の心を打つことは出来ないはず。これならまだ前作の方がテーマを伝えるための骨子がしっかりしていた。今作で一番「生きたセリフ」だったのは、「給料分は働いてもらうぜ」くらい。 美麗なCG映像も「表現の本質」から明らかにズレて来ている。内容同様、表面を飾り立てているだけで、「何を見せたいのか」という表現における明確な方向性がない。写実主義が悪い訳ではないが、CGという表現媒体を得てから、特にアニメの表現力は逆に後退している危惧を感じる。一度、原点に戻って「表現の本質」を見直してもらいたい。 5点(2004-11-22 20:49:35)(良:4票) |
11. インプット 記憶<TVM>
《ネタバレ》 サスペンスアクション。飛行機事故に遭い、妻と子供を失った主人公ケイン。しかし、彼はその記憶が誰かによって作られたものだと知り、真の記憶を求めて奔走する。 ---と言うありがちなプロット。感想としては、監督さんの、何かしら工夫をしようという努力の跡は見られるものの、過去作品からの部分的な模倣や孫引きが多く、結果として、サスペンスとしてもアクションとしても中途半端なものになってしまっている。 結局、サスペンスにおける「記憶喪失もの」って事になると、どうしたって「その失われた記憶の真相は?」という点に焦点が絞られる訳で、そこら辺の「どんでん返し」は、今の目の肥えた観客にとっては「基本」であって、越えるべき「前提」でしかないんですよね。 そこを単に「記憶は作られたものでした!」というところで安心してしまっていてはダメでしょう。ただ、「人は記憶によって作られる」というテーマには優しさを感じて良かったです。 4点(2004-10-27 01:52:35) |
12. 犬の眠る場所
《ネタバレ》 まずこの作品は、ビデオパッケージの説明書きが悪い。それを読む限りでは、シャロン・ストーン演じる悪女が、売れない作家を自分の色香で操って色々と危険な事をさせるという、まるで「氷の微笑」のようにシャロン・ストーンがメインのような書き方がされているけど、実際は本編とほとんど絡むことの無いチョイ役で、出演している意味も無い程度の役柄。別に彼女のファンではないけど、内容を誤認させるような紹介の仕方はかんべんして欲しい。 で、肝心の内容もサスペンスとして中途半端な出来。事実上、ストーリーに絡む登場人物が二人だけなので、序盤で怪しげな同居人が現われた地点で、その後の展開やオチが丸分かりで、おまけにホントにそのまんま。そう思わせておいてハズしてくれよ! 例えば(これもよくあるけど)、自分の書いている原稿の内容通りの殺人事件が起こって、実は同居人がこの原稿の事件を忠実に再現しているのではないかと疑う。そして密かに彼を尾行するが、ところが…、とかさあ。 [ビデオ(字幕)] 3点(2004-07-26 13:31:36) |
13. イヤー・オブ・ザ・ドラゴン
《ネタバレ》 個人的にこの手のジャンルがあまり好きではない理由は、マフィア同士の縄張り争いや、国家権力との軋轢、身内の裏切りによる内部分裂、と言ったようなお決まりの展開にしかならない事と、その戦いも結局はヤクザ者としての非合法な行為の結果でしかない訳で、その生き方や死に様をあまり美化したくないという気持ちが少なからず働いてしまうから(もちろん、その過程における人間ドラマにも、なかなか胸を打つものはあるけど)。 今作も上記のパターンを踏襲したオーソドックスな作品で、まさに「マフィアもの」としての見本のような作り。 ただ、抗争に関わってくるミッキー・ローク演じる刑事の人間像や背景描写が中途半端なため、「何故あそこまで徹底してマフィアを潰そうとするのか」という部分に説得力がなく、ひたすら無謀な人間としか思えなかった。その場で殺されてもおかしくないほど挑発的な行為を繰り返しているのに、身内に対する気配りがまるっきり無いし、普段の行動も一人で街を平気で出歩いたりと、あまりにも考えが無さ過ぎ。その結果、妻を殺されたり、女性記者が乱暴されてしまうが、あんな無茶な事をやってたら当たり前。 刑事の精神的葛藤を描きたかったと思うけど、彼自身の過去を含む人間描写がほとんど無いため、彼の行動原理がさっぱり分からず、結果、その自暴自棄としか思えない無謀さだけが目についてしまい、共感は出来なかった。 [ビデオ(字幕)] 4点(2004-07-16 21:01:04)(良:1票) |
14. インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア
《ネタバレ》 「闇の眷属」として生きなければならない悲哀はそこそこ出てる。でもまあ、「不老不死の吸血鬼」と来たら、この手のキャラクターアプローチは当然でしょう。むしろ、当たり前すぎてオリジナリティに欠けるくらい。 実際、主人公の幼稚な苦悩ばかりがクローズアップされていて、あまり「生と死」や「出会いと別れ」について思い巡らせている様子も無く、キャラ描写に深みや成長が見られない。それこそレスタトが言うように、「何世紀悩んでいれば気が済むんだ」と言いたい。 また、財産を失ったはずなのに収入はどうしてるんだとか、昔とは言え、あんなに大胆に何人も殺して不審に思われないのかとか、年齢を取らないのに何年も同じ場所に住んでていいのかとか、突っ込み所も多い。 もっと不老不死であるがゆえに感じるはずの「命の儚さ」や「一期一会」といったテーマを深く描いて欲しかったが、そこまでは追求されなかった。この種の感性って、やはり日本人特有のものなのかな…。 [ビデオ(字幕)] 5点(2003-12-28 14:54:37) |
15. E.T.
みかん星人さんに同意。監督はサメや恐竜など、実在の動物は人を殺す凶悪な存在のように描いておいて、自分の妄想の産物はとことん純粋でイイ存在ですか?「子供は純真で、大人は悪」、という単純極まりない対立図式と、安っぽいファンタジーで装飾した薄甘いヒューマニズムには共感できません。また、「こういうのが子供の好きな夢」と言わんばかりの、大人の側からの「健全なファンタジー」の押しつけに思えてしまう。 3点(2003-11-30 09:12:07) |
16. インデペンデンス・デイ
まあ、ここまで自国自賛できるアメリカが、ある意味羨ましい。しかし、こういう自国マンセーな姿勢が、現在の国際情勢の悪化を招いている点を忘れてはならないだろう。 0点(2003-11-22 14:27:33)(良:1票) |
17. ISOLA 多重人格少女
このタイトルのつけ方は確かに問題ですね。陳腐すぎ。なんで原作通りのタイトルにしないのかな?多重人格ものに共通する弱点は、最初からネタバラシをしたような状態で話を進めなくてはならない点でしょうね。残念ながら、「多重人格」という設定自体が、既に陳腐なものになってしまっている以上、どのようなオチがあっても、作品としての面白さやインパクトは半減せざるを得ないでしょう。 4点(2003-09-23 13:52:31) |
18. 狗神
<原作未読。映画版だけの評価です>。 全体的にダラダラして盛り上がりがない上に、何が言いたいのかストーリーが分かりにくい。無意味に安っぽいエロシーンを入れるのもかんべんして欲しい。我慢して終盤近くまで見たが、結局挫折した。まあ、終盤近くまで見ているのに、最後まで見ようという気にさせない作品が、どの程度のものかは言うまでもありませんね。 1点(2003-09-18 02:13:38) |
19. 石のゲーム
壁掛け時計から次々に生み落とされる石たち。いくつもの石がお互いに干渉し、時には手を取り合うように踊り、時には砕けてひとつになり、やがて時間が来るとゴミのように破棄されていく。そしてまた新たな石が生み出され、同じ事を繰り返し、不思議なドラマを織り成していく。その虚しくも愛しい連鎖は、そのまま人間の人生そのものを表しているように思えた。 7点(2003-07-06 20:06:30) |
20. インビジブル(2000)
肉体が透明化していくシーンは、CGという技術がなければまず出来ない映像演出。ただ肝心のストーリーに深みが無く、単なるモンスター映画と大差ないのが残念。でも、一度くらいは見ても損はないレベル。これも3点以下の駄作ではないが、8点以上の傑作でもない。まさにここの平均点が妥当なところ。 [ビデオ(字幕)] 5点(2003-07-01 17:01:36) |