21. サンセット大通り
タイトルから洒落たラブコメを想像していたら、完全な心理サスペンスだった。 「イヴの総て」が女優を内面から描いた作品なら、本作のヒロインはもろストレート。 女優気質をこれでもかとたっぷり見せつけてくれて、画面をじっくりと魅入ってしまった。 ヒロインの演技はややオーバーアクションぎみだが、その分絶大なインパクトがあり。 ちなみにこのグロリア・スワンソンは、実際にサイレント映画の時代に活躍した女優さんらしい。 ビリー・ワイルダーの小気味いい演出が光る逸品。 [DVD(字幕)] 6点(2011-07-20 04:17:24) |
22. 最高殊勲夫人
源氏鶏太原作、十八番の青春ラブコメディー。 昭和30年代の時代背景が妙に懐かしくて、レトロ感を満足させてくれます。 加えてテンポのある会話、嫌みのないストーリー展開、登場する女性たちがみんな明るくて積極的なので、とても小気味がいい。 若尾文子は相変わらずきれいだし、今作では長女役の丹阿弥谷津子のバイプレイヤーぶりが光っていました。 [DVD(邦画)] 5点(2015-09-01 02:04:30) |
23. サタデー・ナイト・フィーバー
公開されるや、一大ディスコブームを巻き起こした、トラボルタの出世作。 「グリース」が楽しさを追求した娯楽映画なら、こちらは鬱屈した生活を送る主人公中心のドラマ仕立てで、ストーリー性はやや濃い。 映像は総体的に暗いし、音楽がビージーズというのはいまだにピンとこないのだが、やはりダンスシーンは観ていて楽しい。 今ではもう、懐かしい青春映画という括りになってしまった作品。 [映画館(字幕)] 5点(2013-06-02 06:15:45) |
24. 三人の妻への手紙
三人のヒロインが見目麗しい、ややミステリー・タッチの作品。 物語の核となる、アディという女性がいっさい画面に登場してこないアイデアが面白い。 ヒロインたちの状況設定を、フラッシュバックで見せていく構成も当時としては斬新か。 先の読めないストーリー展開は期待感を抱かせるも、クラシック映画独特のテンポの悪さともっさり感は否めず、少々集中力に欠けてしまう感はあり。 [DVD(字幕)] 5点(2012-10-11 10:59:07) |
25. 西鶴一代女
一人の女の流転の人生を描いたドラマ。 上映時間が長いこともあり、辛辣なストーリー展開はともすれば途中でギブアップしそうになるが、七変化とばかりに様々な顔を見せてくれる田中絹代の好演が光る。 相変わらず演技はうまいし、安心して観ていられる。 男と運命に振り回され続けた彼女に、果たして安住の地はあるのか? この監督さんも成瀬監督同様、女性をテーマにした作品には安定感がある。 映像はやや暗め。 [DVD(邦画)] 5点(2012-10-07 11:14:08) |
26. 三人の名付親
西部劇にもかかわらず、ヒューマンドラマに徹底した作りという点では異色の作品。 宗教色を付加し、ストーリーに厚みを持たせているが、人間の善を完全テーマにしているので、 設定の甘さやご都合主義はさすがに否めない。J.ウェインが主役の映画なので、仕方ないかも。 中盤はもっさり感もあるが、ストレートで良質なドラマではある。 [DVD(字幕)] 5点(2012-08-21 04:29:25) |
27. ザ・ハリケーン(1999)
実話ベースの映画はとても安定感があり、本作もその内の一本。 人種差別がテーマということで、主人公の置かれた立場や苦悩はたっぷり伝わるんだけど、 キーポイントになる少年の面倒を見ているカナダ人たちの描写が不足していて、彼らの存在意義がよくわからなかった。 日本ではまず見ないケースだけど、向こうではこういったことはままあるのかな? デンゼル・ワシントンは途中でキャラが変わったような気もするが、気合いの入った役作りで、最後まで安心して見ていられる。 脚色も相当あるようだけど、彼の演技が一番見所の作品だった。 [DVD(字幕)] 5点(2011-09-14 06:54:03) |
28. 砂塵
新任保安官の活躍を描いた、ややコメディータッチの西部劇。 ガンベルトを下げない見るからに頼りなさそうな保安官、 取っ組み合いやキックまで見せてくれる酒場の荒馬姉ちゃん、 ジェームズ・スチュワートとマレーネ・デートリッヒのキャラの魅力が一番の見所。 終盤は普通の西部劇の展開になってしまったけど、全般的にユーモラスに溢れ、 肩の力を抜いて鑑賞できる娯楽作に仕上がってます。ストーリーのほうは今一つかな。 [DVD(字幕)] 5点(2011-09-02 04:15:47) |
29. サスペリア(1977)
「決して一人では見ないでください」のキャッチコピーとともに、 映像に霊が映っているとか、スタッフが死んだとか、 盤外の方で何かと話題になった作品だが、内容自体はオーソドックスなオカルトもの。 色彩や音の演出で、精神的な恐怖を与えることにこだわりを見せており、 普通のホラー映画とは一線を画している。 たまには変わった趣向のホラーが観たいという方にはお薦め。 [地上波(字幕)] 5点(2011-08-18 15:12:30) |
30. 最高のともだち
邦題に注意。友情をテーマにした作品だと勝手に思っていたら、 不安定な少年の心の内を焦点に描いた、人間ドラマに近い作品だった。 おかげで物語に入り込むまでに少し時間がかかったけど、もちろん友情の部分も描かれており、 結果的にあまりベタついていないドラマに仕上がっていて印象は良かった。 多少都合のいい部分も見受けられるが、全般的に映画としての出来はいいほうではないかと。 それにしても、先入観とは怖いものだ。 [DVD(字幕)] 5点(2011-08-06 06:20:21) |
31. ザ・中学教師
金八先生のキャラとは真逆の、ある一教師の姿を描いたドラマ。 自分が中学生なら、たぶんいの一番に嫌いな教師の一人になるんだろうけど、 大人になった今の自分から見ると、筋が通っていて逆に小気味いい。長塚京三はもう適役。 日本の学園を舞台にしたドラマって、子供達があからさまにふてぶてしく描写されているのも この教師に肩入れしたくなる心理が働くのかも。 主人公の決して感情に押し流されない厳しい教育指導は、 すべてが生徒のため、という心情はさりげなく伝わってくる。 いい先生だなぁ、こういう憎まれ役の教師も必要だなぁと思えてしまうのは、 原作自体が現場の教師が書いたものだということで、やはり大人視点で作られたせいなのか? 難しい問題なので答えは用意されてないけど、いろいろと考えさせられた社会派ドラマだった。 [ビデオ(邦画)] 5点(2011-08-01 10:08:17) |
32. ザッツ・エンタテインメント
1930年代~50年代にかけて製作された、ミュージカル映画の数々を紹介した映画。 ナビゲイターにフランク・シナトラ、エリザベス・テイラー、ジーン・ケリーなどを迎え、 当時の想い出話を交えた構成は、タイトル通り、エンタメたっぷりといった仕上がり。 とにかくものすごい数のミュージカル映画が紹介されていて、 こんなに製作されてたの?と、びっくりしてしまったほど。 白黒のミュージカルもかなり製作されていたようで、今では鑑賞することが難しい作品もあり、 そういった意味でも、一見の価値はある作品かと思う。 [DVD(字幕)] 5点(2011-07-26 05:08:25) |
33. サンダーハート
サスペンス・アクションというよりは、人間ドラマ的な要素がやや強い映画。 序盤から中盤にかけてはちょっと取っつきにくいんだけど、ネイティブ・アメリカンの深い悲しみと、 その血を引く捜査官役の主人公の心の変化が丁寧に描かれていた。ラストのシーンもいい。 地味といえば地味な作品だけど、内容は決して悪くはないと思う。 [地上波(吹替)] 5点(2011-07-22 05:26:56) |
34. さらば恋の日
「青い体験」を真面目に作ったような雰囲気の映画で、エッチなシーンはあまりないです。 十代少年の鬱屈とした心情や、自分のことしか考えられない未熟さはよく表現されていると思うけど、 全編に亘ってそればかりなので、かなり重苦しく、青春映画特有の切なさは感じませんでした。 ラストはタイトルどおりなんだけど、ちょっと唐突すぎかな。 ジーナの妖艶な魅力と、主人公の暗い目つきが印象的な映画でした。 [DVD(字幕)] 4点(2015-06-07 05:13:15) |
35. さよならモンペール
景色のいいバカンス先を舞台に、年頃の娘を持つ父親の心情を描いた、ややコメディタッチのストーリー作品。 父娘の関係やストーリー展開は、ちょっと日本人にはピンとこない部分もあるけど、とりあえず娘を心配する父の気持ちは伝わってきます。というか、娘があまりにも早熟すぎ。 父役の役者さんがコミカルで面白いのと、娘役の女の子がやたらセクシーでかわいかった。 [ビデオ(字幕)] 4点(2013-05-30 09:49:55) |
36. ザ・ヤクザ(1974)
ガチガチのヤクザ映画ではなく、"義理と人情"を題材にした人間ドラマに近い作品。 いろいろと複雑な事情が絡んでいて、それがテーマを描く伏線にはなっているのだが、同時にやや重苦しい雰囲気の仕上がりに。映像がやや暗いせいもあるのかも……。 日米合作ということで、きょとんとするシーンもあるけど、とりあえず健さんはカッコよく、見せ場もちゃんと用意されてます。 ロバートも渋くて、やっぱり主演二人の存在感が印象的な作品だった。 [DVD(字幕)] 4点(2013-03-21 03:14:22) |
37. 猿の惑星:創世記(ジェネシス)
じっくりと見せてくれる前半部はよかったのだが、後半はシナリオの粗い普通のパニック映画に。 物語の一番の鍵になっているはずの主人公は、単なる狂言回しの添え物になってしまった感も……。 創世記ということは続きがあるのかな。一応テーマも伝わるし、ちゃんとワンエピソード終わらせているという点では評価のできる作品。 猿の顔の表情が豊かすぎて怖かった。 [ブルーレイ(字幕)] 4点(2013-01-07 08:42:59) |
38. サブウェイ123 激突
パニック・サスペンスというよりは、ほぼアクション映画に近いノリの作品で、 近年のハリウッドお得意の、迫力あるスピード感たっぷりの映像と展開を楽しむ作り。 ネット社会という状況が邪魔をしているのか、地下鉄職員と犯人側の心理戦という妙味は薄く、 人質にされた乗客たちの緊迫感もあまり伝わってこない。主役二人のキャラばかりが、 変に浮きあがって見えてしまった。設定の甘さやシナリオの粗さがやたら目立つ映画だけど、 あくまで娯楽作品として鑑賞すればそこそこ楽しめる・・・と思う。 [DVD(字幕)] 4点(2012-08-24 02:57:37)(良:1票) |
39. さらば箱舟
演出や映像は面白いし、キャスティングもいいのだが、わからない。全然わからない。 日本の昔ながらの根深い土壌を題材にしている部分だけはわかるのだが、 出演者たちが話す方言もよくわからない。たぶん監督さんだけは理解してるんだろうけど、 とっかかりさえも見出せず、再鑑賞してまで挑戦しようという気力が湧かなかった。 要するに完敗の映画です。 [DVD(字幕)] 4点(2012-01-09 20:57:38) |
40. ザ・コア
地中という題材はとても面白いんだけど、未知の部分があまりにも多いせいか、 「本当にこれでいいの? 正しいの?」と感じてしまうこともしばしば。 当然説明シーンも多いし、登場人物が割と多い作品なので、各キャラの掘り下げが浅く、 ドラマとしての内容は薄いです。物語のテンポがとても早く、最近の娯楽映画らしい作り。 まあそこそこ楽しめるパニックものではあるかと。 [DVD(字幕)] 4点(2011-12-29 12:27:38) |