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目隠シストさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2251
性別 男性
ホームページ https://twitter.com/BM5HL61cMElwKbP
年齢 52歳
自己紹介 あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。

2024.1.1


※映画とは関係ない個人メモ
2024年12月31日までにBMI22を目指すぞ!!

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41.  殺人の告白 《ネタバレ》 
素晴らしいトリックほど、タネは意外なくらい単純なもの。真相が明かされた瞬間「何故気づかなかったのだろう」と思えるのは、筋書きの素晴らしさの証明に他なりません。時効延伸の件も切れ味抜群でした。ほんと、本筋のアイデアは秀逸です。だのに何故、こんなにフラストレーションが溜まるのでしょうか。ハリウッド大作と見紛うばかりのエンタメアクションなんて、この物語に必要ですか?殊更胸糞悪いサイドストーリーを挿入してくるのは、何かの嫌がらせですか?特に理解に苦しむのが結末です。亡き恋人からの、時効延伸のキラーパスを完全に無視して、怒りに任せた私刑なんてオチ、まったく芸がありません。それに恋人からもらった腕時計があるのですから、それを使ってもう一つドラマを魅せられるでしょうに。例えば「残念、今時効が成立しちまった。もう法律ではお前を裁けない。だから俺がお前を裁く」とか。あるいは壊れた腕時計を確認し「お前を逮捕する。時効成立の1分前だ。俺の時計ではな」とか。要するに、センスが致命的に足りないのです。言い方は悪いですが、安普請の悪い邦画(80年代)を観ているような感覚でした。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2014-11-24 21:26:53)
42.  ザ・コール [緊急通報指令室] 《ネタバレ》 
鈴木雅之ではありませんが、『違う違う、そうじゃ、そうじゃない』と思わず口走ってしまいました(コレ、ホント)。ジョーダンがケイシーに呼びかけた“2人で戦う”とは、片や911オペレーターとして、片や犯人に一番近い場所にいる被害者として、協力して犯罪に立ち向かいましょうという意味では?主人公が現場に出向いて直接犯人と対決してしまう展開には興醒めしました。サスペンスは“制約”が肝。彼女には一歩もオペレーションルーム(蜂の巣)から出て欲しくありませんでした。ジョーダン出撃後の流れは、さながらスプラッターホラーの定番劇。敵に止めを刺すことなく逃げ出し形勢逆転。あ~あ、またいつものパターンかよと。修羅場を数多く垣間見てきたであろう主人公の判断にしてはお粗末でした。ラストはどう解釈したらよいのでしょうか。あのまま犯人を閉じ込めて私刑に処したということ?地下室が絶対に見つからない保障があるなら兎も角、奴が発見されたら(生きていようと、死んでいようと)2人の罪は露見してしまいます。そこまでのリスクを負う必然性は薄く、まだ正当防衛に見せかけて殺してしまう方が腑に落ちました。本作で消化不良を起こした方にはキム・ベイシンガー主演の『セルラー』をお勧めしておきます。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2014-11-09 20:24:06)
43.  THE LOOP ザ・ループ ~永遠の夏休み~
数々の矛盾点を放り投げて最終的な辻褄だけ合わされても、「だから何?」としか思えません。本作で消化不良だった方には『トライアングル』(2009年)をお勧めします。
[DVD(字幕)] 4点(2014-10-21 19:26:04)
44.  ザ・ドア 交差する世界 《ネタバレ》 
(ネタバレあります。未見の方はご注意ください……)主人公が開けた扉は、過去に繋がるタイムトラベルロード(?)の入り口でした。ただし、誰でも通れるワケでは無さそうです。絶望した人限定。“過去に遡って人生をやり直したい人”のみに再チャレンジのチャンスが与えられました。ただし、代償は高く付きます。それは過去の自分を殺すこと。主人公は過失でしたが、時間を遡った者は皆一様に“自分殺し”を経験している様子。“自分を殺すのは入場料”とのアロハ親父の見立ては、強ち的外れでは無いと感じます。確かに“自分が2人存在する”状態は世の摂理に反しています。一人を消すのが道理。しかし、よく考えてみると、自分殺しとは単に自殺のこと。当然未来に自分が存在出来るはずがありません(だからアロハ親父曰く「こちら側がお前の世界だ」なのでしょう)。というより、自殺した人間が生きている事自体あり得ません。つまり、ドアの向こう5年前の世界は“死後の世界”と推測されます。主人公は雪道で滑って頭を打ち、亡くなったのが真相。扉を開けた者は全員が死者(又は予備軍)でした。主人公のように事故死者は過失で、自殺者は自らの手で、自分自身を殺害したと思われます(隣人夫婦は心中ですね)。彼らは生前の強い後悔の念ゆえ、現世そっくりの死後の世界に縛られているとも言えます。ですからレオニーは、現実には助かっていません。覆水盆に返らず。自身を殺めることなく元の世界に戻れた妻だけが(入れ替わっていはいるものの)、現世で一命を取り留めた結末と解します。解釈は以上です。なんと切ないお話でしょうか。ドアの向こうの世界は天国か地獄かと問われれば、間違いなく後者でしょう。幸せを守るための人殺しが日常茶飯事なんて、気が狂いそうです。そんな地獄でも、主人公にとっては希望に満ちた世界でした。だって、愛する娘が生きているのですから。しかし、主人公は自らの選択で幸せを手放しました。でもそれで正解。地獄に居続ける限り、娘の魂は生まれ変われません。結局、主人公の日常は何も変わらなかったと思います。失った娘を想う日々が続くのみ。それも今度は永遠に続くのです。ただ違うのは、娘の死を嘆き悲しむのではなく、人生を謳歌する娘の姿を思い浮かべられること。これが唯一の救い。それが幻だとしても、です。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2014-09-24 20:56:39)(良:1票)
45.  サイレントヒル:リベレーション3D 《ネタバレ》 
ゲーム原作らしいクエスト形式の物語と、襲い来る異形の住人たち。1作目は母が娘を、2作目は娘が父を、サイレントヒルから救出することを目的した点を除けば、2つの作品に違いらしい違いは見当たりません。ところがこの僅かな変化が物語の味わいに大きく影響していました。具体的に言うなら悲壮感の有無。1作目で最優先とされたのは“娘の命”。では2作目は“父の命”?いいえ、違います。2作目も1作目と変わらず娘の命が一番大事なのです。大切なものの安否が知れない状況と、逐一確認できる状況では、どちらが不安に駆られるかは言わずもがな。サスペンスの醍醐味という意味で、本作は1作目に遠く及ばないと感じます。
[DVD(吹替)] 5点(2014-06-12 19:26:59)
46.  サブウェイ・パニック 《ネタバレ》 
特筆すべきはラストカット。これほど爽快感のあるイヤラシ~イ表情に、私は今までお目にかかった事がありません。見事な余韻。このワンカットのみで本作を傑作認定してしまいたい程です。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2014-05-30 20:59:19)(良:1票)
47.  殺人ゲームへの招待 《ネタバレ》 
実在するボードゲーム『Clue』を原案とする映画だそうですが、着想を得たというより、そのまま実写映像化した印象です。DVD収録のエンディングは3通り用意されていますが、ゲームのルール通り“登場人物×凶器の種類×部屋数”分だけ結末が“存在し得る”と考えて構わないでしょう。事件の真相は偶然の産物。勿論ドラマは完全に後付けですし、トリックの醍醐味など望めるはずもありません。ミステリーとしての面白味はゼロです。間違っても犯人探しなどしてはいけません。無駄骨です。謎解きのヒントも当然在りません。では何処を楽しめばいいかというと、まずは雰囲気でしょうか。とある洋館に招かれた素性の知れぬ数人の男女。各々に配布された典型的な凶器の数々。消える死体に隠し部屋。古典ミステリーの風味を味わうワケです。次のお楽しみは、ウィットに富んだ会話劇とコミカルなリアクションで魅せるコメディーパート。ほぼ、こちらがメインと考えて差し支えありません。さて私は某蔦屋の『良品発掘』シールに惹かれて本作を観賞しました。そのため期待値のハードルが高かったかもしれませんが、それを割り引いてもツマラナイものでした。物足りないというか。おそらく本作を楽しめる人は、大人だと思います。あるいは大金持ち。「今日の夕ご飯は松茸の土瓶蒸しよ」とママンに言われて喜んでいたら、本当に土瓶蒸ししか出てこなかったとしても、キレたりしない“余裕のある人”だけが楽しめる映画ではないかと(何のこっちゃ)。同じ趣向の映画なら『名探偵登場』の方が満足度は高いです。
[DVD(字幕)] 4点(2013-10-24 19:55:34)
48.  THE GREY 凍える太陽 《ネタバレ》 
(重大なネタバレあります。鑑賞後にお読みいただければ幸いです。)………主人公は最期の最後に望みを叶えました。飛行機事故で生き残ったのは、彼の願いを叶えるために神様がロスタイムをくれたようなもの。主人公は否定しましたが、本作に神様は存在したのだと思います。そもそも、生きている事こそが奇跡。命尽きるその時まで、あなたならどう生きるか?の問いかけでした。勝つための武器というより抵抗のための爪を装着し、決着の刻に挑む主人公。真っ直ぐな瞳に吸い込まれます。ここで終幕。唸りました。この瞬間に辿り着くためだけに、これまでの苦難があったということ。エンドロール後のワンカットは不要でした。むしろ無い方が良かったかもしれません。でも救われました。彼は満たされた心で愛する人の元へ逝く。突然の飛行機事故のインパクトから、VSオオカミVS風雪の極限サバイバルまで、一気に作品世界へ引き込まれました。効果的だったのは手持ちカメラによる接写とブレ画像。アクションを誤魔化すための安易な演出手法として用いられる事が多い気がしますが、本作の場合は一味違いました。上空で、水中で、息の詰まる感覚を味わえました。音響も臨場感抜群です。回想シーンの使い方も上手い。愛する人との幸せな時間から一転、地獄の現状へ。視覚インパクト大。主人公が感じたであろう衝撃と絶望を見事に表現していました。事故直後の危機感覚異常と判断力欠如、ザバイバーズギルトが重なった“通常ならばあり得ない”決断の数々にもリアリティがあったと思います。言うならば陸上版『オープン・ウォーター』。真夏の日本公開も納得の凍える映画は、熱かった。
[ブルーレイ(吹替)] 8点(2013-05-27 20:12:28)(良:1票)
49.  貞子3D 《ネタバレ》 
『貞子3D~2Dバージョン~』。このタイトルからして、もうちょっと面白いのですが、終始ホラー映画を観ている感覚はありませんでした。そう怖くないのです。繰り返されるのは、白い手が画面から飛び出てくるシーンに「お前じゃない」の声。脳裏に超絶美少女橋本愛ちゃんの顔が浮かびます。思わず顔がニヤける始末。主人公に迫りくる危機も、彼女自身の超能力で撃破できますし、漂流教室の未来人みたいな奴も物理攻撃が有効でした(蝶(蛾?)になって消えるってどういうコト?)どう怖がればいいのでしょう。染谷翔太や田山涼成部下の死に様などは、笑わせに来ているとしか思えません。3Dの映像技術を楽しむ映画としての価値はあるのかもしれませんが(劇場で観ていないので知りませんが)、それ以外で観るべき部分は皆無だと感じました。おそらく本作最大のホラー要素は、2013年夏に続編が公開されるということ。正気の沙汰とは思えません。こちらの方がよっぽどホラーではないかと。
[ブルーレイ(邦画)] 2点(2013-04-06 18:59:16)
50.  ザ・ウォーカー 《ネタバレ》 
日本でリメイクするなら、主演はあの人以外に考えられませんが、オファー不可能により断念。となると、次の候補は巨匠かスマップという事になりますが、どちらもデンゼル・ワシントンのイメージには程遠い。というわけで、消去法により、主演はおっぱいバレーちゃんに決定。網走刑務所まで般若心経でも運んでもらうっていうのはどうでしょう。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2013-03-24 17:27:31)
51.  SADO TEMPEST 佐渡テンペスト 《ネタバレ》 
主人公は島に流されたのか、呼び寄せられたのか?本田博太郎は存在するのか?島に春が来ないとはどういう事?鬼とは一体何なのか?話が進むに連れ積み重なっていく謎。そして矛盾点。十分な説明のないまま始まった物語は、明確な種明かしをせずに幕を閉じます。スクリーンを前にして、しばし呆然。しかし不条理映画でもなければ、説明放棄でも無い事だけは確信がありました。その拠り所となるシーンは2つ。薬を盛られた主人公が鏡を拭く場面。そして囚人たちが道具を持たずに砂金を探す場面。前者は“目の霞み”を、後者は“カネに価値は無い”という事を端的に表現しています。説明のための台詞ではなく、描写で観客に伝えようとする姿勢を感じました。この監督は信用できます。果たして物語を読み解く鍵は何だったのか。それは医者の言葉に隠されていたと考えます。「時間は真っ直ぐに進むと思うか?それとも大きな輪を描いていると思うか?」島にはもう何年も春が来ていないと言いました。終わらない冬の正体。歌(魔術)によって島の時間の流れがループしているとしたら……これで多くの謎が説明できるのではないかと。蓄積されない。辿り着かない。いずれは元通り。だから刹那の快楽にしか価値を見出せない。“死”さえも終着点でないとしたら、島の人間が死に対して不感であった事も説明が付きます。時の流れを干渉するほどの魔力があれば、人の心を操る事など造作もないでしょう。ジュントクは(もしかしたら“今回の”ジュントクは)、春を呼び寄せ島に秩序を取り戻した。鬼とは島の精霊。自然の摂理と共に有るもの。変革がもたらしたのは、世界が本来あるべき姿でした。オール佐渡ロケーションで製作された映画。冬と春を映し出す色調整も的確で、佐渡の自然が持つ厳しさと美しさを存分に表現してくれたと思います。ジルバの歌も心に響きました。劇中歌(春を呼ぶ歌)は心を震わせます。大衆受けする映画ではないでしょうが、監督の作家性が伝わってくる作品に仕上がっていたと思いました。最後に一箇所だけツッコミを。施設長が要求したのは、佐渡では造れない美味い酒だったはず。真野鶴は佐渡が誇る美味しいお酒でございますよ。
[試写会(邦画)] 7点(2013-02-15 18:57:22)
52.  30デイズ・ナイト 《ネタバレ》 
悲しくも美しいラストに尽きる一作。昇りくる太陽の彼方を、しかと見つめる彼女の姿が心に焼きつきます。
[DVD(字幕)] 7点(2012-12-10 19:51:48)
53.  西遊記(2007)
悟空・悟浄・八戒のキャラ設定はバカ・クール・真面目。トリオとしてのバランスは悪くありませんが、三蔵を含めたカルテットで捉えると真面目が被ってしまいます。その点、夏目雅子のテレビドラマ版西遊記は、ボケ・ツッコミ・ぼんやり+真面目という完璧な布陣。しかもマチャアキと西田敏行という天性のコメディアン2人を揃えているのですから、面白くて当たり前。名作ドラマと比べるのは酷だと承知していますが、それにしても本作はつまらないです。悟空の熱血バカぶりは正直うっとおしいし、悟浄と八戒の存在感の薄さは致命的です。深津の演技プランは夏目の完全なコピー。面白味に欠けます。アクションは悪くありません。でも一つ一つが無駄に長い。一言で言うなら、香取の香取による香取のための西遊記。香取慎吾及びドラマ版のファンならば手堅く楽しめるでしょうが、そうでない方はちと辛いかと。
[CS・衛星(邦画)] 4点(2012-05-25 23:16:21)(良:1票)
54.  サンクタム 《ネタバレ》 
劇場の大スクリーンで観ていたならば、また違った印象だったのかもしれませんが、自宅TVでの鑑賞では想像していた程のスペクタクルは感じませんでした。冒頭こそ、森林奥地に突如現れた巨大洞窟の全景に圧倒されたものの、物語の殆どは洞窟内。息が出来ない恐怖と、陽の光届かぬ暗闇に終始苛まれました。密室型のホラーサスペンスの趣です。本作が実話との触れ込みは承知していたものの、『○ー○○○ォーター』等の例もあるため、予断は許されません。というか、とても生還が適うとは思えませんでした。それほどまでに、彼らが陥った状況は絶望的でした。本作を観て思い出したのは『ポセイドン・アドベンチャー』。スコット牧師と冒険家の父親の姿が重なります。この父親を見ていると、皆を励まし常に希望を捨てなかったスコット牧師の偉大さが分かるというもの。もっとも、だからと言って父親を批判する気にはなれません。彼は彼なりの責任を全うしたと思います。父親にとって、これ以上のハッピーエンドは無いでしょう。
[DVD(字幕)] 6点(2012-04-19 20:24:23)
55.  サルベージ・マイス 《ネタバレ》 
『キック・アス』から派生したと推測される和製少女アクション映画。必要なのは、戦うヒロインの魅力を最大限に引き出すこと。これに尽きると考えます。武田梨奈、飛松陽菜に続く第3の空手少女、『長野じゅりあ』をどう活かすか。彼女の実戦空手をどう見せるか(魅せるか)がポイントでありました。然るになぜ彼女に空手着を着せてしまったのか。なぜ、スポーツウェアなのか。あれでは魅力半減です。主人公サルベージ・マイスも一人コスプレ状態で可哀想。童顔なのに巨乳、メイドなのに将棋指し、みたいな意外な組み合わせは、人心獲得の常道です。彼女は最後まで制服で戦わせるべきだったと思います。ストーリーは、彼女らに戦う理由を与えるものであれば、それで良かったはず。義賊、自警団、悪の窃盗団。昭和世代のアイコンを現代日本で再現するのはちと辛かったかもしれません。大人が鑑賞するには厳しいものがありました。ただし、不思議と憎めないのも事実。続編があるなら、エンターテイメントに特化したハジけた面白さを追求して欲しいと思いました。広島を飛び出したマイス一味の全国展開を希望します。最後に、期待の新星・長野じゅりあについて。系統的には多部美華子と同じブサカワ系。ガッチリ体型も含めてアイドル女優らしくないところが気に入りました。武田、飛松と共に邦画アクション界を牽引してもらいたいです。
[映画館(邦画)] 5点(2012-03-29 21:29:24)
56.  さや侍 《ネタバレ》 
妻に先立たれた野見は、抜け殻でした。それは本身を持たない鞘と同じ。だから“さや”侍。辛い現実を耐えかねた男は、あらゆることから逃げ続けます。背中を斬られ、頭を撃たれ、首の骨をへし折られても、なお死ななかったのは、死という現実からも逃避していたから。しかし30日の業を終えた彼は、自分という刀を取り戻します。愛娘や門番たちと芸を考案し続けた日々。何かを生み出すパワーが、あるいは奇妙な友情が、親子の愛情が、男を甦えらせました。現実と向き合った侍が、逃げ続けた日々の清算をしようとするのは当然の流れ。斬られたら、撃たれたら、へし折られたら、死ぬ。その摂理に、遅ればせながら従います。切腹は必然でした(劇場版『クレヨンしんちゃん』の某作品と同じと理屈と考えると分かり易いです。あるいは『ジョジョ』のブチャラティ)。鞘は大切なものを守るためのもの。娘を守る父親は鞘と言えます。最期に父は、托鉢僧にメッセージを託しました。それは娘に対する全ての父親共通の願い。精一杯の恋文です。竹原坊主の歌声が沁みました。若君を笑わせるため、罪人に課された30日間に及ぶ1日1芸の笑い。大衆から日々新たな笑いを求められ続ける天才芸人・松本人志と、さや侍・野見の姿が否応も無く重なります。ポイントは、本作で要求されているのは爆笑ネタではないという事。かといってセンスが無ければ、観客から容赦ない批判を浴びてしまいます。監督松本が芸人松本に課したハードルはかくも高い。本作で披露された“決して笑わせてはいけないネタ”の数々、自分はお見事だと思いました。監督自らが主演をこなした前2作と体裁は違うものの、一貫しているモチーフは“笑い”です。本作では松本氏のお笑い構造論と観客論を窺うことが出来ました。何をしゃべってもOKな、完全に出来上がった空気の中、一言も口にせず果てた野見。そこに松本人志の求める笑いの美学が、あった気がします。
[DVD(邦画)] 8点(2012-03-16 19:58:10)(良:2票)
57.  サロゲート 《ネタバレ》 
不老不死は人間の究極の願い。とりわけ“不老”は魅力的です。10代、20代の若さを維持できるとしたらどんなに素晴らしいか。ですから、もしサロゲートが技術的に可能になったら、それを拒否できるほど人間は賢くない気がする。本体の健康管理や生殖活動、サロゲートの犯罪使用防止策等の諸問題がクリアされれば、人類総サロゲートもあながち在り得ない話ではない気がしてきました。ただし、自分だったら主人公のように若かりし頃の自分を模したサロゲートは使わない。日々衰えていく自分とのギャップに打ちのめされるだけだから。全く別人のイケメンを操作して、社交的で積極的な「もう一人の自分」の人生を楽しむでしょう。現実の自分とは正反対の。あれ、でもそうなると何処に自分のアイデンティティを置いたらいいのか判らなくなりますね。シュミレーションすればするほど、怖くなってきました。やっぱりサロゲートはいらないです。物語の方も、全世界のサロゲートが活動不能になり、人生の主権が人類の手に戻りハッピーエンド。でも一度取得したテクノロジーを破棄出来ないのが人間の性。いや業です。歴史が証明している。だから後味は良いようでほろ苦いのです。
[映画館(字幕)] 6点(2011-01-31 18:28:27)(良:1票)
58.  ザ・ロード(2009) 《ネタバレ》 
終末世界の構築が見事でした。立ち枯れする木々。荒廃した街並み。人々は人肉を食らう。近作では『ドゥームズデイ』でも同様の描写がありますが、やけっぱちで喰らうのと、生きるために食すのとでは意味合いが違います。後者は、よりシリアスです。食料だから飼育する。衝撃でした。直接的な食肉シーンなど無くても、このリアリティは胸に刺さりました。明らかに私たちが知る道理が通じない。どう息子を育てたらいいのか。「人を食べたらいけないの?」そう子に問われたら、自分なら答えに窮したと思う。しかし、この父親は違いました。生きることが全てではなく、人として生きることに価値があると知っていた。尊厳の意味を忘れなかった。だから彼は息子に生きる術ではなく、死に方を教えたのです。普通では考えられない。でも世界がひっくり返ったのなら常識も覆る。その腹の括り方が、親の覚悟なのだと思います。戦うことはままならず、逃げることさえ容易ではない。子連れのストレスは尋常ではありません。こんなに苦しいのなら、最初から何も無いほうがマシ。そう考えるのも無理はないほど、子の命はかけがえが無いのです。自分の命より大切なものを得る代償に、それを失うかもしれない恐怖と不安を引き受ける。重圧に耐えられなかった母親は、自らの命を絶ちました。絶望しかない世界の歩き方。それは希望を見つけること。いや希望が無いなら作り出すこと。ウソでもクソでも構わなかった。南に進み、海を目指すこと。それがこの父親が“決めた”希望でした。立ち止まったら倒れてしまう。だから足を前に出す。自らの気力を奮い立たせるため、そして息子を生かすために。勝算など無い足掻きでした。でも足掻いたからこそ、本物の希望に出会えた。この父親は賭けに勝った。
[映画館(字幕)] 8点(2010-11-30 18:15:02)(良:1票)
59.  サマーウォーズ 《ネタバレ》 
おばあちゃんは電話を使って関係機関に働きかけ、被害拡大を食い止めました。夏希のピンチにはネットを通じ全世界から救いの手が差し伸べられた。通信手段こそ違えど、人と人との繋がりが力を生むことに変わりはありません。一人では不可能な事でも、大勢が集まれは成し遂げられる。瞬時に全世界と情報を共有できる現代は、それだけ莫大な力を生む環境が整っていると言えます。しかし“情報”そのものが力を持っている訳ではありません。情報はただの記号。「助けて欲しい」という記号も、相手の心に届かなければ意味がありません。記号に意味を与えるのも、実行力を伴わせるのも人間です。おばあちゃんの「あんたなら出来るよ」という励ましの言葉に、夏希たちの必死な姿に、人々が動かされたのは何故か。其処には人の心を動かす“確かなもの”が在ったのだと思います。人脈であり、人柄であり、熱意であり、花札の強さであり。「夏希が美人だからだよ」という軽口も、あながち間違ってはいません。全てひっくるめて人間力。祈るだけではダメ。想いをかたちに変える力が必要なのです。おばあちゃんの人脈は、おばあちゃん一人の手柄ではなく陣内家が膨大な労力を費やして培ってきたもの。夏希が勝負の舞台に立てたのも親族の総力の結晶。大きな事を成し遂げるには多くの助力が必要で、多くの助力を得るためには、それ相当の実力が要るということ。時代や場所が変わっても、その原理原則は変わらない。このテーマは全ての人に通じます。胸を打たれました。ちなみに一番気に入ったシーンは、夏希の吉祥天でも、キング・カズマのバトルでもありません。おばあちゃんが主人公と花札をして笑った場面でした。あの素敵な笑顔。おばあちゃんが慕われている理由がすっと理解できました。実は細田アニメの凄いところはココじゃないかと思うのです。物語に命を吹き込むのはキャラクター。線が細くクセの無い作画は、一見すると迫力に欠ける印象を受けますが、とんでもない。デフォルメされた崩れた顔、ただじっと見つめる瞳、どの表情からもその人物の気持ちが伝わってきました。このセンスと技術は高く評価されて然るべきと考えます。『時をかける少女』の次ですから相当なプレッシャーがあったことでしょう。にもかかわらずこんな素晴らしい作品を創り出すとは。心から敬意を表します。次作は劇場まで足を運ぶことを約束します。次も傑作よ「こいこい!」
[DVD(邦画)] 10点(2010-11-24 18:12:05)(良:1票)
60.  ザ・フィースト 《ネタバレ》 
ノリノリのキャラクター紹介、登場したと途端に食われるヒーロー、「もう離さない」と抱きしめた傍から引き裂かれていく子供。本作のスタイルは、物語開始早々に判明します。“B級・パニック・グロテスク・スプラッタ・アクション・ホラー・コメディ”(長い…)。同類亜種の作品が数多く存在するジャンル。自分も嫌いじゃありません。そのチープさゆえに、制作の間口が広いジャンルではありますが、この手の作品には“アタリ”が少ないのが現状だと思う。“遊び心”の取り入れ方、その匙加減が大変難しいのです。B級マニア受けを狙っているのが見えてしまうとイヤラシイし、下手だと単なる粗悪品。本作の場合、センスの押し売りが鼻につくのがマイナスです。上から目線で「どう、これイケてるでしょ。分かる人だけ分かればいいから」と言われているような。下ネタの挿入具合あたりから、ヒシヒシと伝わってきます。権威に弱い小市民にしてみれば、「はあ。そうッスね。イケてますよね。分かります。分かります。」としか言えませんもん。このノリはちょっと苦手かなと。真摯な姿勢でバカ、極悪人だけどのりたま大好き!、みたいな“憎めなさ”のあるB級映画が自分は好きです。
[DVD(字幕)] 5点(2010-10-07 20:12:44)
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