61. SOMEWHERE
《ネタバレ》 裕福だけど、虚無的な生活を送っている俳優の主人公が一人娘と短いひとときを過ごすうち、改心して新たな出発をするという内容。最初の「同じところをぐるぐる回る車」で彼の空虚な心情を表現し、また、最後の「車から降りて自分の足で進む微笑の主人公」で彼の心情変化を表現する。ヴェネチア国際映画祭金獅子賞受賞だそうだが、いかにもそういう賞が好みそうな内容で、踊り子やらパーティーやらインタビューやら仕事場でのマスク作りやらが延々長回しで撮られている。それらのシーンは実に傍観的なのだが、これがまた主人公の心の虚無感を表現するためにこういう撮影をされていて、前半は特にこういうシーンばかりなので至極退屈。狙いとは言え、こりゃなかなか人を選びそうな映画である。もちろん、それに対して娘クレオとのゲームシーンやプール遊びシーンはなかなか楽しいのだけれど。 [DVD(字幕)] 6点(2011-10-14 23:26:17) |
62. ザ・ライト -エクソシストの真実-
《ネタバレ》 「事実に基づく話」だそうですが、実際にどの程度事実に基づいているのかは確かめようもなく、見ているほうとしてはなんともいえません。アカデミー俳優、アンソニー・ホプキンスの怪演が本作一番の見どころで、一歩間違えればくだらないB級ホラーになってしまいそうなこの題材を、ホプキンス迫真の演技で真実味を持たせることに成功しております。作りとしても手堅く真面目で、ルーカス神父が言う様に首が回ったり緑のゲロを吐いたりするわけでもないので、これを見て悪魔の存在について考えたりする人もいるかもしれません。個人的には、神はともかく悪魔はいないと思いますが、本作を見ていて思ったのは、神や悪魔の存在有無よりもむしろ人間誰しもが持つ後ろめたさや罪深さに対してその人自身がどう向き合うか、そして神を信じることにより、結果としてその宿命的な罪を処理することが可能になる人間の心の不思議さを考えさせられた次第です。 [DVD(字幕)] 6点(2011-08-22 22:02:31) |
63. 再会(2011)
《ネタバレ》 AV女優なだけあって、トップレスまで見せてくれてそれはそれでいいんだけど、一体なにが「衝撃のラスト」なのか?単に記憶が弱かっただけじゃないか。 [DVD(邦画)] 4点(2011-08-03 20:58:48) |
64. 座頭市 THE LAST
《ネタバレ》 思っていたよりは真面目な作りだし、香取君もこの難しい役を果敢に挑戦していたように思います。殺陣のシーンも、目をつむりながらの立ち回りを演じていて、それなりに楽しんでみれるのですが、ただ凄く不満な点があります。相手を刀でばっさばっさ切っても、血が全然出てこない。あれはさすがに不自然すぎるでしょう。片手をすぱっと切り落としても、血が一滴も出ないなんておかしすぎる。そしてラスト。なぜああいう終わり方にしたのかよくわからない。せっかく、ラスボスと一騎打ちしてる時に、後ろから銃でって、、、。その後にどこの馬の骨かわからんような奴にとどめさされるし、これじゃ見てるこっちとしては全くすっきりしないです。 [DVD(邦画)] 5点(2011-08-01 22:16:11)(良:1票) |
65. ザ・タウン
《ネタバレ》 なかなか良かったと思いますね。このお話はやっぱり、悪者の父のもとで生まれ、悪者の街に育った、いわば逃れられない宿命的な性質が主人公ダグにはあるわけで、それに加えて相棒に一命を救ってもらったという恩義があるわけですよね。そういう中で、愛する彼女と共に、足を洗って新しい地へ移住しようと考えるんだけど、結局はその身分故に彼女から拒絶され、第二の人生を歩みたいと考えた自分の自由さを宿命にがっちりと押さえつけられる。相棒に街を出て行くと言って喧嘩するシーンもそうだけど、この作品の中盤のこの展開がもの凄く切ない。銀行強盗を継いだとんでもない家系で、それ自体は一般人とはかなりかけ離れた宿命だけど、ダグが背負うこの切なさは、実は誰しもが一度は味わったことのあるものだと思うんです。自分の夢を思い描きながらも、不変不動の現実に押しつぶされる、というね。だからこそダグに感情移入するし、感情移入するからこそ、中盤のカーチェイスシーンや終盤のドンパチシーンは手に汗握る名場面に昇華される。ただのアクションシーンなら傍観するのみだけど、観客はダグに捕まってほしくない、彼の夢が実現してほしいと願っているわけだから。切ない余韻で終わるラストもなかなか好きです。 [ブルーレイ(字幕)] 7点(2011-07-26 20:16:47)(良:1票) |
66. 30デイズ・ナイト2:ダーク・デイズ<OV>
《ネタバレ》 これはまぁ、ダメなほうの続編ですね、、、、(笑) せめて一人くらいは、前作の登場人物が出てくれればまだ良かったものの、 誰も出演してくれなかったご様子。 作りは決して適当ではなく、ちゃんと真面目に取り組んでいることは 見ていてわかるのだが、なぜ舞台を地下に移しただけで こうもつまらなくなってしまうのだろう、、、。 [DVD(字幕)] 4点(2011-07-19 21:28:43) |
67. さらば愛しの大統領
《ネタバレ》 いや~、これを映画館で見た人は、凄く辛かっただろうなぁ(笑)。映画館で、このノリの映画が上映されてて、観客が誰も笑ってない状況は想像するだけでも恐ろしい、、、。僕はDVDだったので良かったけれど。最初から最後までナベアツワールドが貫徹されてるけれど、ほとんど笑えなかったですね。なんなんだろう。ああいうよしもとの笑いというのは、映画という媒体にはやはり不向きなんでしょうか。大阪のオバちゃんを軍事利用するとこだけは気に入ったけど、全体的に「うん、それはなかなかのアイデアだね」と思うだけでオモローにならない。コンパクトにまとめて、小道具も衣装もそろって全体として意欲作だと思うので、スタッフのご苦労に免じて5点。 [DVD(邦画)] 5点(2011-07-04 23:39:59) |
68. ザ・ウォーカー
《ネタバレ》 文明が崩壊し、荒涼としたその風景。世界観は見事なまでに映像化されていて、ケチのつけどころがないです。限りなくモノクロに近いような色調で、作り手の努力やセンスを感じます。映像的に、特に老夫婦の家でのドンパチシーンがもの凄い凝ってて目を見張ります。実写とCGを合わせて作り上げられたのでしょう。シームレスなノーカット風アクションは見応えたっぷり。ただ、あのシーンだけが気合入り過ぎで他のシーンとの落差を感じてしまうのは難点。ラストの、実は本の内容は頭の中に~のオチはなかなか良い。本が聖書なだけに、宗教的色彩を帯びてくるが、たぶん宗教うんぬんよりも、信じることの大切さみたいなものがメッセージとしてあるんじゃないかな。それ事態は、普遍的なメッセージだと思うので。 [DVD(字幕)] 6点(2011-04-29 22:22:16)(良:2票) |