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なんのかんのさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

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61.  39 刑法第三十九条
この監督は、トーンを前もって頭で作りすぎているのではないか。その分、映画が萎縮してしまっているような気がする。鑑定医がことさらおどおどしているのが、演出上の“発明”なのかもしれないけど、意味ありげな小細工という印象を持たされてしまい、ここらへんが萎縮感。たしかに精神障害だからすぐに責任能力がないというのは、裏返された差別であり、そこらへんを突くのはいいんだけれども、今度は一方的に被害者の側からのみ眺めるってのでは進歩がない。無垢でもバケモンでもない精神障害者像を描き出すのが芸術の仕事であろう。樹木希林が意外とよくない。
[映画館(邦画)] 5点(2008-12-08 09:33:50)
62.  ザ・ハリケーン(1999)
本や手紙といった文字の力、の話。一過性の救出運動があり、しかしそれはすぐに飽きられ、でも本は漂い続けて読まれるべき読者のもとに運ばれていく。そういう意味では希望の話だが、またこれは騒いでいたときに売れた本が真の読者に出会えなかったという苦みも含んでいるわけで。そして場所も歳も離れた者の間で手紙=文字が交換されていく。撒かれた希望の種としての書物。白人への憎悪が融けていくあたりは類型的だが、再審請求が何度も却下され希望を持つこと自体を恐れるようになるあたりはグッときた。D・ワシントンだと、最初っから無実に見えてしまうのが問題。いつも思うんだけど、アメリカの監獄の自由に電話できる権利って、どうして日本では許されないのか。
[映画館(字幕)] 7点(2008-09-20 12:09:43)(良:2票)
63.  サラエボの花 《ネタバレ》 
大事なことを言っている映画で、固有名詞を変えては、敗者の歴史で繰り返される悲劇のやりきれなさが伝わってくるが、正直、もう少しザラザラとこっちを掻き立ててくるものに欠けているような気がした。最初のほうで、報奨金(?)と引き換えに開かれる被害を受けた女たちの会の場があり、そこで若い女が無遠慮に笑うシーン、あれは世代の違いを言ってるのか、それともお仕着せの会の無力を笑ってるのか、よく分からなかったなりに、ザラリとしたものを感じ、沁み入ってきた。ああいう場面がもっとほしかった。おそらく女の子の描き込みが弱いのが欠点だろう。事実を知ったあと、ラストに至るまでの間に大きな心のドラマがあったはずだが、父親似の髪をナニするという一点に絞ってしまったので、あまり深まらない。とは言え、母の友人やその仕事場の同僚たちの連帯感の描き方などホロッとさせ、もちろん見ないよりは見てよかったと思った映画だ。
[DVD(字幕)] 6点(2008-09-14 12:05:59)(良:1票)
64.  最愛の夏
台湾の基隆と言えば孝候賢の世界だが、それもそのはずでこの監督、彼の助監督してた人だそう。盲目の親、知的障害のある弟、肝臓を病んでる父、それにヤクザも絡んでとすごい設定なのに、17歳の少女のサラサラとした一夏の淡い恋物語に仕上がっている。もうほとんど歌謡曲の題材から(窓から港が見える)、これだけの充実した時間を紡ぎ出せるのが、台湾映画の恐ろしさだ。細かいエピソードを羅列して土台を固めてから、少し離れて顛末を語っていく。ラストの泣かせも爽やかにキマった。カラオケのシーン、メロディは「松の木小唄」だったな。
[映画館(字幕)] 8点(2008-09-08 09:37:50)
65.  13デイズ
戦争とは国と国の間ではなく、政府と軍部の間で繰り広げられているのかも知れない。ケネディは言う「軍は気楽だ。失敗しても非難するものはもう死んでいる」。なんとか戦争に持ち込もうとする軍との間で、本当の厳しい戦いは行なわれていたわけだ。この映画で見ると、キューバ危機とは、ケネディとフルシチョフがお互いの軍のタカ派を押さえ込めるかどうか、という危機であったらしい。軍があの手この手で挑発を試みるあたりが、面白くも怖いところ。アイルランド系カトリックの大統領の孤立も描かれていた。特別補佐官が「ダニー・ボーイ」を口笛で吹いて鼓舞する。でもまだこの時代は核戦争が具体的なイメージとして恐怖されていたが、それが抽象的なものになってしまっている現在のほうが、より深刻な危機ではないか。
[映画館(字幕)] 7点(2008-08-25 10:48:48)
66.  サタデー・ナイト・フィーバー
今見ると、ディスコダンスの陰気さに驚かされる。薄暗いところにみんながぞろぞろ並び、覇気なく緩慢に体を動かしていて、ときどき物憂げにポンと手を打ったりして、こりゃ盆踊りだ。全体として籠もった感じ。ダンスならではの外へ向けたエネルギーがあまり感じられない。といってフラメンコのように、内側へ力を充溢させていくようにも見えない。動く快感より見られることが主体のダンスなのか。これは何なんだろう。60年の外側へ向かった抗議の時代の反動だったのかな。その驚きがかなりショックだったので、物語として映画を見てる余裕があまりなかった。トラボルタの、粗野だけど純真よ、っていう目つきが女性にウケたのはよく分かる。今だったら「誰でもいいからぶっ殺してやる」になっていきかねない、展望の開けぬブルーカラーの若者の鬱屈が、けっこうキチンと描かれていたような。
[DVD(字幕)] 6点(2008-08-24 12:13:31)(良:1票)
67.  三文役者
故人となった乙羽信子が出るのが評判になってたが、証言者としてちょっとだけ出てくるのかと思ってたら、ナレーターで出っぱなしだった。しかも殿山泰司役の竹中直人と切り返しで会話調になったりするのには驚いた。生きてるうちにシナリオを完璧に作って撮影しといたんだな。プレハブに住み込み共同作業で映画を作っていた独立プロシステムの記録として、貴重な作品となるだろう。晩年、ポルノなどに出て嫌気がさし演技賞のトロフィーを投げる、なんて場面があって、こっちが思っているアナーキーな殿山泰司のイメージと違ったが、そういう面もあったのかなあ。
[映画館(邦画)] 6点(2008-08-23 12:13:33)
68.  ザ・カップ 夢のアンテナ
チベット仏教・ワールドカップ・懐中時計、の三題噺といった趣き。この無関係そうな三題がぴたりとハマっている。映画の根本にあるのは、ヨーロッパ映画によくあった「寄宿舎の悪童もの」で、プロット的にはさして珍しくないが、やっぱり映画ではあまりお目にかかれぬブータンの風俗が目を引く。黄と赤の取り合わせが美しい。仏教の儀式と、サッカーの祭典が対置される。レンタルテレビの設営までの興奮が、しだいに自責の念によって覚めていくあたりの、少年心理のうつろいが見どころか。
[映画館(字幕)] 6点(2008-08-19 10:55:59)
69.  サイン 《ネタバレ》 
アメリカってホントに無神論はいけないのね。無神論者って、即すさんだ人なの。この徹底ぶりがどこから来るのか、プロテスタント移民という歴史だけでは説明できないような気がする。それはともかく、うっちゃりがあるぞ、うっちゃりがあるぞ、と思わせといて、そのまんま赤狩り時代のSFものを再現する魂胆、アイデアをひねりすぎた結果なのか、全然ひねらなかった結果なのか、よくわかんない。家に籠もって何か世界が大変なことになってるらしい、と思うあの感じは、たぶん9・11でアメリカ人が体験した感じなのだろう。もし私が水に弱いエイリアンだったら、もっと山岳地帯や砂漠地帯に拠点を作ってから仕事を始める。
[映画館(字幕)] 6点(2008-06-08 12:15:58)
70.  サッド ヴァケイション
無制限に家族の人生を仕切りたがる母親というもののドロツとした感じが、石田えりの無邪気な笑顔から浮かび上がってくる。けっきょくこれケンジの敗北の物語なのだな。『裏東京タワー』。でもこの136分てのが、いかにも中途半端で、宮崎あおいやオダギリジョーや、惜しいけど光石研やらの脇筋を全部刈り込んで、100分の親子だけの話に詰めるか、それとも全部をしっかり繁茂させて200分にしちゃうか、どっちかにすべきだったんじゃないか。それと浅野忠信のせりふが聞き取れない。発声とか方言のせいというより、たぶん録音技術でカバーできたはずの欠陥。それともDVD化の段階での問題?
[DVD(邦画)] 6点(2008-06-05 12:21:35)
71.  サイドカーに犬
女の子カオル(松本花奈)の表情がいい。大人に気をつかうのが習性になっていて、あまりしゃべらず、何かを言うとすぐに相手の反応をうかがう目になる。でも、怒られることを怖がってイジケてるって感じでもないんだな。彼女自身の中に“正しくありたい”という倫理観があって(サドルを盗まれた人への心配、テレビでの事件報道への感想)、それがあまり倫理的ではない現実社会へどう対応していいか戸惑っている感じ。社会へ待機中の子どもが感じるそういった普遍的な戸惑いが、寡黙な中に表現されていた。ヨーコさんもそれを分かっているから、“イジケた子をタフにする”って教育話ではなく、世代を越えて互いを認めあう友情の話になれていたと思う。ヨーコさんの言う「カオルってハードボイルドだね」は最大の誉め言葉だ。
[DVD(邦画)] 6点(2008-03-30 12:18:23)(良:1票)
72.  
葉月里緒奈の目が大きい。CGで操作して顔面に占める比率を拡大してるんじゃないかとさえ疑った。それが全然まばたきしないでこっち見つめてくると、けっこう不気味。へんにオドロオドロしい表情を作られるよりも、あの凝視がホラーだった。なんかしゃべりだすと、そうでもなくなるのは、彼女に意図が現われてくるからだろう。意図も分からず、あのヘンな顔で見られてるってのが、あんまり今まで体験したことのない不気味さだった。湾岸地帯。新しい街の底から、埋め立てて隠されていた過去のものが液状化とともに噴き出してくる。『CURE』と似た、狂気が連鎖していく世界だが、そういった集団の無意識みたいなものが地底でつながってドロドロと脈打っているってイメージが好きなんだな、この監督。
[DVD(邦画)] 6点(2008-03-09 11:59:22)
73.  13/ザメッティ 《ネタバレ》 
よくまあこれだけ目つきの悪い人を揃えたものだ。白黒の画面にそういう人がいっぱいいるだけで、実に凶々しい。でメインのえげつないゲームになる。話の段取りとして主人公が死なないことは分かっていても、けっこうドキドキする。このドキドキには、賭け手側と共犯しているような疚しさも含まれている気がした。だからといって「命を大切にしよう」なんてメッセージがあるわけではなく、これはたぶん綺譚の味に一番近い。19世紀のポーあたりがよく書いていた異常な体験談もの。「こんな話があってね」という語りべに耳をそばだてる感じで見ていればいい映画だろう。最後のゲームで4発も弾を入れると、66.66…%×66.66…%で44.44…%の高率で相撃ちになってしまい勝負がつかないのではないかと、主催者に成り代わって心配した。あそこは1発ずつで勝負がつくまで繰り返させるのが正しいだろう。だと相撃ちの確率は2.77…%に抑えられる。
[DVD(字幕)] 6点(2008-03-03 12:25:32)
74.  ザ・ミッション 非情の掟 《ネタバレ》 
アクション映画の最大の見せ場は、アクションを封じられる場面にあった。ショッピングモールでの狙撃のあと、5人のボディガードがそれぞれの方向を向いたまま彫像のように凍りつく。動けないこと・動かないことの緊張が凄まじい。映画は動きを描けたと同時に、動けない時間も描くことが出来たのだ。ラストにもレザボア・ドッグス調の凍りつきが用意されている。ハリウッド映画で車をやたらひっくり返されるより、こういった沈黙の凍りつきのほうがよっぽど御馳走だ。男どもが丸めた紙くずを黙って蹴りあってるシーン、べつにどうってことない場面なんだけれど、あれがあることで、彼らの間に裏切りは起こらないと確信できてしまう。いいねえ、寡黙な男の世界は。
[DVD(字幕)] 7点(2008-02-11 12:17:33)
75.  三里塚 辺田部落
三里塚シリーズでとりわけ好きなのが、成田闘争の最前線にカメラを据えた「第二砦の人々」と、地域の死をじっくり記録していく本作。隣人が消えていく、民俗行事が消えていく、墓もどこかに移さなければならない。村を構成していたものの消滅を一つ一つ数え上げることで、闘争の現場の奥を見せてくれる。雨の音の中での寄り合いのシーンでは、語られる言葉よりも、重苦しい沈黙のほうをより深く記録していた。生活そのものが消えようとしている重苦しさ。これと対照的なのが、野良でのカミサンたちのおしゃべり。岩山の部落は大変だべな、逮捕されてしょんぼりしてっだべな、なんて話をずるずるしてるだけなんだけど、生活が本来持っている生き生きした姿、いま奪われようとしている美しい時間を、完璧に記録してくれていた。記録するというフィルムの機能の基本をあらためて思い出させてくれる名作だと思う。
[映画館(邦画)] 9点(2007-11-27 12:18:10)(良:1票)
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