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六本木ソルジャーさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 823
性別 男性

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21.  シモーヌ 《ネタバレ》 
「監督」とは何か、「俳優」とは何か、をスタートラインにして、最終的には「人間」とは何か、まで描こうとしたのではないか。 作品が認められればそれで満足できるのではなく、自分自身が認められなくては満足できない。そういう「人間」としての性が描かれていたと思う。 今は若干違うような気がするが、映画が成功すれば、俳優のおかげであり、駄作に終われば、全て監督の責任という時代もあった気がする。 その他にもメディアの恐ろしさということも描かれていた。メディアの大きな渦に飲みこまれて、架空の存在が一人歩きして、製作者本人ですら止めれなくなっていく恐怖は見事だった。
[DVD(字幕)] 8点(2005-12-19 01:13:09)
22.  シカゴ(2002) 《ネタバレ》 
アカデミー作品賞に相応しい素晴らしい作品だと思う。 作品賞にも相応しいが、本来は監督賞をあげるべきではないか。これほど中身がないストーリーの映画を超一級のエンターテイメント作品に仕上げた手腕は最も誉められるべきだろう。とても初監督作品とは思えない手抜きのない完成度の高い映画であり、まさにプロの作品だと思う。 他の普通の映画であれば、脚本をみれば、ある程度どのような映画に仕上るかは素人でも多少の想像はできるとは思うが、この映画の脚本を渡されて、映画を創れと言われても、本作以上のものを創れる人はおそらくボブフォッシー以外にはいないだろう。 また、ストーリーはないと言っても、殺人でさえも市民の娯楽、すべてがショービジネスのような世界「シカゴ」を余すところなく描かれている。タイトル通り、まさに何でもありの街の「シカゴ」を描いた作品である。 そしてミュージカルの利便性を最大限に活用している点も他の作品ではみられないところ。 自分のキャラクターのツボをミュージカルにして歌いあげることによって、瞬時にキャラクターを理解できるのは眼から鱗モノだ。エイモスのセロファンとしての悲哀や、愛なんて要らない金だけが全ての男ビリーフリン、ギブ(施し)があればテイク(見返り)が必ずある頼もしい看守のママなど、セリフや仕草で表すことよりも、最も楽に効率良く伝えることができる。 自分が想っている素直な感情をそのまま力強く観客に伝えることができるミュージカル特有の良さが最大限に伝わってきた。 演じる役者もなかなか良かった。キャサリンゼタジョーンズの迫力には驚かされたし、操り人形を扱うかのごとく周りを翻弄する弁護士をギアも冴えわたっていた。法廷をサーカスのように見立てたり、弁論をタップダンスで表現するのも素晴らしい演出だ。 一点難を言えば、レネーゼルウィガーか。冒頭のゼタジョーンズの代わりに自分が「ジャァァーズ」と歌う所を空想するところで、ゼタジョーンズとの声量や歌の上手さの比較ができてしまうのが残念だ。他の部分の歌は声量を要しない部分が多いので問題はなかったが。また、随所にレネーに対して「キュート」「キュート」というセリフを聞くと、自分の感覚では首を傾げてしまう。アメリカ人にとってキュートなのだろうか。
[DVD(字幕)] 9点(2005-11-27 22:49:32)
23.  親切なクムジャさん 《ネタバレ》 
「復讐者に憐れみを」「オールドボーイ」両作ともに凄まじいパワーを感じ、この監督はかなりの切れモノだと思っていた。したがって、復讐モノ三部作の完結になると言われている本作にも期待せずにはいられなかった。 しかし、深く考える人の中には入りこめる人もいるだろうが、個人的には、全く入りこめない、全く面白くないの二言に尽きる。 イヨンエという女優は全く知らないのだが、役柄上からだろうか、あまり内面の苦しみや怒りなどが伝わらず、彼女の感情を上手く把握できなかった。復讐という血なまぐさいテーマにはあまりあっていない女優のようにも感じる。 ストーリーについては、大して深く描かれていない人脈を武器にさくさくと復讐に向けた動きが進むだけで、ほとんど捻りがなく、復讐に向けた抵抗勢力が二人組の男くらいだけで山が極めて少なく低いのが問題。 また、復讐をするか否かという葛藤もなさそうなので同情や共感もしずらい。子どもがいるのに「復讐=人生を再度棒に振る=子どもとはもう会えない」という発想がないのもちょっとおかしい。クムジャの頭の中には「復讐>娘」という関係があるように思われるので共感しにくい(復讐が終わってようやく娘と向き合えるというのも分かるが)。老いた警官も葛藤を与える役柄にしても良かっただろうに。 女性復讐者であることの最大限の利得である母性もこれまた上手く感じることができなかったのが残念だ。韓国語が分からない女の子という設定が、「通訳」を効果的に演出できるというメリットはあるものの、コミュニケーションが上手く取れないという欠点にも繋がったように感じる。なぜか彼女の「I’m sorry」や白いケーキが胸に響かなかった。 そもそも、子どもを殺された家族の苦しみと(子どもとともに過ごす)時間を失ったに過ぎないクムジャを同列に描くことはちょっと違うのではないか。犯人は子どもを嫌いと言いながらクムジャの娘を解放しているのにもやや矛盾を感じる。どうせならクムジャの娘は双子という設定にして片方が誘拐され殺されたとしたならばまだ分かるのだが。
[映画館(字幕)] 3点(2005-11-13 23:08:36)(良:1票)
24.  シン・シティ 《ネタバレ》 
正直言ってロドリゲスは名前だけで才に欠ける男ではないかと思っていたが、大きな間違いだったようだ。原作は未見で、どういう内容の映画かも全く知らずに鑑賞したが、徹底したハードボイルドの世界と切ないラブストーリーが見事にマッチしており、さらにセンスある世界観がこのハードボイルドさとラブストーリーをより高次元のものにしている。この見事な世界にたっぷりと酔いしれた。 また、魅力とクセのある役者がそれぞれのキャラクターを見事に演じきっている。恐らく協同監督に原作者フランクミラーがいるためだろう。原作者がキャラクターの本質を徹底的に役者に仕込んだものと思われる。原作者を協同監督にできたのもこの映画の高評価の理由だろう。 また、この世界はバイオレンス溢れる罪深き街を描いているが、このバイオレンスさが全く下品に感じないのも良かった。これは恐らくコミック的な良さ(マーブは何度轢かれても死なない等)を活かしているからではないか。コミック的なものがこの世界を覆っているため、我々の世界とは違う別次元の世界と感じられるからグロさや下品さをあまり感じないのではないか。 【以下完全なネタばれ】 この映画は、ハーディガン(ウィリス)とマーヴ(ローク)とドワイト(オーウェン)の三人の男達(と女達)のストーリーであるが、それぞれのストーリーに深い意味を感じる。 自分を見失うことなく8年を耐え得ることができたハーディガンは、自分を生かしてくれた女を生かすために死んでいった。また、一晩限りでも女の温もりや愛を感じさせてくれた天使の復讐のためにマーヴは死んでいった。 自分を生かしてくれるのも女であり、自分を死なすのも女である。男というものは、女のために生きも死ぬもするという哲学が、この映画に一本筋を通している。 また、愛する女を守るために戦う男ドワイトのストーリーには、女のために男は必死にもなるが、女自身も守られるだけではなく、戦う強さも持ち合わせているということを感じさせた。この主演三人も素晴らしいキャラクターだったが、脇役のイエローバスタードとケビンも女と間違った接し方しかできない悲しいキャラクターではないだろうか。また、男をこうも動かす女の魅力を、ナンシー、ゴールディ、ルシール、ゲイル、ベッキー等々が存分に示してくれた。どう考えても美しくないデボン青木でさえ、魅力を感じてしまうのもこの映画の魔力だろう。
[映画館(字幕)] 9点(2005-10-02 03:14:27)(良:1票)
25.  シンデレラマン 《ネタバレ》 
各試合白熱し、手に汗握りブラドックを応援し、彼の戦う姿にはそれなりに感動したので、悪くはないと断定できるけど、なんというかやっぱりロンハワードらしいなという感じ。 こんな例えを出してもここでは理解できる人は恐らく1割もいない気がするけど、柴田ヨシトミジョッキーみたいな気がする(分かる人だけ分かって欲しい)。 とにかく教科書的というか、公務員的というか、真面目なんだけど、思い切りのよさや冒険や攻めがなく、観ている者に面白みや驚き、サプライズを感じさせない。おっと思ったのが、試合が終わったのと同時に次の試合が始まっているという流れくらいか。あとはほとんど既視感を感じるシーンばかりだ(確かにサプライズで勝負する映画ではないのは分かるけど)。 演出に関して一点、自分で整理が付いていない問題がある。確かラスキー戦だったと思うけど、肋骨を怪我して、立っているのもしんどいという状態のときに、家族のことを思い出して相手に向かっていったようなシーンがあったと思う。まさにミルクのため、息子との約束のために戦うブラドックらしさを感じる演出ではないだろうか。 しかし、対ベア戦の際には、ブラドックが息子や娘、妻を想うシーンがなかったのをどう受けとめればよいのか自分では整理が付かない。 対ラスキー戦ではなく、対ベア戦の際に、家族のことを思い出すシーンがあれば、彼が戦う意味や彼が倒れることなく必死に戦う原動力を観客は再認識しながら応援することができるような気もする。他方、そんなシーンを入れなくてもブラドックが戦う意味は、母親に反抗して立て篭もってラジオにかぶりつきながら応援してくれる子どもたちや教会に集まった人々を映すことによって、観客は感じることができるので、改めてそんなシーンを入れるのは野暮ったいような感じにもなる。むしろ、ベア戦ではそんなシーンを入れるのは蛇足であり、ブラドックががむしゃらになる姿を映すことにより、ロンハワードは観客が自然とブラドックが戦う意味を感じ取るせるという流れに導くことにしたのだろうか。 しかしながら、試合のシーンが迫力がありすぎて途切れることなく続くので、かえって親子愛や夫婦愛、友情といったテーマがやや影を薄くしていないかという気がする。試合の途中でどっかでぶった切って、観客の試合への集中力を落とすというのも、考えられなくはない演出ではないだろうか。
[映画館(字幕)] 7点(2005-09-19 23:07:40)(良:1票)
26.  人生は、時々晴れ
どんよりとした曇りがちな表情があふれる中で、いったい、いつになったらこの人たちの人生や表情は晴れるんだと我慢しながら観ていたら、やっぱりさすがにマイクリー、ラストは非常に上手く締めてくれますね。このラストのまとめ方は素晴らしいの一言。 自分にはファミリーがないので、それほどジャストフィットしなかったけど、中年夫婦ややや家庭危機があるファミリーが観れば、もの凄く感動するんじゃないかなと思われる映画であった。 とにかく、家族がいるにもかかわらず「孤独を感じた」という言葉は胸を刺す。 家族の在り方、夫婦の愛、人と人との向き合い方など、観て良かったなと思える映画であった。 確かに、役立たずかもしれないけど、自分への愛も尊敬も何もなければ、家族である意味はないな。
[DVD(字幕)] 6点(2005-07-18 02:32:06)
27.  ジョンQ-最後の決断-
本来なら銃で脅して監禁しているジョンQが「悪」のはずなのに、ラストに至っては「ヒーロー」扱いされるという逆転が新鮮だった。 それでは真の悪とは何だったのか? 映画では一応、「病院」「警察」「マスコミ」等がジョンQとの対立軸にはなっている。 金儲けのためにしか動かない病院、市民を守るとの主張から犯人を撃ち殺してもかまわない、それが選挙のためにもなると考える警察、視聴率のことしか考えずにスクープを狙うマスコミ。 これらもいわば「悪」とも考えられるが、真の悪は役に立たない保険制度であり、金がなければなんともならない世の中に対する怒りが込められている。 この映画には「悪」が実物として存在しない点で実に面白い設定だと思う。 ただし、社会・保険制度への怒りという狙いは感じられても、息子を助けたい一心から来る父親の無鉄砲な行動に対する「答え」にはハリウッド的な甘さを感じずにはいられない。 「大丈夫、血液型が同じで心臓が肥大しているから大人の心臓でもちゃんと適合する」「よし分かった、手術しよう」というのはいくらなんでもムチャクチャだろう。このあたりは上手く処理しようと思えば出来たはずだ。 ジョンQの自殺前に、また息子の死の直前にドナーが現われるという偶然性。 自分の替え玉を利用し手術を見守る二人…確かに感動的だが果たしてそれで良いのか。 彼の行動には非難される点はなかったのだろうか。 自分も結構感動したクチなのだがどうにも脚本の甘さには参る。 自分には真のヒーローは手術を成功させた外科医だと感じる。 自分のキャリアを犠牲しても息子を助けるためジョンQから心臓を摘出しようとしていたし、監禁され疲労があるにもかかわらず最後まできちんと息子の手術を成功させた彼こそが真のヒーローだろう。 ジョンQの息子のことを一言「好きさ」と語ったのも見逃せない。 残酷なストーリーだが、ジョンQには死んでもらって、適合せずに一回目の手術は失敗。 すぐにドナーが見つかり最後にあの外科医が救うというストーリーでも良かったかなと思う。 あの外科医にはもっと光があたっても良かったのではないかという気がする。
7点(2005-02-13 23:58:35)(良:1票)
28.  ジャッカス・ザ・ムービー 日本特別版 《ネタバレ》 
観る前からそこそこ期待はしていたが、期待以上の面白さ! たぶん今年一番、映画館の中で爆笑した映画だと思う。 こういうバカバカしい映画は、気の合う野郎が集まって家で観るか、映画館の中で他の観客と一緒に盛りあがりながら観るに限る。 個人的には「手の方やっちまえば、足の方なんて忘れるって」というのがかなり笑った。 全体的にそういう楽観的なノリがかなり好きだな。 後は「ワサビでらりる」は衝撃的すぎた。 あれをやるという発想自体が考えられず、凄すぎだと思う。 観客を楽しませたいというのはモチロンあると思うが、やっている本人や周りの人達も凄く楽しそうにやっているのがかなり好感を持てる。 気を失ったり、腹に銃弾を受けて内出血していたり、アタマ何針も縫ったりしてシャレになってないのとかも色々あったけど。 そして、日本人も中にはいたけど、周囲の一般人もシャレが分かっている人が多いなと感じた。 ボクサーのチャンピオンとか何人かは分かってない人もいたけど。 特に、あの息子の両親だけあって二人の反応には笑わせてもらった。 本場のプロは、やっぱりバカと下品さはケタ違いだった。 下品さはかなり度が越えてるとは思うが、あの程度なら自分的には一応笑える範囲だった。 しかし、子どもと女性には絶対見せられないな、面白すぎるけど。
8点(2004-12-19 22:55:14)
29.  JSA
大の大人たちが子供のようにはしゃぎながら遊ぶ姿に深い意義がある、見る人によってはあの場面に複雑な想いを感じるのではないか。 そんな些細なことすら出来ない越えられない一線が二国にはあるのだろう。 日本に暮らしている我々には少し理解できないモノがあるが、南北分断のことを考える手助けになる本作はなかなか意義深い作品である。 人間として育むことが出来る彼らの友情も、南北分断という歴史に翻弄され一瞬のうちに敵となってしまう悲劇がある。 双方が銃を容易に降ろすことが出来ないのも、二国の関係をそのまま表している気がする。 ソンガンホのように冷静に中に割って銃を降ろすように仲裁してくれる国があれば良いのだが。 そして4人のうち3人が死んでしまう結果が心に痛い、現場で死んでしまった絵が好きな彼はやむを得なかったとしても、親友を死なせてしまった他の二人は離れていてもそれぞれが幸せに暮らすことはできなかったものかと感じる。 訳の分からないうちに親友を撃ち殺してしまった結果だけは過程がどうであれ変えられない現実として自分に残る、その後悔のなかで生き続けることは出来なかったのだろう。 あの緊迫した場面の中で一人だけ冷静に行動できたソンガンホは一人、孤独の中で何を想うだろうか。 事実が公にならないよう皆が揃った部屋で暴れた彼の行動が優しい。
8点(2004-11-03 23:56:43)
30.  シークレット ウインドウ 《ネタバレ》 
まあキングの原作の映画化ということで、だいたい予定通りで予想通りの作品に仕上がったといった感じ。 デビッドコープの初監督ということで期待していたが、良くも悪くも無難な仕上がり。万人向けの映画になってしまっている。 脚本家として高い地位があるんだから、もう少し個性を出したり、冒険をしてもいいんじゃないか。せっかく監督やるんだから。 一方、デップは相変わらず小技を多用しながら、いい演技をしていたと思われる。 彼が演じてなければ、どんなにつまらん映画になっていたことか。 しかし、多重人格のネタばらしのシーンはもっとうまく演出して欲しかった。 デップ本人がもっとコンフューズしてくれないと、観客もコンフューズできないだろう。 その一歩手前でいきなりネタをばらされてしまった印象、デップもすんなり受け入れているのがやはり問題。 一体何が起きているのか誰も分からないというようにしないといけない、他のレヴューを見る限り丸分かりだったようなのでそれはマズイだろう。 順序を変えた方が良かったんじゃないか。 自分が多重人格と気づいた後に、妻を殺しているが。 妻が殺された後に、自分が多重と気づいた方がもう少し衝撃が強いと思う。 肝心の小説ももう少し丁寧に扱った方が良いだろう。観ていてもどういう内容の小説がイマイチ伝わりづらい。 渋谷で映画を観たのだが、観ている最中にでかい地震が二発ほど来て、結構観客がざわついていた。 ちょうどクライマックスに差しかかっている所に地震が来たので、思いっきり揺れながらも必死に映画を見るという体験だった。 たぶん、この映画は自分にとっては内容よりも地震があったという印象しか将来残らないだろう。
6点(2004-10-24 04:02:39)(良:1票)
31.  ジェリー
特にストーリーもなく、二人の男が荒野をさまよう映画。 監督の意図がなんにせよ、観客が自由にこの映画を解釈してもいいだろう。 自分は勝手ながら、この映画を「人生」に置き換えてみた。  人生もいわば目的地も何も分からずに、解決する術も持たずにただひたすらさまよう、どこに辿りつくかも分からずに。 人生という荒野をさまようためにはパートナーが必要だろう、だから男と女二人で歩き始める。 実話のベースであり、サントがあれなんで二人の男という設定だが、これが男と女だったらもっと面白いだろうな感じる。  あるシーンでは、一人は降りれない岩に勢いで登り、オマエのせいでこうなったと叫ぶ。 もう一人も助けるフリはするが、どうにも助けようにも助ける気にはなれない。 やむなく一人は自分の力で解決するというシーンがある。 人生もこのようなものではないかという気がする。 勢いで物事を推し進め、どうしようもない困難にぶちあたったら、とりあえず人のせいにしてみる。 他人も助けてくれそうにみえて、実際には親身には助けてはくれない、やはり自力で解決するしかない。 これが現実の夫婦のような二人なら、そのような二人に入ったささいな亀裂は徐々に大きくなる。 そして会話もなくなる二人。 もっとも映画のような状況なら、どんなセリフが適切か考えてみたがやはり無言しかないだろうな。  一番好きなシーンが夜の暗闇をひたすら明かりもなしに歩くシーン。 自分が今どこにいるのか、どこに向かっているのかも考えずにひたすらがむしゃらに前に進むことしか考えられない状況に陥る。 そして散々さまよったあげくにどんな風に歩いてきたかを話し合う二人…だがもう物事が解決できる状況にはない。  そしてラスト。 冷静になれば問題を解決できたであろう二人が取った行動。 人生にもこのような状況があるはず、しっかりと周りを見れば解決できたはずなのに周りが見れなくなっているから解決手段が分からずに何の解決にならない解決方法を取るしかなくなっている。 この映画に点数をつけるのは難しいが、色々と人生のことを考えることが出来たのが収穫だった。 
8点(2004-10-03 00:23:46)
32.  シュレック2
前作が「人間を見かけで判断するな」ということなら、今回は「見かけがどんなに良くても大事なのは中身」ということを描いたようだが、相変わらずこの映画には肝心の中身が伴っていない。 パロディとか随所に見られるブラックな笑いは前作に引き続きふんだんだが、ドタバタと歌でかなりごまかしている部分が多い。 歌はまあ個人的には好きだからいいんだけど、それにしても主人公シュレックに魅力はあるんだろうか。 〇見かけは悪くても人一倍優しい〇見かけは悪くても愛する人を想う気持ちは誰にも負けない〇見かけは悪くても勇気がある、自分だったらこのような外見とのアンバランスを狙った設定にすると思うんだが映画のシュレックには何も魅力が感じられない。 相変わらず外見にコンプレックスを抱いているいじけた緑の生物にしか写らない。 ビッグクッキーとともに城に攻め入ったけど、今回見せ場がないんだよなあ。 結局、魔女倒したのはパパだし、外見を決めたのはフィオナだし。 設定も今回せっかくイケメンになったんだから、若い女性のちゃんとしたキャラを入れても良かったと思う、キャサリンゼタジョーンズかレニーゼルウィガー辺りで、シュレックを揺さぶるキャラがいたら面白かったんだが。 今回シュレックとフィオナの絡みも少ないし、ドンキーとのやり取りもちょっとイマイチ、猫も酒場での独り言には笑ったがラスト意外それほど出番がなかったしな。 個人的にはまだ前作の方が良かった気がする。
4点(2004-07-19 04:32:19)
33.  シュレック
見かけだけで人を判断するなというテーマと同時に「オレが世間を避けているんではない、世間の方がオレを避けてるんだ」と知らない間に周りと壁を作っているシュレックの人や社会への接し方は現代にも当てはまるような気がした。 結局は、自分ことを一番醜いと思っていたのが自分なんだろうなと感じる。 それを救ったのはドンキーなのではないか。 ドンキーの友情がシュレックの心の孤独の闇から救ったと思う。フィオナと上手くいったのもドンキーがいたからこそだろう。 風船交換等のシュレックとフィオナのバカップルぷりも確かに良かったが、難を言えばやはりストーリーが浅過ぎると言わざるを得ない。 もうちょっと身分や立場は違うけど本当の愛とは何か、本当の強さとは何か、本当の勇気とは何かを描ければだいぶいい作品になっただろう。 そして「本当の自分のことを知りもしないで」と玉ねぎを引用してシュレックは語っていたけど、シュレックの良さはそれほど感じられないし、描かれてはいなかったと思う。
5点(2004-07-17 18:55:02)
34.  シービスケット
人生の壁にぶつかる度に人は強くなれるということを強く感じました。 ストーリーの進め方は時代の背景と実話ベースにエピソードをたんたんとつなげているだけのような気がしますが、逆にそれが狙いのような気がします。 あえて感動を押し付けるような創りをすることよりも、しっかりと背景を描くことや客観的な眼で創ることによってじんわりとした感動を呼び込んでいる。 ハワード達がウォーアドミラルとの勝負にこだわったのは、不況で苦しむ沈んだ人たちに弱くても立ちあがれる強さと希望を人々に示したかったのかなと感じました。 競馬は筋書きのないドラマだから、いつの時代でもどの国でも人々は熱狂するんでしょうね。競馬は勝つことで感動を与えるものだと思っていたが、今の日本には負け続けることで人々に感動を与える馬がいるというのは驚きであり、奥の深さを感じます。
8点(2004-06-25 14:44:39)
35.  真珠の耳飾りの少女 《ネタバレ》 
一枚の名画から、隠されたストーリーを妄想するという試みはとても面白いと思う。原作者は名画「真珠の耳飾りの少女」から、画家(家主)とモデル(使用人)の禁断の愛を導き出したようだ。この二人は決して認められる関係ではない。もし、使用人に手をつけてしまったら、ライフェンと同じように悪名が噂されてしまうことになる。画家としては、致命傷にもなりかねない。 また、6人(まもなく7人)の子どもをもつ父として、嫉妬深い妻をもつ夫として、家庭を実質的に支配し厳格な威厳を醸し出す姑をもつ立場の弱い夫として、使用人を愛することも、使用人に手をつけることができない。そんな苦悩が、寡黙なフェルメールからはしっかりと感じられた。使用人のグリートも、同様に画家フェルメールに魅力を感じていたが、使用人という立場や、男を誘惑する術を知らないことから、どのような対応をとってよいか分からない感じをヨハンソンが熱演していた。 愛を成就できない彼らが選んだ方法は、「描くこと・描かれる」ことだ。肉体的ではない、精神的な意味での愛が描かれている。描くこと、描かれることで、お互いの気持ちを確かめ合った。「心まで描くの?」という言葉には、グリートのフェルメールを想う気持ちを見透かされてしまったことを表している。それをフェルメールが描くことで、彼女の愛に応えたのだろう。画を描く際の二人のやり取りにも、付加的な意味が加えられている。頭巾を取れというのは、「服を脱げ」と言っているのと同じような意味をもっており、グリートが頭巾を取る様子をフェルメールが覗き見しているのは、着替えのシーンを覗いているようなものである。ピアスの穴を開けるシーンは、他のレビュワーが言われているような意味があることは言うまでもない。若いグリートが、精神的な愛に満足できず、キリアンマーフィーの下へ駆けつけ、肉体的な愛を求めたのは、まさに代替的な意味をもち、フェルメールとグリートの関係が精神的な愛であったことの裏返しに過ぎない。 フェルメールのアトリエ前で別れを告げようか悩むグリートの姿は美しい。一方、フェルメールはじっと待ち構えるしかなかった。彼は誠実な対応は取れなかったが、愛の証として、真珠の耳飾りをグリートに送ったのは、唯一の誠意だろう。 なかなか面白いストーリーではあるし、フェルメールの絵画を切り取ったかのような演出方法は素晴らしいの一言である。
[映画館(字幕)] 6点(2004-06-25 14:41:23)
36.  白いカラス
テーマもいい、演技もいい。 でも全く物足りなく感じるのがこの映画の特徴。  さして大きなドラマがあるわけでもないし、悲劇というわけでもない。 「人間の心の傷」という極めて深く抽象的なテーマを映画化するのにはもうちょっと脚本をどうにかするか、演出家の力量が問われることになるだろう。 アカデミー賞監督には失礼な話だが、他の人がとればもっと良かったような気がしてちょっと惜しい気がした。  どんなに頑張っても秘密がなくなるわけでもないし、傷が癒えるわけでもない、孤独になりたくてもどんなに絶望しても、人はどうしても誰か他人に寄り添って生きていくしかない。 人間は一人では生きてはいけない、そういう人間の複雑な感情、心の裏側を演出するってのは本当に難しいんだろうな。  告白後の若かりしのシルクと年老いたシルクの対比は良かった。 帰りの電車で目も合わせず微妙な距離を置いて帰った若い二人と言葉は無くても安心して寄り添って帰る車の二人。 相手の傷を理解し癒せるのは本当に心の傷を知っている人ではないと無理なんだろうか。
5点(2004-06-25 14:24:02)
37.  小説家を見つけたら
問題になった小説と同じように、書き始めは同じでも、途中から全く違う話になったという風にしたかったんしょうかね。ただグットウイルの書き出しで違うストーリーを描こうとしたら、それがセントオブウーマンになってしまったのが問題なんだけど。しかし本作を単体で見れば評価はまあまあ出来る映画。家族の問題や癌のため、自分を閉ざしていた文豪が青年との出会いで立ち直り、再び世間へ心を開き、青年の将来ある未来が閉ざされてようとしている時に文豪が「友情」という鍵で扉を開けてやるというすがすがしい気持ちにさせるストーリーにはなっている。確かにあの演壇での手紙はぼやかさずにじっくりと聞きたかったのは正直なところだが。
8点(2004-03-29 23:15:08)
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